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【発明の名称】 防黴性シリコーンシーリング材
【発明者】 【氏名】水野 和宏
【住所又は居所】静岡県駿東郡小山町湯船1157番16号 株式会社タイショーテクノス研究所内

【氏名】小熊 朗
【住所又は居所】静岡県駿東郡小山町湯船1157番16号 株式会社タイショーテクノス研究所内

【氏名】堀崎 信子
【住所又は居所】静岡県駿東郡小山町湯船1157番16号 株式会社タイショーテクノス研究所内

【要約】 【課題】広範囲の微生物に対して優れた抗菌・防黴性を有するとともに、少量の抗菌・防黴剤の使用にもかかわらず、シーリング処理のコストアップを生じない抗菌・防黴性の高いシリコーンシーリング材を提供すること。

【解決手段】イマザリル単独、またはイマザリルと、TBZ、BCM、ZPT、テブコナゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種とを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物を含有することを特徴とする防黴性シリコーンシーリング材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(プロペニルオキシ)エチル]−1H−イミダゾールまたはその酸付加塩類(以下イマザリルと記す)の単独を含有するか、またはイマザリルと、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールまたはその酸付加塩類(以下TBZと記す)、2−ベンズイミダゾリルカルバミン酸メチルまたはその酸付加塩類(以下BCMと記す)、ジンクビス(2−ピリジンチオ−1−オキサイド)(以下ZPTと記す)およびα−〔2−(4−クロロフェニル)エチル〕−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4,−トリアゾール−1−エタノール(以下テブコナゾールと記す)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物を含有することを特徴とする防黴性シリコーンシーリング材。
【請求項2】 抗菌・防黴剤組成物が、イマザリルとTBZとを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物である請求項1に記載の防黴性シリコーンシーリング材。
【請求項3】 抗菌・防黴剤組成物が、イマザリルとBCMとを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物である請求項1に記載の防黴性シリコーンシーリング材。
【請求項4】 抗菌・防黴剤組成物が、イマザリルとZPTとを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物である請求項1に記載の防黴性シリコーンシーリング材。
【請求項5】 抗菌・防黴剤組成物が、イマザリルとテブコナゾールとを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物である請求項1に記載の防黴性シリコーンシーリング材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌・防黴剤組成物を含有する防黴性シリコーンシーリング材に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンシーリング材は、施工後の環境が、高温度、高湿度、温湿度差が大きいなどの条件にある時、および施工後のシーリング材表面の結露や汚れなどが付着した場合などに、シリコーンシーリング部分に黴などの微生物が発生する。その結果、施工面の美観が損なわれたり、シリコーンシーリング材の劣化が促進されたりして、その結果、シーリングされた製品の価値が著しく低下することに繋がる。このような問題を解決するために、一般にシリコーンシーリング材に抗菌・防黴剤が使用されてきたが、従来の抗菌・防黴剤では必ずしも十分な防黴効果を発揮できなかった。
【0003】従来の抗菌・防黴剤では、その多くが、シリコーンシーリング材に添加した際、抗菌・防黴剤とシーリング材中の架橋剤や触媒との反応による着色や、太陽光中の紫外線の照射を受けることにより着色・変色が見られたり、さらにシリコーンシーリング材の物性に影響を及ぼす場合が多く、使用可能な抗菌・防黴剤は極く限られたものであった。具体的には、TBZ、BCM、ZPTおよびテブコナゾールなどである。
【0004】しかし、これらの抗菌・防黴剤は、対象となる微生物の種類により効力にバラツキが見られ、特にUlocladium botrytisAlternaria alternateなどの黒黴類に対する効力が極端に弱く、実用上充分な防黴効果を得るためには、これら抗菌・防黴剤の添加量を増加させる必要があり、その結果、シリコーンシーリング材の防黴処理のコストアップに繋がっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、広範囲の微生物に対して優れた抗菌・防黴性を有するとともに、少量の抗菌・防黴剤の使用にもかかわらず、シーリング処理のコストアップを生じない抗菌・防黴性の高い防黴性シリコーンシーリング材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、(±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(プロペニルオキシ)エチル]−1H−イミダゾールまたはその酸付加塩類(以下イマザリルと記す)の単独を含有するか、またはイマザリルと、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールまたはその酸付加塩類(以下TBZと記す)、2−ベンズイミダゾリルカルバミン酸メチルまたはその酸付加塩類(以下BCMと記す)、ジンクビス(2−ピリジンチオ−1−オキサイド)(以下ZPTと記す)およびα−〔2−(4−クロロフェニル)エチル〕−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4,−トリアゾール−1−エタノール(以下テブコナゾールと記す)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物を含有することを特徴とする防黴性シリコーンシーリング材を提供する。
【0007】本発明では、イマザリルを単独で使用するか、または従来、効果が低くコスト高であったTBZ、BCM、ZPTまたはテブコナゾールに、イマザリルを配合して使用することにより、少量の使用であっても、従来の抗菌・防黴剤の単独使用では抑えきれなかった黒黴類の発生を防止でき、また、前記の如き着色・変色を抑え、かつコストアップを抑えるとともに、抗菌・防黴性、耐着色・変色性およびシーリング性に優れた防黴性シリコーンシーリング材を提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明で使用する抗菌・防黴剤はイマザリル単独、またはイマザリルと、TBZ、BCM、ZPTおよびテブコナゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種とを有効成分とする抗菌・防黴剤組成物である。
【0009】上記イマザリルは、正式名称は「(±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(プロペニルオキシ)エチル]−1H−イミダゾール」であり、下記構造式で表わされる。

