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【発明の名称】 水面浮上性農薬製剤、その調製方法及び使用法
【発明者】 【氏名】鎌田 泰裕
【住所又は居所】千葉県山武郡成東町成東2894−1 アベンテイス・クロップサイエンス・シオノギ株式会社 成東研究所内

【氏名】印南 春紀
【住所又は居所】千葉県山武郡成東町成東2894−1 アベンテイス・クロップサイエンス・シオノギ株式会社 成東研究所内

【要約】 【課題】一般的に用いられている農薬製造設備を用いて安価にかつ簡単に行うことができ、しかも、施用後に速やかに水面上に広がることによって有効成分を効果的に分布させ、それによって作物、環境及び施用者に対する影響が低められた水面浮上性農薬製剤を製造することができる方法を提供すること。

【解決手段】嵩比重1.0 未満の即ち散布後水面に浮上しかつ水面走行性を有する農薬製剤の製造方法であって、a) 有効成分、担体、界面活性剤及び必要に応じて他の添加剤を混合して予備造粒用組成物を調製し、b) 上記予備造粒用組成物を固体状界面活性剤と混合して本造粒用組成物を調製し、c) 上記本造粒用組成物を造粒工程に付して粒状農薬製剤を得、次いで必要に応じてd) 上記粒剤を更に成形する、ことを含む上記方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 嵩比重1.0 未満の即ち散布後水面に浮上しかつ水面走行性を有する農薬製剤の製造方法であって、a) 有効成分、担体、界面活性剤及び必要に応じて他の添加剤を混合して予備造粒用組成物を調製し、b) 上記予備造粒用組成物を固体状界面活性剤と混合して本造粒用組成物を調製し、c) 上記本造粒用組成物を造粒工程に付して粒状農薬製剤を得、次いで必要に応じてd) 上記粒剤を更に成形する、ことを含む上記方法。
【請求項2】 段階b)で使用される固体状界面活性剤が、一種またはそれ以上の陰イオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤、あるいはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 有効成分がオキサジクロメホン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ベンゾフェナップ、クロメプロップ、ビフェノックス、SAP 、アニロホス、エトキシスルフロン、ベンフレセート、ダイムロン、ブロモブチド、ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、ピラゾスルフロン、イマゾスルフロン、ピリミノバックメチル、プレチラクロール、テニルクロール、ジメピペレート、MCPAチオエチル、ピリブチカルブ、ペントキサゾン、ジメタメトリン、ピラゾレート、シメトリン、MCPB、シハロホップブチル、プロクロラズ、シラフルオフェン、フィプロニル、メトミノストロビン、キフルザミドおよびシクロプロトリンからなる群から選択された少なくとも1種の農薬成分を含有する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つの方法によって得られる農薬製剤。
【請求項5】 全使用成分の合計を基準にして、有効成分を0.01〜70重量%の割合で、段階a)で加えられる界面活性剤を0.5 〜20重量%の割合で、担体を5〜95重量%の割合で及び段階b)で加えられる固体状界面活性剤を0.1 〜20重量%の割合で含む、請求項4に記載の農薬製剤。
【請求項6】 更に、比重調整剤を1〜70重量%の割合で及び結合剤を0.5〜20重量%の割合で含む、請求項5に記載の農薬製剤。
【請求項7】 水溶性フィルムで包装された、請求項4〜6のいずれか一つの農薬製剤。
【請求項8】 請求項4〜7のいずれか一つに記載の農薬製剤を、1ヘクタール当たり農薬製剤2kg〜20kgの割合で施用する農薬製剤施用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水面浮上性農薬製剤に関し、更に詳しくは、向上した“水面走行性”を有するために施用した際に速やかに広範囲に広がり、農薬有効成分を効率よく分散させることを可能とする水面浮上性農薬製剤、それを水溶性フィルムで包装したその包装体(いわゆるジャンボ剤)、その製造方法及び施用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年農業人口は益々減少化する傾向があり、これと同時に高齢化、兼業化も進んでいる。それゆえ、特別な機械を必要とせず、水田に出来るだけ入らないで済む省力的な散布方法に対する要望が大きくなっている。また一方では、適量の農薬が簡便に施用できるが、処理農地以外への薬剤の流出および散布者への影響が少ない農薬製剤、散布技術が求められている。
