| 【発明の名称】 |
防虫、抗菌エアゾール剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】松鹿 貴子 【住所又は居所】大阪府豊中市大黒町1丁目1番11号 大日本除蟲菊株式会社内
【氏名】早味 知子 【住所又は居所】大阪府豊中市大黒町1丁目1番11号 大日本除蟲菊株式会社内
【氏名】武川 恒 【住所又は居所】大阪府豊中市大黒町1丁目1番11号 大日本除蟲菊株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】噴射による即時効果とともに、吸着蒸散体からの放散による持続効果を併せ持つ防虫、抗菌エアゾール剤の提供。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 20℃における蒸気圧が1×10-1mPa〜1×102mPaの常温揮散性ピレスロイド系防虫成分、又はこれと抗菌成分を含むエタノール原液/噴射剤の比率が40/60〜20/80(容量比)であるエアゾール内容液を、空間へ噴射する噴射ノズルへの連通路と、エタノール吸液量が0.2〜2.0g/cm3 である吸着蒸散体への連通路がエアゾールボタン内もしくはこれに連接するキャップ内で分岐しており、かつ噴射口の孔径/吸着蒸散体への連通路の孔径の比率が0.3〜3.0であるエアゾール噴射装置に充填して構成され、噴射による即時効果とともに、吸着蒸散体からの放散による持続効果を併せ持つようになしたことを特徴とする防虫、抗菌エアゾール剤。 【請求項2】 吸着蒸散体が、天然パルプを主原料とした乾式不織布で、表面材、中層及び裏面材の3層構造からなることを特徴とする請求項1に記載の防虫、抗菌エアゾール剤。 【請求項3】 常温揮散性ピレスロイド系防虫成分が、エムペントリン及び一般式(I) 【化1】
(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防虫、抗菌エアゾール剤。 【請求項4】 抗菌成分がテトラヒドロリナロールであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の防虫、抗菌エアゾール剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、防虫、抗菌エアゾール剤の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、各種タンス類やクローゼット、引き出し、衣装箱などで様々なタイプの防虫剤が使用されており、その剤型としては、防虫成分を含浸させたパルプ製マットをプラスチック製ケースに収納し、これを吊り下げ、もしくは載置して使用するようにしたものが一般的である。かかる防虫剤は、通常防虫効果が6ケ月、あるいは12ケ月持続するように設計されているが、衣類収納容器に防虫成分が十分量放散するまでに時間がかかり、即時的な防虫効果を期待できないという欠点がある。一方、即時的な殺虫、防虫効果を訴求するものとしてエアゾール剤があげられ、ハエや蚊、ゴキブリ駆除用に広く使用されている。しかしながら、衣料用エアゾール剤は、衣類に噴霧した場合のシミの問題や、長期間にわたる防虫効果への要望が大きいことから実用化には問題があった。例えば、特開昭63−188602号公報には、(A)常温揮散性の防殺虫剤3重量%以下、(B)1気圧下で沸点が30℃以上100℃以下である揮散性溶剤10〜25重量%、及び(C)噴射剤からなり、衣類への汚染を低減させ得る衣料用防虫エアゾール剤が開示されているが、防虫効果の持続性の課題は何ら解決されていない。 【0003】前記した即時的な効果ならびに持続的効果の両方を併せ持つタイプの商品を開発する試みも見られ、例えば、特開平11−321951号公報には、空間へ噴射する噴射ノズルへの連通路と、吸着蒸散体への連通路がエアゾールボタン内もしくはこれに連接するキャップ内で分岐しているエアゾール噴射装置が記載されているが、エアゾール内容液処方との関係について何ら言及されておらず、有用な防虫、抗菌エアゾール剤を提供できるほどに開示されているとは言いがたい。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、即時的な防虫、抗菌処理後、長時間にわたり防虫成分、抗菌成分の放散を持続しえる防虫、抗菌エアゾール剤を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上記課題を解決するため、本発明者らは、特開平11−321951号公報の技術内容を参考にするとともに、更にエアゾール内容液の処方とエアゾール噴射装置の仕様との組み合わせを種々検討することによって、目的の防虫、抗菌エアゾール剤が得られることを知見し、本発明を完成した。 