| 【発明の名称】 |
植物標本の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井室 昭夫
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| 【要約】 |
【課題】原形原色を保存させた植物標本の製造に当たり、破損しやすい植物、作業に困難を覚える取扱いにくい植物でも、作業上の不便がなく容易に行うことができる方法を提供する。
【解決手段】破損しやすい植物等を脱水乾燥し、シアノアクリレートの溶液に浸漬して取り出し、乾燥した後、イソシアネートとアクリルポリオールの混合液に浸漬して取り出し、硬化させて被膜を形成させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 花びらあるいは葉の脱落しやすい植物、毛状の体の作りを持つ花、葉あるいは海藻、または脆い組織の茸類を脱水乾燥し、シアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液に浸漬して取り出し、これを乾燥した後、イソシアネートとアクリルポリオールの混合液に浸漬して取り出し、硬化させて被膜を形成させることを特徴とする植物標本の製造方法。 【請求項2】 シアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液のシアノアクリレートの濃度が10〜50%である請求項1に記載の植物標本の製造方法。 【請求項3】 イソシアネートとアクリルポリオールの混合液のイソシアネートとアクリルポリオールの配合割合が1:1〜1:6である請求項1または2に記載の植物標本の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原形原色を保持したまま固定脱水あるいは乾燥した植物を、樹脂加工して強固にすると共に、表面に酸化防止と防湿の効果を有する被膜を形成させて、原形原色の状態を永く保存する植物標本を製造するに当たり、特に脆弱で加工時に変形、破損しやすい植物や、作業に困難を覚える取扱いにくい植物に対して予備加工を加え、変形、破損することなく容易に製造できるようにした植物標本の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】原形原色を保存させた植物標本は、教育上のみでなく、植物病理学上の標本として必要なものであるから、各種の方法が検討報告されている。一般に、天然の植物を脱水乾燥するだけでは、長期に亘って天然の状態を保持して保存させることはおよそ不可能であることから、脱水乾燥処理した植物を透明樹脂に包埋する方法が行われている。 【0003】この透明樹脂に包埋して植物標本を製造する最も簡易な方法は、植物の表面に暖かい乾燥空気を短時間あてて表面のみを乾燥させ、そのまま直ちに包埋してしまう方法、または植物に50〜80%程度の砂糖液を含浸させて包埋する方法、さらには、凍結乾燥あるいは有機溶媒置換脱水の後、透明樹脂モノマーを含浸させ、次に、樹脂プレポリマーを含浸させ、これに硬化剤を加えた同じ種類の樹脂中に包埋する方法である。しかし、上記のような方法では、充分満足できる植物標本が得られないことから、これの改良方法も提案されている。例えば、特開昭57−77601には、植物試料内部に(A)ポリエステル樹脂および/またはアクリル樹脂と(B)スチレンモノマー、アクリルモノマーおよび多価アルコールより選ばれた1種または2種以上の混合物を浸透させ、次に、植物試料表層部にポリエステル樹脂および/またはアクリル樹脂と硬化剤の混合物を浸入させ急速にゲル化させた後、透明注型用樹脂に包埋する植物標本の製造方法が開示されている。 【0004】脱水乾燥処理した植物を、上記のように透明樹脂に包埋することなく、植物標本を製造する方法としては、脱水乾燥処理した植物の表面に、酸化防止と防湿の効果を有する被膜を形成させることである。その方法として、本発明者は、適宜に脱水乾燥した植物を、イソシアネートを溶媒に溶解した溶液に浸漬した後、乾燥させることによって、植物の体内に取り込まれたアルコール類を、その場所において固化させ、また、その時同時に植物の繊維とイソシアネートが固く結合した被膜を形成させ、原形原色の植物標本を得る植物標本の製造方法を開発実施した。 