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【発明の名称】 虫類捕獲用組成物、その組成物を用いた虫類捕獲用発泡性製剤、その組成物を用いた虫類の捕獲・殺虫方法
【発明者】 【氏名】由井 慶
【住所又は居所】東京都豊島区高田三丁目41番8号 中外製薬株式会社内

【氏名】上村 慎一郎
【住所又は居所】東京都豊島区高田三丁目41番8号 中外製薬株式会社内

【氏名】角田 真一
【住所又は居所】埼玉県川越市南台1丁目2番地 東洋エアゾール工業株 式会社内

【要約】 【課題】虫類に対し高い捕獲性を有する上に、捕獲後、虫体に触れることなく捕獲した虫類を建材・家財道具等から簡単かつ確実に除去できる虫類捕獲用組成物、エアゾール剤、及び、該組成物ないしエアゾール剤を用いた虫類の捕獲・殺虫方法を提供すること【解決手段】 ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤を含有する内容物と噴射剤とから成り、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率が60重量%以下、あるいは非粘着性樹脂の含有率が20重量%以上であるエアゾール剤を虫類に噴射することにより、虫類が被覆される繭状体を形成する。この繭状体により虫類を簡単かつ確実に捕獲し得る上に、捕獲した虫類を建材・家財道具等から繭状体ごと剥離させ、捨ててしまうことができる。

【解決手段】ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤を含有する内容物と噴射剤とから成り、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率が60重量%以下、あるいは非粘着性樹脂の含有率が20重量%以上であるエアゾール剤を虫類に噴射することにより、虫類が被覆される繭状体を形成する。この繭状体により虫類を簡単かつ確実に捕獲し得る上に、捕獲した虫類を建材・家財道具等から繭状体ごと剥離させ、捨ててしまうことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 虫類に噴射することにより該虫類を捕獲・殺虫するために用いる組成物であって、該組成物は容器に充填され、該容器から外部に噴出されることにより前記虫類が被覆される繭状体を形成することを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項2】 請求項1記載の虫類捕獲用組成物において、該組成物は、前記繭状体により虫類が被覆される物理的手段及び化学的手段を用いて虫類を捕獲することを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項3】 請求項1又は2記載の虫類捕獲用組成物において、前記組成物は、虫類に噴射後、前記繭状体による虫類の被覆面積が増加することを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項4】 請求項1ないし3記載の虫類捕獲用組成物において、該組成物は、少なくとも樹脂を含む発泡性製剤から成り、噴出物が虫類へ付着した後においても発泡することにより前記繭状体による捕獲性を強化することを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項5】 請求項4記載の虫類捕獲用組成物において、前記組成物は、ジメチルエーテルと、該ジメチルエーテルよりも蒸気圧の低い発泡剤とを含むことを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項6】 請求項1ないし5記載の虫類捕獲用組成物において、前記容器はエアゾール容器から成り、前記組成物を内容物として噴射剤と共に当該エアゾール容器に充填したエアゾール剤であることを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項7】 請求項6記載の虫類捕獲用組成物において、前記エアゾール剤の単位時間あたりの噴射量が0.1〜10g/secであることを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項8】 請求項6又は7記載の虫類捕獲用組成物において、前記エアゾール剤の噴射距離が0.05〜3mであることを特徴とする虫類捕獲用組成物。
