| 【発明の名称】 |
衣料害虫用防除剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 直美 【住所又は居所】大阪府東大阪市高井田本通3丁目2番4号 株式会社大阪製薬内
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| 【要約】 |
【課題】衣料害虫に対し、より強力な防除効果を発揮でき、かつコストがより低減された、衣料害虫用防除剤を提供する。
【解決手段】本発明は、エンペントリンと、共力剤として以下の部分構造(I)を有する化合物を含有する衣料害虫用防除剤である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンペントリンと、共力剤として以下の部分構造(I)を有する化合物を含有することを特徴とする衣料害虫用防除剤。 【化1】
【請求項2】 共力剤が、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、または、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドである、請求項1記載の衣料害虫用防除剤。 【請求項3】 エンペントリンと共力剤の含有比が、1:0.25以上(重量比)である、請求項1または2記載の衣料害虫用防除剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、衣料害虫用防除剤に関し、より詳しくは、コイガ等の衣料害虫に対して増強された防除効果を発揮し、かつコストがより低減された、衣料害虫用防除剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、衣料害虫の防除方法としては、タンス等の密閉した空間で薬剤を揮散させて害虫を防除する方法や、衣料用カバー等のように樹脂や不織布等に含浸または練り込み、主に、薬剤を害虫と接触させて防除する方法が採用されている。後者の場合は、薬剤の一部は常温で揮散しており、揮散した薬剤も害虫の防除に関与している。衣料害虫用の防除薬剤として、ピレスロイド系薬剤の中でも特に常温で揮散しやすいエンペントリンが多くの場合において使用されている。 【0003】しかし、エンペントリンのみの使用では、十分な防除効果を得るためにより多くの薬剤を必要とするため、コストの面について問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、衣料害虫に対し、より強力な防除効果を発揮でき、かつコストがより低減された、衣料害虫用防除剤を提供することにある。 【0005】衣料害虫用防除剤については、今まで、エンペントリンに対して共力剤を使用することが全く考慮されていなかった。それは、公知の共力剤は一般に常温では殆ど揮散せず、従って、エンペントリンのような常温での揮散性が非常に高い薬剤の共力剤としては使用できないのではないかと考えられていたためと推測される。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、衣料害虫の防除について、常温での揮散性が非常に高いエンペントリンに対して、今まで全く考慮されていなかった共力剤の使用を検討した。そして、共力剤の中でも特定のものをエンペントリンに配合することにより、予想外にも、衣料害虫に対し、増強された防虫効果を発揮することを見出し、発明を完成するに至った。 【0007】即ち、本発明は、エンペントリンと、共力剤として以下の部分構造(I)を有する化合物を含有することを特徴とする衣料害虫用防除剤に関する。 【0008】 【化2】
【0009】本発明の好適な実施態様としては、共力剤は、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、または、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドである。 【0010】また、本発明の別の好適な実施態様としては、エンペントリンと共力剤の含有比は1:0.25以上(重量比)である。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の防除剤は、エンペントリンと、特定の共力剤を含有する。 【0012】本発明で使用されるエンペントリンとは、化学名で、(RS)−1−エテニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,トランス−クリサンテメートである。 【0013】本発明で使用される共力剤としては、上記の部分構造(I)を有する化合物であり、具体的には、以下のものが例示される。 【0014】(1) N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(以下、サイネピリン500ともいう)。 【0015】 【化3】
【0016】(2) N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(以下、MGK264ともいう)。 【0017】 【化4】
【0018】(3) N−[(2−エチルブトキシ)エトキシプロピル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド。 【0019】 【化5】
【0020】(4) N−トリクロロメチルメルカプト−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド。 【0021】 【化6】
【0022】(5) 4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド。 【0023】 【化7】
【0024】(6) N−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド。 【0025】 【化8】
【0026】(7) N−(1,1,2,2−テトラクロロエチルメルカプト)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド。 【0027】 【化9】
【0028】(8) ペンチル [2−クロロ−5−(シクロヘキサ−1−エン−1,2−ジカルボキシイミド)−4−フルオロフェノキシ]アセテート。 【0029】 【化10】
【0030】(9) N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド。 【0031】 【化11】
【0032】(10) N−メチル−1,1−シクロヘキサンジカルボキシイミド。 【0033】 【化12】
