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【発明の名称】 蝿の誘引組成物
【発明者】 【氏名】薦田 邦晃
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地 カモ井加工紙株式会社内

【氏名】高田 真司
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地 カモ井加工紙株式会社内

【要約】 【課題】蝿とくにショウジョウバエを誘引する誘引組成物、誘引組成物の使用方法を提供する。

【解決手段】水と糖液と酵母を含む蝿の誘引組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水と糖液と酵母を含む蝿の誘引組成物。
【請求項2】 酵母が、パン酵母、清酒酵母、ビール酵母、アルコール酵母から選ばれる酵母の1種又は2種以上から選ばれる酵母である請求項1記載の蝿の誘引組成物。
【請求項3】 誘引組成物がゲル化剤をさらに含んでいる請求項1又は請求項2に記載した蝿の誘引組成物。
【請求項4】 誘引組成物が香料をさらに含んでいる請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載した誘引組成物。
【請求項5】 請求項1又は2記載の誘引組成物を、酵母菌が発酵する温度に保持させながら用いる誘引組成物の使用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蝿とくにショウジョウバエを誘引する誘引組成物、誘引組成物の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蝿などの有害昆虫を捕獲するには、単に蝿のいる場所に粘着剤を塗布した蝿取りテープを吊るしておくだけで、格別の誘引剤を用いたものはなかった。
【0003】しかしながら、最近では、以前とは環境が異なり、一般家庭の台所等にいる蝿は大型の蝿ではなく、小型のショウジョウバエが多くなってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小型のショウジョウバエを誘引し、有効に捕獲する研究を続けた結果、身近にある酵母菌と糖類を含む組成物が、室温において酵母菌が増殖する過程において、発生する臭いが有効である事実を突き止めた。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、糖液と酵母を含む組成物は、室温において酵母菌が増殖し、そのとき発生する臭いがショウジョウバエを誘引する誘引組成物として用いることができる事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】さらに詳細には、本発明は糖液と酵母を含む組成物からなる誘引組成物に、微量の香水を含ませる事が出来る。香料は、人にとって不快な匂いを消す目的で併用するが、香料によってはショウジョウバエを誘引するものもある。ショウジョウバエの誘引を妨げない範囲で香料を併用することが望ましい。当該誘引組成物自体は、液体なので、使用するときに容器に入れた場合、誘引成分が外部に出るように設計されているから、容器が倒れるとこぼれ、これを防ぐ目的で誘引組成物をゲル状にして利用することが望ましい。誘引組成物をゲル状にして利用するために、周知のゲル化剤を用いることが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる酵母菌は、薬局で販売されている酵母菌ならなんでも利用することが出来る。本発明の糖液に利用できる糖としては、蔗糖、ブドウ糖、果糖及びこれらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0008】糖は予め水溶液にしておいて、酵母菌を添加して糖液と酵母を含む組成物を作成し誘引組成物とする。また、ドライ酵母(パン酵母)と糖を混合しておき、使用時に水に溶かしても良い。
【0009】糖の濃度は、特に制限はないが、通常1重量%ないし50重量%程度が用いられる。酵母菌の濃度についても、特に制限はないが、通常0.5重量%ないし10重量%程度が用いられる。
【0010】糖液と酵母を含む組成物からなる誘引組成物に、香料を添加することが出来る。香料は、台所等の匂いを消す目的の他、蝿の誘引作用を助長する働きがあることが判明した。
【0011】本発明において用いることが出来る酵母は、パン酵母、清酒酵母、ビール酵母、アルコール酵母などがある。とくに手軽に入手できるパン酵母が好ましく用いられる。本発明において利用できる香料としては、どのようなものでも良いが、とくにトロピカル系のものが好ましく用いることができる。
【0012】酵母菌の発酵は、通常15〜45℃が良く、蝿が出やすい春から秋の室温で充分に発酵することができる。必要なら、電熱器やカイロで発酵槽を加温することが出来る。発明の実施の態様をまとめると以下の通りである。
【0013】本発明で用いられるゲル化剤としては、周知の天然系のもの、合成系のものが用いられ、とくに水系のゲル化剤が望ましい。天然系のゲル化剤としては、カラギーナン、ゼラチン、膠、寒天、アラビアガムなどがあり、合成系のゲル化剤としては、アクリル系吸水性高分子、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCのナトリウム塩等がある。
【0014】本発明の誘引組成物が使える捕虫器は、誘引組成物の近辺の空間に粘着剤を置いたものなら何でも良い。例えば、特開平11−146751号公報に記載されているような図1に示す捕虫器がある。 粘着剤1を塗布した多穴性の粘着材支持体2により、支持台5上にある誘引組成物4が入っている容器3を覆う。誘引組成物4は、室温により蒸発して、穴6より発散される。蝿は、誘引組成物に誘引されて、粘着剤1に当り、捕獲される。
