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【発明の名称】 農園芸用殺菌剤組成物
【発明者】 【氏名】古瀬 勝美

【氏名】三宅 裕

【氏名】永山 孝三

【要約】 【課題】本発明の目的は、薬剤耐性菌に対しても、高い防除効果を示し、低薬量で安定した高い防除効果を示す農園芸用殺菌剤組成物を提供することである。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【化1】

【請求項1】 一般式[1]
{式中、AはN、CR3を示し、R1およびR2は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C6)アルキル基、(C2−C6)アルケニル基、(C2−C6)アルキニル基、(C3−C6)シクロアルキル基、(C1−C4)ハロアルキル基、(C1−C6)アルコキシ基、(C2−C6)アルケニルオキシ基、(C2−C6)アルキニルオキシ基、(C3−C6)シクロアルコキシ基、(C1−C4)ハロアルコキシ基、シアノ(C1−C4)アルキルオキシ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルオキシ基、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルコキシ基、ベンジルオキシ基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、(C1−C6)アルキルチオ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、フェノキシ基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、(C1−C4)アルキルカルボニル基、ホルミル基、フェニル基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、シアノ基、(C1−C6)アルキルスルホニル基を示し、R3は水素原子、(C1−C6)アルキル基、(C1−C6)アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1−C6)アルキル基、(C2−C6)アルケニル基、(C2−C6)アルキニル基、(C3−C6)シクロアルキル基、ベンジル基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、(C1−C6)アルコキシ基、(C2−C6)アルケニルオキシ基、(C2−C6)アルキニルオキシ基、(C1−C6)アルキルチオ基、(C1−C6)アルキルスルホニル基、フェノキシ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、(C1−C4)ハロアルキル基、(C1−C4)ハロアルコキシ基、(C1−C4)アルキルカルボニル基、(C1−C4)アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アニリノ基、フェニル基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]を示し、Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1−C6)アルキル基、(C2−C6)アルケニル基、(C2−C6)アルキニル基、(C1−C6)アルコキシ基、(C2−C6)アルケニルオキシ基、(C2−C6)アルキニルオキシ基、(C1−C4)ハロアルコキシ基、(C1−C6)アルキルチオ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、(C1−C4)ハロアルキル基、(C1−C4)アルキルカルボニル基、(C1−C4)アルコキシカルボニル基、ベンゾイル基、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、フェニル基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、フェノキシ基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]を示し、nは0又は1から3の整数を表す。}で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と前記ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物から選ばれる一種または二種以上とを有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項2】 前記ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物がシフルフェナミド、ピリフェノックス、トリアジン、ジラム、イミノクタジンアルベシル酸塩、フルアジナム、フェナリモル、フェンヘキサミド、オキスポコナゾールフマル酸塩、ホセチル、チアジアジン、ポリオキシン、チウラム、ジネブ、ジチアノン、フルオルイミド、イプロバリカルブ、オキサジキシル、シアゾファミド、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、シモキサニル、zoxamide、ノニルフェノールスルホン酸銅、ピラクロストロビン、フルメットバー、プロパモカルブ塩酸塩、ベンチアバリカルブ、ポリカーバメート、メタラキシル、エタボキサムから選ばれる一種または二種以上である請求項1記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の1種と農園芸用殺菌化合物から選択される1種又は2種以上を有効成分として含有することを特徴とすることにより、単独では得られない相乗的病害防除効果を示す農園芸用殺菌剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有用作物の病害の防除には多くの農園芸用殺菌剤が使用されているが、これらの防除効果は十分とは言えない。ムギ類、蔬菜類および果樹類の病害において特にうどんこ病は被害が大きい上に、近年、殺菌剤を連用することによって薬剤耐性菌が蔓延し、実用上効果が期待できない薬剤が多く見受けられる。さらに、環境問題から、低薬量で効率良く病原菌を防除できる新しい殺菌剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記薬剤耐性菌に対しても、高い防除効果を示し、低薬量で安定した高い防除効果を示す農園芸用殺菌剤組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より優れた病害防除効果を発揮する農園芸用殺菌剤組成物を発明するため、一般式[1]で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と農園芸用殺菌化合物を一種または二種以上混合使用することにより本発明の農園芸用殺菌剤組成物が、個々の殺菌活性化合物の相加効果をはるかに超えた相乗効果を奏し、低薬量でコムギうどんこ病、キュウリうどんこ病などに優れた殺菌効果を有することを見出し本発明を完成した。
【0005】すなわち【化2】

