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【発明の名称】 改良された水面施用農薬組成物
【発明者】 【氏名】松村浩行

【氏名】佐々木義之

【氏名】西岡均

【氏名】小田良樹

【氏名】石村功

【氏名】馬渕勉

【要約】 【課題】常温で固体で、水に難溶性又は不溶性の農薬活性成分を平均粒子径が5μm以下となるように微粉砕し、浮上性及び拡散性技術を付与した農薬組成物に組み込むことからなる農薬活性成分を水面に浮上又は水中に分散させることを特徴とする土壌吸着が回避されて田水中に充分量が溶出し、優れた生物効果を発揮する水面施用農薬組成物及びその使用方法。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平均粒子径が5μm以下で、水に難溶性又は不溶性の1種又は2種以上の常温で固体の農薬活性成分を0.1〜60重量部含有し、田水面又は田水中に施用した際、農薬活性成分を水面に浮上又は水中に分散することを特徴とする水面施用農薬組成物。
【請求項2】 農薬活性成分が農薬活性成分の20℃における水溶解度が、水田水中に処理された薬量から計算される理論水中濃度よりも小さい値を示す請求項1記載の水面施用農薬組成物。
【請求項3】 農薬活性成分が除草活性成分である請求項1又は2いずれか1項記載の水面施用農薬組成物。
【請求項4】 除草活性成分が、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)プロピオンアニリド(一般名:クロメプロップ)である請求項3記載の水面施用農薬組成物。
【請求項5】 請求項1乃至4いずれか1項記載の水面施用農薬組成物の有効量を田水面又は田水中に施用することにより平均粒子径が5μm以下で水に難溶性又は不溶性の農薬活性成分を水面に浮上又は水中に分散させることを特徴とする水面施用農薬組成物の使用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水に難溶性又は不溶性の農薬活性成分を水面に浮上又は水中に分散する水面施用農薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より農薬活性成分の効果を高める目的で、水稲栽培における田水面に浮上させる農薬組成物の研究が盛んに行われている。古くは、パーライト等水に浮く担体に結合材等を用いて農薬活性成分を接着させて粒状組成物を得る方法があり、例えば、ポリブテンを結合材として焼成パ−ライトに殺虫成分を固着させた粒状組成物(特公昭47−1240号公報)、軽石粒やパーライト粒等に糊状結合物質で殺菌成分を付着させた粒状組成物(特公昭48−1179号公報)、発泡させた真珠岩または黒曜石に硬化油、パラフィン石油樹脂で殺虫成分を付着させた粒状組成物(特公昭48−1181号公報)、パーライトなどに殺草成分を担持させた粒状組成物(特公昭48−1182号公報)などが開示されている。
【0003】また近年では、農薬施用の省力化もあいまって、浮上性能だけでなく水面や水中に拡散する性能も付与した農薬組成物が開示されている。例えば、粉末状の農薬活性成分を固体ロウ状物質粉末及び水溶性担体とともに造粒した粒状組成物(特開平7−101805号公報)、農薬活性成分を比重1以下の粉末基剤及び特定の界面活性剤とともに造粒した粒状組成物(特開平7−233002号公報)、農薬活性成分を比重1以下のプラスチック中空体及び水溶性担体とともに造粒した粒状組成物(特開平10−287505号公報)、農薬活性成分を比重1以下のセラミック中空体、特定の界面活性剤及び無機担体とともに造粒した粒状組成物(特開2001−163705号公報)、農薬活性成分を微粉砕して水に懸濁させ比重1未満のプラスチック中空体と混合した水性懸濁組成物(特開平11−228303号公報)、農薬活性成分を微粉砕して水に懸濁させ比重1未満の樹脂粉末等固体物質と混合した水性懸濁組成物(特開2001−106601号公報)などが挙げられる。これらは、散布労力軽減のため局所散布した製剤が速やかに拡散することにより薬剤の局在を防ぐ目的で処方されている。
【0004】さらに、上記に例示される粒状組成物を水溶性高分子フィルムからなる袋に入れるか、発泡剤を入れて大型の錠剤に成型するなどして田水中に直接投入する方法も提案されている。また水性懸濁組成物についてはボトルに充てんして手振り散布する他、動力散布機等を用いて噴射する方法も具体化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記した従来の浮上性や拡散性を付与した農薬組成物の技術は必ずしも万能ではない。特に水に対して難溶性又は不溶性の農薬活性成分を含有する場合、処理される薬量によっては水田中の理論濃度が水溶解度以上となり、農薬活性成分の一部又は大部分は水に溶解せず、水面に浮上するか、水中を懸濁浮遊するか、水底に沈降するかのいずれかの挙動を示す。多くの場合水底に沈降し、土壌吸着等により農薬活性成分が有効に利用されず、結果として所望する生物効果が達成されない。これらの課題に対して浮遊性や拡散性を付与した農薬組成物における農薬活性成分の粒子径と生物効果について言及した報告は見当たらない。したがって、このような不具合が生じない農薬組成物の開発が期待されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このような問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、常温で固体で、水に難溶性又は不溶性の農薬活性成分を平均粒子径が5μm以下となるように微粉砕し、浮上性及び拡散性技術を付与した農薬組成物に組み込むことで優れた生物効果を達成し、前記した課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、浮上性及び拡散性を有する農薬組成物中の平均粒子径5μm以下の農薬活性成分粒子は、長時間田水面に浮上または水中に浮遊拡散する。そのため、土壌吸着が回避されて田水中に充分量が溶出し、優れた生物効果を発揮する。一方、平均粒子径5μm以上の農薬活性成分粒子では短時間で水底に沈降して土壌に吸着されるので生物効果が不充分となる。本発明により薬害の問題も無く優れた活性を有する水面施用農薬組成物が提供される。