【0010】イマザリルの酸付加塩類を構成する酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、スルフォン酸誘導体、酢酸、乳酸などが挙げられる。以上の如きイマザリルは、例えば、商品名「イマザリル」でヤンセン(株)(ベルギー)社から入手して本発明で使用することができる。上記イマザリルは、本発明において単独で使用可能であるが、他の特定の抗菌・防黴剤と併用して使用することが好ましい。併用する場合について以下に説明する。
【0011】上記イマザリルと配合するTBZの正式名称は「2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール」であり、下記構造式で表わされる。

TBZの酸付加塩類を構成する酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、スルフォン酸誘導体、酢酸、乳酸などが挙げられる。
【0012】また、前記イマザリルと配合するBCMの正式名称は「2−ベンズイミダゾリルカルバミン酸メチル」であり、下記構造式で表わされる。

BCMの酸付加塩類を構成する酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、スルフォン酸誘導体、酢酸、乳酸などが挙げられる。
【0013】また、前記イマザリルと配合するZPTの正式名称は「ジンクビス(2−ピリジンチオ−1−オキサイド」であり、下記構造式で表わされる。

【0014】また、前記イマザリルと配合するテブコナゾールの正式名称は「α−〔2−(4−クロロフェニル)エチル〕−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4,−トリアゾール−1−エタノール」であり、下記構造式で表わされる。

【0015】以上のTBZ、BCM、ZPTおよびテブコナゾールは何れも市場から入手して本発明で使用できるものであり、イマザリルと併用する場合には、イマザリルに対して何れか1種を配合してもよいし、2種以上を配合してもよい。TBZの配合量はイマザリル100質量部当たり1〜2,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部である。BCMの配合量はイマザリル100質量部当たり1〜2,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部である。また、ZPTの配合量はイマザリル100質量部当たり1〜2,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部である。また、テブコナゾールの配合量はイマザリル100質量部当たり1〜2,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部である。
【0016】TBZ、BCM、ZPTまたはテブコナゾールのイマザリルに対する配合比率が上記範囲未満では抗菌・防黴効力などの点で十分ではない。一方、TBZ、BCM、ZPTまたはテブコナゾールのイマザリルに対する配合比率が上記範囲を超えるとシリコーンシーリング材が着色・変色するなどの点で十分ではない。また、イマザリルに対するTBZ、BCM、ZPTまたはテブコナゾールの配合方法は、各成分の単なる混合でもよいし、各成分を適当な溶剤や、シリコーンシーリング材に使用する添加剤中において配合させてもよい。さらに後述するシリコーンシーリング材の使用時に、イマザリルとともに他の成分を前記の比率で同時に包含させてもよい。
【0017】本発明は、前記イマザリル単独、または上記の如く配合した抗菌・防黴剤組成物をシリコーンシーリング材に包含させたことを特徴としている。本発明で使用するシリコーンシーリング材としては、従来公知の何れの1液型および2液型のシリコーンシーリング材でもよく、特に限定されない。一般にシリコーンシーリング材は、シリコーン樹脂の種類によって以下のように分類されている。


