| 【発明の名称】 |
液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】中井 卓也 【住所又は居所】三重県四日市市別名六丁目6番9号 伯東株式会社四日市研究所内
【氏名】伊藤 賢一 【住所又は居所】三重県四日市市別名六丁目6番9号 伯東株式会社四日市研究所内
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| 【要約】 |
【課題】紙パルプ製造業の工程水、工業用循環冷却水、産業排水、更には一般家屋の浴室、台所などの湿気の多い場所等に発生する汚れやスライム障害の要因となる微生物の生育抑制効果と殺微生物効果を有する殺微生物剤で、液状で取扱性に優れ、ハロゲン化ヒダントイン類の分解が少なく、製品安定性に優れ、微生物の生育抑制効果と殺微生物効果に優れた液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤を提供する。
【解決手段】(A)一般式(1)で表されるハロゲン化ヒダントイン類の1種以上と、(B)ピロリドン類、γ−ブチロラクトン類から選ばれる1種以上を有効成分として含有することを特徴とする液状の殺微生物剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)一般式(1)で表されるハロゲン化ヒダントイン類(式中、X1及びX2は独立に少なくとも一方は塩素原子または臭素原子であり、他方は塩素原子、臭素原子、水素原子のいずれかを表わし、R1及びR2は独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表わす)の1種以上と、(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる1種以上を有効成分として含有することを特徴とする液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤。 【化1】
【請求項2】 ハロゲン化ヒダントイン類が、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントインから選ばれる1種以上である請求項1記載の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤。 【請求項3】 ピロリドン類が、2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上である請求項1または2記載の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤。 【請求項4】 ブチロラクトン類が、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンから選ばれる1種以上である請求項1または2記載の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、紙パルプ製造業の工程水、工業用循環冷却水、産業排水、更には一般家屋の浴室、台所などの湿気の多い場所等に発生する微生物に起因する汚れやスライム障害を除く液状の殺微生物剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】工業用循環冷却水系、紙パルプ製造業の工程水系、産業排水等の水中で微生物が繁殖すると種々の障害を起こすことはよく知られている。例えば、水系内に微生物が繁殖し、産生した多糖類の周辺に種々の夾雑物を付着してスライムが発生すると、工業用循環冷却水系ではスライムにより配管の閉塞、熱伝導率の低下、装置壁面の腐食等の障害が生じる。また、紙パルプ製造工場の工程水中では、装置や配管内に付着したスライムの一部が剥離して紙に斑点を発生させ、製品品質の低下、紙切れ、ワイヤーや毛布の目詰まり等の障害を引き起こしている。また、一般家屋の浴室、台所などの湿気の多い場所では、例えばカビ類が生育し、外観上、汚いばかりか、衛生上も好ましくない。 【0003】これらの微生物障害を抑制するために多くの提案がなされ、例えば、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等の有機ハロゲン系殺菌剤が一般的に用いられている。しかし、有機ハロゲン系殺菌剤は、毒性が高いために取り扱い性に難点があり、近年、環境への影響が大きいことが指摘されている。さらに一般の工程水では水の節約から水の循環再使用が進められ、従来に比べて工程水中の溶解物質が濃縮、増加するようになり、微生物にとって好ましい環境になっている。その結果、スライムの発生抑制はますます難しくなり、従来の有機ハロゲン系殺菌剤では十分な効果を得ることができなくなってきている。 【0004】そこで、水中で酸化作用を持つ有効塩素、有効臭素(以下、両者を併せて有効ハロゲンとする)を利用する方法、例えば、ハロゲン化ヒダントインの使用(特公昭51−33171号公報、特開平8−176996号公報)などが提案された。しかし、ハロゲン化ヒダントイン類は固体で水への溶解性が低いために、使用する際に溶解装置と大量の希釈水を必要とする難点がある。 【0005】その改善策として、ハロゲン化ヒダントイン類と安定化剤と溶剤を組み合わせて液体品とする試みが行われた。例えば、ジクロロジメチルヒダントインと2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールを組み合わせた安定化方法(特開平01−31703号公報)、ハロゲン化ヒダントインとスクシンイミド、カプロラクタム等の環状アミド化合物、アルカリ金属の臭化物や塩化物、アルカリ土類金属の臭化物や塩化物、水からなる組成物による安定化方法(特開昭54−154523号公報)等が提案された。