| 【発明の名称】 |
加熱蒸散用害虫防除液及び害虫防除方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅野 雅代 【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】害虫防除の初期段階から高い害虫防除効果を発揮得る加熱蒸散用害虫防除液を提供する。
【解決手段】Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物を害虫防除成分として含有する加熱蒸散用害虫防除液。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物を害虫防除成分として含有する加熱蒸散用害虫防除液。 【請求項2】Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物およびDonovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜9×10-6mmHgの化合物を害虫防除成分として含有する加熱蒸散用害虫防除液。 【請求項3】Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物とDonovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜9×10-6mmHgの化合物との含有比が1:9〜9:1であり、両者を合わせた含有量が害虫防除液に対し0.2〜10重量%である請求項2に記載の加熱蒸散用害虫防除液。 【請求項4】Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の加熱蒸散用害虫防除液。 【請求項5】Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜9×10-6mmHgの化合物が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−プロパルギル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の加熱蒸散用害虫防除液。 【請求項6】請求項1〜6のいずれかに記載の害虫防除液を大気中に加熱蒸散させることを特徴とする害虫防除方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、加熱蒸散用殺虫液および害虫防除方法に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】害虫防除液中に多孔質吸液芯の一部を浸漬して、該芯に害虫防除液を吸液させ、該芯の上部を加熱し、吸液された害虫防除液を蒸散させることによって害虫を防除する方法が広く普及している。しかしながら市販の害虫防除剤を用いる害虫防除方法においては、防除開始時、特に前記芯の加熱を開始して10分間程度は、害虫防除効果が十分でないためにこの間に害虫の被害を受けることが多く、かかる期間においても高い害虫防除効果を得ることが可能な加熱蒸散用害虫防除液が求められていた。 【0003】 【課題を解決するための手段】かかる状況下、本発明者らは加熱蒸散害虫防除液について検討を重ねた結果、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物を害虫防除成分として含有する加熱蒸散用害虫防除液によって、上記の課題が解決されることを見出し本発明に至った。すなわち本発明は、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物を害虫防除成分として含有する加熱蒸散用害虫防除液(以下、本殺虫液と記す)及び本殺虫液を大気中に加熱蒸散させることを特徴とする害虫防除方法(以下、本方法と記す)に関するものである。 【0004】 【発明の実施の形態】本殺虫液は、害虫防除成分として、Stephen F. Donovanによって報告された方法(New method for estimating vapor pressure by the use of gas chromatography: Journal of Chromatography A. 749(1996)123-129、以下、Donovan法と記す。)により求められる25℃の蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgの化合物(以下、本有効成分化合物と記す。)を含有するものである。 【0005】本有効成分化合物としては例えば、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート(2.6×10-4mmHg)、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(1.6×10-4mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(7.7×10-5mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(4.9×10-5mmHg)、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(3.5×10-5mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(3.1×10-5mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(2.6×10-5mmHg)、5−プロパルギル−2−フルフリル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(2.5×10-5mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(1.5×10-5mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(1.4×10-5mmHg)等が挙げられ、好ましくは2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートが挙げられる。その含有量は本殺虫液に対し、0.01〜20重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。 【0006】また、Stephen F. Donovanによって報告された方法(New method for estimating vapor pressure by the use of gas chromatography: Journal of Chromatography A. 749(1996)123-129、以下、Donovan法と記す。)により求められる25℃の蒸気圧が1×10-6〜9×10-6mmHgの化合物(以下、共含有有効成分化合物と記す。)を本有効成分化合物とともに本殺虫液中に含有させることが害虫防除効果の持続性の点で好ましい。 