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【発明の名称】 抗菌剤
【発明者】 【氏名】浜口 剛史
【住所又は居所】和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研究所内

【氏名】榊原 誠
【住所又は居所】和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】抗菌効果が高く、陰イオン性界面活性剤中でも分散安定性が良好である高分子の抗菌剤及びそれを含有する洗浄剤の提供。

【解決手段】一般式(1)で表わされる構造を有するポリマーからなる抗菌剤、及びそれを含有する洗浄剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(1)で表わされる構造を有するポリマーからなる抗菌剤。
【化1】

[式中、X1、X2、X3及びX4は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基を示す。Yは炭素数1〜22のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。R1、R2及びR3は同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基を示す。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、b個のAOは同一でも異なっていてもよい。aは0〜500の数、bは1〜100の数、cは1〜300の数を示す。T-はアニオンを示す。]
【請求項2】 一般式(1)で表わされる構造を有するポリマーが、aが0の交互コポリマーである請求項1記載の抗菌剤。
【請求項3】 請求項1又は2記載の抗菌剤を含有する洗浄剤。
【請求項4】 硬質表面用である請求項3記載の洗浄剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料や、金属、ガラス、陶磁器及びプラスチック等の硬質表面の洗浄に有用な抗菌剤、並びにそれを含有する洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カチオン系の抗菌剤には、塩化ベンザルコニウム等の低分子量のカチオン界面活性剤があり、特に最近は衛生に関する社会ニーズの高まりにより年々用途が拡大している。
【0003】低分子の抗菌剤は、洗浄系に用いた場合、対象物から洗い流されてしまい、効果が長く保持できないという問題がある。従って、抗菌剤を高分子量化する試みがなされており、例えば特開平09−077611号公報には、分子主鎖に抗菌効果の高いカチオン基をポリオキシアルキレン鎖で一定の間隔をあけて繰り返し位置させることにより抗菌効果が得られることが開示されている。しかし、ポリマー単独では抗菌効果を示すが、活性剤中ではその効果は低減してしまい、十分に満足できるものではない。
【0004】本発明の課題は、抗菌効果が高く、陰イオン性界面活性剤中でも分散安定性が良好である高分子の抗菌剤及びそれを含有する洗浄剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、細菌への吸着部位としてカチオン基を有し、細菌の表層を破壊する部位として疎水性部位を有し、更に陰イオン性界面活性剤中でも安定化するために、オキシアルキレン鎖を有するポリマーが、抗菌剤として有用であることを見出した。
【0006】即ち本発明は、一般式(1)で表わされる構造を有するポリマーからなる抗菌剤、及びそれを含有する洗浄剤、特に硬質表面用洗浄剤を提供する。
【0007】
【化2】