【0003】このような現状において、水溶性のバッグに包装された農薬製剤を水田中に機械を使わずに投げ込むことによって有効成分を施用する、いわゆる「ジャンボ剤」は、適量を容易に散布でき、散布時の天候の影響を受けにくく、対象区域外への薬剤の飛散もなく、散布者が農薬に曝される恐れが極めて少ないなどの長所を備えており、近年開発が盛んに行われている。
【0004】ジャンボ剤は、対象水田中で局所的に投入されるために、良好な拡散性を有することが効果の安定、薬害の回避の点から重要であり、またその農薬成分あるいは補助成分については、対象作物や環境への影響が出来るだけ少ないものが求められている。更に、安定した製剤を比較的低価格で提供できるようにすることが実用化の観点から重要である。
【0005】ジャンボ剤としては、各種のものが既に従来技術において提案され、その幾つかが実用化されている。それらについては、社団法人日本植物防疫協会発行の「農薬製剤ガイド」1997年刊行に詳しく解説されている。
【0006】このジャンボ剤に使用される「水面浮上性製剤」は、農薬を強く保持する性質を持つ土から離れた部分、すなわち水田表層水面へ一旦農薬成分を浮上、拡散させ、そこから農薬成分を速やかに水中に分散させ、重力及び水の対流を利用して田面水へ農薬を均一に分散、溶解させ、そしてそれによって均一に土表面へ保持させるなどの過程を通じて対象生物への効果を発揮させる非常に優れた製剤型である。
【0007】水面浮上性製剤では、農薬成分の分散性が優れているため、農地の隅々まで効果が発揮されると共に、作物への薬害が少なくなる。風がある場合、農地の一部に製剤(製剤の担体)が吹き寄せられることがあるが、有効成分の放出が十分速い場合には、効果のバラツキや薬害の原因とはならない。
【0008】更に、多くの場合に、既存の農薬設備で製造することができ、製造及び設備に特別な追加的な費用を必要としない。製剤の安定性も他の製剤型と比較して良好なため、保管が容易な場合が多い。
【0009】水面浮上性展開製剤の調製方法としては、特開平11-315004 号公報、特開平6-336403号公報、特公平3-76281 号公報、特開平10-109905 号公報、特開平8-99804 号公報、特開平5-155709号公報等に、比重の小さな担体を用いてコーティング法、含浸法によって調製する方法が提案されている。
【0010】また、特開平8-99803 号公報、特開平9-249504号公報、特開平10-265302 号公報、特開平11-228304 号公報では、練り込み造粒を使った製造技術が提案されている。練り込み造粒法によって調製される製剤は、均一で流動性に優れ、既存の農薬製造設備によって容易に製造することができるという長所を有する。
【0011】特開平5-155703号には、コーティング型の農薬製剤において、個々の粒子表面上に界面張力の異なる部分を作り、水面に浮上した粒の周囲の界面張力の違いを利用することによる、「水面走行性」の向上された農薬製剤が開示されている。
【0012】水面浮上性製剤が有効に働くには農薬成分が水中に放出される迄の間水面近傍に保持され、良好な分散機構により効率的に水中に放出されることが要求される。上記の水面走行性の農薬製剤は、散布後、自発的に動き回り水面上に広がった上で有効成分を水中へ放出するため、上記の要求を満たし、より効果的な農薬の施用、すなわち圃場への均一な分布を可能とする。
【0013】しかしながら、上記特開平5-155703号では、その農薬製剤は、粒核に農薬有効成分および空気・水界面張力を変化させる物質を油状物質でコーティングすることによって製造されており、このようなコーティング法による農薬製剤の製造は、一般的に、製剤に含まれる有効成分の量が少なく、またその分布が不均一となることがあり、更に、コーティングのための特別な装置が必要であるなど全体的に煩雑である。