【0007】次に本発明の水面施用農薬組成物について具体的に説明する。本発明の農薬活性成分は、常温における性状が固体で、水に難溶性又は不溶性であり、田水中に処理された薬量から計算される理論水中濃度(田水深は5cmと仮定する)が20℃における水溶解度よりも大きいものであれば特に制約を受けるものではない。また、通常水田に使用される農薬活性成分であれば何れも使用でき、1種または2種以上を併用してもよい。
【0008】農薬活性成分としては、除草剤成分、殺虫剤成分又は殺菌剤成分が挙げられ、除草活性成分としては、例えば、O−3−tert−ブチルフェニル 6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカルバマート〔一般名:ピリブチカルブ、実用処理薬量500g/ha、理論水中濃度1.0ppm、水溶解度0.32ppm〕、1−(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチルベンジル)尿素〔一般名:クミルロン、実用処理薬量1000g/ha、理論水中濃度2ppm、水溶解度1.0ppm〕、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)プロピオンアニリド〔一般名:クロメプロップ、実用処理薬量350g/ha、理論水中濃度0.7ppm、水溶解度0.03ppm〕、2−〔4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ〕アセトフェノン〔一般名:ピラゾキシフェン、実用処理薬量1800g/ha、理論水中濃度3.6ppm、水溶解度0.9ppm〕、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル−p−トルエンスルホネート〔一般名:ピラゾレート、実用処理薬量1500g/ha、理論水中濃度3.0ppm、水溶解度0.05ppm〕、2−〔4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェニル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ〕−4’−メチルアセトフェノン〔一般名:ベンゾフェナップ、実用処理薬量800g/ha、理論水中濃度1.6ppm、水溶解度0.13ppm〕、〔3−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)−4−フェニルチオ〕ビシクロ〔3.2.1〕オクト−3−エン−2−オン〔一般名:ベンゾビシクロン、実用処理薬量200g/ha、理論水中濃度0.4ppm、水溶解度0.05ppm〕、3−(4−クロロ−5−シクロペンチルオキシ−2−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチリジン)オキサゾリジン−2,4−ジオン〔一般名:ペントキサゾン、実用処理薬量450g/ha、理論水中濃度0.9ppm、水溶解度0.22ppm〕、などが挙げられる。
【0009】殺虫又は殺菌活性成分としては、例えば2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン〔一般名:ブプロフェジン、実用処理薬量600g/ha、理論水中濃度1.2ppm、水溶解度0.9ppm〕、S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルホナート)〔一般名:ベンスルタップ、実用処理薬量1200g/ha、理論水中濃度2.4ppm、水溶解度0.8ppm〕などが挙げられる。
【0010】これらの農薬活性成分の農薬組成物中への添加量は特に限定されるものではないが、一般的には農薬組成物全量の0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜60重量%であり、農薬活性成分の種類により、1ヘクタールあたりの必要処理量となるように添加すればよい。
【0011】本発明に関する農薬活性成分は、平均粒子径として5μm以下、望ましくは2.5μm以下に微粉砕させれば良い。なお、ここにいう平均粒径等はレーザー回折式粒度分布計SALD2000A(島津製作所製)にて測定した累積50%径を指す。農薬活性成分の微粉砕方法については特に限定されるものではなく、含水ケイ酸等少量の粉砕助剤とともに乾式ジェット粉砕したり、界面活性剤を配合した水に分散させて湿式ビーズ攪拌粉砕することが例示されるが、湿式ビーズ攪拌粉砕がより好ましい。
【0012】前記のように微粉砕された農薬活性成分は性能を補完する他の農薬活性成分1種又は2種以上と混合することもできる。これらの農薬活性成分は他の適当な補助成分や担体等を配合して混合や成形を行い、浮上性や拡散性を付与した農薬組成物とする。浮上性や拡散性を付与する技術に制約はなく、いずれの手法でも適用可能であるが、プラスチック中空体等浮上剤を添加した粒状組成物や水性懸濁組成物がより好ましい。
【0013】浮上性や拡散性を付与した農薬組成物の補助成分としては界面活性剤、高沸点有機溶剤、浮上剤、結合剤、安定剤、凍結復元剤、防腐剤、消泡剤、増粘剤等が配合され、担体としては無機質又は有機質固体担体や水が配合される。