【0008】[式中、X1、X2、X3及びX4は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基を示す。Yは炭素数1〜22のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。R1、R2及びR3は同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基を示す。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、b個のAOは同一でも異なっていてもよい。aは0〜500の数、bは1〜100の数、cは1〜300の数を示す。T-はアニオンを示す。]
【0009】
【発明の実施の形態】[ポリマー]一般式(1)で表わされる構造中、疎水性部位として、X1、X2、X3及びX4はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。Yは炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜12のアルキレン基が更に好ましい。Yの具体例として、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等を挙げることが出来る。
【0010】オキシアルキレン鎖として、アルキレンオキサイドの平均付加モル数を示すbは、5〜50が好ましく、5〜30が特に好ましい。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、b個のAOは同一でも異なっていても良いが、異なる場合は、ブロック、ランダムいずれの結合であってもよい。オキシアルキレン鎖は、好ましくはポリオキシエチレン鎖である。
【0011】R1及びR2は同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜12のアルキレン基が更に好ましい。1及びR2の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等を挙げることが出来る。アルキレン基の置換基として、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、アミド基等が挙げられるが、好ましくはヒドロキシ基である。
【0012】R1は、好ましくは下記式(2)〜(5)で表わされる基である。
【0013】
−CH2CH2OCH2CH2− (2)
−CH2CH2OCH2OCH2CH2− (3)
−CH2CH(OH)OCH2CH2− (4)
−CH2CH(OH)CH2− (5)
2は、好ましくは−CH2CH(OH)CH2−等が挙げられる。R3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、−CH2CH(OH)CH2−が更に好ましい。
【0014】aは0〜250が好ましく、0〜100が更に好ましい。cは1〜50が好ましく、1〜30が更に好ましい。
【0015】T-は、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン、メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが好ましい。
【0016】本発明のポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000が更に好ましい。この範囲では、抗菌効果が大きく、残留性も高くなり好ましい。
【0017】尚、本明細書において、ポリマーの重量及び数平均分子量の測定は、ポリマーを減圧下、105℃で2時間乾燥し、標準物質としてポリスチレン、溶媒としてジメチルホルムアミドもしくはクロロホルムを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより行った。
【0018】[ポリマーの合成]本発明のポリマーは、下記の合成法1、2等により合成し得るが、これらに限定されるものではない。
【0019】合成法1:テトラアルキルジアミンと、エピハロヒドリン又はジハロゲン化合物との重合反応後、更にポリオキシアルキレン鎖を有するモノ又はジグリシジルエーテルと反応を行い、ポリマーを得る方法。
【0020】テトラアルキルジアミンとして、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラエチルヘキサメチレンジアミン等を挙げることが出来る。
【0021】エピハロヒドリンとして、エピクロロヒドリンが挙げられ、ジハロゲン化合物として、例えば、ジ(クロロメチル)エーテル、ビス(1−クロロエチル)エーテル、ビス(2−クロロエチル)エーテル、1,2’−ジクロロジエチルエーテル、ビス(3−クロロプロピル)エーテル、ジ(クロロメチル)ホルマール、ビス(2−クロロエチル)ホルマール、1,2−ビス(クロロエトキシ)エタン、1,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−3−オキサペンタン等を挙げることができる。
【0022】ポリオキシアルキレン鎖を有するモノ又はジグリシジルエーテルとして、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0023】テトラアルキルジアミンと、エピハロヒドリン又はジハロゲン化合物との重合反応は、テトラアルキルジアミンと、エピハロヒドリン又はジハロゲン化合物を、好ましくは0.6〜1.0(エピハロヒドリン又はジハロゲン化合物/テトラアルキルジアミン)のモル比で存在させ、下記の反応溶媒中、窒素気流下、通常10〜180℃の温度範囲で重合を行う。反応時間は通常0.5〜80時間である。
【0024】反応終了後、更にポリオキシアルキレン鎖を有するモノ又はジグリシジルエーテルを、前記生成物に対して1〜50(モノ又はジグリシジルエーテル/生成物)のモル比で添加し、前記と同条件下で反応を行う。反応終了後、アセトンもしくはヘキサンで再沈殿する。
【0025】反応溶媒は、例えば、水、アルコール系、ケトン系、エーテル系等の親水性溶剤が挙げられる。アルコール系溶剤は、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶剤は、例えばアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロへキサノン等が挙げられる。エーテル系溶剤は、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、セロソルブ類等が挙げられる。これら1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】合成法2:テトラアルキルジアミンとポリオキシアルキレン鎖を有するジグリシジルエーテルとの重合反応を行い、ポリマーを得る方法。
【0027】テトラアルキルジアミン、ポリオキシアルキレン鎖を有するジグリシジルエーテルとして、前記合成法1に記載のものが挙げられる。
【0028】テトラアルキルジアミンとポリオキシアルキレン鎖を有するジグリシジルエーテルとの重合反応は、テトラアルキルジアミンと、ポリオキシアルキレン鎖を有するジグリシジルエーテルを、好ましくは0.2〜1.0(ポリオキシアルキレン鎖を有するジグリシジルエーテル/テトラアルキルジアミン)のモル比で存在させ、前記合成法1と同様の反応溶媒中、窒素気流下、通常10〜180℃の温度範囲で重合を行う。反応時間は通常0.5〜80時間である。反応終了後アセトンもしくはヘキサンで再沈殿する。
【0029】この合成法2で得られるポリマーは、一般式(1)中のaが0となる交互コポリマーである。
【0030】[抗菌剤]本発明のポリマーからなる抗菌剤は、抗菌効果が高く、陰イオン性界面活性剤中、低温でも安定である。この抗菌剤は、化粧料、洗浄剤等に配合して用いることができる。
【0031】例えば、食器等の硬質表面用洗浄剤に配合すると、特に、綿、スポンジ、不織布等の天然又は合成繊維からなる洗浄道具を用いた場合、洗浄道具が抗菌され、長期間防カビ及び防菌効果を保持することができる。
【0032】[洗浄剤]本発明の抗菌剤を含有する洗浄剤は、金属、ガラス、陶磁器、プラスチック等の硬質表面の洗浄剤として特に好ましく用いられる。
【0033】洗浄剤中の本発明のポリマーの含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%である。本発明の洗浄剤は更に、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の中から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有することが好ましい。
【0034】陰イオン性界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、脂肪酸石鹸、及び下記一般式(6)又は(7)で表されるカルボキシル基含有界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
【0035】R4−O−(R5O)p−COOM1 (6)
〔式中、R4は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいはアルキル基の炭素数が8〜18で直鎖もしくは分岐鎖のアルキルフェニル基を示し、R5は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、pは平均値で1〜20の数を示し、p個のR5は同一でも異なっていてもよい。M1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム又は置換アルキルアンモニウムを示す。〕
【0036】
【化3】

