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【発明の名称】 農園芸用殺菌剤組成物およびストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤
【発明者】 【氏名】高垣 真喜一

【氏名】三浦 一郎

【氏名】永山 孝三

【要約】 【課題】ストロビルリン系殺菌剤の効果を増強させるとともに、ストロビルリン系殺菌剤の使用量を低減させ、有用植物に対して高い有効性と安全性を有する農園芸用殺菌剤組成物を提供すること。

【解決手段】式(I)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の式(I)
【化1】

[式中、R1は置換基を有しても良い複素環式基、置換基を有しても良いフェニル基または置換基を有しても良いフェニルアルキリデンアミノ基(該フェニル基は置換基を有しても良い)を、R2およびR3はそれぞれアルキル基を示し、Xは、NまたはCHを示し、nは1または0の数を示す]で表されるストロビルリン系殺菌剤と、茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項2】 ストロビルリン系殺菌剤が、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、トリフロキシストロビンまたはピコキシストロビンである請求項第1項記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項3】 茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物とストロビルリン系殺菌剤との重量比が1:0.001〜1:10の範囲である請求項第1項または第2項記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項4】 さらに界面活性剤を配合する請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の農園芸用殺菌剤殺菌剤組成物。
【請求項5】 界面活性剤の少なくとも1種が陰イオン性界面活性剤である請求項第4項記載の農園芸用殺菌剤殺菌剤組成物。
【請求項6】 茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物が、水または加温された水で抽出されたものである請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の農園芸用殺菌剤殺菌剤組成物。
【請求項7】 茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物が、水溶性溶媒、加温された水溶性溶媒、水と水溶性溶媒の混合溶媒、加温された水と水溶性溶媒の混合溶媒の何れかで抽出されたものである請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の農園芸用殺菌剤殺菌剤組成物。
【請求項8】 茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物を有効成分として含有することを特徴とするストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農園芸用殺菌剤殺菌剤組成物およびストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ストロビルリン系殺菌剤は、1969年に腐敗した木材に生育しているオーデマンシェラ・ムシタ菌(Oudemansiella mucida)の培養液中から殺菌活性を有する化合物ムシジン(Mucidin)が発見されたことに遡る。1978年にはストロビルラス・テナセラス(Strobilurus tenacellus)から殺菌活性を有するムシジンと同一の化合物ストロビルリン(Strobilurin)が発見され、その後、この命名が一般名となった。作用機構は、菌のエネルギー生産を阻害するが従来の呼吸阻害剤とは異なり、ミトコンドリアの電子伝達系の複合体IIIのサブユニットであるチトクロームbを標的とする特異作用点阻害剤である。
【0003】このストロビルリン系殺菌剤は、構造的特徴として、例えば3−メトキシアクリル酸メチルエステル基を部分構造として有する化合物群、メトキシイミノ酢酸メチルエステル基を部分構造として有する化合物群および2−メトキシイミノ−N−メチルアセトアミド基を部分構造として有する化合物群等の総称である。
【0004】ストロビルリン系殺菌剤の作用については、有機合成化学協会誌、第57巻、第4号、第94〜98頁(1999)に、アゾキシストロビン:新規抗菌性広スペクトラム殺菌剤と題する論文が掲載され、また、日本農薬学会誌、第24巻、第189〜196頁(1999)には、ストロビルリン系殺菌剤の作用機構と題される論文が掲載されている。ストロビルリン系殺菌剤は、イネ、ムギ、野菜類及び果樹類等多くの病害に防除効果を有するが、同時に薬害も出やすい化合物である。また、野菜類の灰色かび病、菌核病及びムギふ枯病等の一部の病害では、その防除効果が必ずしも十分ではない事例が報告されている。
【0005】一方、近年、農薬の環境汚染に対する問題が取り上げられるようになり、可能な限り投下薬量を減少させ、環境に及ぼす影響を少なくして、確実に病害を防除する薬剤の出現が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストロビルリン系殺菌剤の効果の増強、特に野菜類の灰色かび病、菌核病及びコムギふ枯病に対する効果を増強させるとともに、ストロビルリン系殺菌剤の使用量を低減させ、有用植物に対して高い有効性と安全性を有する農園芸用殺菌剤組成物の提供をその課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題を解決することを目的として、ストロビルリン系殺菌剤の殺菌効力を増強させることのできる化合物について広く検索を行っていた。そしてその結果、人畜および環境に対して安全性が高い植物抽出物をストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤として加えることにより、ストロビルリン系殺菌剤単独では十分な効果が得られない低薬量で、多くの病害に対して極めて高い殺菌効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、上記式(I)
【化2】

