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【発明の名称】 工業用殺菌組成物
【発明者】 【氏名】窪田 尚生
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85号 武田薬品工業株式会社生活環境カンパニー内

【氏名】田中 昭次
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85号 武田薬品工業株式会社生活環境カンパニー内

【氏名】杉山 孝之
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85号 武田薬品工業株式会社生活環境カンパニー内

【要約】 【課題】細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を、長期にわたって十分に発現することができる、工業用殺菌組成物を提供すること。

【解決手段】工業用殺菌組成物として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.05〜30重量部、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを1.25〜30重量部の割合で含有させる。このように調製される本発明の工業用殺菌組成物は、細菌、かび、酵母、藻などに対して、長期にわたって安定した防除効果を発現するため、これらの防除剤として好適に用いることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.05〜30重量部、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを1.25〜30重量部の割合で含有していることを特徴とする、工業用殺菌組成物。
【請求項2】 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.2〜8重量部の割合で含有していることを特徴とする、請求項1に記載の工業用殺菌組成物。
【請求項3】 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを2〜12重量部の割合で含有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の工業用殺菌組成物。
【請求項4】 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの合計量1重量部に対して、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを0.14〜5重量部の割合で含有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【請求項5】 溶媒によって液剤として調製され、前記液剤中に、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1〜4重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを5〜30重量%、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを5〜30重量%含有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【請求項6】 前記溶媒として、ジエチレングリコールまたは/およびプロピレングリコールが使用されていることを特徴とする、請求項5に記載の工業用殺菌組成物。
【請求項7】 pH7〜10の殺菌対象系に添加することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用殺菌組成物、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として好適に用いられる工業用殺菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような微生物の繁殖を防除するために、工業用殺菌剤が広く用いられている。
【0003】このような工業用殺菌剤としては、従来より、イソチアゾリン系化合物やニトロアルコール系化合物などの化合物が知られており、これらイソチアゾリン系化合物およびニトロアルコール系化合物を組み合わせて、相乗的な防除効果を発現させることが種々提案されている。
【0004】例えば、特開昭60−54281号公報には、イソチアゾロン誘導体およびハロゲン化脂肪族ニトロアルコール(ただし、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの記載はない。)を、重量比1:10〜10:1の割合で併用することにより、優れた相乗効果を発現できることが記載されている。
【0005】また、例えば、特開平8−133913号公報には、3−イソチアゾロン系化合物およびハロゲン化脂肪族ニトロアルコールを、重量比1:11.5〜1:500の割合で併用することにより、長期にわたって安定した相乗効果を発現できることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のいずれの公報に記載される工業用殺菌剤においても、長期にわたって安定した防除効果を得るには、実用上、未だ十分でなく、さらなる長期安定性が要求されている。
【0007】そこで、本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を、長期にわたって十分に発現することができる、工業用殺菌組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明者らは、イソチアゾリン系化合物とニトロアルコール系化合物とを組み合わせて、優れた相乗効果を長期にわたって安定して発現し得る工業用殺菌組成物について鋭意検討したところ、イソチアゾリン系化合物である5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを過剰量として用い、さらに、ニトロアルコール系化合物として2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを選択して所定量で用いることにより、優れた長期安定性を発現し得る知見を見い出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(1) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.05〜30重量部、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを1.25〜30重量部の割合で含有していることを特徴とする、工業用殺菌組成物、(2) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.2〜8重量部の割合で含有していることを特徴とする、前記(1)に記載の工業用殺菌組成物、(3) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを2〜12重量部の割合で含有していることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の工業用殺菌組成物、(4) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの合計量1重量部に対して、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを0.14〜5重量部の割合で含有していることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物、(5) 