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【発明の名称】 植物の生長調節剤及び生長調節法
【発明者】 【氏名】真次 豊

【氏名】長谷川 宏司

【要約】 【課題】本発明は植物の生長調節剤及びその調節法に関し、更に詳しくは、地球環境に優しい物質を用いて植物の生長を調節する技術に係るものである。

【解決手段】NaHCO3 及び/又はKHCO3 を有効主成分とすることを特徴とする植物の生長調節剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 NaHCO3 及び/又はKHCO3 を有効主成分とすることを特徴とする植物の生長調節剤。
【請求項2】 植物ホルモンを有効成分として加えた請求項1記載の植物の生長調節剤。
【請求項3】 植物ホルモンがオ−キシンである請求項2記載の植物の生長調節剤。
【請求項4】 植物の発芽・生育床に対し、0.003〜1重量%のNaHCO3 及び/又はKHCO3 を含有させた植物の生長調節法。
【請求項5】 10-3〜10-7Mの植物ホルモンを含有させた請求項4記載の植物の生長調節法。
【請求項6】 植物ホルモンがオ−キシンである請求項5記載の植物の生長調節剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物の生長調節剤及びその調節法に関するもので、更に詳しくは、地球環境に優しい物質を用いて植物の生長を調節する技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、植物の生長促進或いは抑制剤として、植物ホルモン或いは植物生長促進剤や抑制剤等が種々の作物の栽培に利用されている。さらに、植物ホルモン以外にもフイチン酸、コリン等が知られている。しかし、これらの物質は高価であり、使用に際して安価な物質が望まれていた。又、一部の植物ホルモンは人体に対して催奇生を有するものもあり、人体に対して安全な物質が求められていた。
【0003】植物の生長促進剤に関しては従来より様々な提案がなされているところ、その多くは化学合成された薬剤でありこれを希釈して散布する方法が主として採用されていた。しかし、最近は堆肥や自然の有機肥料を使用する有機農法が盛んになり、植物の生長促進剤においても、土壌や環境面に影響を与えることのないものを開発する試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、農薬等における安全性の問題を回避し、かつ地球環境に配慮しつつ植物の生長を調節する方法を提供するものであり、調節剤として全く新たな化合物を採用したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、NaHCO3 及び/又はKHCO3 を有効主成分とすることを特徴とする植物の生長調節剤に関するものである。そして、場合によっては、植物ホルモン(好ましくはオ−キシン)を有効成分として加えた植物の生長調節剤を提供するものである。
【0006】そして本発明の第2の要旨は、植物の発芽・生育床に0.003〜1重量%のNaHCO3 及び/又はKHCO3 を含有させた植物の生長調節法に関するものである。そして、場合によっては、10-3〜10-7Mの植物ホルモンを含有させた植物の生長調節法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】既に提案しているように、本発明者らは、重曹(NaHCO3 )を用いた植物の矮化法について開発を行っているところであり、重曹が水溶性で人畜無害であり地球環境にやさしく比較的低コストで入手できる点に着目したものである。しかるに、本発明者らは種々研究を重ねた結果、全く意外にも植物に対して重曹が植物の発芽・生長を促進する作用があることを見出し、先の提案を更に発展させて本発明に到達したものであり、安価でしかも人体に対して安全な植物の生長調節剤及び植物の生長調節法を提供することとなったものである。
【0008】本発明で用いる植物調節剤は水溶性のNaHCO3 (重曹)及び/又はKHCO3 を有効主成分とするものである。以下、重曹を中心に本発明を更に説明するが、重曹は飽和水溶液でもほぼ中性(pH8.2)なので、土質に影響を及ぼすことが殆んどない。又、植物への処理後は雨とともに流れ去るので、地球環境に優しく、悪影響を与えることなく処理することができることはいうまでもない。かかる重曹等は公知のものを使用でき、本発明の目的から逸脱して環境に悪影響を与えない限り不純物を含んでいても良い。勿論、窒素、リン、カリウム等植物の肥料成分と他の植物生長調節剤と併用しても差し支えない。本発明で用いられる市販品の重曹には、例えば商品名「ARMEX」、Church&Dwight Co.,Inc.があり、これには極く微量のNa2 CO3 、Ca、Mg、SiO2 等が存在するが、これらが共存していても植物調節剤としては何ら問題がなく使用できる。勿論、本発明の重曹がこれに限定されるものではない。KHCO3 についても重曹とほぼ同様であって、地球環境へ与える影響は極めて少ない。