【請求項9】 虫類に噴射することにより該虫類を捕獲・殺虫するために用いる樹脂発泡エアゾール剤において、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤を含有する内容物と噴射剤とから成り、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率が60重量%以下であることを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項10】 請求項9記載の樹脂発泡エアゾール剤において、非粘着性樹脂の含有率が、20重量%以上であることを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項11】 請求項9または10記載の樹脂発泡エアゾール剤において、非イオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選ばれる1種又はそれ以上であることを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項12】 請求項9、10または11記載の樹脂発泡エアゾール剤において、発泡調節剤として、流動パラフィン、ポリアルキレングリコール、シリコーンオイルから選ばれる1種またはそれ以上を添加したことを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項13】 請求項9ないし12記載の樹脂発泡エアゾール剤において、発泡剤としてイソペンタンを含有することを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項14】 請求項9ないし13記載の樹脂発泡エアゾール剤において、単位時間あたりの噴射量が0.1〜10g/secであることを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項15】 請求項9ないし14記載の樹脂発泡エアゾール剤において、噴射距離が0.05〜3mであることを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項16】 請求項9ないし15記載の樹脂発泡エアゾール剤において、噴射ボタンが金属噴口を装着したことを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項17】 請求項9ないし16記載の樹脂発泡エアゾール剤において、エアゾール容器は噴射手段としてディップチューブ及び噴射ボタンを備え、該ディップチューブは、正倒立噴射が可能となるように、中央部に蛇腹が形成され、及び/又は先端に錘が付いた構造を有することを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤。
【請求項18】 請求項9ないし17記載の樹脂発泡エアゾール剤を虫類に噴射することにより、虫類を捕獲及び/又は殺虫することを特徴とする虫類の捕獲・殺虫方法。
【請求項19】 ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤と粘着物質を含有する虫類捕獲用組成物。
【請求項20】 請求項19記載の虫類捕獲用組成物を含有することを特徴とするエアゾール剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、虫類を捕獲・殺虫するために用いる組成物、その組成物を含有するエアゾール剤、及び、該組成物ないしエアゾール剤を用いた虫類の捕獲・殺虫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、虫類、特に、ゴキブリ、ムカデ、ゲジゲジ、クモ、カマドウマ、ケムシ、ハエ等の不快な虫類を防除する際には、殺虫エアゾール剤等により虫類を殺虫する化学的手段や、ハエたたき等により虫類を捕獲・殺虫する物理的手段が用いられてきた。
【0003】しかしながら、上述した化学的手段を用いる防除方法では、ピレスロイド系、有機リン系、カーバメート系等の殺虫薬剤を用いるため、家屋内等で用いた場合には、家屋内がこれら殺虫薬剤で汚染される虞れがあった。
【0004】また、上述した物理的手段を用いる防除方法では、防除効果が充分でなかったり、不確実であった。
【0005】そこで、かかる殺虫薬剤を用いない虫類の防除方法として、粘着性樹脂溶液を噴霧する方法(特開昭52−154778号公報参照、特開昭53−81380号公報参照)、或いは、非粘着性樹脂の発泡物を用い、発泡物を比較的速やかに固化させることで、捕獲する方法(特開昭59−148703号公報参照)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した粘着性樹脂溶液を噴霧する方法は、使用後にも粘性を有することから、ごみ処理場などの屋外において飛翔性昆虫を捕獲防除するといった使用場面に限定され、特に屋内空間で使用する際の有用性や簡便性に欠けるものであった。
【0007】また、上述した非粘着性樹脂を用い、固まった樹脂で虫類を捕獲する方法は、屋内での使用に配慮したものであるが、その虫類捕獲用組成物では、用いる樹脂の種類によっては虫類の捕獲性が低く、また、虫類を麻痺或いは致死させるものではないため、捕獲した虫類を捨てるためにつかむ際、触覚、足等が動く場合もあり、つかむのに抵抗感を覚えたり、或いは捕獲した虫類が逃げ出したり、刺咬の虞れもあった。
【0008】更に、屋内の床面はフローリングや畳以外にもカーペット等がよく敷設されているが、上述した粘着性樹脂溶液を噴霧する方法では、カーペット等に噴射した場合に、カーペット等から噴射物を剥がすことが著しく困難であった。また、上述した非粘着性樹脂を用い、固まった樹脂で虫類を捕獲する方法でも、噴射面がカーペット等の繊維(毛)状のものである場合に、噴射物がカーペット等の繊維(毛)の間に入り込んで固まってしまう結果、やはりカーペット等から噴射物を剥がすことは困難であった。また、建材等、家財道具の材質によっては剥離性が不十分であった。