【0037】〔式中、R6は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいはアルキル基の炭素数が8〜18で直鎖もしくは分岐鎖のアルキルフェニル基を示し、R7は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、qは平均値で1〜20の数を示し、q個のR7は同一でも異なっていてもよい。M2は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム又は置換アルキルアンモニウムを示し、Bは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、式−(R7O)qCH2COOM2又は式−(R7O)rCH2CH2OH(式中、R7、q及びM2は前記の意味を示し、rは平均値で0〜20の数を示し、r個のR7は同一でも異なっていてもよい。)で表される基を示す。〕
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸モノアルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミド、下記一般式(8)で表されるアルキルグリコシド及び下記一般式(9)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上が好ましい。
【0038】R8(OR9)xGy (8)
〔式中、R8は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいはアルキル基の炭素数が8〜18で直鎖もしくは分岐鎖のアルキルフェニル基を示し、R9は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、x はその平均値が0〜2となる数を示し、G は炭素数5〜6の還元糖に由来する残基を示し、y はその平均値が1〜10となる数を示す。〕
【0039】
【化4】

【0040】〔式中、R10は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R11及びR12は同一でも又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕尚、上記一般式(9)においてR10の炭素数としては10〜14がさらに好ましい。
【0041】両性界面活性剤としては、下記一般式(10)又は(11)で表される界面活性剤から選ばれる1種以上が好ましい。
【0042】
【化5】

【0043】〔式中、R13は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R14は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R15及びR16は同一でも又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
【0044】
【化6】