【0009】本発明の重曹等を水耕栽培時に水中に添加して用いる場合、勿論、植物の種類によって処理濃度に差があるが、その濃度は0.003〜1重量%、好ましい範囲は0.01〜0.1重量%である。即ち、濃度は高い範囲にあっては、植物の生育に対してこれを阻害する方向に働く因子として機能し、又、一定の範囲の濃度であれば、植物の生長促進効果を期待できるものであって、背丈も大きく、生長も速く、更には果実の大型化、多実化の効果をもたらすこととなる。尚、濃度が濃過ぎると、発芽しないという欠点があり、濃度が少な過ぎると効果は期待できない等の理由から濃度範囲が決定されるものである。重曹とKHCO3 との併用も勿論可能であり、その割合は適用する植物によって適宜濃度を決めることになる。
【0010】本発明にあって、重曹やKHCO3 に対して植物ホルモンを併用することもまた好ましい手段であって、例えば、植物ホルモンのインドール−3−酢酸(IAA)は比較的高濃度では生長を抑制するが、薄い濃度(10-4〜10-7M程度)では生長促進作用が見られる。この仕組みについては完全には解明されてはいないが、植物にはNa+ やK+ の流出入によって刺激される生長促進機能が、或いは生長促進ホルモンの活性化を誘導する機能があるかも知れない。
【0011】使用される植物ホルモンとしてオ−キシンが挙げられ、例えば2,4−D(2,4−ジクロロフェノキシ酢酸)、IAA(インドール−3−酢酸)、IBA(インドール−3−酪酸)、NAA(1−ナフタレン酢酸)、2,4,5−T(2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸)、ピクロラム(4−アミノ−3,5,6−トリクロロピリジン−2−カルボン酸)、ダイカンバ(3,6−ジクロロ−O−アニス酸)、ナフタレンアセトアミド、5−クロロ−1H−インダゾール−3−イル酢酸エチル、MCPA(4−クロロ−O−トリルオキシ酢酸)、2,3,6−TBA(2,3,6−トリクロロ安息香酸)、ジクロルプロップ〔2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオン酸〕、メコプロップ〔2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸〕、2,4−DB〔4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸〕、MCPB〔4−(4−クロロ−O−トリルオキシ)酪酸〕、フェノプロップ〔2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸〕などをあげることができ、それを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】またサイトカイニンとしては、例えばカイネチン(6−フルフリルアミノプリン)、BA(ベンジルアデニン)、4−PU(4−ピリジルフェニルウレア)、ゼアチン〔4−ヒドロキシ−3−メチル(E)−2−ブテニルアミノプリン〕、ジヒドロゼアチン(4−ヒドロキシ−3−メチルブチルアミノプリン)、2−イソペンテニルアデニン、2−イソペンテニルアデノシン、トランスリボシルゼアチン〔6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−(E)−2−ブテニルアミノ)−9−β−D−リボフラノシルプリン〕、CPPU〔N−(2−クロロ−4−ピリジル)−N−フェニルウレア〕などをあげることができ、それを単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
【0013】その他の植物ホルモンとしては、たとえばGA(シベレリン)、ABA(アブシジン酸)、ブラシノステロイド、ジャスモン酸などがあげられる。
【0014】本発明の重曹等の使用方法は特に限定されないが、土壌潅注処理、水耕栽培の溶液への添加、種子のコート、挿し木への処理等、植物生長調節剤の通常の方法で用いられる。また、他の農薬、肥料と併用することもできることは言うまでもない。従って、土壌改良剤としてもその効果は大きいものであり、後述するが、例えば火山灰に重曹等を配合することによって土壌としての改質効果をももたらすものである。
