トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬施用の提供方法
【発明者】 【氏名】森安 宏一
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井化学株式会社内

【氏名】大岡 真行
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井化学株式会社内

【氏名】中屋 道彦
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井化学株式会社内

【氏名】谷 直都
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井化学株式会社内

【要約】 【課題】クロロピクリンくん蒸剤含有農薬組成物を施用するのに際して、農業従事者の労働負担をなくし、施用時、運搬時、保管時に起こり得るトラブルを解消するため、クロロピクリンくん蒸剤含有農薬組成物の施用方法を提供する。

【解決手段】クロロピクリンくん蒸剤の農薬を、その施用が所望される指定の圃場までボンベ等の安全で堅牢な容器に充填し、任意の運搬手段によって輸送し、特定の作業者が施用し、被覆資材により土壌を被覆し、一定期間経過後、その被覆資材を回収することからなる、農薬の処理方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を、その施用が所望される指定の圃場までボンベに充填し、任意の運搬手段によって輸送し、土壌に注入施用し、被覆資材により土壌を被覆することからなる、農薬の処理提供方法。
【請求項2】 土壌注入施用が、特定の作業員によって行われることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】 クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を、その施用が所望される指定の圃場までボンベに充填し、任意の運搬手段によって輸送し、土壌に注入施用し、被覆資材により土壌を被覆し、一定期間経過後、その被覆資材を回収することからなる、農薬の処理提供方法。
【請求項4】 土壌注入施用が、特定の作業員によって行われることを特徴とする請求項3の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を、安全、且つ便利に施用する農薬施用の提供方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】土壌中には病原菌、害虫、線虫、雑草の種子等が棲息し、作物の栽培に際してはこれら生物の死滅或いは個体数削減が必要であり、その為に土壌くん蒸剤を含有する農薬組成物を用いて土壌をくん蒸・消毒する方法が有効であること知られている。
【0003】土壌くん蒸剤の中でもクロロピクリンくん蒸剤(別名クロルピクリン、化合物名トリクロロニトロメタン)は拡散能力に優れ、土壌中の病原菌、害虫、線虫、雑草種子の防除に極めて優れた効果を発揮することから、古くから土壌消毒剤として使用されている。人類の適正な食糧確保のため、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物は必須の農業資材であるといえる。
【0004】一方、クロロピクリンくん蒸剤は、その揮散性、刺激性、催涙性のため、直接接触すると、人体に悪影響を及ぼす等の問題があり、投薬作業の際は、吸収缶付き防護マスク、保護眼鏡、不浸透性手袋、ゴム長靴、不浸透性防除衣等の着用が必要である。そして、このようなクロロピクリンくん蒸剤の特性に起因して、農薬の施用、処理が、農業従事者の大きな労働負担となっている。
【0005】クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物の施用は、農業従事者自身によって直接行われることが多く、当該農業従事者は、これらクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物の取扱法を熟知していないことがまれにあり、誤使用等による中毒等の事故が今だに発生しているのが現状である。
【0006】また、輸送・保管上の予想外の取り扱い等に起因して、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物が容器から液漏れしたり、滲み出したりする等のトラブルがまれに発生することがあり、輸送・保管上より安全性が高く、低コストで且つ堅牢な容器の開発が希求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を、安全に且つ便利に施用する農薬施用の提供方法を提供することを目的とし、また、本発明は農業従事者のクロロピクリンくん蒸剤施用に起因する労働負担、農業従事者のクロロピクリンくん蒸剤施用に起因する事故、クロロピクリンくん蒸剤の輸送・保管等に起因する、使用上、輸送上、保管上のトラブルを回避するクロロピクリンくん蒸剤の農薬施用方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に述べるクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を施用する方法を提供すれば、農業従事者のクロロピクリンくん蒸剤の施用に起因する労働負担を無くし、それに起因する事故、あるいは輸送・保管上の不備等に起因する、使用上、輸送上、保管上のトラブルを回避できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物が保管された一定の場所から、その施用が所望される指定の圃場まで、クロロピクリンくん蒸剤農薬をボンベ等の安全で堅牢な容器に充填し、任意の輸送手段によって輸送し、望ましくは、農業従事者が被爆しない施用方法により特定の作業者がそのクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を施用し、土壌被覆資材により土壌を被覆する。また、施用依頼者の希望により、その被覆資材を一定の期間経過後に回収することからなるクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物の処理提供方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様について説明する。まず、本発明でいうクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物の保管された場所とは、各種クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物或いはクロロピクリンくん蒸剤を充填したボンベ等の容器が適正に保管され、薬液注入用の機器(トラクター、注入機等)、被覆資材、作業者が身につける保護具等、及びこれらを適正に運搬するためのトラック等の運搬具、その他、検知機具、自動ガス採取装置、発生量測定装置等の検査用機具、通信用の機器等が備えられている場所を意味し、全国数箇所から数百箇所程度設置される。