【0014】従って、上記の練り込み造粒法を利用し、その利点を活かしながら、水面走行性の農薬製剤を製造できれば当然に有利であるが、しかし、練り込み造粒法は、そもそも原材料を均一に混合、混練した後に、造粒工程を行うものであるから、粒周囲の界面張力を不均一化することが困難である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、本発明の課題は、一般的に用いられている農薬製造設備を用いて安価にかつ簡単に行うことができ、しかも、施用後に速やかに水面上に広がることによって有効成分を効果的に分布させ、それによって作物、環境及び施用者に対する影響が低められた水面浮上性農薬製剤を製造することができる方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、本発明者らは、通常の練り込み造粒方法において、各成分を混合して造粒用組成物を得た後に、この組成物を直接造粒工程に付するものではなく、これに更に固体状の界面活性剤を加えて混合分散させて得られた組成物を造粒工程に付した場合に、簡単かつ効果的に粒表面上の界面張力にむらを作ることができ、上記の課題が達成されることを見出した。
【0017】それゆえ、本発明は、嵩比重1.0 未満の即ち散布後に浮上しかつ水面走行性を有する農薬製剤を練り込み造粒法により製造するにあたって、a) 有効成分、担体、界面活性剤及びその他必要に応じて選択される他の添加剤を混合して予備造粒用組成物を調製し、b) 上記予備造粒用組成物を固体状界面活性剤と混合して本造粒用組成物を調製し、c) 上記本造粒用組成物を造粒加工に付して粒状農薬製剤を得、次いで必要に応じて、d) 得られた粒剤を更に成形する、ことを特徴とする水面浮上性農薬製剤の製造方法を提供するものである。
【0018】更に本発明は、上記製造方法によって製造される水面浮上性農薬製剤、並びに水溶性フィルムで包装した該農薬製剤をも提供する。
【0019】更に、本発明は、上記の水面浮上性農薬製剤の施用方法も提供する。
【0020】練り込み造粒方法とは、上記で引用した特開平8-99803 号公報、特開平9-249504号公報、特開平10-265302 号公報、特開平11-228304 号公報などから示されるように、それ自体公知の方法であり、一般的には、粉体原料に加液または加熱するなどして適当な可塑性をもたせ混合し、これをダイス、スクリーンなどの孔から押出して均一な形状と大きさの造粒物を得る操作であり、例えば粉体原料を混合し、次いで必要に応じて水等を加えて混練して得た組成物を造粒工程に付すことによって行われる。
【0021】本発明においては、このような練り込み造粒法において、慣用の手順に従い諸成分を混合して得られた予備造粒用組成物(段階a)を、直接造粒工程に付すことはせず、この予備造粒用組成物を固体状界面活性剤と混合し( 段階b)、そうして得られた本造粒用組成物を造粒工程に付す( 段階c)。
【0022】段階b)における予備造粒用組成物と固体状界面活性剤との混合は、予備造粒用組成物の調製に使用した慣用の混合機で行えばよく、何ら特殊な追加的手段は必要ではない。混合時間等の混合条件は、使用される混合機、材料の量等に依存するため一該に言えるものではないが、固体状界面活性剤が予備造粒用組成物全体に行き渡る程度に混合すれば足りる。それゆえ、或る与えられた材料の量、種類及び混合機の型において、当業者ならば予備実験等により適当な条件を簡単に選定するができる。具体的な条件の例については以下の実施例の記載を参照されたい。
【0023】段階b)で加えられる“固体状界面活性剤”とは、本造粒用組成物の調製時(すなわち、固体状界面活性剤と予備造粒用組成物との混合時)の条件下で固形の状態で存在し得る界面活性剤、並びにこの条件下で液状の界面活性剤の場合は、これを吸着剤などの担体に支持させて固体状(例えば粉末状または粒状)としたものを意味する。後者の場合は、担体としては、例えば以下に造粒用組成物全体のための担体の例として挙げるもの、例えば合成シリカなどを使用することができる。上記の要件を満たせば界面活性剤の具体的な種類は特に制限されないが、界面張力低下能の強いものが好ましい。この固体状界面活性剤の例としては、以下に制限されないが、脂肪酸石鹸、硫酸化油、高級アルコールおよびオレフィンの硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホネート、アルキルアリルスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート縮合物、スルホコハク酸エステル、脂肪酸アミドスルホネート、リグノスルホネート、アルキル燐酸エステル、アルキルエーテル燐酸エステル、アセチレン系活性剤、シリコーン系活性剤、ポリオキシアルキレン系活性剤などが挙げられる。固体状界面活性剤は、一種またはそれ以上のものを任意に組み合わせて使用することができる。