【0015】具体的な使用方法としては、重曹水溶液中に植物の種子を浸漬し、次いで圃場あるいは培土に撒種して植物を発芽・生成する方法であり、重曹を固定化した担体あるいはこれを含んだ培土と種子と混合し、ついで圃場或いは培土に撒種する方法が取られ得る。
【0016】適用対象植物は特に限定されないが、例えばダイコン、ニンジン、ゴボウ等の根菜類;モヤシ、レタス、ハクサイ、コマツナ、イチゴ、メロン等の野菜類;イネ、小麦、トウモロコシ等の穀物類;菊、ユリ、ラン、バラ、パンジー、カーネション等の花弁類;高架芝、野芝、ペントグラス等の芝類;エンドウ、大豆、ピーナッツ等の豆類;スギ、ヒノキ、サツキ等の樹木類;トマト、ナシ、ブドウ、リンゴ等の果樹類、オオイヌノフグリにて代表される雑草等が挙げられる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これは単に例示の目的で述べるものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
(1)NaHCO3 の効果(実施例1・イネ・図1、図2)イネを用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。4.5cmのシャーレに脱脂綿を敷き試験液10mlを入れた。そこに種子(10粒)を加え、4日間暗黒下23℃で育て、その後3日間明所(約3000ルックス)23℃で培養した。各図は左からNaHCO3 を有効主成分としたもので、対照−コントロール(NaHCO3 の濃度が0%)、1%(飽和水10%とした原液の1/10希釈)、0.3%、0.1%、0.03%、0.01%、0.003%である。
【0018】図1は夫々のシャーレ内の種子の状態を示した図であり、図2は各々のシュ−ト(茎)の長さ及び根の長さを比較した図であり、茎は各々5.3±0.3mm、3.3±0.3mm、7.3±1.5mm、13.3±0.9mm、15.0±1.0mm、10.0±0mm、11.0±1.0mmであり、根の長さは各々10.3±1.8mm、0±0mm、2.3±0.3mm、20.7±2.3mm、23.7±0.9mm、18.0±9.7mm、32.0±9.3mmである。尚、ラベルの長さは5mmである。
【0019】図1及び図2、更には各々の茎や根の長さにて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、濃度の薄い場合には生長が促進することが分かる。
【0020】(実施例2・トマト・図3、図4)トマトを用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図3は図1と同様の各々のシャーレ内の芽生えの状態を示した図であり、図4は図2と同様の各々の胚軸(茎)の長さ及び根の長さを比較した図である。
【0021】茎は各々22.7±1.5mm、0±0mm、14.7±0.3mm、41.3±1.9mm、46.0±1.5mm、39.3±1.5mm、30.0±1.7mmであり、根の長さは各々55.0±1.2mm、0±0mm、1.3±0.3mm、29.3±1.8mm、60.7±8.1mm、26.3±3.7mm、17.0±1.6mmである。尚、ラベルの長さは5mmである。
【0022】図3及び図4、更には各々の茎や根の長さにて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、0.1%以下では生長が促進することが分かる。
【0023】(実施例3・レタス・図5、図6)レタスを用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図5は図1と同様の各々のシャーレ内の芽生えの状態を示した図であり、図6は図2と同様の各々の茎の長さ及び根の長さを比較した図である。
【0024】茎は各々17.3±0.3mm、0±0mm、6.7±0.3mm、15.7±0.3mm、24.3±0.3mm、24.3±0.9mm、14.0±0.6mmであり、根の長さは各々21.3±0.7mm、0±0mm、3.7±0.3mm、11.0±0.6mm、14.3±1.9mm、21.0±0.6mm、18.7±4.7mmである。尚、ラベルの長さは5mmである。
【0025】図5及び図6更には各々の茎や根の長さにて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、濃度の薄い場合には生長が促進することが分かる。