【0015】本発明で用いられる捕虫用粘着剤は、例えば、天然ゴム系、アクリル系、合成イソプレン系、ポリイソブチレン系、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム系、スチレン−イソプレン共重合ゴム系、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合ゴム系、シリコーン系、エチレン−プロピレン共重合ゴム系、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム系が挙げられる。また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。代表的には、比較的低分子量のポリイソブチレン系の、流動性の少ない、高粘性のものが主成分として用いられる。本発明で用いられる捕虫用粘着剤は、通常溶剤を添加しないで、樹脂の粘性をそのまま利用する形で用いられるが、その使用形態にとくに制限はない。
【0016】さらに粘着剤には、その性能、商品価値を高めるための添加剤、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、充填剤、架橋剤、酸化防止剤等を併用しても差し支えない。本発明で用いられる捕虫用粘着剤の粘着剤層の厚さは、特に制限はないが、通常0.01mmないし0.50mm程度に調整する。
【0017】本発明で用いられる捕虫用粘着剤は、耐候性を改善するために、紫外線吸収剤を配合することができる。紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸誘導体、べンゾフェノン系のもの、べンゾトリアゾール系のものなどが挙げられる。
【0018】本発明の実施の形態をまとめると以下のとおりである。
(1) 水と糖液と酵母を含む蝿の誘引組成物。
(2) 酵母が、パン酵母、清酒酵母、ビール酵母、アルコール酵母から選ばれる酵母の1種又は2種以上から選ばれる酵母である上記1記載の蝿の誘引組成物。
(3) 誘引組成物がゲル化剤をさらに含んでいる上記1又は上記2に記載した蝿の誘引組成物。
(4) 誘引組成物が香料をさらに含んでいる上記1ないし上記3のいずれかひとつに記載した誘引組成物。
(5) 上記1又は上記2記載の誘引組成物を、酵母菌が発酵する温度に保持させながら用いる誘引組成物の使用方法。
【0019】
【実施例】本発明は、さまざまな実施の形態が可能であり、以下に代表的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者なら適宜の変更が可能であることは言うに及ばない。
実施例1室温(25℃)において、内容量30mlの管瓶に市販のドライ酵母(パン酵母 オリエンタル酵母工業株式会社製)0.1gとブドウ糖2.0gと水10.0gを入れ、均一になるまで混合して、誘引組成物を作成した。次に、片面に粘着材を塗布したシート(サイズ80x150mm)を粘着面が内側になるように丸め、内容量500mlの円筒形のガラス瓶(マヨネーズ瓶)の内部に挿入する。次いで、誘引組成物の入った管瓶を、円筒形のガラス瓶の底部中心におき、直径20cmの濾紙を漏斗状にし、中心部に直径1cmの穴をあけたものを、円筒形のガラス瓶の口部に載せ、濾紙と瓶の接する部分を粘着テープで固着し、これを捕虫器として実験した。
【0020】実施例2室温(25℃)において、内容量30mlの管瓶に市販のドライ酵母(パン酵母 オリエンタル酵母工業株式会社製)0.1g、ブドウ糖2.0g、香料0.05cc(フレグランストロピカル 壽香料株式会社製)及び水10.0gを入れ、均一になるまで混合して、誘引組成物を作成した。実施例1と同じ捕虫器を用いて、捕虫の実態を調べた。
【0021】実施例3室温(25℃)において、内容量30mlの管瓶に市販のドライ酵母(パン酵母オリエンタル酵母工業株式会社製)0.1g、ブドウ糖2.0g、ゲル化剤としてポリビニルアルコール0.5g及び水10.0gを入れ、均一になるまで混合して、誘引組成物を作成した。実施例1と同じ捕虫器を用いて、捕虫の実態を調べた。
【0022】実施例4室温(25℃)において、内容量30mlの管瓶に市販のドライ酵母(パン酵母オリエンタル酵母工業株式会社製)0.1g、ブドウ糖2.0g、香料0.05cc(フレグランストロピカル コトブキ香料株式会社製)、ゲル化剤としてカルボキシメチルセルロース0.8g及び水10.0gを入れ、均一になるまで混合して、誘引組成物を作成した。実施例1と同じ捕虫器を用いて、捕虫の実態を調べた。実施例1〜実施例4の実験条件は以下のとおりである。25℃に保った10m*5m*3mの空間に、ショウジョウバエ20匹を放す。空間の一角に前記の捕虫器を置く。24時間経過後に、捕虫器内の粘着シートについているショウジョウバエの数を数える。数え終わった後、新しいショウジョウバエ20匹を10m*5m*3mの空間に放す。4回繰り返した結果を表1に示す。なお、比較のために、誘引剤を入れなかった捕虫器を置いたが、ショウジョウバエはほとんどこなかった。
【0023】
【表1】

【0024】
【発明の効果】本発明の糖液と酵母を含む組成物からなる誘引組成物は、表1からも明らかなように、ショウジョウバエを誘引する効果がある。香料を添加しても、少なくとも誘引効果が悪くなることはないことが判った。
【出願人】 【識別番号】591189258
【氏名又は名称】カモ井加工紙株式会社
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地
【出願日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【代理人】 【識別番号】100112173
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 修身
【公開番号】 特開2003−206211(P2003−206211A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−2865(P2002−2865)