【0005】上記の植物標本の製造方法において、適宜に脱水乾燥した植物を、イソシアネートを溶媒に溶解した溶液に浸漬した後、これを引き上げると、花や葉などの部分がイソシアネートを溶媒に溶解した溶液中において、僅かに固くなるのが確認された。この反応は、植物体に含まれるアルコールや残存水分によるものと考えられるが、脆弱な種類の植物を扱うときには有利なことであった。しかし、上記の植物標本の製造方法においても、花びらあるいは葉の脱落しやすい植物では、その脱落の防止が容易ではなく、また、毛状の体の作りを持つ花あるいは海藻では、イソシアネートを溶解した溶液に浸漬して引き上げると、脱脂綿を水から引き上げたときのように萎縮してしまい、作業が極めて困難ととなり、さらに、脆い組織の茸類では、変形あるいは破損しやすいため作業が不便である等の問題がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような植物標本の製造方法において、花びらあるいは葉の脱落しやすい植物、毛状の体の作りを持つ花、葉あるいは海藻、または脆い組織の茸類であっても、作業上の不便がなく容易に行うことができる方法を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記のように、植物標本の製造方法において、適宜に脱水乾燥した植物を、イソシアネートを溶媒に溶解した溶液に浸漬すると、花や葉などの部分が僅かに固くなるのが確認されたのであるが、本発明者は、このイソシアネートを溶媒に溶解した溶液の代わりに、シアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液を用いて行ったところ、イソシアネートを溶媒に溶解した溶液の場合よりも遙に早く、また、さらに固くなることが確認され、花びらあるいは葉の脱落しやすい植物、毛状の体の作りを持つ花、葉あるいは海藻、脆い組織の茸類においても、なんら作業上の不便がなく容易に植物標本が得られることを知り、本発明を完成するに至ったのである。 【0008】すなわち、本発明は、花びらあるいは葉の脱落しやすい植物、毛状の体の作りを持つ花、葉あるいは海藻、または脆い組織の茸類を脱水乾燥し、シアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液に浸漬して取り出し、これを乾燥した後、イソシアネートとアクリルポリオールの混合液に浸漬して取り出し、硬化させて被膜を形成させることを特徴とする植物標本の製造方法である。本発明は、特定の植物を対象とした植物標本の製造方法であるが、本発明が対象とする植物は下記のとおりである。 【0009】■ 花びらあるいは葉の脱落しやすい植物花びらの脱落しやすいものは極めて多く、 例えば、キク、ダリア、サクラ、ツバキ、コメツガなどである。花びらの脱落しやすいサクラは、特定の科に存在するものではなく、品種によるものである。同じサクラでも、ダイカンザクラは丈夫であるが、その近縁のカワズザクラは極めて花びらが散りやすいものである。葉の脱落しやすい植物は針葉樹などにある。 ■ 毛状の体の作りを持つ花、葉あるいは海藻これは、ニセアカシアの花、ワタスゲの花、針葉樹の葉、海藻のユカリ、ハネモなどであり、これらのうち針葉樹以外のものは、樹脂液に浸漬してから引き上げると、脱脂綿を水から引き上げたときのように萎んでしまい、針葉樹の葉は、葉本体は丈夫であるが、根元が柔らかいので、樹脂液に浸漬してから引き上げると、筆の穂先のように纏まってしまうものである。 ■ 脆い組織の茸類これは、ササクレヒトヨタケ、イヌセンボンタケ、ニガクリタケ、キララタケなどで、朽ちた木なども同等であるが、これらは、樹脂加工時に破損しやすいのである。 【0010】上記の植物を先ず脱水乾燥するのであるが、植物の中には、自然にドライフラワーとなるものがあって、ムギワラギク、ローダンセなどの花や、トクサ、シダの中の数種、苔類その他には、風乾、熱風乾燥などの自然乾燥およびそれに近い方法で、原形原色をほとんど損なうことなく乾燥することができる。しかし、多くの植物は脱水乾燥処理を施さなければならない。この際、脱水乾燥する方法は特に限定されるものではなく、植物標本の製造において一般に行われている脱水乾燥方法を採用することができる。その脱水乾燥方法には、真空乾燥法、凍結乾燥法、シリカゲル包埋法、アルコール類あるいはアセトンによる脱水法がある。