【0026】(実施例4・ペレニアルライグラス・図7、図8)ペレニアルライグラスを用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図7は図1と同様の各々のシャーレ内の種子の状態を示した図であり、図8は図2と同様の各々のシュ−ト(茎)の長さ及び根の長さを比較した図である。
【0027】茎は各々25.3±0.9mm、0±0mm、19.0±0.6mm、55.7±0.7mm、44.3±1.5mm、42.0±0.6mm、24.3±0.3mmであり、根の長さは各々29.7±0.3mm、0±0mm、4.7±0.3mm、28.0±1.5mm、28.0±0.6mm、27.3±1.5mm、25.3±0.9mmである。尚、ラベルの長さは5mmである。
【0028】図7及び図8、更には各々の茎や根の長さにて分かる通り、濃度の濃い場合には生長が抑制され、濃度の薄い場合には生長が促進することが分かる。
【0029】(実施例5・ダイコン・図9)ダイコンを用いて本発明(NaHCO3 )を実証した。図9は図2と同様の各々の胚軸(茎)の長さ及び根の長さを比較した図である。
【0030】茎は各々60.3±1.9mm、0±0mm、19.3±0.7mm、66.7±3.4mm、60.0±3.1mm、74.0±1.5mm、66.3±4.1mmであり、根の長さは各々33.7±4.2mm、0±0mm、7.3±1.3mm、22.0±1.5mm、80.7±5.9mm、71.3±1.9mm、37.0±1.5mmである。尚、ラベルの長さは5mmである。
【0031】図9、更には各々の茎や根の長さにて分かる通り、濃度の濃い湯合には生長が抑制され、濃度の薄い揚合には生長が促進することが分かる。
【0032】(2)KHCO3 及びNaHCO3 の併用効果(実施例6・オオイヌノフグリ・図10)オオイヌノフグリを用いて本発明(NaHCO3 +KHCO3 )を実証した。図10は図1と同様の各々のシャーレ内の種子の状態を示した図であり、各コントロ−ルを示す。図は左からNaHCO3 を有効主成分としたもので、0%、10%、3%、1%、0.3%、0.1%であり、更に夫々の胚軸(茎)の長さ及び根の長さを示すものである。
【0033】さて、図10に示すNaHCO3 の各濃度に対してKHCO3 の濃度を変化させて実験を行った。図示はしないが、NaHCO3 がO%で、KHCO3 の濃度を変化させた場合、KHCO3 が1%の場合には茎及び根の長さは0mmであったが、0.1%の場合には夫々7mm、10mmとなり、NaHCO3 の0.1%の場合の値とほぼ同じとなった。
【0034】次に、NaHCO3 の濃度が10%、3%、1%、0.3%の場合、KHCO3 の濃度を変化させて(0.1〜10%)実験を行ったが、茎及び根の長さは0mmであった。更に、NaHCO3 が0.1%の場合につき同様の試験を行ったところ、KHCO3 10〜1%では茎及び根の伸びはなかったが、0.1%にあっては、茎の長さが10mm、根の長さが18mmとなった。これはコントロ−ル(図10)のNaHCO3 0.1%(茎:8mm、根:9mm)及びKHCO3 0.1%(茎:7mm、根:10mm)よりも生長が著しいものであり、両者の併用効果が実証された。
【0035】(実施例7・トマト・図11)トマトを用いて本発明(NaHCO3 +KHCO3 )を実証した。図11は図1と同様の各々のシャーレ内の種子の状態を示した図であり、各コントロ−ルを示す。図は左からNaHCO3 を有効主成分としたもので、0%、10%、3%、1%、0.3%、0.1%であり、更に夫々の茎の長さ及び根の長さを示すものである。
【0036】さて、図11に示すNaHCO3 の各濃度に対してKHCO3 の濃度を変化させて実験を行った。図示はしないが、NaHCO3 がO%で、KHCO3 の濃度を変化させた場合、KHCO3 が1%の場合には茎及び根の長さは0mmであったが、0.1%の場合には夫々40mm、62mmとなり、NaHCO3 の0.1%の場合の値以上の効果があることが判明した。
【0037】次に、NaHCO3 の濃度が10%、3%の場合、KHCO3 の濃度を変化させて(0.1〜10%)実験を行ったが、茎及び根の長さは0mmであった。また、NaHCO3 が1%の場合につき同様の試験を行ったところ、KHCO3 10%、0.1%では茎及び根の伸びはなかったが、KHCO3 が1%にあっては、茎の長さが11mm、根の長さが5mmとなった。これはコントロ−ル(図11)のNaHCO3 1%(茎:5mm、根:1mm)よりも大きな効果があることが分かる。更に、NaHCO3 0.1%にあって、KHCO3 が10%の場合には茎及び根の伸びは0mmであったが、これが1%の場合には茎の長さが2mm、0.1mmの場合には茎の長さが50mm、根の長さが45mmとなり併用の効果は著しい。