【0014】本発明で使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩及びホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸塩又はリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、リグニンスルホン酸塩、カルボン酸塩ポリマー、スチレンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、アセチレングリコール系界面活性剤、オルガノシリコン系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤、アルキルベタイン等のカチオン系界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれら界面活性剤の使用にあたっては、1種または2種以上を併用しても良い。
【0015】本発明で使用される溶剤としては、アジピン酸エステル、フタル酸エステル、トリメリット酸エステルなどの多塩基酸アルコールエステル類、2−エチルヘキサン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、オレイン酸エステルなどの脂肪酸アルコールエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートなどの多価アルコール脂肪酸エステル類、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ベンジルアルコールなどアルコール類、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどの複素環類、アセトフェノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジベンジルエーテルなどのエーテル類、1,2−ジメチル−4−エチルベンゼン、アルキルナフタレン、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−キシリル−1,3−ジフェニルブタンなどの芳香族炭化水素、ノルマルパラフィン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。
【0016】本発明で使用される浮上剤としては、木粉、コルク粉、パラフィン粉末、発泡パーライトや発泡シラス等のガラス質中空体、ポリエチレン粉末やポリプロピレン粉末等の樹脂粉末、プラスチック有機中空体、セラミック無機中空体等が挙げられるが、これらに限定されるものでなく、1種または2種以上を併用することができる。これら浮上剤の農薬組成物中への添加量は浮上剤の種類、製剤の種類によって異なり特に限定されるものではないが、一般的には農薬組成物全量の0.1〜40重量%の範囲で使用すれば良い。
【0017】その他、本発明で使用される結合剤としては、デキストリン、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が、安定剤としては、エポキシ化植物油、ブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が、凍結復元剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が、防腐剤としては、p−クロロ−m−キシレノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等が、消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等が、増粘剤としてはアラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ウェランガム、精製ベントナイト等が挙げられる。
【0018】さらに、本発明に使用する無機質又は有機質固体担体は特に限定されないが、例えばクレー、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ジークライト、セリサイト、酸性白土、珪石、ケイソウ土、軽石、ゼオライト、塩化カリウム、尿素、ホワイトカーボン、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの無機質固体担体およびグルコース、マルトース、シュークロース、ラクトースなどの有機質固体担体等が挙げられる。これらの無機質固体担体または有機質固体担体は単独で使用しても良く又は2種以上を併用することもできる。もちろん、無機質固体担体と有機質固体担体を併用してもよい。
【0019】本発明の水面施用農薬組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば次のようにして行えばよい。粒状組成物では、平均粒子径5μm以下に微粉砕した農薬活性成分を界面活性剤、浮上剤、結合剤、無機質固体担体または有機質固体担体と、必要があれば農薬活性成分の安定剤、高沸点有機溶剤等を加え、加水、混合後、バスケット造粒機等で造粒し、乾燥、整粒して所望の粒状組成物を得る。さらに、この粒状組成物の10g〜100gを水溶性高分子フィルムにより包装することも可能である。
【0020】水性懸濁組成物では農薬活性成分に界面活性剤、凍結復元剤、防腐剤、消泡剤、水と、必要があれば農薬活性成分の安定剤、高沸点有機溶剤等を加え、湿式ビーズ攪拌粉砕を行い、平均粒子径を5μm以下にしたあと、増粘剤を加えて所望の水性懸濁組成物を得る。