【0045】〔式中、R17は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R18及びR19は同一でも又は異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
尚、上記の一般式(10)及び(11)においてR13及びR17の炭素数としては10〜14がさらに好ましい。
【0046】本発明の洗浄剤中の、界面活性剤の含有量は、油性汚れの洗浄性能及び溶液安定性の観点から、0.1〜60重量%が好ましく、0.5〜55重量%が更に好ましい。
【0047】本発明の洗浄剤において、さらに炭素数2〜4のアルコールを含有することが好ましく、特に好ましくは炭素数2のエチルアルコールである。本発明の洗浄剤中の炭素数2〜4のアルコールの含有量は、洗浄力及び皮膚に対する温和性の観点から、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜8重量%が更に好ましい。
【0048】本発明の洗浄剤のpHは4.0〜12.0が好ましく、特に5.0〜8.0が好ましい。
【0049】また、本発明の洗浄剤は、溶液安定性や洗浄性能を損なわない範囲で他の任意成分を含有することができる。例えば、尿素等の可溶化剤、粘土鉱物や水溶性高分子物質等の粘度調整剤、方解石、珪石、リン酸カルシウム、ゼオライト、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン等の水不溶性研磨剤、グリセリン、ソルビトール等の保湿剤、パール化剤、カチオン化ポリマー等の泡安定剤、その他酵素、香料、色素、防腐剤、防かび剤等を含有することができる。
【0050】本発明の洗浄剤は、通常の方法により、各成分を配合して調製することができる。
【0051】
【実施例】例中の部及び%は特記しない限り重量部及び重量%である。
【0052】合成例1攪拌機、還流冷却機、温度計、窒素導入管のついた反応器に、イオン交換水15部、N,N,N’,N’−テトラメチル1,6−ヘキサンジアミン24部に1N塩酸23部を加えた後、エピクロロヒドリン12部を加えて、70℃で3時間反応させた。アセトンにより再沈殿後に、イオン交換水300部、デナコールEX861(ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製)138部を加えて70℃で50時間反応させ、その後アセトンで再沈殿させることで、Mw=1.5万(Mw/Mn=2.5)のポリマーを得た(一般式(1)において、X1=X2=X3=X4=メチル基、Y=ヘキサメチレン基、R1=R2=R3=−CH2CH(OH)CH2−、AO=オキシエチレン基、a=38、b=22、c=2、T-=塩素イオン)。
【0053】合成例2N,N,N’,N’−テトラメチル1,6−ヘキサンジアミンの代わりに、N,N,N’,N’−テトラメチル1,3−プロピレンジアミン24部を用いる以外は合成例1と同様にして、Mw=1.2万(Mw/Mn=2.2)のポリマーを得た(一般式(1)において、X1=X2=X3=X4=メチル基、Y=トリメチレン基、R1=R2=R3=−CH2CH(OH)CH2−、AO=オキシエチレン基、a=40、b=22、c=4、T-=塩素イオン)。
【0054】合成例3合成例1と同様の反応器に、イオン交換水40部、N,N,N’,N’−テトラメチル1,6−ヘキサンジアミン9部に6N塩酸16部を加えた後、デナコールEX861 42部を加え、70℃で8時間反応させた。その後アセトンで再沈殿させることで、Mw=3.0万(Mw/Mn=3.3)のポリマーを得た(一般式(1)において、X1=X2=X3=X4=メチル基、Y=ヘキサメチレン基、R2=R3=−CH2CH(OH)CH2−、AO=オキシエチレン基、a=0、b=22、c=20、T-=塩素イオン)。
【0055】合成例4合成例1と同様の反応器に、イオン交換水15部、N,N,N’,N’−テトラメチル1,6−ヘキサンジアミン24部に1N塩酸23部を加えた後、エピクロロヒドリン12部を加えて、70℃で3時間反応させた。アセトンにより再沈殿させることで、Mw=2.7万(Mw/Mn=2.2)の比較ポリマーを得た。
【0056】合成例5N,N,N’,N’−テトラメチル1,6−ヘキサンジアミンの代わりに、N,N,N’,N’−テトラメチル1,3−プロピレンジアミン24部を用いる以外は合成例4と同様にして、Mw=1.2万(Mw/Mn=1.7)の比較ポリマーを得た。
【0057】実施例1〜3及び比較例1〜2合成例1〜5で得られたポリマーを用い、表1に示す組成の液体洗浄剤を調製した。得られた液体洗浄剤について、下記方法で抗菌試験及び低温安定性試験を行った。結果を表1に示す。
【0058】<抗菌試験>抗菌活性を評価する対象とする細菌は、大腸菌(Esc herichia coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用いた。初期菌数を107 cfu/mlになるように希釈調整した菌液を、液体洗浄剤に接種し、37℃、24時間培養した後、生菌数を肉眼で観測した。生菌数が104 cfu/ml未満ならば○、104 cfu/ml以上、106 cfu/ml未満ならば△、106 cfu/ml以上ならば×とした。
【0059】<低温安定性試験>液体洗浄剤をガラス容器に入れて蓋をし、−7.5℃で10日間保存した。保存後の洗浄剤の外観を観測して、沈殿物や濁りが認められるまでの期間が10日間以上なら○、10日間未満5日間以上は△、5日間未満は×とした。○のものは製品として合格である。
【0060】
【表1】

【0061】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は、陰イオン性界面活性剤中でも抗菌効果が高く、また低温でも安定に分散する。またこの抗菌剤は、食器等の硬質表面用洗浄剤、化粧料の抗菌剤として有用であり、この抗菌剤を含有する本発明の洗浄剤は、特に、綿、スポンジ、不織布等の天然又は合成繊維からなる洗浄道具を用いた場合、洗浄道具が抗菌され、長期間防カビ及び防菌効果を持続させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成14年3月1日(2002.3.1)
【代理人】 【識別番号】100063897
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 馨 (外4名)
【公開番号】 特開2003−252714(P2003−252714A)
【公開日】 平成15年9月10日(2003.9.10)
【出願番号】 特願2002−56206(P2002−56206)