【0038】(3)オ−キシンの併用効果(実施例8・トマト・図12〜図14)トマトを用いて本発明(オ−キシン併用)を実証した。尚、オ−キシンとしてインドール−3−酢酸(IAA)を用いた。IAAが10-4〜10-5Mの場合には、図示はしないが、夫々茎の長さが20mm、23mm、根の長さが30mm、41mmであった。しかるに、NaHCO3 との併用の場合を検討するに、図12はNaHCO3 10%、3%とIAAが10-3〜10-5Mの場合には茎、根はいずれも0mmであった。図13はNaHCO3 1%、0.3%とIAAが10-3〜10-5Mの場合の写真である。更に、図14はNaHCO3 が0.1%でIAAが10-3〜10-5Mの場合の写真である。この図から両者が特定の割合の場合には特に根がしっかりしたものとなることが判明した。以上、NaHCO3とIAAを併用した場合、植物の生長を阻害したり、生長を促進したりする併用効果が顕著であり、特に、NaHCO3 が0.1%の場合、IAAの濃度が10-4〜10-6M程度であれば、植物の生長に大きく寄与することが分かる。
【0039】(実施例9・オオイヌノフグリ・図15〜図16)オオイヌノフグリを用いて本発明(オ−キシン併用)を実証した。尚、オ−キシンとしてインドール−3−酢酸(IAA)を用いた。IAAが10-4〜10-5Mの場合には、図示はしないが、夫々茎の長さが8mm、13mm、根の長さが11mm、22mmであった。しかるに、NaHCO3 との併用の場合を検討するに、NaHCO3 10%、3%とIAAが10-3〜10-5Mの場合には茎、根はいずれも0mmであった。図15はNaHCO3 1%、0.3%とIAAが10-3〜10-5Mの場合の写真である。更に、図16はNaHCO3 が0.1%でIAAが10-3〜10-5Mの場合の写真である。この図から、NaHCO3 とIAAを併用した場合、植物の生長を阻害したり、生長を促進したりする併用効果が顕著であることが分かる。
【0040】(実施例10・火山灰の改質)火山灰(北海道:千歳産)にNaHCO3 を配合し、これにレタスの芽生えを促したものである。コントロ−ル・1は、4.5cmのシャーレに脱脂綿を敷き水10mlを入れ、そこに種子(10粒)を加え、4日間暗黒下23℃で育て、その後3日間明所(約3000ルックス)23℃で培養した。茎及び根の長さは図17に示す通りである。水のみの場合をコントロ−ルとしたが、茎及び根の長さは24.1±1mm及び26.9±1.5mmであった。また、火山灰に水を加えた土壌(火山灰100g:水28g)に対し、レタスを播種したもので、茎及び根の長さは23.7±2.9mm及び17.1±2.6mmであった。
【0041】しかるに、火山灰+NaHCO3 10%(火山灰100g:重曹飽和溶液28g)の土壌にあっては茎及び根の伸びは0mmであった。又、火山灰+NaHCO3 1%(火山灰100g+NaHCO3 1%溶液28g)の土壌にあっては茎及び根の長さは26.0±1.5mm及び5.4±1.1mmであった。更に、火山灰+NaHCO3 0.1%(火山灰100g:NaHCO3 0.1%溶液28g)の土壌にあっては茎及び根の伸びは33.4±1.1mm及び21.1±0.8mmであった。
【0042】この結果より、NaHCO3 を土壌に加えることにより植物の生長に寄与することとなり、シラス等の火山灰、赤土の改質が可能となったものである。勿論、NaHCO3 単独のみならずKHCO3 との併用、更には植物ホルモンとの併用によって土壌改質ができることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】本発明の植物調節剤は以上のような大きな効果があり、しかもその入手も簡単であり、しかも土壌に悪影響がなく環境にも優しいという特徴があり、その有用性は高い。
【出願人】 【識別番号】398063238
【氏名又は名称】株式会社スーパーブラストシステムズ
【出願日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【代理人】 【識別番号】100086896
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 悦郎 (外1名)
【公開番号】 特開2003−252712(P2003−252712A)
【公開日】 平成15年9月10日(2003.9.10)
【出願番号】 特願2002−111224(P2002−111224)