(1) 一般式[1]
{式中、AはN、CR3を示し、R1およびR2は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C6)アルキル基、(C2−C6)アルケニル基、(C2−C6)アルキニル基、(C3−C6)シクロアルキル基、(C1−C4)ハロアルキル基、(C1−C6)アルコキシ基、(C2−C6)アルケニルオキシ基、(C2−C6)アルキニルオキシ基、(C3−C6)シクロアルコキシ基、(C1−C4)ハロアルコキシ基、シアノ(C1−C4)アルキルオキシ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルオキシ基、(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルコキシ基、ベンジルオキシ基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、(C1−C6)アルキルチオ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、フェノキシ基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、(C1−C4)アルキルカルボニル基、ホルミル基、フェニル基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、シアノ基、(C1−C6)アルキルスルホニル基を示し、R3は水素原子、(C1−C6)アルキル基、(C1−C6)アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1−C6)アルキル基、(C2−C6)アルケニル基、(C2−C6)アルキニル基、(C3−C6)シクロアルキル基、ベンジル基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、(C1−C6)アルコキシ基、(C2−C6)アルケニルオキシ基、(C2−C6)アルキニルオキシ基、(C1−C6)アルキルチオ基、(C1−C6)アルキルスルホニル基、フェノキシ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、(C1−C4)ハロアルキル基、(C1−C4)ハロアルコキシ基、(C1−C4)アルキルカルボニル基、(C1−C4)アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アニリノ基、フェニル基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]を示し、Yはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1−C6)アルキル基、(C2−C6)アルケニル基、(C2−C6)アルキニル基、(C1−C6)アルコキシ基、(C2−C6)アルケニルオキシ基、(C2−C6)アルキニルオキシ基、(C1−C4)ハロアルコキシ基、(C1−C6)アルキルチオ基、(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基、(C1−C4)ハロアルキル基、(C1−C4)アルキルカルボニル基、(C1−C4)アルコキシカルボニル基、ベンゾイル基、アミノ基、モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、フェニル基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]、フェノキシ基[該基はハロゲン原子、(C1−C4)アルキル基又は(C1−C4)アルコキシ基で置換されていてもよい。]を示し、nは0又は1から3の整数を表す。}で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と前記ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物から選ばれる一種または二種以上とを有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物であり、(2) 前記ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物がシフルフェナミド、ピリフェノックス、トリアジン、ジラム、イミノクタジンアルベシル酸塩、フルアジナム、フェナリモル、フェンヘキサミド、オキスポコナゾールフマル酸塩、ホセチル、チアジアジン、ポリオキシン、チウラム、ジネブ、ジチアノン、フルオルイミド、イプロバリカルブ、オキサジキシル、シアゾファミド、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、シモキサニル、zoxamide、ノニフェノールスルホン酸銅、ピラクロストロビン、フルメットバー、プロパモカルブ塩酸塩、ベンチアバリカルブ、ポリカーバメート、メタラキシル、エタボキサムから選ばれる一種または二種以上である(1)の農園芸用殺菌剤組成物である。
【0006】本明細書に記載された記号及び用語について説明する。ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。(C1−C6)等の表記は、これに続く置換基の炭素数が、この場合では1〜6であることを示している。(C1−C6)アルキル基とは、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3,3−ジメチルブチル等を挙げることができる。(C3−C6)シクロアルキルとは、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。(C1−C4)ハロアルキル基とは、ハロゲン原子によって置換された、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばフルオロメチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等を挙げることができる。(C2−C6)アルケニル基とは、直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基を示し、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等を挙げることができる。(C2−C6)アルキニル基とは、直鎖又は分岐鎖状のアルキニル基を示し、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、4−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル等を挙げることができる。(C1−C6)アルコキシ基とは、アルキル部分が前記の意味を有するアルキルオキシ基を示し、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等を挙げることができる。(C2−C6)アルケニルオキシ基とは、アルケニル部分が前記の意味を有するアルケニルオキシ基を示し、例えばアリルオキシ、イソプロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ等を挙げることができる。(C2−C6)アルキニルオキシ基とは、アルキニル部分が前記の意味を有するアルキニルオキシ基を示し、例えば2−プロピニルオキシ、2−ブチニルオキシ、3−ブチニルオキシ等を挙げることができる。(C3−C6)シクロアルコキシ基とは、シクロアルキル部分が前記の意味を有するシクロアルキルオキシ基を示し、例えばシクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等を挙げることができる。(C1−C4)ハロアルコキシ基とは、ハロアルキル部分が前記の意味を有するハロアルキルオキシ基を示し、例えばフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ等を挙げることができる。(C1−C6)アルキルチオ基とは、アルキル部分が前記の意味を有するアルキルチオ基を示し、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ヘキシルチオ等を挙げることができる。(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルコキシ基とは、例えばシクロプロピルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ等を挙げることができる。(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキル基とは、アルキル部分及びアルコキシ部分が前記の意味を有する基を示し、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソプロポキシメチル、ペンチルオキシメチル、メトキシエチル、ブトキシエチル等の基を挙げることができる。(C1−C4)アルコキシ(C1−C4)アルキルオキシ基とは、アルキル部分及びアルコキシ部分が前記の意味を有する基を示し、例えばメトキシメチルオキシ、エトキシメチルオキシ、イソプロポキシメチルオキシ、ペンチルオキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、ブトキシエチルオキシ等の基を挙げることができる。シアノ(C1−C4)アルキルオキシ基とは、アルキル部分が前記の意味を有する基を示し、例えばシアノメチルオキシ、シアノエチルオキシ、シアノプロピルオキシ等の基を挙げることができる。(C1−C4)アルキルカルボニル基とは、アルキル部分が前記の意味を有するアルキルカルボニル基を示し、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘキサノイルなどの基を挙げることができる。(C1−C4)アルコキシカルボニル基とは、アルコキシ部分が前記の意味を有するアルコキシカルボニル基を表し、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等を挙げることができる。モノ(C1−C4)アルキルアミノ基とは、アルキル部分が前記の意味を有するモノアルキルアミノ基を表し、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ヘキシルアミノ等を挙げることができる。ジ(C1−C4)アルキルアミノ基とは、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等を挙げることができる。(C1−C6)アルキルスルホニル基とは、アルキル部分が前記の意味を有するアルキルスルホニル基を示し、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル等を挙げることができる。
【0007】次に、前記一般式[1]で示される本発明に用いられる化合物の具体例を表1に記載するが、本発明に用いられる化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。なお、化合物番号は以後の記載において参照される。表中の記号はそれぞれ以下の意味を示す。Meとはメチルを示し、OMeとはメトキシを示し、OEtとはエトキシを示し、Prとはn−プロピルを示し、Pr−cとはシクロプロピルを示し、CFとはトリフルオロメチルを示す。
【0008】
【表1】