【0021】本発明の水面施用農薬組成物の散布方法については、特に限定されるものではない。粒状組成物では手で直接水田の水面上に投げ入れる、水溶性フィルムパックしたものを投げ入れる、筒状の容器から直接流し入れる、大型スプーンで投げ入れる等が挙げられるが、さらに動力散布機や無人ヘリコプター等の機械散布も可能である。水性懸濁組成物では、プラスティック容器から手振り散布する、水鉄砲で注ぎ込む、田植え時に滴下する、動力散布機や無人ヘリコプター等で機械散布することが可能である。
【0022】上記のように調製・散布された農薬組成物は、田水中に投入後速やかに浮上し、組成物中に含有される農薬活性成分も平均粒子径が5μm以下と非常に微細であるため直ちに水面に浮上又は水中に懸濁分散する。結果として水底に沈降する農薬活性成分はごく僅かであるため、充分量が田水中に溶出し稲体内に速やかに取り込まれることにより安定した生物効果が発揮できる。
【0023】
【実施例】次に実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に「部」とあるのはすべて重量部を示す。
実施例1.水75.85部にジオクチルスルホサクシネートソーダ(ネオコールYSK、第一工業製薬製)1.0部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホスフェートアミン塩(ニューカルゲンFS−3、竹本油脂製)0.75部、プロピレングリコール10.0部、消泡剤(シリコンKM−73、信越化学工業製)0.5部及び防腐剤(プロキセルGXL、ゼネカ製)0.1部を加え、攪拌機(ホモミキサー、特殊機化工業製)により混合溶解し、次いで(RS)−2−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)プロピオンアニリド(以下、クロメクロップと称す)の工業原体(純度97%)を7.5部加えて分散後、湿式粉砕機(ダイノーミルKDL型、バッコーフェン社製)により微粉砕を行い、平均粒子径が0.9μmの粉砕物を得る。この粉砕物にプラスチック中空体と水の混合物(マツモトマイクロスフェアーF30E:松本油脂社製)3.0部、キサンタンガム(ロドポール23、ローヌプーラン社製)0.3部、精製ベントナイト(クニピアG、クニミネ工業製)1.0部を加えて均一に混合して、クロメクロップを7%含有する水性懸濁組成物を得る。
【0024】実施例2.クロメクロップの工業原体(純度97%)7.5部にジオクチルスルホサクシネートソーダ(ネオコールYSK)0.18部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホスフェートアミン塩(ニューカルゲンFS−3)0.44部、シリコン消泡剤0.01部、水7.5部を加え、攪拌機(ホモミキサー)により混合し、湿式粉砕機(ダイノーミルKDL型)により平均粒子径が約1μmとなるよう微粉砕を行う。次に、この粉砕物にプラスチック中空体と水の混合物(マツモトマイクロスフェア−F−80E:松本油脂製薬製)4.7部、塩化カリウム82.86部、ポリアクリル酸ソーダ(片山化学製)2.3部、界面活性剤(サーフィノール465、日信化学工業社製)4.8部、含水ケイ酸(トクシールNP:トクヤマ製)1.2部、水3部に溶解して練合し、1.5mmのスクリーンを装着したバスケット造粒機(RG−5型、菊水製作所(株)製)で押し出し造粒し、70〜80℃の熱風を吹き込んで乾燥、整粒してクロメプロップを7%含有する粒状組成物を得る。
【0025】比較例1.実施例1の工程のうち、微粉砕におけるクロメクロップの平均粒子径が7.2μmである以外は、全く同様に操作して、水性懸濁組成物を得た。
【0026】次に試験例により本発明の水面施用農薬組成物の有用性を示す。試験例1.原体粒径別除草効果。1/5000アールのワグネルポットに水田土壌(埴壌土)を充填し、水を加え代かきを行い、ホタルイ種子を播種して、実施例1(クロメクロップの平均粒子径0.9μm)及び比較例1(クロメクロップの平均粒子径7.2μm)の水性懸濁組成物を供試した。薬剤処理は、ホタルイが1.5葉期の時期に行った。処理方法はマイクロピペットを使用し、所定量のフロアブル製剤をポット中央部に滴下して行った。検定雑草の管理は試験期間を通してガラス温室内で行い、薬剤処理4週間後に100点法(0:除草効果なし〜100:完全枯殺)による肉眼調査により除草効果を判定した。その結果を第1表に示す。
【0027】試験結果から明らかなように、クロメプロップの平均原体粒子径を0.9μmで調製したはフロアブル製剤は、7.2μmで調製したフロアブル製剤に比べて、ホタルイに対する除草効果が大幅に向上した。
【0028】
第1表. 水面施用農薬組成物の原体粒径別ホタルイ効果 ―――――――――――――――――――――――――――― クロメ ホタルイに対する除草効果 プロップの 実施例1 比較例1 供試薬量 クロメプロップの クロメプロップの (g a.i./ha) 平均粒子径0.9μm 平均粒子径7.2μm ―――――――――――――――――――――――――――― 87.5 70 30 175 85 45 350 100 80 ――――――――――――――――――――――――――――【0029】
【発明の効果】水田に投入された本発明の農薬組成物は、農薬活性成分が速やかに水面に浮上又は水中に拡散し、水中懸濁濃度が高まるため、少ない投下薬量で高い生物効果を発現する。また、このように投下薬量の低減化により、単位面積あたりの農薬処理コストが軽減される。
【出願人】 【識別番号】000232623
【氏名又は名称】日本農薬株式会社
【出願日】 平成14年2月7日(2002.2.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−238315(P2003−238315A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−31521(P2002−31521)