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【発明の名称】 発泡剤含有壁紙用抗カビ組成物
【発明者】 【氏名】加 藤 義 晃
【住所又は居所】大阪市東淀川区小松2丁目15番52号 シントーファイン株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールもしくは2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルからなることを特徴とする発泡剤含有壁紙用抗カビ組成物。
【請求項2】2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールもしくは2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルからなる抗カビ組成物と発泡剤の比率が10:1〜1:5であることを特徴とする請求項1に記載の壁紙用抗カビ組成物。
【請求項3】壁紙の構成樹脂がポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の壁紙用抗カビ組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物などに幅広く使用される発泡剤含有壁紙を、カビ等の真菌から防止するための抗カビ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリ塩化ビニルをはじめとする壁紙には、意匠性や機能性などから発泡剤を添加して発泡性を持たせたものが多く、その発泡剤として、アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドやp−トルエンスルホニルヒドラジンなどのスルホニルヒドラジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物などや、低沸点炭化水素を包含するマイクロカプセル剤などが用いられている。
【0003】一方、壁紙に一般的に使用されている抗カビ剤としては、その製造方法から比較的耐熱性が要求され、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等のピリジン系化合物、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル等のベンズイミダゾール系化合物、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、ジヨードメチル−パラトリルスルフォン等のヨード系化合物、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物、オルトフェニルフェノール、パラクロロメタキシレノール等のフェノール系化合物、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド等のフタルイミド系化合物等があり、これら抗カビ剤を複数組み合わせても使用されている。
【0004】複数の抗カビ剤を組み合わせて使用されている例として、例えば2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールの混合物が特開昭56−113706に、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルと2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物が特告昭61−31081に、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートと2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルの混合物が特告平5−42405に示されているが、発泡剤含有壁紙に使用して優れた抗カビ性能を示す組み合わせは知られていなかった。そこでより抗カビ効果の高い発泡剤含有壁紙用抗カビ組成物が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような課題を解決するため鋭意研究した結果、発泡剤を添加した壁紙に2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールもしくは2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルからなる抗カビ組成物を添加することで、より効果的な抗カビ効果が得られることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は建造物などに幅広く使用される発泡剤含有壁紙を、カビ等の真菌から防止するための抗カビ組成物に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の抗カビ組成物が使用される壁紙に用いられる発泡剤としては、アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドやp−トルエンスルホニルヒドラジンなどのスルホニルヒドラジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、低沸点炭化水素を包含するマイクロカプセル剤などがあげられ、壁紙を製造する際の加熱によりガス発生もしくは膨張することで発泡する発泡剤を1種ないし複数含有するものであればいかなるものでも良い。また本発明の抗カビ組成物を添加する壁紙の構成成分は限定されず、ポリ塩化ビニル、およびエチレン−酢ビ共重合体やポリオレフィン系、アクリル系などの非ポリ塩化ビニルがあげられるが、ポリ塩化ビニルが性能面や価格面から好ましい。
【0007】壁紙中に配合される発泡剤と本発明の抗カビ組成物との比率は、10:1〜1:5(重量比)が好ましく、5:1から1:2(重量比)がより好ましい。この範囲を超える場合、例えば発泡剤の比率が抗カビ組成物の10倍を超す場合には十分な抗カビ効果を得ることが困難であり、抗カビ組成物の比率が発泡剤の5倍を超す場合は、抗カビ効果が十分得られているにもかかわらず発泡性能が不十分であり実用的ではない。
【0008】本発明の抗カビ組成物である2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールもしくは2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルの比率は10:1から1:10(重量比)が好ましく、3:1から1:4がより好ましい。また、これらの化合物を含む以外に、必要に応じて溶媒や分散剤、充填剤、増量剤、増粘剤などを配合することも可能である。
【0009】本発明を実施例、試験例により詳しく説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。以下に示した配合比率はすべて重量部である。
【0010】
【実施例1】2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、OITと省略する)5部を、カープレックスXR(沈降性二酸化ケイ素、塩野義製薬(株)製)5部に吸着させた後、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール(以下、TBZと省略する)5部と軽質炭酸カルシウム85部を混合したものを製剤1とした。この製剤1を、PQB83(ポリ塩化ビニル、新第一塩ビ(株)製)100部、フタル酸ジイソノニル 50部、ホワイトンH(炭酸カルシウム、白石工業(株)製) 100部、NVS914W(二酸化チタンスラリー、日本ピグメント(株)製)19部、アデカスタブFL100(バリウム/亜鉛系安定剤、旭電化工業(株)製)3部、AZH−25(アゾジカルボンアミド系発泡剤、大塚化学(株))4.5部を十分混合して調製した塩ビゾル1 100部に対して0.3部混合し、これを紙に150μmの厚みで塗布した後、150℃で25秒間加熱し、その後220℃で50秒間加熱することにより得た発泡剤含有壁紙を実施例1とした。