【0009】本発明の農園芸用殺菌剤組成物は前記一般式[1]で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と前記一般式[1]で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物を有効成分としてなる。ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体は、病害防除剤として有用な公知化合物であり、特開2000−212181および特開2000−302780に記載されている。いずれも本発明において、前記一般式[1]で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体と同様に使用可能である。
【0010】また、本発明は、前記ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物がシフルフェナミド(A)、ピリフェノックス(B)、トリアジン(C)、ジラム(D)、イミノクタジンアルベシル酸塩(E)、フルアジナム(F)、フェナリモル(G)、フェンヘキサミド(H)、オキスポコナゾールフマル酸塩(I)、ホセチル(J)、チアジアジン(K)、ポリオキシン(L)、チウラム(M)、ジネブ(N)、ジチアノン(O)、フルオルイミド(P)、イプロバリカルブ(Q)、オキサジキシル(R)、シアゾファミド (S)、ジエトフェンカルブ(T)、ジメトモルフ(U)、シモキサニル(V)、zoxamide (W)、ノニフェノールスルホン酸銅(X)、ピラクロストロビン(Y)、フルメットバー (Z)、プロパモカルブ塩酸塩(AA)、ベンチアバリカルブ(AB)、ポリカーバメート(AC)、メタラキシル(AD)、エタボキサム(AE)から選ばれる一種または二種以上の農園芸用殺菌化合物とを有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物である。前記ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体以外の農園芸用殺菌化合物として、シフルフェナミド、ピリフェノックス、トリアジン、ジラム、イミノクタジンアルベシル酸塩、フェナリモル、オキスポコナゾールフマル酸塩、ホセチル、チアジアジン、ポリオキシン、チウラム、ジネブ、ジチアノン、ピラクロストロビン、フルメットバー、ベンチアバリカルブ、ポリカーバメートが特に好適に用いられる。
【0011】本発明の殺菌剤組成物は非常に優れた殺菌活性を有し、藻菌類(Oomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)、及び担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に起因する植物病を防除できる。次に具体的な菌名を非限定例としてあげる。シュウドペロノスポラ(Pseudoperonospora)属、例えばキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、エリシフェ(Erysiphe)属、例えばコムギうどんこ病菌(Erysiphegraminis)、スフェロテカ(Sphaerotheca)属、例えばキュウリうどんこ病菌 、ベンチュリア(Venturia)属、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ピリキュラリア(Pyricularia)属、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae)、ボトリチス(Botrytis)属、例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、例えばイネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、プクシニア(Puccinia)属、例えばコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)。
【0012】
【発明実施の形態】本発明の殺菌剤組成物を使用する場合は、農薬製剤上汎用されている粉剤、粒剤、微粒剤、錠剤、液剤、乳剤、水和剤、フロアブル、エアゾル等に製剤して使用する。これらは、例えば種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等による通常の施用方法で使用することができる。
【0013】本発明による殺菌剤組成物の施用量は、組み合わせる殺菌化合物の種類、対象病害、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する製剤型などによって変動する。前記一般式[1]で示されるピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と(A)から(AE)の中から選ばれる一種または二種以上の農園芸用殺菌化合物の重量混合比は1:0.1〜1:10000の割合で混合し、好ましくは1:0.1〜1:1000の割合で混合し、さらに好ましくは1:0.1〜1:100の割合で混合し、一般的な施用量は10アールあたり0.1g〜1kgである。液剤、乳剤、水和剤及びフロアブル等を水で希釈して使用する場合、0.01〜10000ppmの範囲の希釈濃度で使用する。
【0014】本発明の農園芸用殺菌剤組成物はピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と農園芸用殺菌化合物の二種以上を混合することが可能である。代表的な例として、ピリミジニルベンズイミダゾールおよびトリアジニルベンズイミダゾール誘導体の一種と農園芸用殺菌化合物(G)と(Y)の3種混合が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる化合物を農園芸用殺菌剤組成物として使用する場合には、その目的に応じて有効成分を適当な剤型で用いることができる。通常は有効成分を不活性な液体または固体の担体で希釈し、必要に応じて界面活性剤、その他をこれに加え、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等の製剤形態で使用できる。