しかし、環境への影響が少なく、高いハロゲン化ヒダントイン濃度で溶解することができ、溶解したハロゲン化ヒダントインが分解することなく殺微生物効果を維持できる溶剤および安定化剤は、依然、見出されておらず、満足できる液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤は得られていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙パルプ製造業の工程水、工業用循環冷却水、産業排水、更には一般家屋の浴室、台所などの湿気の多い場所等に発生する汚れやスライム障害の要因となる微生物の生育抑制効果と殺微生物効果を有する殺微生物剤に関し、液状で取扱性に優れ、ハロゲン化ヒダントイン類の分解が少なく、製品安定性に優れ、微生物の生育抑制効果と殺微生物効果に優れた液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤を提供するものである。 【0007】 【課題を解決する手段】本発明者らは、液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤について鋭意検討を行った結果、ハロゲン化ヒダントイン類と特定の含窒素化合物を組み合わせて溶剤に溶解させることにより、液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤が得られ、その殺微生物剤が安定性にも優れていることを見い出し、本発明を完成させるに至った。 【0008】すなわち、請求項1に係る発明は、(A)一般式(1)で表されるハロゲン化ヒダントイン類(式中、X1及びX2は独立に少なくとも一方は塩素原子または臭素原子であり、他方は塩素原子、臭素原子、水素原子のいずれかを表わし、R1及びR2は独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表わす。)の少なくとも1種以上と、(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有することを特徴とする液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤である。 【0009】 【化2】
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1記載の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤であり、ハロゲン化ヒダントイン類が1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントインから選ばれる1種以上であることを特徴とする。 【0011】請求項3に係る発明は、請求項1、2に記載した発明の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤であり、ピロリドン類が2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上であることを特徴とする。 【0012】請求項4に係る発明は、請求項1、2に記載した発明の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤であり、ブチロラクトン類が、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンから選ばれる1種以上であることを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。 【0014】本発明の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤(以下、「本発明の液状殺微生物剤」とする)は、(A)ハロゲン化ヒダントイン類の少なくとも1種以上と、(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上とを有効成分として含む液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤であり、更に詳しくは、固体の(A)ハロゲン化ヒダントイン類の少なくとも1種以上を液体の(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上に溶解して均一液とした液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤、および固体の(A)ハロゲン化ヒダントイン類の少なくとも1種以上と液体の(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上を使用して、溶剤に均一に溶解した液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤である。 【0015】本発明の(A)成分は、一般式(1)で表される固体のハロゲン化ヒダントイン類である。 【0016】 【化3】