この脱水乾燥方法の概略について記載すると、次のとおりである。 【0011】■ 真空乾燥法風乾または熱風乾燥では色は変わりやすいが、形は崩れにくいものが適する。これは、マツ類、多くのシダ類、苔類などに多く、花ではベニバナ、ホシクサなどである。アカマツを例に取ると、常温で400〜2000パスカルで1〜2日乾燥すると、緑色が茶色に変わることなく、また、針葉が縮むことなく乾燥することができる。 【0012】■ 凍結乾燥法真空乾燥では形が崩れてしまうものに有効である。また、変色に対しても、単なる真空乾燥より有効であるので適用範囲は広い。カトレア、キク、バラ、その他緑葉、紅葉の多くのものが適用可能である。殊に茸類、藻類などは、ほとんど全てのものが適用可能であるということができる。一例としてベニタケを挙げると、ベニタケを−60℃で急速凍結した後、1〜10パスカルで凍結乾燥を3〜4日間行うと、原形原色の乾燥ベニタケが得られる。 【0013】■ シリカゲル包埋法これは極めて古い方法の改良法である。生の植物を焼砂に埋めて乾燥することは、古くから行われていたが、焼砂の代わりに、より吸湿力が強いシリカゲルを用いる方法が提唱され、それが一般化されてきたのである。適用範囲は多肉質のものを除けば極めて広く、手法としても簡便であるので、多くの植物に利用されている。例えば、ツバキの花を枝ごとシリカゲルの粉末に埋め、数日後に砂を払って取り出すと乾燥品が得られる。 【0014】■ アルコール類あるいはアセトンによる脱水法シリカゲル包埋法では、黒変してしまう植物があり、また、キクの花のように花びらの結合が弱く、砂粒から取り出す時に、その機械的抵抗で花びらが取れてしまうもの、花の形が複雑で、乾燥時に付着した砂粒を取り払うのに困難なものなどがあるが、このような植物にアルコール類あるいはアセトンによる脱水法を用いると有効である。例えば、スズランはシリカゲルに埋めると黒変してしまい、また、壺状の花の中に付着した砂は取り払いにくいが、このスズランをアルコールに十分〜数十分浸漬した後、乾燥すれば原色の乾燥スズランが得られる。ただし、浸漬時間が長すぎると、緑色が溶けだすなどの不都合が起きるので、浸漬時間を適当に取るためには、個体に応じて決める必要があり、経験と熟練を要する。 【0015】デントロビューム類は冷アセトンに浸漬して脱水し、その後、乾燥して仕上げる。デントロビューム類はアルコール脱水すると、脱色してしまうものが多いが、アセトンでは脱色することはない。海藻のコンブはグリセリンまたはエチレングリコールに浸漬して水分を置換すると、柔らかさを残した脱水物が得られ、保存性が良くなる。藻類はアルコールやアセトンでは緑色が脱色する(葉緑素が容易に溶けだす)が、グリセリンまたはエチレングリコールによればその心配はない。 【0016】原形原色を保持した乾燥植物を得る目的で、真空乾燥法、凍結乾燥法、シリカゲル包埋法などによって脱水乾燥した植物は、乾燥物といっても、少量の水分は残存させているものである。また、脱水にアルコール類あるいはアセトンを用いたものでは、脱水完了後、加熱乾燥などを行っても、植物体内にはアルコール、アセトンの微量が残存しているのが普通である。このような少量の水分あるいは微量のアルコール、アセトンの残存は、植物標本の製造においてなんら問題はない。あまりに過度な完全脱水乾燥は、変色や破損をもたらすので、そこまでは出来ないのである。例えば、通常行われている加熱乾燥による完全乾燥の条件の105℃、15分間を実施すれば、変色してしまうのは当然であるが、60℃程度の無変色領域でも、あまりに長時間これを行うと、結合の弱い花びらなどは脱落することが多い。 【0017】次に、上記のように脱水乾燥した植物をシアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液に浸漬する。シアノアクリレートの溶媒としては、粘度が低く、シアノアクリレートと反応しないものであれば、いずれも使用できるのであるが、酢酸エチル、酢酸ブチルなどは植物色素を溶出させることが少ないことから、特に好ましいものである。この際、シアノアクリレートの濃度は10〜50%程度、あるいはそれ以下が好ましい。