【0007】共含有有効成分化合物としては、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(6.8×10-6mmHg)、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(5.9×10-6mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(4.9×10-6mmHg)、2−メチル−3−プロパルギル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(4.8×10-6mmHg)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(4.1×10-6mmHg)等が挙げられる。共含有有効成分化合物が含有される場合、その含有量は、通常0.1〜5重量%である。また、本殺虫液における本有効成分化合物と共含有有効成分化合物との比率は、通常1:9〜9:1程度である。 【0008】本有効成分化合物あるいは共含有有効成分化合物には不斉炭素に基づく光学異性体(R,S)や二重結合に基づく幾何異性体(E,Z)やシクロプロパン環に基づく幾何異性体(シス,トランス)等が存在するが、害虫防除活性を有するすべての光学異性体、幾何異性体およびそれらの混合物が含まれる。 【0009】本殺虫液の溶剤としては通常、有機溶媒、好ましくは飽和炭化水素溶媒(脂肪族飽和炭化水素溶媒、脂環式飽和炭化水素溶媒)から選ばれる一種以上からなる溶剤があげられる。かかる溶剤の具体例としては、例えば、0号ソルベントH(日本石油製)、0号ソルベントM(日本石油製)、0号ソルベントL(日本石油製)、ノルマルパラフィン(三石・テキサコケミカル製)、デオトミゾールA−1(吉富製薬製)、IPソルベント2028(出光石油化学製)、ネオチオゾール(中央化成製)、ノルパー12(エクソン化学製)、ノルパー13(エクソン化学製)、ノルパー15(エクソン化学製)、アイソパーM(エクソン化学製)、アイソパーL(エクソン化学製)、アイソパーV(エクソン化学製)、エクソールD80(エクソン化学製)、エクソールD110(エクソン化学製)、エクソールD130(エクソン化学製)等があげられる。また、本殺虫液の蒸散を調節するために、沸点が300℃以上の高沸点の溶剤、例えばラウリン酸イソプロピル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、中鎖脂肪酸トリグリセライドなどのエステル類あるいは脂肪酸誘導体、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類、トウモロコシ油などの油脂類などを配合することもできる。 【0010】本殺虫液には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。 【0011】本方法における防除対象害虫としては各種の有害昆虫、ダニ類等の節足動物を挙げることができ、特に有害飛翔性害虫、例えばアカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等の双し目害虫が挙げられる。 【0012】本方法は、例えば特公平2−25885号公報等に記載の加熱蒸散型殺虫装置に適用して、優れた効果をあげることができる。図1は本方法に用いられる装置の一例を示すものであり、殺虫液1中に多孔質吸液芯3の一部が浸漬されており、該芯に該殺虫液を吸液させ、該芯の上部を発熱体2で、通常50〜200℃、好ましくは100〜180℃程度加熱することができるようになっている。 【0013】吸液芯の材質である多孔質材としては、例えばクレー、タルク、カオリン、珪藻土、石膏、パーライト、ベントナイト、酸性白土、グラスファイバー、石綿等の無機粉末をカルボキシメチルセルロース、澱粉、アラビアガム、ゼラチン、ポリビニルアルコール等の糊剤にて粘結、成形したものが用いられる。尚、該吸液芯は、色素、防腐剤、酸化防止剤等を適宜含有してもよく、例えば、前記多孔質材と糊剤との粘結時に混合することにより含有させることができる。 【0014】 【実施例】以下、製造例及び試験例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 実施例12,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート 600mgにチオテックSH(中央化成株式会社製)を加えて45mlとし、本殺虫液1を得た。 【0015】実施例22,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート 600mgにチオテックSH(中央化成株式会社製)を加えて45mlとし、本殺虫液2を得た。 【0016】実施例32,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート 600mgにチオテックSH(中央化成株式会社製)を加えて45mlとし、本殺虫液3を得た。 【0017】比較例12−メチル−3−プロパルギル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(商品名プラレトリン、住友化学工業株式会社製)を0.533重量%含有するSHNP(商品名、日鉱石油株式会社製、蒸留における95%留出温度260.5℃、硫黄分0.0002%未満)溶液を調製し、比較殺虫液1を得る。 【0018】試験例1実施例1で得られた本殺虫液1 45mlを容器に入れて吸液芯を取り付け、吸液芯付き加熱蒸散用殺虫液入りボトルとした。該ボトルを図1に示される加熱蒸散型殺虫装置に取り付け、ラージチャンバー(幅2.65m X 奥行き4.3m X 高さ2.45m、容積28m3)の中央に置き通電し、約130℃に加熱した。チャンバー奥には、椅子を置き成人男性を座らせた。通電5分後にチャンバーの手前の扉にある小窓より、羽化後8−10日令のヒトスジシマカ雌成虫20頭を放虫した。その後5分間にわたり成人男性に誘引された蚊を吸虫管で採集した。実施例2及び実施例3で得られた殺虫液(本殺虫液2及び本殺虫液3)についても全く同様な試験を行った。なお比較対照として比較例で得られた比較殺虫液1についても全く同様な試験を行った。また加熱蒸散液を置かない無処理区についても同様な試験を行った。試験は各3反復で行った。結果を表1に示す。なお防除率は以下の式で計算した。 【0019】防除率(%)=100×(無処理区誘引数−処理区誘引数)/無処理区誘引数【0020】 【表1】
【0021】 【発明の効果】本発明によれば、害虫防除の初期段階から高い害虫防除効果を発揮得る加熱蒸散用害虫防除液を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
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| 【出願日】 |
平成13年12月20日(2001.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−183107(P2003−183107A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−387257(P2001−387257) |
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