【0016】好適な担体としては、例えばタルク、ベントナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シクロヘキサノン、メチルナフタレン等の液体担体等があげられる。界面活性剤及び分散剤としては、例えばナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等があげられる。補助剤としてはカルボキシメチルセルロース等があげられる。これらの製剤を適宜な濃度に希釈して散布するか、または直接施用する。
【0017】さらに、本発明の殺菌剤組成物は、必要に応じて殺虫剤、他の殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料等と混用しても良い。
【0018】次に本発明の農園芸用殺菌剤組成物の代表的な製剤例をあげて製剤方法を具体的に説明する。以下の説明において部は質量部を示す。
【0019】
【実施例】製剤例1 水和剤化合物1を3部、農園芸用殺菌化合物Aを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー58部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0020】製造例2 水和剤化合物1を1部、農園芸用殺菌化合物Gを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー60部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0021】製造例3 水和剤化合物1を0.01部、農園芸用殺菌化合物Hを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー60.99部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0022】製造例4 水和剤化合物2を1部、農園芸用殺菌化合物Iを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー60部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0023】製造例5 水和剤化合物2を0.01部、農園芸用殺菌化合物Yを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー60.99部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0024】製造例6 水和剤化合物3を0.1部、農園芸用殺菌化合物Eを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー60.9部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0025】製造例7 水和剤化合物3を1部、農園芸用殺菌化合物Zを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー60部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0026】製造例8 乳剤化合物2を0.01部、農園芸用殺菌化合物Yを10部、シクロヘキサノン30部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル18部、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4部及びメチルナフタレン37.99部を均一に溶解して乳剤とした。
【0027】製造例9 粉剤化合物2を0.01部、農園芸用殺菌化合物ABを10部、ケイソウ土6部及びクレー83.99部を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0028】製造例10 粒剤化合物3を1部、農園芸用殺菌化合物Bを10部、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、カルボキシメチルセルロース2部及びクレー80部を均一に混合粉砕した。この混合物100重量部に水20重量部を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工した後、乾燥して粒剤とした。
【0029】製造例11 フロアブル剤化合物3を0.01部、農園芸用殺菌化合物Fを10部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩6部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩1部、キサンタンガム0.1部、水82.89部を加え混合粉砕しフロアブル剤とした。
【0030】製造例12 水和剤化合物3を1部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー70部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0031】製造例13 水和剤農園芸用殺菌化合物Yを10部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩1.5部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部、ケイソウ土26部、クレー61部を均一に混合粉砕して、水和剤とした。
【0032】次に、本発明の農園芸用殺菌剤組成物の殺菌効果について試験例をあげて具体的に説明する。
【0033】本発明の農園芸用殺菌剤組成物の優れた殺菌効果は下記の試験例からも明らかである。つまり、個々の殺菌活性化合物はある程度の殺菌効果を示すが、それらの組み合わせは単なる個々の活性化合物の殺菌効果の合計より大きな殺菌効果を示し、相乗効果が見られる。
【0034】個々の活性化合物の組み合わせにより期待される殺菌効果はコルビー(Colby)の計算式より求められる(除草剤の組み合わせの相乗的及び拮抗的反応の計算:Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combination、Weed 15 20〜22頁、1967)。コルビー(Colby)の計算式を以下に示す。
【0035】
【数1】