【0006】すなわち請求項1の発明は、20℃における蒸気圧が1×10-1mPa〜1×102mPaの常温揮散性ピレスロイド系防虫成分、又はこれと抗菌成分を含むエタノール原液/噴射剤の比率が40/60〜20/80(容量比)であるエアゾール内容液を、空間へ噴射する噴射ノズルへの連通路と、エタノール吸液量が0.2〜2.0g/cm3 である吸着蒸散体への連通路がエアゾールボタン内もしくはこれに連接するキャップ内で分岐しており、かつ噴射口の孔径/吸着蒸散体への連通路の孔径の比率が0.3〜3.0であるエアゾール噴射装置に充填して構成され、噴射による即時効果とともに、吸着蒸散体からの放散による持続効果を併せ持つようになした防虫、抗菌エアゾール剤に関するものである。 【0007】本発明では、20℃における蒸気圧が1×10-1mPa〜1×102mPaの常温揮散性ピレスロイド系防虫成分が用いられる。蒸気圧が1×10-1mPa未満であると吸着蒸散体から放散しえないし、一方、1×102mPaを超えると、吸着蒸散体からの放散が速すぎて所望の持続効果が期待できない。好ましい防虫成分としては、エムペントリン及び一般式(I) 【化2】
(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物があげられる。 【0008】一般式(I)の化合物の具体例をあげると、以下の如くである。2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−フルオロ−2−クロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Iと称す)、又は4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Jと称す)。これらの化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。なお、エムペントリンや一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。 【0009】また、抗菌成分としては、テトラヒドロリナロール、ヒノキチオールなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの成分は、用途、使用目的に応じて適宜選択され、通常エアゾール全量に対して、0.1〜5.0容量%の範囲で配合される。 【0010】本発明では、上記防虫成分や抗菌成分以外に、本発明の趣旨を損なわない限りにおいて、非揮散性の防虫成分、例えばシラフルオフェンやフェノトリンを配合することもできる。この場合、吸着蒸散体からの放散は期待できないが、噴射により衣類に付着した防虫成分が長期にわたり衣料害虫からの食害防止に寄与する。また、配合成分として更に安定剤や香料などを適宜添加してもよいことは勿論である。 【0011】上記配合成分の溶剤としてエタノールが用いられ、また噴射剤としては、液化石油ガス、DME、圧縮ガスなどが使用される。そして、このエタノール原液と噴射剤の比率は、後述するエアゾール噴射装置の仕様との組み合わせを考慮して、40/60〜20/80(容量比)に特定される。すなわち、本発明は、エアゾール内容液を、噴射ノズルと吸着蒸散体へバランスよく分配することに特徴を有するのであり、例えば噴射剤の比率が60容量%より小さいと噴射による即時効果が弱くなるばかりか、吸着蒸散体への含浸性も劣り、一方、噴射剤の比率を80容量%より多くすると、吸着蒸散体へ分配されるエアゾール内容液が少なくなり所望の持続効果が得られない。 【0012】本発明で用いられるエアゾール噴射装置は、空間へ噴射する噴射ノズルへの連通路と、エタノール吸液量が0.2〜2.0g/cm3 である吸着蒸散体への連通路を備え、かつ両連通路はエアゾールボタン内もしくはこれに連接するキャップ内で分岐しており、しかも噴射口の孔径/吸着蒸散体への連通路の孔径の比率を0.3〜3.0の範囲としたものである。 【0013】エアゾール噴射装置の仕様ならびに機構を図を用いて説明する。図1は一実施例におけるダブルアクションアクチュエーターの側断面図である。ここで、1はエアゾール容器、2は容器1の上部に突出するノズルシステム、3はノズルシステムに嵌合されたエアゾールボタン、4は容器1の上部にかぶせたキャップ、5はエアゾール内容液のボタン内通路、6は噴射ノズルへの連通路、7は噴射ノズル、8は噴射口、9は吸着蒸散体への連通路、10は吸着蒸散体を示す。 【0014】吸着蒸散体10としては、エタノール吸液量が0.2〜2.0g/cm3 である不織布、発泡体、人工皮革などの多孔質樹脂などが使用され、中でも天然パルプを主原料とした乾式不織布で、表面材、中層及び裏面材の3層構造からなる吸着蒸散体が適している。なお、エタノール吸液量は、40×20×5mmに裁断した吸着蒸散体を薬方紙上に載せてエタノールを滴下し、エタノールが吸着蒸散体下部の薬方紙上に溢れ出てきた時点で吸液重量を測定して求める。エタノール吸液量が0.2g/cm3 未満であると、当然のことながら吸着蒸散体への活性成分吸着量が少なく持続効果を期待できず、内容液が溢れて汚れを生じる場合があるし、一方、2.0g/cm3 より多いと内容液吸着力が強すぎて活性成分が表面から放散しにくいケースが起こりうる。 【0015】使用にあたり、エアゾールボタン3を押し下げると、エアゾール容器内の内容液がボタン内通路5を通り、その一部が分岐点から噴射ノズルへの連通路6を経て噴射ノズル7の噴射口8に達し空間に噴射される。