シアノアクリレートの濃度が50%より高くなると、浸漬した植物を取り出した時に、植物表面に被膜を作ってしまうほど過剰になるが、この被膜は、原色を保存するにはあまり効果がなく、この被膜の上に、次の工程で色、形を保持するためのイソシアネートとアクリルポリオールの被膜を作ると、被膜が分厚くなりすぎ、仕上がりの質感を損ねる。 【0018】また、溶媒が粘度の高いものであると、シアノアクリレートの濃度が薄くても、上記と同様の結果となってしまうので好ましくない。シアノアクリレートは植物の形を保持する最小限度に止めておき、次の工程でイソシアネートとアクリルポリオールの混合液が、その植物体にしみ込む余裕がある程度にしておく必要がある。シアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液に植物を浸漬する時間は、数分〜十数分程度が好ましく、数十分ともなると、特殊な場合を除き植物体内の油溶性色素が溶けだすので好ましくない。 【0019】上記のようにシアノアクリレートを溶媒に溶解した溶液に浸漬した後、これを取り出して乾燥を行う。この乾燥は、処理植物に悪影響を及ぼさないように乾燥すればよく、特定の方法を必要とするものではない。通常は真空乾燥、あるいは60〜65℃の熱風乾燥を行う。上記のように乾燥したものを、イソシアネートとアクリルポリオールの混合液に浸漬する。この際、イソシアネートとアクリルポリオールを配合するに当たって、イソシアネートの量を多くすると硬く仕上がり、少なくすると柔らかくなるので、所望に応じて選択すればよいが、1:3程度が好ましく、1:1では硬く仕上がり、1:6では柔らかい被膜のものが得られる。 【0020】この混合液は、溶媒で希釈しないと粘度が高すぎて、植物の浸漬処理に不便を来すので、少なくとも混合液の20%に相当する溶媒を加えるが、通常は50%前後加えて希釈する。溶媒は通常用いられるものであればよく、特に限定されるものではない。上記混合液に浸漬する時間は、対象植物により多少差異はあるが、通常は数分でよく、要はイソシアネートとアクリルポリオールの混合液が十分にしみ込めばよいのであるが、浸漬時間が長すぎると、植物色素が溶媒中にしみ出すので、短い方が好ましい。 【0021】上記のように浸漬した後、取り出して硬化させ、被膜を形成させるのであるが、通常は60℃程度の温度で数時間保持すれば、浸透した上記混合液が硬化し、植物体表面に被膜が形成される。この際、製品強度や空気あるいは湿度の遮断をさらに必要とするときは、上記植物体表面に形成された被膜の上に、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを塗布して仕上げることができる。 【0022】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 【実施例1】キク(小ギク)を常温において、400〜2000パスカルで24〜48時間真空乾燥し、シアノアクリレート20部を酢酸ブチル80部に溶解した溶液に10分浸漬した後、60℃で2時間乾燥する。これをイソシアネート10部とアクリルポリオール30部を酢酸エチル60部に溶解した溶液に10分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0023】 【実施例2】コメツガを2日間シリカゲル包埋で乾燥した後、付着したシリカゲル粉末をアルコールで洗い落とし、45〜50℃で30分乾燥し、シアノアクリレート10部を酢酸エチル90部に溶解した溶液に浸漬した後、40℃で1時間乾燥し、さらに60℃で3時間乾燥する。これをイソシアネート10部とアクリルポリオール10部を酢酸エチル80部に溶解した溶液に5分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0024】 【実施例3】シロツバキをイソプロパノールに30分浸漬して脱水した後、3〜5時間赤外線乾燥し、シアノアクリレート30部を酢酸エチル70部に溶解した溶液に10分浸漬した後、60℃で3時間乾燥する。これをイソシアネート10部とアクリルポリオール30部を酢酸エチル60部に溶解した溶液に5分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0025】 【実施例4】ユカリをイソプロパノールに15分浸漬して脱水した後、60℃で15分乾燥し、シアノアクリレート35部を酢酸エチル65部に溶解した溶液に10分浸漬した後、赤外線ランプで1時間乾燥する。