【0018】シリコーン系および変性シリコーン系シーリング材とも、それぞれ硬化させるために1成分型または2成分型の形態を持っている。一般住宅用の代表的な室温硬化性脱オキシム型のものの1例を以下に示す。
・シリコーン樹脂 80質量部・シリカ充填剤 10質量部・硬化剤 10質量部・希釈剤 10質量部・アミノシラン 1質量部・チクソトロピー付与剤 0.5質量部以上の如きシリコーンシーリング材は、各メーカーまたはそれぞれの製品種類によって、各成分の配合割合は異なるが、およそ以上のような組成である。
【0019】上記シリコーンシーリング材に対する前記イマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴剤組成物の添加量は、シリコーンシーリング材100質量部当たり0.01〜5質量部、とりわけ0.1〜3質量部の範囲が好ましい。前記イマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴剤組成物の添加量が上記範囲未満ではシリコーンシーリング材に対して、特に黒黴に対する十分な防黴性が与えられず、一方、前記イマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴剤組成物の添加量が上記範囲を超えても、添加量に応じて防黴性が向上せず、耐着色・変色性が低下し、さらにコストの点で好ましくない。シリコーンシーリング材に対する前記イマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴剤組成物の添加方法は、シリコーンシーリング材に直接混練してもよいし、2液型のシリコーンシーリング材の場合には、何れか一方の液に予め添加しておき、これらの前記イマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴剤組成物を含む液を用いて最終的なシリコーンシーリング材としてもよい。
【0020】本発明で使用する前記イマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴剤組成物およびこれらの薬剤が添加されるシリコーンシーリング材については以上の通りであるが、その他必要に応じて本発明のシリコーンシーリング材に公知の種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの任意の添加剤を添加することができる。さらに前記以外の抗菌・防黴剤を併用することもできる。
【0021】併用できる前記以外の抗菌・防黴剤の具体例としては、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N−(トリクロロメチルチオ)−4−シクロヘキシ−1,2−ジカルボキシイミド、N,N−ジメチル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)−N”−フェニルスルファミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、ジヨードメチル−p−トリルスルフォン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、N−n−ブチル−1,2−ベンジルイソチアゾリン−3−オン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、ポリヘキサメチレンビグアナイドまたはその酸付加塩類などが挙げられる。
【0022】以上の如き本発明の防黴性シリコーンシーリング材は、建築物の内外装、食品工場、バイオクリーンルーム、道路、高速道路、橋梁、タンク、プラント、電子部品、車輛などの多くの用途において有用であり、特に黴が発生し易い厨房や浴室の内装、車輛の室内の内装用シーラントとして有用である。また、直射日光が当たる建築物の外装、その他の物品のシーラントとして使用しても防黴性や耐着色・変色性に優れており、そのうえシーリング材としての物性の低下がない。
【0023】
【実施例】次に参考例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0024】参考例1本発明で使用する抗菌・防黴材組成物の組成例を下記表1〜3に示す。