【0024】固体状界面活性剤は、好ましくは、陰イオン系界面活性剤あるいは非イオン性界面活性剤から一種または二種以上が選ばれ、これらの界面活性剤の混合物も好ましいものとして挙げられる。
【0025】固体状界面活性剤の添加量(液状の界面活性剤と担体との組み合わせの場合にも界面活性剤自体の添加量)は、全使用成分の合計重量を基準にして好ましくは0.1 重量%〜20重量%、特に好ましくは1重量%〜20重量%である。
【0026】本発明で使用される有効成分としては、有害生物を防除しまたは対象作物の成長を調節する当技術分野において使用されるいかなる成分、例えば殺虫剤、除草剤、殺菌剤、植物成長調節剤等を、制限無く使用することができる。水溶性、難溶性、固体、液体の有効成分のいずれのものでも使用できる。
【0027】具体的な有効成分としては、以下に限定されないが、例えばオキサジクロメホン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ベンゾフェナップ、クロメプロップ、ビフェノックス、SAP、アニロホス、エトキシスルフロン、ベンフレセート、ダイムロン、ブロモブチド、ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、ピラゾスルフロン、イマゾスルフロン、ピリミノバックメチル、プレチラクロール、テニルクロール、ジメピペレート、MCPAチオエチル、ピリブチカルブ、ペントキサゾン、ジメタメトリン、ピラゾレート、シメトリン、MCPB、シハロポップブチル、プロクロラズ、シラフルオフェン、フィプロニル、メトミノストロビン、キフルザミドおよびシクロプロトリンなどを挙げることができる。
【0028】本発明の農薬製剤は、水面走行性を有するために施用後の水面上での拡散が非常に短時間のうちに広範囲に及ぶ。そのため、農薬製剤の拡散もしくは農薬製剤中の補助成分の働きが不十分であるような場合に問題を引き起こす恐れのある難溶性の有効成分や、有効成分の均一な分布を特に配慮しなければならない薬害の可能性の高い有効成分との組み合わせにおいて、本願発明による農薬製剤の効果が特に発揮される。
【0029】このような難溶性及び/または薬害の可能性の高い農薬有効成分の例としては、例えばアニロホスなどが挙げられる。
【0030】有効成分は、単独で使用してもよいし、または二種以上の物質の混合物として使用してもよい。添加量は、全使用成分の合計重量を基準にして好ましくは0.01重量%〜70重量%、特に好ましくは0.05重量%〜50重量%である。
【0031】担体は、有効成分を水面上で一定時間保持し、その後、有効成分を放出させる役割を持つものであり、水溶性のもの、難溶性のもの、浮遊性のもの、沈降性のもの、多孔性のものなど、当業界で知られている如何なるものでも使用することができる。
【0032】具体的なものとしては、以下に制限されないが、例えば炭酸カルシウム、クレー、タルク、ベントナイト等の鉱物質微粉、木粉、タブ粉、ケナフ粉等の植物性微粉、合成シリカ、プラスチック等の合成資材などを挙げることができる。これらのうちの幾つかは粉砕助剤、滑択剤の機能も兼ね備える。担体は、単一の材料を使用してもよいし、複数種のものを組み合わせて使用してもよい。
【0033】担体の添加量は、全使用成分の合計重量を基準にして好ましくは5〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%である。
【0034】予備造粒用組成物の調製時(段階a)に混入される界面活性剤は、当技術分野において混練性改良剤、分散剤、乳化剤、崩壊剤、水面展開剤などとして慣用されるものである。この界面活性剤は、その予備造粒用組成物の混合調製の前もしくはその最中に加えられ、粒剤原料中にほぼ均一に混合される成分であり、即ち、上記の固体状界面活性剤とは別個に加えられる。この目的で加えられる界面活性剤としては、当技術分野において慣用される如何なるものでも選択でき、また固体状界面活性剤と同種のものであっても異なる種類のものであってもよい。具体的なものとしては、例えば、脂肪酸石鹸、硫酸化油、高級アルコールおよびオレフィンの硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホネート、アルキルアリルスルホネート、スルホコハク酸エステル、脂肪酸アミドスルホネート、リグノスルホネート、アルキル燐酸エステル、アルキルエーテル燐酸エステル等が例示できるが、これらに限定されない。添加量は、全使用成分の合計重量を基準にして好ましくは0.5 〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%である。