【0009】一方、水溶性樹脂と非粘着性樹脂を含む組成物を使用する方法も提案されており(特開平11−255603号公報参照)、この方法によれば、噴射物の剥離性が不十分であっても水溶性であることから水で除去することは可能である。しかしながら、カーペット等に付着した噴射物を水で洗って取り去るにはかなりの手間を要し、また、カーペット等を濡らしてしまうことになるという不都合がある。このように、虫類の防除方法としては、虫類に対し高い捕獲性を有すること、また捕獲後に虫類が逃げ出さないことが求められる一方、かかる虫類の捕獲性だけではなく、建材・家財道具等から簡単かつ十分に剥離できることも求められている。更に、使用後、虫体に触れることなく、除去できることが強く望まれる。また、離れた距離からも捕獲を可能とすることが望ましい。
【0010】本発明の課題は、虫類に対し高い捕獲性を有する上に、捕獲後、虫体に触れることなく簡単かつ確実に除去できる虫類捕獲用組成物、エアゾール剤、及び、該組成物ないしエアゾール剤を用いた虫類の捕獲・殺虫方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記の如き組成物、及び該組成物を含んだエアゾール剤が上記課題を解決し得る有力な手段となり得ることを見出した。
【0012】即ち、本発明の一様相によれば、請求項1記載の発明のように、虫類に噴射することにより該虫類を捕獲・殺虫するために用いる組成物であって、該組成物は容器に充填され、該容器から外部に噴出されることにより前記虫類が被覆される繭状体を形成することを特徴とする虫類捕獲用組成物が得られる。
【0013】ここに、「繭状体」とは、繭やカプセル、或いは非定型の被覆膜による包被をいう。虫類の体(虫体)を完全に包み込み、或いは閉じ込めるものであってもよい。或いは、半繭状のものでもよいし、例えば、虫類の尻部等その一部だけを被覆する場合を含む。
【0014】また、請求項2に記載のように、前記組成物は、繭状体により虫類が被覆される物理的手段のみならず、更に、化学的手段をも用いて虫類を捕獲、更には、殺虫するようにしても良い。
【0015】ここに、「物理的手段」とは、例えば、虫類を樹脂等で被覆することに基づいて、物理的に虫類の動きを封じ込める手段をいう。また、「化学的手段」とは、殺虫作用の他、ジメチルエーテル等による麻痺作用や冷却作用等、化学的に虫類の動きを封じ込める手段をいう。
【0016】また、請求項3に記載のように、前記組成物は、虫類に噴射後、前記繭状体による虫類の被覆面積が増加するものでも良い。
【0017】ここに、「被覆面積」とは、虫類が捕獲用組成物により被覆される面積をいう。
【0018】更に、請求項4記載の虫類捕獲用組成物においては、該組成物は、少なくとも樹脂を含む発泡性製剤から成り、噴出物が虫類へ付着した後においても、連続的又は非連続的に発泡(遅発泡)することにより前記繭状体による捕獲性を強化することを特徴とする。
【0019】かかる構成によれば、噴出物が虫類へ付着した後においても、特に、虫類と床・カーペット等との間側に発泡していくことで、前記繭状体が虫類の体(虫体)を包み込むように成長していくので、繭状体による捕獲性が強化される。
【0020】尚、請求項5記載の虫類捕獲用組成物のように、前記組成物は、ジメチルエーテルと、該ジメチルエーテルよりも蒸気圧の低い発泡剤とを含むのが好適である。
【0021】これにより、まず、ジメチルエーテルが蒸散することにより、直ちに、虫類の体(虫体)の上部側で、樹脂膜が生成されて繭状体を形成し、この繭状体により虫体上部が被覆される。次に、ジメチルエーテルよりも蒸気圧の低い発泡剤が蒸散する(遅れて発泡)ことにより、虫体と床・カーペット等との間側での発泡に従って、繭状体が虫類の体(虫体)を包み込むように成長する。
【0022】そして、請求項6記載のように、前記容器はエアゾール容器から成り、前記組成物を内容物として噴射剤と共に当該エアゾール容器に充填したエアゾール剤であるのが好ましい。充分な噴射力が得られる上に直線的に数十cm以上の距離を噴射できることから、虫類を確実に捕獲し得るからである。
【0023】尚、請求項7並びに8記載のように、エアゾール剤における単位時間あたりの噴射量は、0.1〜10g/secであるのが好適であり、また、噴射距離は、0.05〜3mとするのが望ましい。
【0024】一方、本発明の他の様相によれば、請求項9記載の発明のように、虫類に噴射することにより該虫類を捕獲・殺虫するために用いる樹脂発泡エアゾール剤において、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤を含有する内容物と噴射剤とから成り、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率が60重量%以下であることを特徴とする樹脂発泡エアゾール剤が得られる。