Xは活性化合物Aをmppmの濃度で用いた場合の無処理対照の百分率で表される殺菌効果(防除価)を表し、Yは活性化合物Bをnppmの濃度で用いた場合の無処理対照の百分率で表される殺菌効果(防除価)を表し、Eは活性化合物Aをmppm、活性化合物Bをnppmの濃度に混合して用いた場合の無処理対照の百分率で表される殺菌効果(防除価)を表す。
【0036】本発明の農園芸用殺菌剤組成物の殺菌効果がコルビー(Colby)の計算式より求められる計算値(E)より大きい場合は、その組み合わせによる殺菌効果は相乗効果を示すことになる。次に本発明の農園芸用殺菌剤組成物の殺菌効果が相乗効果を示すことを試験例を挙げて具体的に説明する。
【0037】試験例1 コムギうどんこ病予防効果5cm×5cmの塩ビ製鉢に小麦種子(品種:農林61号)を9粒づつ播種し、温室内で8日間育成させ、製剤例に準じて調製した本発明の農園芸用殺菌剤組成物、及びそれらの個々の活性化合物を所定濃度の有効成分になるように水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。風乾後、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)の胞子を接種し、20〜25℃の温室内に入れた。接種10日後に各々の第1葉の発病面積を下記の基準に従って指数調査し、得られた指数値をもとに、数2により被害度を求め、さらに数3により防除価(%)を求めた。試験によって得られた実験値の防除価(%)、及びコルビーの計算式より求められた計算値の防除価(%)を表2〜表3に示した。

【0038】
【数2】

【0039】
【数3】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】試験例2 キュウリうどんこ病予防効果5cm×5cmの塩ビ製鉢にキュウリ種子(品種:相模半白)を10粒づつ播種し、温室内で8日間育成させ、製剤例に準じて調製した本発明の農園芸用殺菌剤組成物、及びそれらの個々の活性化合物を所定濃度の有効成分になるように水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。風乾後、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の胞子を接種し、20〜25℃の温室内に入れた。接種10日後に各々の子葉の発病面積を下記の基準に従って指数調査し、得られた指数値をもとに、数2により被害度を求め、さらに数3により防除価(%)を求めた。試験によって得られた実験値の防除価(%)、及びコルビーの計算式より求められた計算値の防除価(%)を表4〜表5に示した。

【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
【発明の効果】本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、コムギうどんこ病、キュウリうどんこ病など各種病原菌に対して優れた防除効果を示し、有用作物に対する安全性が極めて高い。
【出願人】 【識別番号】000000169
【氏名又は名称】クミアイ化学工業株式会社
【出願日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−246704(P2003−246704A)
【公開日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【出願番号】 特願2002−46620(P2002−46620)