【0025】

【0026】

【0027】上記表1〜3に記載の混合薬剤およびイマザリル、TBZ、ZPT、BCMおよびテブコナゾールの単独使用時における各種微生物に対するそれぞれの抗菌力を、各種微生物に対する最小発育阻止濃度(MIC)を測定して調べた。その結果を下記表4〜7に示す。試験方法は下記の通りである。
(1)使用培地:酵母および細菌には1%ブドウ糖ブイヨン液体培地を使用。黴にはポテトデキストロース培地を使用。
(2)培養条件:酵母および細菌には30℃×3日間培養。黴には25℃×7日間培養。
【0028】

【0029】(4)測定方法それぞれの培地を殺菌した後、各種薬剤を所定の濃度になるように溶解し、各微生物を予め斜面寒天培地上で培養したものから1白金耳接種して、それぞれに適した条件で培養し、一定経過後に生育状況を目視により発育の有無を観察した。
(5)判定各薬剤の各濃度における状況から最小発育阻止濃度を求め、下記表4〜7に示した。
【0030】

【0031】

以上の結果から、イマザリルとTBZおよびイマザリルとBCMそれぞれの組み合わせにより、明らかに抗菌性に相乗効果が認められ、また、多くの種類の微生物に対する抗菌性において、相互に補充し合って各種のシリコーンシーリング材の製品品質の抗菌・防黴剤として有用な薬剤混合物であることが認められた。
【0032】

【0033】

【0034】実施例1(比較例も含む)
前記参考例の混合薬剤A、混合薬剤a、混合薬剤H、混合薬剤h、イマザリル50部とテブコナゾール50部とTBZ50部からなる混合物、イマザリル50部とテブコナゾール50部とBCM50部からなる混合物およびイマザリル単独を、後記表8−1および表8−2に示す濃度になるように、下記組成のオキシム型1剤系シリコーンシーリング材に添加した。
・シリコーン樹脂 80部・シリカ充填剤 10部・硬化剤 10部・希釈剤 10部・アミノシラン 1部・チクソトロピー付与剤 0.5部これを厚さ2mmのシート状に延ばし、固化させて試作シートを作製した。比較対照として、イマザリル以外の上記抗菌・防黴剤単品および従来より知られている抗菌・防黴剤を後記表8−1および表8−2に示す濃度になるように各々添加したシートも同時に試作した。
【0035】上記試作シート作製時のシリコーンシーリング材中の薬剤である架橋剤と抗菌・防黴剤の反応による着色や、紫外線によるシリコーンシーリング材の着色性を調べた。紫外線による着色は、フェードメーターにて500時間の紫外線照射を行い着色度合いを調べ、その結果を後記表8−1および表8−2に示した。着色度合の評価は以下の基準によって3段階で表示した。本発明技術および従来技術の結果をそれぞれ表8−1および表8−2に示す。
○:着色が認められない。
△:少し着色が認められる。
×:はっきり着色が認められる。
【0036】

【0037】

【0038】上記表8−1および表8−2の結果から、本発明で使用するイマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴材組成物はシリコーンシーリング材において、BCM、テブコナゾールの単独に比べて耐着色性においては特に優位性はないが、TBZ、ZPTおよびその他の薬剤に対しては優位性が認められる。
【0039】実施例2(比較例も含む)
前記参考例の混合薬剤E、混合薬剤e、混合薬剤N、混合薬剤nおよびイマザリル単独を各々後記表9−1および表9−2に示す濃度になるように、実施例1と同じオキシム型1剤系シリコーンシーリング材に添加した。これを厚さ2mmのシート状に延ばし、固化させて試作シートを作製した。比較対照として、上記混合薬剤を構成する抗菌・防黴剤単品を後記表9−1および表9−2に示す濃度になるようにそれぞれ添加したシートも同時に試作した。
【0040】上記に示した試作シートを使用して抗菌・防黴効果の評価を行い、結果を後記表9−1および表9−2に示した。評価方法は、次に示す通りである。9cm径のシャーレに固定したポテトデキストロース寒天培地上に、40mm×40mmに切断した試作シートを置き、以下の菌種の単一胞子懸濁液を噴霧し、28±2℃およびRH98%で4週間の培養を行った。使用した菌種は以下に示したものを用いた。