【0035】その他必要に応じて選択される他の添加剤としては、本技術分野において慣用される如何なるものでも選択することができる。以下にその例を挙げる。
結合剤結合剤としては、デキストリン、変性デキストリン、アルギン酸塩、アラビアゴム、カルボキシルメチルセルロース、リグニン等の植物および植物由来の資材、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の合成品が挙げられるが、これらに限定されない。また、結合剤として、水膨潤性の物質(例えばセルロース系材料)を使用すると、水膨潤性物質が散布後水面上で膨潤に伴って崩壊し、その結果有効成分と水との接触が大きくなり、有効成分が効果的に分散、溶解されるなどの利点がある。添加量は、全使用成分の合計重量を基準にして好ましくは0.5 〜20重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。
比重調整剤水面浮上性を調整する比重調整剤としては、比重が1未満の各種材料が使用される。プラスチック中空体、軽石、シラス、パーライト、焼成鉱物粒、発泡ガラス、コルク粉、木粉、発泡デキストリン、比重1未満のオイル、ワックス等を例示できるがこれらに限定されない。添加量は、全使用成分の合計重量を基準にして好ましくは1〜70重量%、特に好ましくは1〜50重量%である。
【0036】更に、必要に応じて、安定化剤、拡展助剤、色素、薬害軽減剤、効力増強剤、吸油剤なども使用することができる。
【0037】段階c)にて得られた粒剤を、段階d)において、更に加工して、例えばタブレット、球状、円盤状、円柱状、直方体、立方体などに成形してもよい。但し、水面浮上性を確保するためにその成形体の比重は1未満である必要があるが、そのためには、必要に応じて担体、比重調節剤の種類、量を適宜選定すればよい。
【0038】本発明の農薬製剤は、上記の粒剤または成形体の形の製剤を手撒きまたは散布機で直接散布することができる。また、水溶性フィルム、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ゼラチン、プルラン等のフィルムで農薬製剤を所定量(好ましくは10〜100 g)包装して得た包装体(所謂、ジャンボ剤)を圃場に投入することもでき、この場合は、農薬製剤を機械等を用いずに水田へ直接投入することが可能となり、効果に優れ、省力化、施用者および環境への安全性に特に寄与することができ、極めて有利である。
【0039】施用量は、好ましくは1ヘクタール当たり農薬製剤2kg〜20kg程度である。
【0040】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の例においては、農薬製剤の比重は、「昭和35年2月3日、農水省告示第71号」に準ずる方法を用いて測定した。%は重量%である。
【0041】
【実施例】
実施例1使用成分及びその使用量アニロホス 8.0 % エトキシスルフロン 0.4 % プラスチック中空体* 2.0 % ラウリルサルフェートナトリウム塩 1.0 % 固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩 4.0 % リグニンスルホン酸ナトリウム塩 4.0 % ナトリウムベントナイト 20.0 %タルク 60.4 %*アクリロニトリル重合体、平均粒子径50〜100μm、比重0.017 〜0.027 (マツモトマクロスフェアーF-80)
調製方法全量8kgに相当する原料を用いて試作を行なった。
【0042】固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩を除く原料を(株)マツボー社製「レーディゲミキサーFM50D 」に加え3分間運転して混合を行なった。すき状シャベルの回転数は180rpm、チョッパーの回転数は2970rpm である。これに2kgの水道水を加えさらに8分間運転を行ない混練を行なった。