[式中、R1は置換基を有しても良い複素環式基、置換基を有しても良いフェニル基または置換基を有しても良いフェニルアルキリデンアミノ基(該フェニル基は置換基を有しても良い)を、R2およびR3はそれぞれアルキル基を示し、Xは、NまたはCHを示し、nは1または0の数を示す]で表されるストロビルリン系殺菌剤と、茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物を含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物を提供するものである。
【0009】また本発明は、上記植物抽出物を有効成分として含有することを特徴とするストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の農園芸用殺菌剤組成物において、有効成分として用いられるストロビルリン系殺菌剤は、上記式(I)で表されるものである。上記式(I)中、R1の複素環式基としては、ピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、フリル基、チエニル基、キノリニル基、チアゾリル基、ピロリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。また、R2およびR3のアルキル基としては、メチル基等の低級アルキル基が挙げられる。
【0011】このストロビルリン系殺菌剤(I)の代表的な薬剤としては、例えば下式(Ia)で表されるアゾキシストロビン、下式(Ib)で表されるクレソキシムメチル、下式(Ic)で表されるメトミノストロビン、下式(Id)で表されるトリフロキシストロビン、下式(Ie)で表されるピコキシストロビン等を挙げることができる。
【0012】
【化3】

【0013】これらの化合物は、いずれもストロビルリン系殺菌剤として公知な化合物であり、例えば、式(Ia)のアゾキシストロビンはEP特許第382,375号公報に、式(Ib)のクレソキシムメチルはEP特許第493,711号公報に、式(Ic)のメトミノストロビンはEP特許第398,692号公報に、式(Id)のトリフロキシストロビンはEP特許第472,300号公報に、式(Ie)のピコキシストロビンはEP特許第278,595号公報にそれぞれ記載されている。
【0014】一方、本発明において使用される茶、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウまたはローズマリー由来の植物抽出物(以下、「植物抽出物」という)は、上記植物の植物体あるいはその乾燥物を、水、熱水、有機溶媒、含水有機溶媒、これらの混合物等の抽出溶媒を用いて抽出することにより得られる成分である。
【0015】この抽出物には、上記抽出溶媒で抽出した状態のものや、これから抽出溶媒を留去したものを意味し、液体、固体(粉末を含む)の別を問わない。この抽出溶媒としては、水、または、メタノール、アセトニトリル、アセトン、エタノール等の水溶性溶媒、あるいは水と水溶性溶媒の混合溶媒が好適であり、これらを加温したものは、さらに抽出溶媒として、好適である。これら抽出物は、非精製物でも十分好適に用いられるが、抽出物は有機溶媒分画や吸着樹脂などを用いて所望の程度に精製することもできる。
【0016】本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、ストロビルリン系殺菌剤と植物抽出物を混合し、必要により農薬製剤で汎用されている担体、界面活性剤、分散剤又は補助剤等を配合して、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、乳剤、粒剤、微粒剤、懸濁製剤等の製剤とすることにより調製される。
【0017】ストロビルリン系殺菌剤と植物抽出物の配合割合は、ストロビルリン系殺菌剤の効果が増強される量であれば特に制約はないが、通常、植物抽出物(抽出溶媒留去物として)とストロビルリン系殺菌剤の重量比が1:0.001〜1:10の範囲が好ましく、特に1:0.01〜1:10の範囲が好ましい。
【0018】また、製剤中におけるストロビルリン系殺菌剤と植物抽出物の量は、一般的に粉剤、微粒剤及び粒剤とする場合は0.1〜20%(重量)であり、乳剤、水和剤及び顆粒水和剤とする場合は5〜80%(重量)である。さらに、懸濁製剤の場合には0.1〜30%(重量)である。もちろん、これ以外の量であっても製剤化可能であり、効果を発揮させる量であれば使用することができる。
【0019】なお、農園芸用殺菌剤組成物の調製における、担体、界面活性剤、分散剤又は補助剤の選択に際しては、農薬製剤組成物中での植物抽出物の安定性を損なわないものが好ましく、さらにストロビルリン系殺菌剤および植物抽出物の植物体内、菌体内への移行性を増進させるものが特に好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、少なくとも1種が陰イオン性界面活性剤であることが好適である。
【0020】一方、本発明のストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤(以下、「効力増強剤」という)は、上記した植物抽出物を有効成分とし、上記農園芸用殺菌剤組成物と同様に製剤化することにより調製される。
【0021】そしてこの効力増強剤は、市販のストロビルリン系殺菌剤製剤と組合せ使用される。この場合、ストロビルリン系殺菌剤と本発明の効力増強剤は、殺菌効果が増強する組み合わせであれば、同じ剤型の製剤あるいは異なる製剤のいずれでも良い。また、ストロビルリン系殺菌剤と植物抽出物の配合割合はストロビルリン系殺菌剤の効果が増強される量であればよく、通常、効力増強剤(植物抽出物量として)とストロビルリン系殺菌剤の重量比が1:0.001〜1:10の範囲であり、特に1:0.01〜1:10の範囲が好ましい。また、効力増強剤とストロビルリン系殺菌剤製剤は、散布直前に混合することが好ましい。
【0022】
【実施例】次に、実施例、比較例、参考例および試験例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。例えば、実施例中の各成分の混合割合およびび補助剤は広い範囲で変更することができる。なお、以下において部は重量部を示す。
【0023】参 考 例 1緑茶抽出物の製造:茶茎葉乾燥物に70℃に加温した水を加え、恒温水槽中で、1時間、しんとうする。これをろ過して得た緑茶抽出液を、ロータリーエバポレーターで溶媒留去し、緑色固体の緑茶抽出物の溶媒留去物を得た。
【0024】参 考 例 2抽出物製造:下記表に示す、植物材料、溶媒、抽出温度および時間によりそれぞれの抽出物を調製した。
【0025】
【表1】

