| 【発明の名称】 |
防藻剤、防藻剤組成物および防藻方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】守田 聡 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田工業株式会社内
【氏名】常木 孝男 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田工業株式会社内
【氏名】永井 直宏 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】水系において、防藻効果、安全性に優れ、使用が容易な防藻剤およびそれを用いた防藻方法を提供する。
【解決手段】塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とを含有する防藻剤を水系に添加し、藻類を防除する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とを含有する防藻剤。 【請求項2】 塩素系酸化剤が次亜塩素酸またはその塩である請求項1記載の防藻剤。 【請求項3】 塩素系酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムである請求項1記載の防藻剤。 【請求項4】 塩素系酸化剤の有効塩素と、スルファミン酸および/またはその塩とのモル比が2:1〜1:5である請求項1ないし3のいずれかに記載の防藻剤。 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の防藻剤を含む防藻剤組成物。 【請求項6】 水系に、請求項1ないし5のいずれかに記載の防藻剤または防藻剤組成物を添加して、藻類を防除する防藻方法。 【請求項7】 水系への塩素系酸化剤の添加量が、水系中の有効塩素濃度として0.1〜1000mg/Lである請求項6に記載の防藻方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水系において藻類を防除する防藻剤、防藻剤組成物および防藻方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】冷却水系、河川、下水処理場、噴水、建築物の外壁など太陽光があたり、大気と接する水系においては、藻類(緑藻、藍藻、珪藻など)が発生し、場合によっては種々のトラブルを発生させる原因となる。 【0003】例えば、冷却水系において発生した藻類は、水中の微量の栄養源と空気中の二酸化炭素を利用して炭酸同化作用を営み、増殖し、冷却塔の充填材や散水板を覆うまでになる。これにより、冷却塔の冷却効率が低下し、また散水板が閉塞するなどして、冷却塔が機能できない状態に至る。また、藻類の生育によって発生した代謝物が水系に放出され、これらが冷却水中のBOD源を増加させることにより、微生物の増殖によるスライムトラブルを引き起こす原因となる。 【0004】このようなトラブルを回避するために、種々の防藻剤が使用されている。代表的な防藻剤としては、ジマジン、アトラジン、シメトリン、アメトリンなどのトリアジン系防藻剤、および3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系防藻剤が使用されている(農業の生理作用,p171,南江堂(1978))。 【0005】しかし、トリアジン系化合物は、その毒性や発ガン性が指摘され、人体や環境への影響が疑問視されるようになってきている。また、従来の防藻剤は、ハロゲン系の炭化水素化合物であることから、水系でのトリハロメタン系化合物の発生のおそれがあり、問題となる。さらに、従来の防藻剤は水に対する溶解性が低く、1w/w%(20℃)以下であるため、製剤化の際に多量の有機溶媒を使用する必要がある。そのため、水系に添加した場合、スライムの栄養源になってしまうなどの問題がある。 【0006】ところで、塩素系酸化剤、スルファミン酸および/またはその塩には水中生物に対する殺菌効果があることを示す報告(特公告41−15116号)は存在するが、防藻効果があることは知られていない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来の問題点を解決するため、藻類の防藻効果および安全性に優れ、水系における使用が容易な防藻剤および防藻剤組成物を提供することである。本発明の他の課題は、防藻効果および安全性に優れ、水系において容易に藻類の防除を行うことができる防藻方法を提案することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達成するために鋭意研究を進めた結果、水に対する溶解性が優れた防藻剤として、塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とが、極めて有効な防藻剤であることを見出した。 【0009】すなわち本発明は、以下の防藻剤、防藻剤組成物および防藻方法である。 (1)塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とを含有する防藻剤。 (2)塩素系酸化剤が次亜塩素酸またはその塩である上記(1)記載の防藻剤。 (3)塩素系酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムである上記(1)記載の防藻剤。 (4)塩素系酸化剤の有効塩素と、スルファミン酸および/またはその塩とのモル比が2:1〜1:5である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の防藻剤。 (5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の防藻剤を含む防藻剤組成物。 (6)水系に、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の防藻剤または防藻剤組成物を添加して、藻類を防除する防藻方法。 (7)水系への塩素系酸化剤の添加量が、水系中の有効塩素濃度として0.1〜1000mg/Lである上記(6)に記載の防藻方法。 【0010】本発明に用いられる塩素系酸化剤は、塩素系の酸化剤であれば特に限定されるものではないが、水に対する溶解度、コスト、取扱性、安全性等の面から、好ましくは次亜塩素酸またはその塩、さらに好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。次亜塩素酸ナトリウムの水に溶解度は少なくとも10w/w%(20℃)と高く、水系での使用に適しており、製剤化のために有機溶媒を使用する必要は無い。次亜塩素酸ナトリウムは、工業薬品として一般に流通している12%次亜塩素酸ナトリウムを用いることができる。 【0011】本発明に用いられるスルファミン酸またはその塩は、特に限定されるものではない。例えば、スルファミン酸、スルファミン酸アンモニウム等を用いることができる。スルファミン酸の水に対する溶解度は少なくとも10w/w%(20℃)と高く、水系での使用に適しており、製剤化のために有機溶媒を使用する必要は無い。