【0025】尚、「ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂」としては、ジメチルエーテルに溶解するものであればよく、全て溶解しなくても、他の有機溶剤や界面活性剤などの溶解補助剤を用いて溶解してもよい。ジメチルエーテルに可溶の樹脂としては、例えばブチラール樹脂、ポリメタクリレート、ポリスチレンの中から選ばれる1種又は数種の組み合わせで用いる。ポリメタクリレートの中には、メチルエステル、プロピルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等があり、また、ポリエステルとの共重合体やメタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルの共重合体もある。更に、ポリエチレン等のジメチルエーテルに不溶の樹脂を適宜配合することも可能である。
【0026】尚、有機溶剤については、屋内材質に影響を及ぼさない範囲での使用が好ましい。有機溶剤としては、アルコール類:例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなど、ケトン類:例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど、エステル類:例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、その他エチルエーテルなど、及び炭化水素類:n−ヘキサン、ケロシン、灯油、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。また、これらの中から2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
【0027】カーペットや絨毯等に対する剥離性について考えてみると、カーペットからの剥離不良は、噴射物がカーペットや絨毯等の毛の中に入り込んで固まることによる。即ち、噴射剤が蒸散していくことにより噴射物は流動性を失い、固化することから、噴射剤として蒸気圧の低いものを用いると、噴射物がカーペットの毛の間に入り込んだ後に固まってしまう現象が起きる。これを解決するためには、第一に、蒸気圧が高い噴射剤が必要であり、樹脂等の溶剤としても利用できるジメチルエーテルを用いることが重要である。更に、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂を用いることが有用である。更に、ジメチルエーテル等の噴射剤(無機ガスを除く)の配合量が多い場合にも蒸散に時間がかかるため同様の現象が認められることから、上述した請求項9記載のように、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率を60重量%以下とすることや、請求項10記載のように、非粘着性樹脂の含有率を20重量%以上とすることにより、カーペットや絨毯等に対する剥離性の課題を解決することが可能となった。なお、「噴射剤」としては、ジメチルエーテル、LPG以外に無機ガスである窒素や二酸化炭素を用いることができる。また、現在フロン類(クロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン)は環境上、規制上から一般的な製品への使用は好ましくないが、代替フロンとしてフッ素を含むエーテル化合物等でオゾン層破壊効果、地球温暖化効果を有さないものを使用することができる。例えば、1,1−ジフルオロエチル 2,2−ジフルオロエチル エーテル、1,1,2−トリフルオロエチル 2,2−ジフルオロエチル エーテル、1,1−ジフルオロエチル メチル エーテル、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。さらに、3−ジフルオロメトキシ 1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンとメタノールの共沸または共沸様組成物、2−ジフルオロメトキシ 1,1,1−トリフルオロエタンと塩化メチレンまたはトランス−1,2−ジクロロエチレン、メタノールの共沸または共沸様組成物、1−メトキシ 1,1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンまたは1,1,2,2−テトラフルオロエチル 2,2,2−トリフルオロエチルエーテルと塩化メチレンの共沸または共沸様組成物、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテルとメタノール、エタノール及び2−プロパノールなどのアルコールとの共沸または共沸様組成物といった、含フッ素エーテル化合物と有機溶剤との共沸または共沸様組成物が挙げられる。噴射状態の微調整のために、窒素ガスや炭酸ガス、圧縮空気、アルゴン、ヘリウム、酸素、亜酸化窒素等により加圧充填しても良い。
【0028】界面活性剤としては非イオン系界面活性剤が望ましく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ジエチレングリコール、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等の中から1種またはそれ以上を選択することができる。