溶媒によって液剤として調製され、前記液剤中に、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1〜4重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを5〜30重量%、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを5〜30重量%含有していることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物、(6) 前記溶媒として、ジエチレングリコールまたは/およびプロピレングリコールが使用されていることを特徴とする、前記(5)に記載の工業用殺菌組成物、(7) pH7〜10の殺菌対象系に添加することを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の工業用殺菌組成物は、有効成分として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.05〜30重量部、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを1.25〜30重量部の割合で含有している。
【0011】本発明において、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、従来より工業用殺菌剤として用いられ、商業的に入手可能な化合物である。
【0012】また、本発明において、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンも、同じく、従来より工業用殺菌剤として用いられ、商業的に入手可能な化合物である。
【0013】なお、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、予め、これらが混合物として調製されている市販品を使用してもよい。
【0014】また、本発明において、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールも、同じく、従来より工業用殺菌剤として用いられ、商業的に入手可能な化合物である。
【0015】そして、本発明の工業用殺菌組成物では、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン1重量部に対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを1.05〜30重量部、好ましくは、1.2〜8重量部、さらに好ましくは、1.25〜2.5重量部の割合で配合し、また、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを1.25〜30重量部、好ましくは、2〜12重量部、さらに好ましくは、4〜8重量部の割合で配合する。
【0016】5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、このような範囲で配合することにより、アルカリ領域にある殺菌対象系における、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除効果を向上させることができる。また、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、このような範囲で配合することにより、さらなる防除効果および安定化の向上を図ることができる。
【0017】また、このような配合においては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの合計量1重量部に対して、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを0.14〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重量部、さらに好ましくは、1.05〜2.5重量部の割合で配合することが好ましい。このような範囲で配合することにより、殺菌対象系中における工業用殺菌組成物の安定化を図り、防除効果の持続性を向上させ、とりわけ、アルカリ領域にある殺菌対象系における、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除効果を向上させることができる。
【0018】そして、本発明の工業用殺菌組成物は、これら5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、適宜公知の方法によって、配合することにより調製することができる。
【0019】なお、本発明の工業用殺菌組成物は、予め5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを配合した製剤を殺菌対象系に添加してもよく、また、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを、殺菌対象系に、それぞれ個別に添加して、殺菌対象系中において作用させてもよい。
【0020】本発明の工業用殺菌組成物は、目的および用途に応じて製剤化すればよく、その剤型は特に制限されないが、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)として調製することが好ましい。
【0021】液剤として調製するには、例えば、製剤全量に対して、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが1〜4重量%、さらには、1.5〜3重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5〜30重量%、さらには、5〜20重量%、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールが5〜30重量%、さらには、10〜20重量%の割合となるように、適宜溶媒に、溶解または分散させればよい。
【0022】溶媒としては、これらの化合物を溶解しまたは分散し得る溶媒であれば特に制限されず、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶媒、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶媒などが用いられる。これら溶媒のうち、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの両方をより安定化させるためには、好ましくは、グリコール系溶媒、さらに好ましくは、ジエチレングリコール、プロピレングリコールが用いられる。また、これら溶媒は、単独または2種以上併用してもよい。