【0043】固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩を加え、5分間運転を行ない混合を行なった。
【0044】出来上がった混練物をダルトン社製「ドームグランラボDG-L1 」型に0.8mm 径のドームダイ(押し出し造粒用スクリーン)を装着し造粒を行なった。スクリュー回転数は30rpm とした。
【0045】造粒物を軽く手で攪拌して粒度を整え、ダルトン社製「ミゼットドライヤーMDB-400」型を用いて乾燥を行なった。乾燥温度は吹き込み温度75℃、排気温度が50℃となった時乾燥を終了した。
【0046】0.5mm の標準篩を用いて微粉部分を除き、農薬製剤( 比重0.38) を得た。
実施例2使用成分及びその使用量アニロホス 8.0 % エトキシスルフロン 0.4 % プラスチック中空体* 2.0 % ラウリルサルフェートナトリウム塩 1.0 % ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 3.0 % 固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩 2.5%固体状ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1.5%加工デンプン 3.0 % ナトリウムベントナイト 20.0% 炭酸カルシウム 58.6 %*アクリロニトリル重合体、平均粒子径50〜100 μm、比重0.017 〜0.027 (マツモトマクロスフェアーF-80)
調製法全量8kgに相当する原料を用いて試作を行なった。
【0047】固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩および固体状ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを除く原料を(株)マツボー社製「レーディゲミキサーFM50D 」に加え3分間運転して混合を行なった。すき状シャベルの回転数は180rpm、チョッパーの回転数は2970rpm である。これに2kgの水道水を加えさらに8分間運転を行ない混練を行なった。
【0048】固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩を加え、5分間運転を行ない混合を行なった。
【0049】出来上がった混練物をダルトン社製「ドームグランラボDG-L1 」型に0.8mm 径のドームダイ(押し出し造粒用スクリーン)を装着し造粒を行なった。スクリュウ回転数は30rpm とした。
【0050】造粒物を軽く手で攪拌して粒度を整え、ダルトン社製「ミゼットドライヤーMDB-400」型を用いて乾燥を行なった。乾燥温度は吹き込み温度75℃、排気温度が50℃となった時乾燥を終了した。
【0051】0.5mm の標準篩を用いて微粉部分を除き、農薬製剤( 比重0.38) を得た。
比較例1使用成分及びその使用量アニロホス 8.0 % エトキシスルフロン 0.4 % プラスチック中空体* 2.0 % ラウリルサルフェートナトリウム塩 1.0 % ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩 4.0 % リグニンスルホン酸ナトリウム塩 4.0 % ナトリウムベントナイト 20.0 %タルク 60.4 %*アクリロニトリル重合体、平均粒子径50〜100 μm、比重0.017 〜0.027 (マツモトマクロスフェアーF-80)
調製法水道水を除く固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩を含めた全ての原料を始めに「レーディゲミキサーFM50D 」に加えて混合し製造を行なう点を除いて、実施例1と同じ方法を用いて製造を行なった。比重0.38の農薬製剤を得た。
比較例2使用成分及びその使用量アニロホス 8.0 % エトキシスルフロン 0.4 % プラスチック中空体* 2.0 % ラウリルサルフェートナトリウム塩 1.0 % ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 3.0 % 固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩 2.5%固体状ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1.5%加工デンプン 3.0 % ナトリウムベントナイト 20.0% 炭酸カルシウム 58.6% *アクリロニトリル重合体、平均粒子径50〜100 μm、比重0.017 〜0.027 (マツモトマクロスフェアーF-80)