【0029】建材・家財用具からの剥離性については、非粘着性樹脂に加えて、非イオン系界面活性剤を添加することも有用である。中でも、請求項11記載のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの3種においては、種々の材質に対して剥離性の著しい改善効果が得られる。
【0030】また、請求項12記載のように、発泡調節剤としては、流動パラフィン、ポリアルキレングリコール、シリコーンオイルから1種またはそれ以上を添加することができる。
【0031】発泡調節剤としては、噴射物としての伸縮性を付与する性質を有し、且つエアゾール充填状態において溶解している樹脂が容器の振とう時に速やかに分散するものであれば何でも良いが、中でも、流動パラフィン、ポリアルキレングリコール、シリコーンオイルの添加が好ましい。また、使用する樹脂のモノマーを添加することも伸縮性を付与するのに効果的であり、例えば、アクリル樹脂を用いる場合にはメトキシポリエチレングリコールメタクリレート等の添加が可能である。
【0032】更に、請求項13記載のように、発泡剤としてイソペンタンや液化石油ガス等を含有するようにするのが好適である。特にイソペンタンを0.1〜10重量%添加することが効果的である。
【0033】イソペンタン等はジメチルエーテルよりも蒸気圧が低いため、上述した遅発泡が得られるからである。
【0034】そして、請求項14並びに15記載のように、樹脂発泡エアゾール剤における単位時間あたりの噴射量は、0.1〜10g/secであるのが好適であり、また、噴射距離は、0.05〜3mとするのが望ましい。
【0035】尚、請求項16記載のエアゾール剤においては、噴射ボタンが金属噴口を装着したことを特徴とする。
【0036】更に、請求項17記載のように、エアゾール容器は噴射手段としてディップチューブ及び噴射ボタンを備え、ディップチューブは、正倒立噴射が可能となるように、中央部に蛇腹が形成され、及び/又は先端に錘が付いた構造を有するのが好適である。
【0037】一般的に、虫類は動き回ったり、飛翔したりすることから、捕獲にあたっては、正立での噴射のみならず、倒立での噴射もできる方が望ましいからである。
【0038】樹脂発泡エアゾール剤における噴射状態は、エアゾールの内圧や噴射ボタンの流路の口径や材質、あるいはステム口径やハウジング口径により調整することが可能である。噴射状態は、虫類の捕獲性に大きく係わる要素であり、単位時間あたりの噴射量が0.1〜10g/sec(好ましくは3〜7g/sec)であること、噴射距離が0.05〜3m(好ましくは0.1〜1.5m)とすること、正倒立噴射が可能となるよう正倒立噴射用ディップチューブを装備することなどで捕獲性を一層向上させることが可能となる。
【0039】また、樹脂発泡エアゾール剤においては、噴射物がボタン流路に残留し、目詰まり等の噴射不良となることがある。噴射不良とならないよう、流路での噴射物の付着力を弱め、また摩擦力を低下させるために、噴射ボタンが金属噴口を有するボタンを採用することも可能である。噴口の金属としては何でも良いが、中でもステンレス、鋼、ブリキが好ましい。更に、噴射しやすいように噴射ボタンをトリガー式とすることや噴射ボタンに噴射ノズルをつけることも可能である。噴口の形状については円柱、円錐台等いずれも使用できるが、噴口先端での空気の流れを速やかにし、かつ噴射方向を判りやすくするため、円錐台形状が好ましい。
【0040】また、噴射不良を防止するために噴射ボタンの流路の口径を大きくすることも効果的であり、噴口径φは0.3〜3.0mmがよく、0.7〜2.0mmとすることがより好ましい。また、同様の理由からステム口径φについても0.3〜3.0mmがよく、0.7〜2.0mmとすることがより好ましい。
【0041】虫類は様々な場所に出現することから、捕獲にあたっては、正立での噴射のみならず、倒立での噴射を求められる場合がある。正立での噴射に使用される通常のディップチューブ以外に90°程度までの倒立での噴射を可能とするために、先端に錘の付いたディップチューブや、180°の倒立での噴射を可能とするために中央部が蛇腹となっているディップチューブ、更に、中央部が蛇腹で、且つ先端に錘の付いたディップチューブ等も使用できる。
【0042】また、請求項18記載のように、樹脂発泡エアゾール剤を虫類に噴射することにより、虫類を捕獲及び/又は殺虫することを特徴とする虫類の捕獲・殺虫方法が得られる。
【0043】更に、請求項19記載のように、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤と粘着物質を含有する虫類捕獲用組成物を構成し得る。
【0044】「粘着物質」は、噴射物の粘着性を調整することが可能であり、例えば、松脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、天然ゴム、合成ゴム、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂等を用いることができるが、中でも松脂が好ましく、0.1〜10重量%含有が好適である。