【0026】実 施 例 1懸濁製剤:アゾキシストロビン5部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)10部、塩化アンモニウム5部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムの縮合物(花王製、商品名:デモールN)5部、エチレングリコール10部、キサンタンガム0.1部及び水64.9 部を均一に混合した後粉砕し、懸濁製剤を得た。
【0027】実 施 例 2粉 剤 :クレソキシムメチル5部、ケブラチオ抽出物(参考例2で得たもの)5部、珪藻土5部及びクレー85部を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0028】実 施 例 3水 和 剤 :アゾキシストロビン0.1部、リンゴ抽出物(参考例2で得たもの)5部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土89.9部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0029】実 施 例 4乳 剤 :アゾキシストロビン10部、ブドウ種子抽出物(参考例2で得たもの)10部、シクロヘキサノン20部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11部、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4部及びメチルナフタレン45部を均一に溶解して乳剤とした。
【0030】実 施 例 5粒 剤 :メトミノストロビン5部、ローズマリー抽出物(参考例2で得たもの)5部、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、カルボキシメチルセルロース2部及びクレー81部を均一に混合粉砕する。この混合物に水20%を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。
【0031】実 施 例 6水 和 剤 :クレソキシムメチル1部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)5部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土89部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0032】実 施 例 7水 和 剤 :クレソキシムメチル0.01部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)5部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土85部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0033】実 施 例 8水 和 剤 :クレソキシムメチル0.03部、ケブラチオ抽出物(参考例2で得たもの)5部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土85部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0034】実 施 例 9懸濁製剤型効力増強剤 :緑茶抽出物(参考例1で得たもの)10部、塩化アンモニウム5部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムの縮合物(花王製、商品名:デモールN)5部、エチレングリコール10部、キサンタンガム0.1部、水69.9部を均一に混合した後粉砕し、懸濁製剤を得た。このものはストロビルリン系殺菌剤と混合して使用する。
【0035】実 施 例 10水和剤型効力増強剤 :リンゴ抽出物(参考例2で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土85部を均一に混合粉砕して水和剤とした。このものはストロビルリン系殺菌剤と混合して使用する。
【0036】実 施 例 11乳剤型効力増強剤 :ブドウ種子抽出物(参考例2で得たもの)20部、シクロヘキサノン20部、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11部、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4部及びメチルナフタレン45部を均一に溶解して乳剤とした。このものはストロビルリン系殺菌剤と混合して使用する。
【0037】実 施 例 12粒剤型効力増強剤 :ローズマリー抽出物(参考例2で得たもの)10部、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、カルボキシメチルセルロース2部及びクレー81部を均一に混合粉砕する。この混合物に水20部を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。このものはストロビルリン系殺菌剤と混合して使用する。
【0038】実 施 例 13水 和 剤 :アゾキシストロビン0.1部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土84.9部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0039】実 施 例 14水 和 剤 :アゾキシストロビン1部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土84部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0040】実 施 例 15水 和 剤 :アゾキシストロビン0.001部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土84.999部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0041】実 施 例 16水 和 剤 :アゾキシストロビン0.03部、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土84.97部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0042】実 施 例 17水 和 剤 :クレソキシムメチル0.01部、ブドウ種子抽出物(参考例2で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土84.99部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0043】実 施 例 18水 和 剤 :クレソキシムメチル0.1部、ブドウ種子抽出物(参考例2で得たもの)10部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土84.9部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0044】比 較 例 1水 和 剤 :アゾキシストロビン1部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土94部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0045】比 較 例 2水 和 剤 :クレソキシムメチル0.1部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土94.9部を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0046】試 験 例 1キュウリ灰色かび病予防効果試験:一辺9cmのプラスチックポット各々に、キュウリ種子(品種:相模半白)を5粒づつ播種し、温室内で育成した。実施例13、14および比較例1の水和剤を水で所定濃度に希釈し、これを子葉が展開したキュウリ幼苗に、1ポット当たり10mlで散布した。風乾後、イーストグルコース液体培地(酵母エキス0.25%、グルコース1%)で調製した灰色かび病菌の胞子懸濁液にペーパーディスクを浸し、キュウリ子葉表面に置床接種し、直ちに20℃湿室内に入れた。接種3日後に、ポット全体の子葉の発病面積割合を下記調査基準に基づき指数化し、式1によって防除価を算出した。なお、比較としては、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)を、対照としてはイプロジオン市販製剤(武田ロブラール水和剤)を希釈したものを使用した。この結果を表2に示した。
【0047】
( 発 病 指 数 )
指 数 : 調 査 基 準 n0 : 健全葉数 n1 : 発病面積が無処理区の5%未満の葉数 n2 : 発病面積が無処理区の5%以上33.3%未満の葉数 n3 : 発病面積が無処理区の33.3%以上66.6%未満の葉数 n4 : 発病面積が無処理区の66.6%以上の葉数【0048】
【式1】