また、ハロゲン系の炭化水素化合物ではないので、水系でトリハロメタン系の化合物の発生の心配をする必要も無く、安全性が高い。 【0012】本発明の防藻剤において、塩素系酸化剤の有効塩素と、スルファミン酸および/またはその塩の含有割合は、モル比で(塩素系酸化剤の有効塩素):(スルファミン酸および/またはその塩)が2:1〜1:5、好ましくは2:1〜1:2であるのが望ましい。ここで塩素系酸化剤の有効塩素とは、JIS K0101に準拠した残留塩素測定方法によって測定される塩素である。本発明の防藻剤は予め塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とを配合して一製剤として調製しておくこともできるし、使用する際に塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とを別々に二製剤として添加することもできる。 【0013】本発明の防藻剤組成物は、本発明の防藻剤が配合されており、使用形態に応じて液剤、粒剤、紛剤、その他公知の形態とした防藻剤組成物である。また、一製剤とする場合には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリを配合することにより、より保存安定性の良好な防藻剤組成物とすることができる。さらに必要に応じて、殺生物剤、増殖抑制剤、腐食防止剤、銅用防食剤、スケール防止剤、消泡剤、界面活性剤などを配合することができる。 【0014】本発明の防藻方法は、前記本発明の防藻剤または防藻剤組成物を水系に添加して藻類を防除する方法である。防藻剤または防藻剤組成物は、予め全ての成分を混合したものを水系に添加してもよいし、別々に水系に添加してもよい。処理対象となる水系としては、藻類が発生する水系であれば特に限定されず、例えば、冷却水系、廃水処理水系、排水処理系、河川などが挙げられる。 【0015】水系に使用する場合の防藻剤または防藻剤組成物の添加量は、塩素系酸化剤の濃度として0.1〜1000mg/L、好ましくは1〜200mg/Lであるのが望ましい。ここで、有効塩素濃度とはJIS K0101に準拠した残留塩素測定法によって測定される塩素濃度である。有効塩素濃度が前記範囲にある場合、水系のpHが3〜10程度の範囲で十分に藻類の防除効果がある。上記のようにして防藻処理を行うことにより、緑藻、藍藻、珪藻などの藻類を容易に防除することができる。 【0016】 【発明の効果】本発明の防藻剤および防藻剤組成物は、塩素系酸化剤と、スルファミン酸および/またはその塩とを含有するため、藻類の防除効果および安全性に優れ、水系における使用が容易となる。また、本発明の防藻方法は、塩素系酸化剤とスルファミン酸および/またはその塩とを含有する防藻剤または防藻剤組成物を使用するため、防藻効果および安全性に優れ、水系において容易に藻類の防除を行うことができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例における有効塩素濃度は、JIS K0101に準拠した残留塩素測定法によって測定された塩素濃度である。 【0018】実施例1スルファミン酸、アメトリン、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアおよび3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアの純水に対する溶解度を比較した。測定は、それぞれの化合物を10w/w%となるように純水に混合し、20℃で24時間撹拌した後、すべて溶解したかどうかを調べることにより行った。その結果、スルファミン酸は完全に溶解したが、それ以外は完全には溶解しなかった。さらに、純水に混合する量を1w/w%とする以外は同条件で測定を行ったが、アメトリンおよび3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアは完全には溶解しなかった。 【0019】実施例2防藻剤の防除効果を検討した。藻類を含む水系として、下水の二次処理水100mLをビーカーにとり、これに2箇所の冷却塔から採取した藻類A,B(藻類A:緑藻主体で、藍藻、珪藻を含むもの;藻類B:藍藻主体で、緑藻、珪藻を含むもの)をそれぞれ0.5g加えたものを用いた。これに、防藻剤(スルファミン酸100gを水500mLに溶解し、それに50%NaOH溶液を100mLを加え、さらに11.4%次亜塩素酸ナトリウム溶液400mLを加えて調製したもの)を表1の種々の有効塩素濃度となるように添加した。その後直接日光が当たらない北側窓辺に3日放置して、防藻剤濃度と藻類の関係について確認した。結果を表1に示す。 【0020】 【表1】
−: 試験開始時より明らかに藻類の減少(死滅)がみられる±: 試験開始時の状態と同じ+: 試験開始時より若干藻類の増加がみられる++: 試験開始時より明らかに藻類の増加がみられる【0021】実施例3100冷凍トンの実開放循環冷却水水系を対象として、適用テストを行った。試験は、防藻剤(実施例2で用いたものと同様のもの)を、水系に添加した後の水系中における有効塩素濃度が20mg/Lとなるようにバッチ添加して行い、添加する前の1週間と添加後の1週間をモニタリングすることにより、水系における防藻剤の効果を確認した。その結果、添加前1週間の期間は散水表面に藻類主体の緑色マットが付着していたが、防藻剤添加1週間後にはほとんどの緑色マットは消失して認められなくなった。 【0022】実施例4100冷凍トンの実開放循環冷却水水系を対象として、適用テストを行った。試験は、対保有水量当たり、10%スルファミン酸水溶液を2000mg/L、工業用次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素濃度12%)を2000mg/Lとを別々にバッチ添加して行い、添加する前の1週間と添加後の1週間をモニタリングすることにより、水系における防藻剤の効果を確認した。その結果、添加前1週間の期間は散水表面に藻類主体の緑色マットが付着していたが、防藻剤添加1週間後にはほとんどの緑色マットは消失して認められなくなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001063 【氏名又は名称】栗田工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿3丁目4番7号
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| 【出願日】 |
平成14年3月14日(2002.3.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067839 【弁理士】 【氏名又は名称】柳原 成
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| 【公開番号】 |
特開2003−267812(P2003−267812A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−70736(P2002−70736) |
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