【0034】上記の共力剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。上記の共力剤の中でも、衣料害虫に対しより増強した防除効果を発揮できる点から、サイネピリン500またはMGK264の使用が特に好適である。 【0035】本発明の衣料害虫用防除剤においては、エンペントリンと共力剤の含有比は1:0.25以上(重量比)が好適であるが、本発明の衣料害虫用防除剤の使用方法により好適な含有比が異なる。例えば、本発明の衣料害虫用防除剤を常温で揮散させて使用する場合、増強した防除効果を発揮するためには、エンペントリンと共力剤の含有比(重量比)は1:0.25〜3、特に1:1〜3が好適である。なお、この場合、共力剤の含有比が高くなりすぎると、エンペントリン自身の揮散量が抑えられるので、防除効果があまり増強されない傾向にある。 【0036】また、例えば、本発明の衣料害虫用防除剤を衣料用カバー等のように樹脂や不織布等に含浸または練り込んで使用する場合、増強した防除効果を発揮するためには、エンペントリンと上記の共力剤の含有比(重量比)は1:1.25〜20、特に1:2.5〜20が好適である。 【0037】本発明の防除剤は、エンペントリンと共力剤を所定量を混合することにより製剤化される。また、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、必要に応じて他の成分を適宜配合してもよく、例えば、フェノトリン、アレスリン等の他のピレスロイド系薬剤;2−フェニルフェノール(OPP)、4−クロロ−sym−m−キシレノール(PCMX)、チモール等の殺菌剤;2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(ヨシノックス425)等の酸化防止剤が配合可能である。 【0038】このようにして得られた製剤は、従来からのエンペントリン単独使用の場合と同様にして使用することができる。例えば、ろ紙、不織布等の基材に含浸して使用するほかに、カオリン、ベントナイト、タルク等の粒状固体や、エーテル、アルコール、灯油等の液体に混合して使用したり、塩化ビニル、ポリオレフィン等の樹脂に練り込んで使用することもできる。 【0039】本発明の衣料害虫用防除剤は、従来からのエンペントリン単独使用の場合と同様に、常温で揮散させることにより、および/または、衣料害虫に接触させることにより、防除効果を発揮することができる。 【0040】本発明の防除剤は、衣料害虫に適用され、具体的には、コイガ、イガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ等が挙げられる。 【0041】 【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0042】実施例1(接触試験)実施例1の試験は、主に、コイガに薬剤を接触させることにより、コイガを防除する試験である。なお、薬剤の一部は常温で揮散しており、揮散した薬剤もコイガの防除に関与する。 【0043】エンペントリン重量に対し、1.25倍、2.5倍、5.0倍、10.0倍および20.0倍量のサイネピリン500、MGK264またはピペロニルブトキサイド(化学名 6−プロピルピペロニルブチルカルビチルエーテル、構造は以下に示す)を混合した製剤をそれぞれ調製した。次いで、これらの製剤の200μlをそれぞれろ紙(4cm×4cm、東洋ろ紙No.2)に含浸させて、室温で乾燥してサンプルを作成した。 【0044】 【化13】
【0045】このサンプルをそれぞれシャーレ(高さ1.5cm、直径4cm)内に置き、サンプル面上に、供試布であるウールモリスン(3cm×3cm n=5)と共にコイガ幼虫を各15匹ずつ放ち、パラフィルムでシャーレを覆った後、温度27℃、湿度60%の恒温条件下で24時間後のコイガの死虫状態を観察した。この試験を各サンプルにつき3回ずつ行い、各サンプルについてのLD50の平均値を求めた。また、エンペントリン単独のサンプルについても上記と同様に行なった。その結果を表1に示す。 【0046】 【表1】
【0047】また、LD50の値から、次式に基づいてコイガに対する防除効力の増強度(相対的効力比)を求めた。その結果を表2に示す。 効力増強度=エンペントリン単独のLD50/サンプルのLD50【0048】 【表2】
【0049】表1および表2より、実施例1の接触試験においては、エンペントリンにサイネピリン500またはMGK246を配合したサンプルは、コイガに対する防除効力の増強度が非常に高く、その増強度は、ピペロニルブトキサイドを配合したサンプルと比較すると格別顕著な差が見られる。また、その増強度は、サイネピリン500またはMGK246の配合量に比例して大きくなることもわかる。 【0050】実施例2(常温揮散試験)実施例2の試験は、薬剤を常温で揮散させることにより、コイガを防除する試験である。 【0051】エンペントリン重量に対し、0.25倍、0.5倍、1.0倍、2.0倍、3.0倍量のサイネピリン500またはMGK264を混合した製剤をそれぞれ調製した。次いで、これらの製剤を、防虫紙(54mm×27mm)1枚あたり200μlずつ滴下させて、室温で乾燥してサンプルを作成した。濃度は防虫紙の枚数により調整した。 【0052】このサンプルをそれぞれ5リットルのポリプロピレン製容器のふたの内側に設置した。供試布であるウールモリスン(3cm×3cm n=5)とコイガ幼虫を各15匹と共に金網袋に入れ、両サイドをクリップで留めて容器に入れた。温度27℃、湿度60%の恒温条件下で1週間放置後、金網袋を取り出し供試布の食害量を観察した。 【0053】この試験を各サンプルにつき3回ずつ行い、各サンプルについてのED50の平均値を求めた。また、エンペントリン単独のサンプルについても上記と同様に行なった。その結果を表3に示す。 【0054】 【表3】
【0055】また、ED50の値から、次式に基づいてコイガに対する防除効力の増強度(相対的効力比)を求めた。その結果を表4に示す。 効力増強度=エンペントリン単独のED50/サンプルのED50【0056】 【表4】
【0057】表3および表4より、実施例2の常温揮散試験においては、エンペントリンにサイネピリン500またはMGK246を配合したサンプルは、コイガに対する防除効力が増強されており、特にサイネピリン500を配合したサンプルでは増強度が非常に高く、1倍配合したサンプルでは増強度が17.2倍であり、格段に高い防除効力を示すことがわかる。 【0058】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の衣料害虫用防除剤は、今まで衣料害虫の防除について全く考慮されていなかった共力剤の使用を検討してなされたものであり、特定の共力剤をエンペントリンに配合した防除剤が、衣料害虫に対して、エンペントリン単独からは予想し得ないような極めて高く増強された防虫効果を発揮するものである。また、このような防除剤では、エンペントリン自体の使用量を低減できるので、コストの低減も可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000149181 【氏名又は名称】株式会社大阪製薬 【住所又は居所】大阪府東大阪市高井田本通3丁目2番4号
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| 【出願日】 |
平成14年3月1日(2002.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075502 【弁理士】 【氏名又は名称】倉内 義朗
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| 【公開番号】 |
特開2003−252711(P2003−252711A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月10日(2003.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2002−56106(P2002−56106) |
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