【0011】本発明においてボンベは、通常金属製のボンベを意味し、ボンベ内壁がクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物或いはクロロピクリンくん蒸剤に侵食されないように合成樹脂等で被覆されているものが好ましい。外壁の材質の規定は特にないが、ステンレス製のものが望ましいものとして挙げられる。
【0012】それらのボンベを、任意の運搬手段によってその施用が所望される圃場まで輸送するに際しては鉄道、自動車、船舶等が使用できる。クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物の土壌への注入施用に際しては、クロロピクリンくん蒸剤の扱いに熟達した作業員が専用の施用機器を使用して圃場に注入施用を行うことが望ましい。
【0013】クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物はクロロピクリンくん蒸剤を含有する限りそのほかの添加物に関しては特に限定されないが、その他のくん蒸剤、及び灯油などの助剤を含有してもよい。その他のくん蒸剤としては1,3−ジクロロプロペン(別名DD)、臭化メチル等が挙げられる。クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を具体的に例示すれば、クロールピクリン、ドジョウピクリン、クロピク80、ソイリーン、ドロクロール、ネマクロペン、サイロン、サンメボン、ルーテクト、ルートガード、テロンC-35等が挙げられる。
【0014】クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物の施用が所望される圃場とは、ウリ科野菜、トマト、ピーマン、イチゴ、ナス、ホウレンソウ、レタス、セルリー、アスパラガス、ニンジン、ゴボウ、ネギ、タマネギ、陸稲、麦類、豆類、トウモロコシ、バレイショ、カンショ、サトイモ、ヤマノイモ、コンニャク、アマ、テンサイ、タバコ、カーネーション、キク、リンドウ、シャクヤク、ボタン、ハクサイ、ショウガ、ウド、メロン、リンゴ、クワ、ストック、カボチャ、ニンニク、パセリ等が栽培される圃場を意味し、屋外、もしくは温室等のハウス内圃場をいう。
【0015】土壌への注入施用は、通常、適当な高さに積み上げられた床土、堆肥、または耕起整地後の圃場に、30×30cm毎に適当な深さの穴をあけ、クロロピクリンを注入し直ちに覆土する方法で行われる。覆土後速やかにポリエチレン、ビニール製のシート等の農業資材等で被覆するのが望ましい。
【0016】クロロピクリンくん蒸剤の施用量は、作物、土壌条件により必ずしも一定ではないが、1穴当たり2〜10ml注入するのが望ましい。播種溝処理、植穴処理の場合も、上記に準じて施用する。
【0017】クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬農薬組成物は、特定の作業者によって取扱われることが望ましい。この場合特定の作業者とは、最新の処理技術に基づいた、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物のより安全な使用方法、処理機のより効率的な使用方法について熟達し、且つ万が一の薬液漏洩等の事故における応急の処置法についても、教育・訓練を受けた作業者をいう。
【0018】これらの作業者が、クロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を土壌に注入施用を実施し、ポリエチレンシート等の被覆資材を用いて被覆し、施用委託者の要望により、一定の期間経過後、それらの被覆資材を回収する。その施用が所望される圃場に必要な量のみのクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物を施用し、余分のクロロピクリンくん蒸剤を含有する農薬組成物は、ボンベに充填したまま、任意の輸送手段により保管所に輸送され、再び保管される。
【0019】
【発明の効果】本発明は、クロロピクリンくん蒸剤の農薬を、その施用が所望される指定の圃場までボンベ等の安全で堅牢な容器に充填し、任意の運搬手段によって輸送し、農業従事者が被爆しない施用方法により特定の作業者が施用し、被覆資材により土壌を被覆し、一定期間経過後、その被覆資材を回収することからなる農薬の処理提供方法である。
【0020】本発明を実施することにより、農業従事者は、クロロピクリンくん蒸剤農薬施用に起因する労働負担が軽減され、クロロピクリンくん蒸剤に直接接触することがなくなるため、中毒などの事故が防止される。また、堅牢なボンベ等に充填して圃場まで運搬され、施用されるため、不適切な輸送・保管上の取り扱いに起因する内容物の容器からの液漏れ、滲み出し等のトラブルも防止される。さらに、特定の作業者がその土壌に必要な量だけを施用するので、農業従事者が余ったクロロピクリンを保管することも不必要となり、保管上のトラブル、誤使用もなくなる。さらに、農業従事者の土壌の被覆に起因する作業負担、被覆資材回収等の作業、使用した被覆材の処理等、過度の労働負担もなくなる。
【出願人】 【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
【出願日】 平成14年1月7日(2002.1.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−206207(P2003−206207A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−815(P2002−815)