【0045】尚、請求項20記載のように、請求項19記載の虫類捕獲用組成物を含有することを特徴とするエアゾール剤を構成しても良い。
【0046】使用場面については、屋内に限定されず、屋外でも使用に適する。
【0047】ここで、「建材・家財道具」とは、その表面に虫類が這っており、本発明の虫類捕獲用組成物を用いてその表面で虫類を捕獲し得る全てのものを指し、例えば、カーペット、絨毯、ソファー、クッション、畳、フローリング、ビニール床材、ガラス、障子、壁紙、ゴム類、プラスチック類、金属類、ベッド、ふとん、マットレス、枕、ぬいぐるみ、または、自動車・電車・航空機等の乗物のシート等が含まれる。
【0048】ここで、「虫類」には、ゴキブリ、カメムシ、ムカデ、ゲジゲジ、クモ、ヤスデ、カマドウマ、ケムシ、ハエ、ハチ、アリ、ワラジムシ、ダンゴムシ、シバンムシ、シミ、チャタテムシ、ガ、ナメクジ、シロアリ、アブラムシ、ミミズ、サソリ、チャタテムシ、ブユ、アブ、ノミ等を含む。また、「虫類」には、成虫、幼虫、卵の他、これらの巣や虫類の死骸をも含む。なお、本発明組成物は、基本的に殺虫薬剤を含まない虫類捕獲組成物であるが、必要に応じて、適宜、殺虫薬剤を添加することも可能である。殺虫薬剤としてはピレスロイド系薬剤(例えば、ペルメトリン、アレスリン、レスメトリン、シフェノトリン、プラレスリン、イミプロトリン、フェノトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス、テラレスリン、フラメトリン、ピレトリン、d−アレスリン、バイオアレスリン、d−フェノトリン、シフルトリン、テフルトリン、トランスフルスリン、エスバイオール、シペルメトリン、d−テトラメスリン、シラフルオフェン、デカメトリン、ゴキラートS、d−レスメトリン、フタルスリン等)、有機リン系薬剤(例えば、フェニトロチオン、ジクロルボス(DDVP)、ダイアジノン、プロチオホス、バイテックス等)、カーバメイト系薬剤(例えば、プロポクスル、メトキサジアゾン等)が挙げられる。また、効力増強剤(例えば、ピペロニルブトキサイド、N−ブロピルイゾーム、MGK−264、サイネピリン222、サイネピリン500、リーセン384、IBTA、S−421等)、酸化防止剤(例えば、BHT、トコフェロール等)、消臭剤(例えば、ラウリル酸メトクリレート等)、消臭剤(例えば、シトラール、シトロネラール等)を添加することできる。そして、これらのものをマイクロカプセル化して使用することも可能である。更に、殺虫薬剤の他にも使用目的に応じて適宜、殺ダニ剤、殺鼠剤、殺菌剤、忌避剤、IGR剤(昆虫成長調節剤)、防黴剤、植物成長調節剤、除草剤、芳香剤等を添加してもよい。これら薬剤を添加した場合には、従来の薬剤使用量から低減が可能であり、環境衛生面からも望ましい。
【0049】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0050】本実施形態の虫類の捕獲・殺虫方法について説明すると、本実施形態では、まず、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤を含有する内容物と噴射剤とから成り、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率が60重量%以下である樹脂発泡エアゾール剤を用い、溶剤としてのジメチルエーテルにより非粘着性樹脂を溶解した状態で、噴射剤の噴出力を利用して虫類に噴射する。
【0051】噴射されて虫類及びその周囲の噴射面にかかった噴射物の表面には、ジメチルエーテルが即座に蒸散することにより、直ちに非粘着性樹脂の樹脂膜が生成されて繭状体を形成し、この繭状体により虫類が被覆される。一方、繭状体の内部或いは内側においては、ジメチルエーテルとこれに可溶な非粘着性樹脂がしばらく流動状態を保持した後、ジメチルエーテルが徐々に気化する。そして、このジメチルエーテルが気化したものが充満した状態でしばらく経過すると、繭状体により被覆された虫類はジメチルエーテルが中枢神経系に作用することにより、麻痺し或いは死亡する。
【0052】さて、虫類の捕獲用組成物の概略について説明する。本実施形態の捕獲用組成物は、虫類に噴射することにより該虫類を捕獲・殺虫するために用いる組成物であって、該組成物は容器に充填され、該容器から外部に噴出されることにより前記虫類が被覆される繭状体を形成するものである。また、この組成物は、虫類に噴射後、繭状体による虫類の被覆面積が増加するものでも良い。そして、当該組成物は、繭状体により虫類が被覆される物理的手段のみならず、更に、化学的手段をも用いて虫類を捕獲・殺虫するものであるのが好適である。
【0053】尚、当該組成物は、少なくとも樹脂を含む発泡性製剤から成り、噴出物が虫類へ付着した後においても発泡(後発泡或いは遅発泡)することにより繭状体による捕獲性を強化するものが良い。このため、組成物は、ジメチルエーテルと、ジメチルエーテルよりも蒸気圧の低い発泡剤とを含むのが好適である。