一方、残りの内容液は分岐点から吸着蒸散体への連通路9を経て吸着蒸散体10に一旦吸着され、徐々に空間に放散されていく。ここで、噴射口の孔径/吸着蒸散体への連通路の孔径の比率は、0.3〜3.0の範囲に設定する必要があり、この範囲をはずれると、エアゾール内容液は噴射ノズルと吸着蒸散体へバランスよく分配されない。 【0016】請求項2の発明は、請求項1の構成において、天然パルプを主原料とした乾式不織布で、表面材、中層及び裏面材の3層構造からなる吸着蒸散体を使用したものである。 【0017】請求項3の発明は、請求項1又は2の構成において、常温揮散性ピレスロイド系防虫成分として、エムペントリン及び一般式(I)の化合物を用いたものである。 【0018】請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成において、抗菌成分としてテトラヒドロリナロールを用いたものである。 【0019】こうして得られた本発明の防虫、抗菌エアゾール剤は、タンス、クローゼット、衣装箱などで衣類に噴射して使用後、施用場所に置いておくだけで、噴射による即時効果とともに、吸着蒸散体からの放散による長期間の持続効果を奏し、イガ、コイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫の防除に極めて実用的なものである。 【0020】 【実施例】つぎに具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の防虫、抗菌エアゾール剤を更に詳細に説明する。 【0021】実施例4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート[化合物H]3.0g(エアゾール内容液全体量に対して、3.0W/V%)、シラフルオフェン1.0g(エアゾール内容液全体量に対して、1.0W/V%)、テトラヒドロリナロール1.0g(エアゾール内容液全体量に対して、1.0W/V%)をエタノール30mLに溶解した原液を100mLエアゾール容器に入れ、該容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて、ジメチルエーテルと液化石油ガス混合噴射剤70mLを加圧充填した後、図1のダブルアクションアクチュエーターを装填して本発明の防虫、抗菌エアゾール剤を得た。なお、吸着蒸散体としては、天然パルプを主原料とした乾式不織布で、表面材、中層及び裏面材の3層構造からなる厚さ5mmのものを用い、エタノール吸液量は0.55g/cm3 であった。また噴射口の孔径(A)は0.4mmφ、吸着蒸散体への連通路の孔径(B)は0.3mmφで、A/Bの比率は1.3であった。かかる防虫、抗菌エアゾール剤を容積800Lのタンス内で衣類に約5秒間噴射し、その後タンス内床面に載置したところ、即時の防虫、抗菌効果とともに、更にその後タンス内空間で4〜6ケ月にわたり防虫、抗菌効果が持続した。なお、噴射によりエアゾール内容液が付着した衣類では、シラフルオフェンの防虫効果も加味されより有用であった。また、エアゾール剤の使用性についても問題はなかった。 【0022】試験例実施例に準じて表1に示す各種防虫、抗菌エアゾール剤を調製した。これを、衣類が多数収納された容積2700Lのクローゼット内で、3着分あたりに5秒間噴霧処理を行った後、クローゼット内の床面に載置して即時の防虫効果、ならびに防虫効果の持続性を調べた。なお、持続性の評価は、1ケ月未満を×、1〜4ケ月を△、4ケ月以上を○で示した。 【0023】 【表1】
【0024】試験の結果、本発明の防虫、抗菌エアゾール剤は、即時の防虫効果、ならびに防虫効果の持続性、ともにすぐれた。これに対し、比較例で示すように、本発明の要件の範囲から外れたエアゾール剤は、即時の防虫効果、あるいは防虫効果の持続性のいずれかが劣り、従来製品と比べてメリットはなかった。 【0025】 【発明の効果】本発明の防虫、抗菌エアゾール剤は、噴射による即時効果とともに、吸着蒸散体からの放散による持続効果を併せ持ち、その実用性は極めて高い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000207584 【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市西区土佐堀1丁目4番11号
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| 【出願日】 |
平成14年2月8日(2002.2.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−238321(P2003−238321A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−32588(P2002−32588) |
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