【0017】一般式(1)において、X1及びX2は独立に少なくとも一方は塩素原子または臭素原子であり、他方は塩素原子、臭素原子、水素原子のいずれかを表わしいる。また、R1及びR2は独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表わす。具体的には、1,3−ジクロル−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロル−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジクロル−5,5−ジエチルヒダントイン、1,3−ジクロル−5−メチル−5−プロピルヒダントイン、1,3−ジクロル−5−ブチル−5−メチルヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−5,5−ジエチルヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−5−メチル−5−プロピルヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−5−ブチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5,5−ジエチルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5−メチル−5−プロピルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5−ブチル−5−メチルヒダントイン、3,3−ジブロム−5,5−ジメチルヒダントイン、3,3−ジブロム−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3,3−ジブロム−5,5−ジエチルヒダントイン、3,3−ジブロム−5−メチル−5−プロピルヒダントイン、3,3−ジブロム−5−ブチル−5−メチルヒダントイン等があり、好ましくは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントインであり、より好ましくは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインであり、これらの2種以上を組み合わせて用いても何ら差し支えない。 【0018】本発明の(B)成分は、ハロゲン化ヒダントイン類の安定化剤および溶剤であり、ピロリドン類及びブチロラクトン類の中から選ばれた1種以上からなる。 【0019】具体的には、ピロリドン類としては2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ブチロラクトン類としてγ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンが好適である。 【0020】(A)成分と(B)成分の組成比は、(A)成分と(B)成分が均一に溶解するように、あるいは(A)成分が(B)成分を併用することで溶剤に均一溶解するように、適宜選択されれば良く、特に限定されるものではないが、通常、モル比で5:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:3である。 【0021】(B)成分が重合体の場合、例えば、ポリビニルピロリドンの場合には構成単体のビニルピロリドンをモル比で5:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:3となるように配合する。 【0022】本発明の液状殺微生物剤は、(A)成分を(B)成分に溶解して均一液として得られた液状殺微生物剤、あるいは、(A)成分と(B)成分を同時に使用して溶剤に均一溶解して得られた液状殺微生物剤であっても構わない。 【0023】本発明の液状殺微生物剤に使用する溶剤は、(A)成分と(B)成分と溶剤が均一な溶解物となり、さらに均一溶解物中のハロゲン化ヒダントイン類が分解せず、あるいは殺微生物効果を大きく低下させることのない溶剤であり、具体的には水、水と水溶性有機溶剤の混合溶剤、水溶性有機溶剤、水溶性有機溶剤と非水溶性有機溶剤の混合溶剤、非水溶性有機溶剤がの中から適宜選択して使用されるが、好ましくは水、水と水溶性有機溶剤の混合溶剤、水溶性有機溶剤であり、より好ましくは水、水と水溶性有機溶剤の混合溶剤である。 【0024】溶剤に用いる水は、特に限定されるものではなく、一般の市水、イオン交換水、工業用水などが用いられる。水を溶剤として使用した場合、液状殺微生物剤のpHは、安定性を考慮してpH5以上、好ましくはpH7以上である。pH調整には、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。 【0025】溶剤に用いる水溶性有機溶剤は、具体例にはアセトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルアセテート、ジエチルカーボネート等のエステル類、ジオキサン、テトラヒドフラン等のエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド類等がある。 【0026】また、溶剤に用いる非水溶性有機溶剤としては、プロピレンカーボネート等があり、使用する溶剤は、(A)成分のハロゲン化ヒダントイン類および(B)成分のピロリドン類、ブチロラクトン類、さらには他の配合成分等を考慮して、これらの溶剤の1種以上を適宜選択されるものである。 【0027】本発明の殺微生物剤のおいて(A)成分の配合量は、特に限定されるものではなく、使用するハロゲン化ヒダントイン類及び(B)成分の種類、使用する溶剤等により適宜選択、決定されるものであるが、通常、5重量%〜50重量%(以下、「重量%」を「%」とする)である。 【0028】本発明の液状微生物コントロール剤の製造は、通常、溶剤を撹拌しながら先に(B)成分を加えて溶解し、次いで(A)成分のハロゲン化ヒダントイン類を徐々に加えて均一溶液とする方法で行われる。 