【0054】また、噴射物の噴射方法は、特に限定されないが、虫類を確実に捕獲することを考えれば、ある程度の噴射力は必要である。また、噴射物が直線的に数十cmの距離を噴射できることが望ましい。製品形態(容器)については、ある程度の噴射力があり、直線的に数十cmの距離を噴射できるものであれば、何でもよいが、噴射力及び噴射距離の双方の観点から、上述した組成物を原液として噴射剤と共に当該エアゾール容器に充填したエアゾール剤であるのが最も好ましい。このエアゾール剤の噴射力は、実用上からも、単位時間あたりの噴射量が0.1〜10g/secであるのが望ましい。また、その噴射距離は、0.05〜3mとするものであるのが好適である。
【0055】このエアゾール剤について詳しく述べる。このエアゾール剤は、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂と非イオン系界面活性剤を含有する内容物と噴射剤とから成り、無機ガス成分を除いた噴射剤の含有率が60重量%以下であるのが望ましい。更に、非粘着性樹脂の含有率が20重量%以上であるのが望ましい。また、非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの中から1種以上を用いれば良い。更に、発泡調節剤として、流動パラフィン、ポリアルキレングリコール、シリコーンオイルから1種以上を添加しても良い。
【0056】尚、発泡剤としてイソペンタンを含有するようにするのが好ましい。
【0057】また、噴射状態の安定化のため、窒素ガスを加圧しても良い。
【0058】エアゾール剤、特に、樹脂発泡エアゾール剤においては、エアゾールの詰りによる噴射不良を防止することを考える必要があり、そのためには、金属噴口を装着した噴射ノズルを採用することも有効である。
【0059】また、エアゾール容器は噴射手段としてディップチューブ及び噴射ボタンを備え、該ディップチューブは、正倒立噴射が可能となるように、中央部に蛇腹が形成され、及び/又は先端に錘が付いた構造を有するのが望ましい。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例について表を参照しつつ説明する。
[実施例1]本実施例では、内容物として、非粘着性樹脂、発泡調節剤、発泡剤、界面活性剤、粘着物質含有溶液を含み、この内容物を噴射剤としてのジメチルエーテルと組み合わせて用いた。尚、非粘着性樹脂としてはアクリル樹脂及びポリスチレン、発泡調節剤としては流動パラフィン、発泡剤としてイソペンタン、界面活性剤としてソルビタンモノオレート、粘着物質含有溶液としては松脂含有アルコール溶液を用いた。
【0061】かかる内容物と噴射剤から成る処方のエアゾール剤を、各内容物と噴射剤の配合割合を変えて4種類作製し(試料1、試料2、試料3、試料4)、各試料につきカーペットからの剥離性について調べてみた。
【0062】その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

表1に示すように、噴射剤の含有率が60重量%以下で、非粘着性樹脂の含有率が20重量%以上であるエアゾール剤を用いた試料3及び4では、カーペットからの剥離性が良好であった。
[実施例2]本実施例では、内容物として、非粘着性樹脂、発泡調節剤、発泡剤、界面活性剤、粘着物質含有溶液を含み、この内容物を噴射剤としてのジメチルエーテルと組み合わせて用いた。尚、非粘着性樹脂としてはアクリル樹脂及びポリスチレン、発泡調節剤としては流動パラフィン、発泡剤としてイソペンタン、界面活性剤としてソルビタンモノオレート、粘着物質含有溶液としては松脂含有アルコール溶液を用いた。
【0064】かかる内容物と噴射剤から成る処方のエアゾール剤を、各内容物と噴射剤の配合割合を変えて3種類作製し(試料5、試料6、試料7)、実施例1に示す試料3、試料4と合わせて、ガラス面上のクロゴキブリに噴射し、各試料につきガラスからの剥離性とクロゴキブリの捕獲性について調べてみた。
【0065】その結果を表2に示す。
【0066】
【表2】

表2に示すように、界面活性剤を含まないエアゾール剤を用いた試料5及び6では、ガラス面からの剥離性に問題があった。かかる界面活性剤を含むエアゾール剤を用いた試料7、3及び4では、ガラス面からの剥離性、クロゴキブリの捕獲性が共に良好であった。また、粘着物質の添加はクロゴキブリの捕獲性を向上させる効果が認められた。
【0067】[実施例3]本実施例では、内容物として、非粘着性樹脂、発泡調節剤、発泡剤、界面活性剤、粘着物質含有溶液を含み、この内容物を噴射剤としてのジメチルエーテルと組み合わせて用いた。尚、非粘着性樹脂としてはアクリル樹脂、ポリスチレン及びポリエチレン微粉末、発泡調節剤としては流動パラフィン、発泡剤としてイソペンタン、界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、粘着物質としては松脂含有アルコール溶液を用いた。上記の界面活性剤をそれぞれ含む内容物と噴射剤から成る処方のエアゾール剤を5種作製し(試料8、試料9、試料10、試料11、試料12)、実施例1、2に示す試料4と合わせて、アクリル樹脂上に噴射し、各試料につきそれぞれアクリル樹脂からの剥離性について調べてみた。
【0068】その結果を表3に示す。
【0069】
【表3】