調製法水道水を除く固体状ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩および固体状ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含めた全ての原料を始めに「レーディゲミキサーFM50D 」に加えて混合し製造を行なう点を除いて、実施例2と同じ方法を用いて製造を行なった。比重0.38の農薬製剤を得た。
拡散性試験各薬剤32g を40ミクロンの水溶性PVA フィルム( 日本合成化学工業( 株) 製C-200AX)に包装し試験に供した。
【0052】水田圃場で畦畔板を用い4m×16m(64平方メートル)の区画を作成し、水深5cmを維持した。
【0053】風速1.1m/ 秒の条件下でPVA 包装した薬剤を風下条件である地点に投下し拡散の様子を観察した。投入3 分後および5 分後の投下地点からの製剤の拡散距離を測定した。
【0054】さらに1、3、6時間後に区画の投下地点、投下地点から1m、4m、7mおよび11mから少量のサンプルを採取しHPLC法で各有効成分を分析した。

有効成分の水中濃度(単位は全てppm )
有効成分が完全にかつ均一に溶解した場合の濃度アニロホス 0.80エトキシスルフロン 0.04【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
【発明の効果】実施例1及び実施例2の実験結果からは、以下のことが判明した。
【0060】即ち、実施例1及び実施例2の製剤は、視覚上水面での薬剤粒子の迅速な拡散があることが判った。これに対し、比較例1及び比較例2の製剤は、使われている原料が同じであるにも拘わらず、拡散速度は実施例1及び実施例2の製剤に比べて明らかに遅かった。
【0061】また、本発明による製剤においては、ポリビニルアルコールの袋が破れた後、薬剤粒子は勢い良く水面を分散し広がって行った。有効成分は、1時間後には既に11メートルの地点までに到達し、その後6時間後には、全地点からほぼ同じ濃度が観察された。実施例1及び2の製剤により水田の水中に大変良好で迅速な有効成分の分散が実現できることが確認された。
【0062】一方、比較例1及び比較例2の実験結果からは、以下のことが判明した。
【0063】ポリビニルアルコールの袋が破れた後の薬剤粒子の分散は、同じ原料を使った実施例1又は実施例2の製剤に比較して、明らかに勢いがなかった。1時間後には11メートルの地点で検出された有効成分は僅かで、24時間後でも、エトキシスルフロンでは濃度は全地点で同一となったものの、アニロホスは均一とはならなかった。アニロホスの濃度は実施例1及び実施例2の製剤に比較して低く、有効成分が局在化されていることが示された。比較例1及び比較例2の製剤は実施例1及び実施例2の製剤と比較した場合、有効成分が水田に分散させる能力が低いことが判った。
【0064】上記の比較検討結果の通り、本発明の製剤は、水田に施行した場合、従来の製剤に比べて、水田の水中に大変良好で迅速な有効成分の分散が実現でき、新しい有用な水面浮上性水田用農薬製剤であった。また、基本的に練り込み造粒法を利用しているため、得られた製剤は均一で流動性に優れるものであった。更にこのような効果は、既存の農薬製造設備を用いて、また非常に簡単な手順で達成することができた。
【出願人】 【識別番号】502029921
【氏名又は名称】アベンテイス・クロップサイエンス・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 65926 フランクフルト アム マイン
【出願日】 平成14年1月25日(2002.1.25)
【代理人】 【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史 (外3名)
【公開番号】 特開2003−238306(P2003−238306A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−16808(P2002−16808)