【0041】防黴効果の評価は以下に示すように3段階で表示した。
評価3:試料表面に供試菌の発育が認められない。
評価2:試料表面の供試菌の発育面積が1/3を越えない。
評価1:試料表面の供試菌の発育面積が1/3を越える。
【0042】

【0043】

【0044】上記表9−1および表9−2の結果から、本発明で使用するイマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴材組成物はシリコーンシーリング材において、試験した全ての黴類に対して低い添加量でも優れた防黴性を示す。これに対してTBZ、BCMのそれぞれ単独では、Alt.alt.およびUlo.bot.などに対して防黴性が不十分であり、そしてZPTおよびテブコナゾールそれぞれ単独では、Cla.cla.に対して防黴性が不十分であることが明らかであり、本発明で使用するイマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴材組成物の優位性が明瞭である。
【0045】実施例3(比較例も含む)
実施例2で試作したシート、およびイマザリル50部とテブコナゾール50部とTBZ50部からなる混合物、イマザリル50部とテブコナゾール50部とBCM50部からなる混合物、およびイマザリル単独を用いて同様に試作したシートの紫外線処理による抗菌・防黴性に及ぼす影響をみるために、フェードメーターにて500時間の紫外線照射を行った。また、実施例2で試作したシートの温水処理の抗菌・防黴性に及ぼす影響をみるため、試作シートを80℃の温水中に7日間の浸漬を行った。
【0046】上記に示した紫外線処理または温水処理を行った試作シートと無処理の試作シートを使用して抗菌・防黴効果の評価を行い、結果を後記表10−1および表10−2に示した。試験方法は、次に示す通りである。9cm径のシャーレに固定したポテトデキストロース寒天培地上に、40mm×40mmに切断した試作シートを置き、実施例2で使用した菌種の混合胞子懸濁液を噴霧し、28±2℃、RH98%で4週間の培養を行った。
【0047】防黴効果の評価は、以下に示すように3段階で表示した。
評価3:試料表面に供試菌の発育が認められない。
評価2:試料表面の供試菌の発育面積が1/3を越えない。
評価1:試料表面の供試菌の発育面積が1/3を越える。
【0048】

【0049】

【0050】上記表10−1および表10−2の結果から、本発明で使用するイマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴材組成物はシリコーンシーリング材において、特に温水処理後に試験した時全ての黴類に対して低い添加量でも優れた防黴性を示す。これに対してTBZ、BCM、ZPTおよびテブコナゾールのそれぞれ単独では、高濃度添加においても防黴性が不十分であることが明らかであり、本発明で使用するイマザリル単独またはイマザリルを含む抗菌・防黴材組成物の優位性が明瞭である。表3と同様にイマザリル−TBZ−ZPT−テブコナゾールおよびイマザリル−BCM−ZPT−テブコナゾールの組合せによる組成物、およびイマザリル−TBZ−BCM−ZPT−テブコナゾールの組合せによる組成物についてもそれらの微生物に対する最小発育阻止濃度を測定した結果、イマザリル以外のそれぞれの薬剤単独使用に比べてはるかに低い濃度で各微生物の発育を阻止した。
【0051】
【発明の効果】本発明は、実施例にも示したように、イマザリル単独、またはイマザリルと、TBZ、BCM、ZPTおよびテブコナゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする抗菌・防黴剤をシリコーンシーリング材に添加することにより、イマザリル以外の各薬剤を単独に使用する場合と比べて、相乗的に高い抗菌・防黴効果を発揮する。また、低濃度の添加量で抗菌・防黴効果を発揮することから、シーリング施工のコストの削減や薬剤のシリコーンシーリング材の物性への影響を最小限に抑えることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】593157910
【氏名又は名称】株式会社タイショーテクノス
【住所又は居所】東京都中央区日本橋富沢町十番十八号
【出願日】 平成14年2月19日(2002.2.19)
【代理人】 【識別番号】100077698
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広 (外2名)
【公開番号】 特開2003−238301(P2003−238301A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−41086(P2002−41086)