これをイソシアネート15部とアクリルポリオール25部を酢酸エチル60部に溶解した溶液に2分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0026】 【実施例5】ハネモを10〜20パスカルで48時間凍結乾燥し、シアノアクリレート20部を酢酸エチル80部に溶解した溶液に5分浸漬した後、60℃で1時間乾燥する。これをイソシアネート15部とアクリルポリオール15部を酢酸エチル70部に溶解した溶液に3分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0027】 【実施例6】ニセアカシア(ミモザ)を10〜20パスカルで24時間凍結乾燥し、シアノアクリレート10部を酢酸エチル90部に溶解した溶液に5分浸漬した後、60℃で30分乾燥する。これをイソシアネート10部とアクリルポリオール10部を酢酸エチルに溶解した溶液に2分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0028】 【実施例7】ワタスゲをアセトンに45分浸漬して脱水した後、赤外線ランプで50分乾燥し、シアノアクリレート20部を酢酸ブチル80部に溶解した溶液に10分浸漬した後、60℃で30分乾燥する。これをイソシアネート10部とアクリルポリオール10部を酢酸ブチル80部に溶解した溶液に2分浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0029】 【実施例8】ササクレヒトヨタケを10〜20パスカルで48時間凍結乾燥し、シアノアクリレート20部を酢酸ブチル80部に溶解した溶液に3分浸漬した後、40℃で2時間乾燥する。これをイソシアネート20部とアクリルポリオール20部を酢酸エチル60部に溶解した溶液に50秒浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0030】 【実施例9】実施例8のササクレヒトヨタケの代わりに、イヌセンボンダケ、ニガクリタケ、キララタケ、アヤニシキ(海藻)を、それぞれ実施例8と全く同様に処理して実施する。 【0031】 【実施例10】ギンリョウソウ(植物)をアセトンに5時間浸漬して脱水した後、赤外線ランプで1時間乾燥し、シアノアクリレート20部を酢酸ブチル80部に溶解した溶液に3分浸漬した後、40℃で2時間乾燥する。これをイソシアネート20部とアクリルポリオール20部を酢酸エチル60部に溶解した溶液に50秒浸漬して取り出し、60℃で3時間加熱して硬化させ、被膜を形成させる。 【0032】 【発明の効果】植物の原形原色を保持したまま脱水乾燥し、これを樹脂加工して強固にすると共に、表面に酸化防止と防湿の効果を有する被膜を形成させて、原形原色の状態を永く保持する植物標本を製造するに当たり、本発明によれば、花びらあるいは葉の脱落しやすい植物、毛状の体の作りを持つ花、葉あるいは海藻、および脆い組織の茸類のような脆弱で加工時に変形、破損しやすい植物や、作業に困難を覚える取扱いにくい植物でも、変形、破損することなく極めて容易に製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591180727 【氏名又は名称】井室 昭夫
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| 【出願日】 |
平成14年3月22日(2002.3.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068238 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 猛 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−277201(P2003−277201A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月2日(2003.10.2) |
| 【出願番号】 |
特願2002−79992(P2002−79992) |
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