【0029】本発明の液状微生物コントロール剤の水系への添加場所は、スライム障害が発生している工程や処理対象部分及びその上流に、一般の薬品注入ポンプを用いて本発明の液状微生物コントロール剤を添加する。また、添加方法は、高濃度を一定間隔で添加する衝撃添加あるいは間欠的に添加する方法、または連続的に添加して水中の残留ハロゲン濃度を特定の値に保つ方法等があり、特に限定するものではない。通常は、微生物生存数を適宜測定し、スライム傷害が起きないように微生物生存数を設定された基準数以下に保つように添加する。 【0030】本発明の液状微生物コントロール剤の添加量は、水質、pH、温度など該水系の工程条件、生存微生物の種類、微生物数、スライムの発生の程度などによって大きく異なるので一律に定められるものではないが、通常、対象とする水系の残留ハロゲン濃度が0.01〜10mg/L、好ましくは0.1〜5mg/L、さらに好ましくは0.2〜2mg/Lを維持するように添加される。残留ハロゲン濃度が0.01mg/Lより少ないと本発明の効果が得られない場合があり、また、10mg/Lより多いと、効果は充分にあるが、添加量の割には効果が大きくなく、経済的にみて不利になることがある。 【0031】本発明の液状殺微生物剤は、必要により、その他の安定化剤、界面活性剤等を添加することを制限するものではない。例えば、安定化剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭化物、グリシン,α−アラニン,グルタミン酸ナトリウム,アスパラギン酸ナトリウム,メチオニンおよびリジン塩酸塩等のアミノ酸類、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジエチルヒダントイン等のヒダントイン類、スルファミン酸、コハク酸イミド、カプロラクタム、マレインイミド、ピロールイミド等のアミド類、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛等の金属塩類、ポリアクリル酸類、アクリル酸−マレイン酸共重合体類、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、立体障害を有する環状の第2級アミン、サッカリンおよびそのナトリウム塩等の塩類さらにはその水和物等があげられる。 【0032】界面活性剤は、任意に選ばれるが、製剤の微生物安定性及び洗浄性を考慮して非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸モノエステル等が挙げられる。 【0033】アニオン性界面活性剤の具体例としては、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、N−アシルメチルタウリン等が挙げられる。 【0034】本発明の液状殺微生物剤は、(A)成分と(B)成分を混合することにより、(A)成分のハロゲン化ヒダントイン化合物の溶剤への溶解性および安定性が向上し、液状で高濃度のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤が得られるものである。例えば、ブロモクロロジメチルヒダントインの水に対する溶解度が約1.5(mg/100g−水)と低くても、ブロモクロロジメチルヒダントイン:20%と2−ピロリドン:10%(対全量)および水:70%の配合で、ブロモクロロジメチルヒダントイン:20%濃度のブロモクロロジメチルヒダントインの液状殺微生物剤が得られる。これは、(A)成分のハロゲン原子が、(B)成分中の窒素原子と結合して塩を形成するために(A)成分の水への溶解性および安定性が高くなるためと推定される。 【0035】 【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。 〔A成分〕 A−1:ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインと3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインの混合物)(グレート・レイクス・ケミカルズ社製) A−2:1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(東京化成(株)) A−3:1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(東京化成(株)) 〔B成分〕 B−1:2−ピロリドン〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 B−2:ビニルピロリドン〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 B−3:ポリビニルピロリドン〔試薬、分子量40,000、和光純薬工業(株)製〕 B−4:γ−ブチロラクトン〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 〔その他〕 C−1:スルファミン酸〔試薬、関東化学(株)製〕 C−2:グリシン〔試薬、関東化学(株)製〕 C−3:コハク酸イミド〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 C−4:エチレングリコール〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 C−5:プロピレンカーボネート〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 [微生物コントロ−ル剤−1の調製]水79.1gを攪拌しつつ、2−ピロリドン(B−1)0.9gを入れ、均一に溶解した後、ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(A−1)20gを加えた。0.1モル/L塩酸及び0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、微生物コントロ−ル剤−1を得た。 【0036】同様にして、A−1〜A−3、B−1〜B−4、C−1〜C−5を用いて、表1に記載した下記配合の微生物コントロ−ル剤−1〜41を調製した。 【0037】 【表1】