【0011】
【実施例2】TBZを2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル(以下、BCMと省略する)に代えた以外は、実施例1と同様にして得た製剤2を塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例2とした。
【0012】
【実施例3】OIT 5部を2部に、TBZ 5部を8部に代えた以外は、実施例1と同様にして得た製剤3を塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例3とした。
【0013】
【実施例4】OIT 5部を3部に、TBZ 5部を7部に代えた以外は、実施例1と同様にして得た製剤4を塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例4とした。
【0014】
【実施例5】OIT 5部を2部に、BCM 5部を8部に代えた以外は、実施例2と同様にして得た製剤5を塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例5とした。
【0015】
【実施例6】OIT 5部を7部に、BCM 5部を3部に代えた以外は、実施例2と同様にして得た製剤6を塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例6とした。
【0016】
【実施例7】OIT 5部、TBZ 5部、フタル酸ジイソノニルを90部混合し、ボールミルで湿式粉砕して得たスラリーを製剤7とし、これを塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例7とした。
【0017】
【実施例8】TBZをBCMに代えた以外は、実施例7と同様にして得たものを製剤8とし、これを塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例8とした。
【0018】
【実施例9】塩ビゾル1のAZH−25をp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドに代えた以外は、実施例1と同様に調製したものを塩ビゾル2とし、これに製剤1を0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を実施例9とした。
【0019】
【実施例10】実施例9の製剤1を製剤2に代えた以外は、実施例9と同様にして調製した発泡剤含有壁紙を実施例10とした。
【0020】
【実施例11】スミカフレックス−960(エチレン系特殊ポリマー、住友化学工業(株)製)100部、水酸化アルミニウム 120部、マツモトマイクロスフェア−F−85(炭化水素系熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬(株)製)15部、二酸化チタン 15部を十分混合して調製したエチレン系ゾル1 100部に対して、製剤1を0.3部混合し、これを紙に150μmの厚みで塗布した後、105℃で2分間加熱し、その後160℃で1分間加熱することにより得た発泡剤含有壁紙を実施例11とした。
【0021】
【実施例12】実施例11の製剤1を製剤2に代えた以外は、実施例11と同様にして調製した発泡剤含有壁紙を実施例12とした。
【0022】
【比較例1】OIT 10部を沈降性二酸化ケイ素であるカープレックスXR(塩野義製薬(株)製)5部に吸着させた後、軽質炭酸カルシウム85部を混合したものを製剤9とし、これを塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を比較例1とした。
【0023】
【比較例2】TBZ 10部と軽質炭酸カルシウム90部を混合したものを製剤10とし、これを塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を比較例2とした。
【0024】
【比較例3】BCM 10部と軽質炭酸カルシウム90部を混合したものを製剤11とし、これを塩ビゾル1に0.3部添加し、実施例1と同様に調製した発泡剤含有壁紙を比較例3とした。
【0025】
【比較例4】塩ビゾル1からAZH−25を除いて混合調製したゾルを塩ビゾル2とし、製剤1を0.3部添加し、これを紙に150μmの厚みで塗布した後、150℃で25秒間加熱し、その後220℃で50秒間加熱することにより得た発泡剤非含有壁紙を比較例4とした。
【0026】
【比較例5】塩ビゾル2に製剤2を0.3部添加し、比較例4と同様に調製した発泡剤非含有壁紙を比較例5とした。
【0027】
【比較例6】塩ビゾル2に製剤9を0.3部添加し、比較例4と同様に調製した発泡剤非含有壁紙を比較例6とした。
【0028】
【比較例7】塩ビゾル2に製剤10を0.3部添加し、比較例4と同様に調製した発泡剤非含有壁紙を比較例7とした。
【0029】
【比較例8】塩ビゾル2に製剤11を0.3部添加し、比較例4と同様に調製した発泡剤非含有壁紙を比較例8とした。
【0030】
【比較例9】エチレン系ゾル1からマツモトマイクロスフェア−F−85を除いて混合調製したゾルをエチレン系ゾル2とし、製剤1を0.3部添加し、これを紙に150μmの厚みで塗布した後、105℃で2分間加熱し、その後160℃で1分間加熱することにより得た発泡剤非含有壁紙を比較例9とした。
【0031】試験例(抗カビ試験)
調製した発泡剤含有ないし発泡剤非含有壁紙を50mm×50mmの大きさに切り取り、無機塩寒天培地(組成:KH2PO4 0.7g、K2HPO4 0.7g、HN4NO3 1g、MgSO4・7H2O 0.7g、NaCl 0.005g、FeSO4・7H2O 0.002g、ZnSO4・7H2O 0.002g、MnSO4・7H2O 0.001g、寒天 15g、イオン交換水 1000ml)に載せ、5種類のカビの混合胞子懸濁液(Aspergillus niger IFO 6342、Penicillium funiculosum IFO 6345、Chaetomium globosumIFO 6347、Aureobasidium pullulans IFO6353、Gliocladium virens IFO 6355)を振りかけ26℃で培養し、経時的に試験片上のカビの生育状況を観察した。このとき試験面オモテは樹脂面が上になるように寒天培地上に載せたもの、試験面ウラは樹脂面が下になるように寒天培地に載せたものである。
【0032】この結果を表1に示す。判定基準は次の通りである。
3:試験片上にカビの生育が認められない。
2:試験片上の1/3以下にカビの生育が認められる。
1:試験片上の1/3〜2/3にカビの生育が認められる。
0:試験片上の2/3以上にカビの生育が認められる。
【0033】
【表1】

【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明の抗カビ組成物を、発泡剤含有壁紙に添加することにより優れた抗カビ性を付与することが可能である。
【出願人】 【識別番号】397070417
【氏名又は名称】シントーファイン株式会社
【住所又は居所】大阪市東淀川区小松2丁目15番52号
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−192508(P2003−192508A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−395754(P2001−395754)