【0023】さらに、本発明の工業用殺菌組成物は、目的および用途によって、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などの公知の添加剤を、本発明の工業用殺菌組成物の優れた効果を阻害しない範囲において、適宜添加してもよい。
【0024】このようにして得られる本発明の工業用殺菌組成物は、細菌、かび、酵母、藻などに対して、長期にわたって安定した防除効果を発現するため、これらの防除剤として好適に用いられる。
【0025】そのため、本発明の工業用殺菌組成物は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品を殺菌対象系として、そのような殺菌対象系の有害微生物の防除の用途において有効に用いることができる。
【0026】とりわけ、本発明の工業用殺菌組成物は、アルカリ領域にある殺菌対象系、より具体的には、例えば、pH7〜10の殺菌対象系に添加しても、長期にわたって安定した防除効果を発現することができる。そのため、上記の工業製品のなかでも、とりわけ、インク、塗料、樹脂エマルションなどの抗菌剤、防かび剤および防藻剤として、好適に用いられる。
【0027】なお、本発明の工業用殺菌組成物は、殺菌対象系に応じて添加量を適宜決定すればよいが、10〜10000mg(有効成分全量)/kg(製品)、さらには、50〜5000mg(有効成分全量)/kg(製品)の濃度として用いることが好ましい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0029】なお、以下の実施例に用いる略号を下記に示す。
【0030】Cl−MIT:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンMIT:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンBNPD:2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールBIT:1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンDBNE:2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールDEG:ジエチレングリコールPG:プロピレングリコールDPG:ジプロピレングリコールMCT:メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)
(1) 工業用殺菌組成物の調製実施例1液剤中に、Cl−MITが1.5重量%、MITが5.0重量%、BNPDが15.0重量%となるように、ゾーネンFP(Cl−MIT/MIT=10/1(重量比)、有効成分濃度11重量%、ケミクレア社製)15g、コーデック50C(MIT:50重量%、ロームアンドハース社製)9.7g、および、マイアサイドAS(BNPD:99.9重量%、長瀬産業社製)15.2gを、100g製剤の残量分となる量のDEGに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を調製した。
【0031】実施例2〜19液剤中の重量割合が、表1および表2に示す割合となるように、ゾーネンFP、コーデック50CおよびマイアサイドASを、表1および表2に示す各溶媒に加えた以外は、実施例1と同様の操作により、液剤をそれぞれ調製した。
【0032】比較例1〜4液剤中の重量割合が、表1に示す割合となるように、ゾーネンFP、コーデック50CおよびマイアサイドASを、表1に示す各溶媒に加えた以外は、実施例1と同様の操作により、液剤をそれぞれ調製した。
【0033】比較例5液剤中に、Cl−MITが2.5重量%、BITが5.0重量%、BNPDが15.0重量%となるように、ゾーネンFP25g、プロクセルプレスペーストD(BIT:80重量%、アビシア社製)6.25g、および、マイアサイドAS15.2gを、100g製剤の残量分となる量のDEGに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を調製した。なお、表1中、ゾーネンFPに由来するMIT含量は、微量のため省略している。
【0034】比較例6液剤中に、Cl−MITが2.5重量%、MITが5.0重量%、DBNEが15.0重量%となるように、ゾーネンFP25g、コーデック50C9.5g、および、ジブニロールA−75(DBNE:75重量%、ケイアイ化成社製)20gを、100g製剤の残量分となる量のDEGに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を調製した。
【0035】(2) 防腐試験インク(サカタインクス製、防腐剤無添加品、pH8.5)に、実施例1〜11および比較例1〜6の工業用殺菌組成物を、インク中の濃度が0.1重量%となるように、それぞれ添加した。その後、60℃で2週間密封放置後、腐敗種を添加して33℃で培養し、3ヵ月後(1週間毎に腐敗種を添加した。)に、ブイヨン培地にて、ゲル化したもの以外の細菌の菌数を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】(3) 安定性試験実施例1〜11および比較例1〜6の工業用殺菌組成物を、pH9(リン酸緩衝液)の水中に0.25重量%添加して、40℃で7日間密封放置し、その後、放冷して室温に戻して、液体クロマトグラフィーにより、Cl−MITの残存率を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】また、同様に、各実施例および各比較例の工業用殺菌組成物を、pH9(リン酸緩衝液)の水中に0.25重量%添加して、40℃で4日間密封放置し、その後、放冷して室温に戻して、液体クロマトグラフィーにより、BNPD(比較例6ではDBNE)の残存率を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

(4) 製剤耐熱試験実施例2、12〜19の工業用殺菌組成物を、60℃で14日間密封放置し、その後、液体クロマトグラフィーにより、Cl−MITおよびBNPDの残存率を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の工業用殺菌組成物は、細菌、かび、酵母、藻などに対して、長期にわたって安定した防除効果を発現するため、これらの防除剤として好適に用いることができる。とりわけ、本発明の工業用殺菌組成物は、アルカリ領域にある殺菌対象系、より具体的には、例えば、pH7〜10の殺菌対象系に添加しても、長期にわたって安定した防除効果を発現することができる。そのため、インク、塗料、樹脂エマルションなどの抗菌剤、防かび剤および防藻剤として、好適に用いることができる。
【出願人】 【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号
【出願日】 平成14年2月18日(2002.2.18)
【代理人】 【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
【公開番号】 特開2003−238318(P2003−238318A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−39487(P2002−39487)