【0038】[安定性試験]表1記載の殺微生物剤をそれぞれ無色のガラスビンに入れ、40℃の恒温器内で静置した。静置14日後、30日後、60日後にそれぞれから一部を取り、「JIS K 0102−1991:残留塩素」に記載のヨウ素滴定法にて残留塩素濃度を測定し、有効塩素濃度とした。本方法の有効塩素濃度測定値は、有効塩素濃度と有効臭素濃度の合計値であり、これを有効ハロゲン濃度として次式により殺微生物剤の分解率を求めた。 分解率(%)={(X−Y)/X}×100X:初期有効ハロゲン濃度,Y:静置後の有効ハロゲン濃度得られたこの結果を表2に示した。 【0039】この結果から、本発明の液状殺微生物剤は、スルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドを安定化剤として使用した従来の液状殺微生物剤よりもハロゲン化ヒダントイン類の安定性が大きく向上していることが分かる。 [カビ除去効果試験]表1記載の殺微生物剤をそれぞれ無色のガラスビンに入れ、室温下に60日静置した後、浴室内のタイル壁面に発生した黒カビの除去試験を行った。除去試験は、調製直後の液状殺微生物剤と60日間40℃で静置した液状殺微生物剤をそれぞれについて、20cm平方のタイル壁面を覆う程度にスプレーし、30分後のタイル壁面の黒カビ除去程度を目視評価した。黒カビ除去効果の評価は、以下のようにした。 ○:タイル壁面の80%以上の黒カビを除去できた。 △:タイル壁面の50%以上〜80%未満の黒カビを除去できた。 ×:タイル壁面の50%未満の黒カビを除去できた。 結果を表3に示した。 【0040】 【表2】
【0041】本発明の液状殺微生物剤は、調製直後、調製後60日経過後の製剤の両方ともに黒カビ除去効果に優れており、安定性に優れていることを認めた。しかし、ハロゲン化ヒダントイン類単独及びスルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドをそれぞれ混合した液状殺微生物剤は、調製直後では黒カビ除去効果に優れていたものの、調整後60日を経過すると黒カビ除去効果をほとんど失っていた。 [殺菌試験]工業用水系に生育する代表的な細菌であるシュードモナス属(四日市工業用水から単離培養)をTGY液体培地を用いて24時間、32℃で振とう培養を行い活性化させた。この液を滅菌水で1,000倍(重量)に希釈し、希塩酸液または希水酸化ナトリウム液にてpHを7に調整した液を試験液とした。この試験液を300ml三角フラスコに100mlづつ採取し、調製直後および室温下で60日静置した殺微生物剤の(A)成分の添加量が2mg/Lになるように殺微生物剤を加え、振とう器にて振とうした。試験液と殺微生物剤を接触させて1時間後及び1日後にTGY平板培地に接種し、32℃で3日間培養し、試験液1ml当たりの生存微生物数を測定した。「接触時間1時間の微生物数」と無添加の場合の微生物数を比べることにより「短時間接触による殺微生物効果」が分かり、「接触時間1日の微生物数」と無添加の場合の微生物数を比べることにより「長期にわたる微生物の増殖の抑制効果」が分かる。結果を表3に示した。 【0042】 【表3】
【0043】本発明の液状殺微生物剤は、調製直後、調製後60日経過後の製剤の両方ともに殺菌効果に優れており、安定性に優れていた。しかし、ハロゲン化ヒダントイン類とスルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドの1種を使用した液状殺微生物剤の殺菌効果は、調製直後、本発明の液状殺微生物剤と同等であるが、調製60日を経過すると殺菌効果が著しく低下した。 【0044】 【発明の効果】本発明によるハロゲン化ヒダントイン類の液状の殺微生物剤は、取り扱い性に優れ、且つ、長期にわたり安定に殺微生物効果を維持することができ、作業性の改善、コスト低減が得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000234166 【氏名又は名称】伯東株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区新宿1丁目1番13号
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| 【出願日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−104805(P2003−104805A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月9日(2003.4.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−302798(P2001−302798) |
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