表3に示すように、界面活性剤としてソルビタンモノオレートを用いた試料4は、アクリル樹脂からの剥離性が良好であったが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートをそれぞれ用いた試料8、試料9、試料10、試料11、試料12では、アクリル樹脂からの剥離性が、更に向上し、極めて良好であった。また、試料12のように、ジメチルエーテルに可溶な非粘着性樹脂とジメチルエーテルに不溶な非粘着性樹脂を配合することも可能であった。
【0070】アクリル樹脂は、様々な建材・家財道具等に用いられており、本実施例では、かかるアクリル樹脂からの剥離性が優れていることが確認された。尚、アクリル樹脂以外の樹脂材からの剥離性にも優れていることも確認されている。
[実施例4]試料10(140g)をエアゾール容器(内容積290ml)に充填し窒素加圧を行って調製したエアゾール剤を使用した。なお、噴射量を適宜変化させるために噴射ボタンとして金属製またはプラスチック製の噴口(口径φ0.3〜3.0mm)、ハウジング口径(φ1.0〜2.2mm)を適宜組み合わせたエアゾール装置を用いて噴射実験を行った。そして、単位時間あたりの噴射量と使用回数の関係を調べた。噴射量の計算は、未使用のエアゾールを室温で3秒間噴射し、エアゾール容器全体の重量減少を噴射時間で除して求めた。また、実使用を想定し、3秒間づつ断続的に噴射した際に、勢いよく(噴射後期に失速することのない状態)噴射された回数を使用回数とした。結果を表4に示した。
【0071】
【表4】

表4から、噴射量が11.4g/secの場合では、2回目から噴射の勢いが継続しない状態となり、使用回数は1回に留まり、実用面で不適であることが確認された。一方、噴射量が9.9g/secの場合では使用回数は3回になり、3倍となった。更に、噴射量を7g/sec以下とすることにより、使用回数は7回となり、飛躍的に増大した。
[実施例5]試料4、試料10各140gをエアゾール容器(内容積290ml)に充填した後に窒素加圧を行って調製したエアゾール剤を使用した。噴射量を適宜変化させて、チャバネゴキブリ及びクロアリの捕獲試験を行った。単位時間あたりの噴射量の計算は前記に従い求めた。そして、噴射量と捕獲性の関係について検討した。
【0072】
【表5】

表5から、実施した噴射量の多少にかかわらず、チャバネゴキブリに対する捕獲性は十分に満足できるものであった。一方、クロアリに対する捕獲性は、噴射量が8g/sec以上になると噴射の勢いにより虫体が吹き飛び、捕獲が困難となった。噴射量が7g/sec以下の場合には、クロアリも捕獲することができた。なお、表5には示さなかったが、実施番号A(噴射量3.4g/sec)よりも更に噴射量を低減していくと、チャバネゴキブリに対する捕獲性はやや低下したものの、噴射量が0.1g/sec以上であればクロアリに対する充分な捕獲性を示した。実施例4、実施例5から、噴射量と使用回数ならびに捕獲性を総合的に判断して、単位時間あたりの噴射量としては、0.1〜10g/secが好ましく、3〜7g/secがより好ましい。
[実施例6]表6に示した距離を介して虫とエアゾールを離した状態を作製した上で、実施例4の実施番号Bのエアゾールを3秒間噴射した際の、噴出物の状態と虫類捕獲性を判定した。
【0073】
【表6】

表6から、捕獲対象物との距離が3.0mまでは捕獲が可能であり、また、1.5m以下では噴出物が捕獲対象物に付着した後においても発泡することにより捕獲性が強化されることがわかった。なお、噴射距離が3.5mを超えると捕獲対象物まで到達し難いことがわかった。一方で、エアゾールの缶径を考慮すると、最低限0.05m以上の噴射距離が必要となることから、噴射距離は、0.05〜3.0mが妥当である。さらに、使用時に噴射ボタンからの噴射方向を確認しつつ噴射するためには0.1m以上が好ましいことを踏まえて、噴射距離としては、0.1〜1.5mがより好ましい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、殺虫薬剤を使用せずに、ゴキブリ、ムカデ、ゲジゲジ、クモ、カマドウマ、ケムシ、ハエ等の不快な虫類を簡単かつ確実に捕獲し除去し得る。
【0075】また、捕獲された虫類は、繭状体により被覆されているから、この繭状体の端部等をつかんで繭状体ごと捕獲した虫類を捨ててしまうことができるので、手が直接虫類に触れること無く、捕獲した虫類を建材・家財道具等から繭状体ごと剥離させ、簡単かつ確実に除去できる。
【出願人】 【識別番号】000003311
【氏名又は名称】中外製薬株式会社
【住所又は居所】東京都北区浮間5丁目5番1号
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区内幸町1丁目3番1号
【出願日】 平成14年8月28日(2002.8.28)
【代理人】 【識別番号】100098279
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 聖
【公開番号】 特開2003−146819(P2003−146819A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2002−249714(P2002−249714)