【0049】
【表2】

【0050】試験結果から、アゾキシストロビン(ストロビルリン系殺菌剤)と緑茶抽出物とを混合することにより、アゾキシストロビンの殺菌効果を著しく増強させ、対照剤であるイプロジオンに明らかに優る高いキュウリ灰色かび病防除効果を示した。なお、その他の本発明で使用する植物抽出物は、アゾキシストロビンの効力増強効果を示し、高いキュウリ灰色かび病防除効果を示した。
【0051】試 験 例 2ムギふ枯病予防効果試験:直径6cmのプラスチックポット各々に、コムギ種子(品種:農林61号)を10粒づつ播種し、温室内で育成した。実施例15、16および比較例1の水和剤を水で所定濃度に希釈し、2葉が展開したコムギ苗に1ポット当たり10mlで散布した。風乾後、コムギふ枯病菌の柄胞子を接種し、温室内で管理した。接種10日後にポット全体の第1葉の発病面積割合を下記発病指数に基づき調査し、試験例1と同様の方法により防除価を算出した。なお、比較としては、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)を、対照としてはテブコナゾール市販製剤(バイエルシルバキュア乳剤)を希釈したものを使用した。その結果を表3に示した。
【0052】
( 発 病 指 数 )
指 数 : 調 査 基 準 n0 : 健全葉数 n1 : 発病面積が無処理区の5%未満の葉数 n2 : 発病面積が無処理区の5%以上25%未満の葉数 n3 : 発病面積が無処理区の25%以上50%未満の葉数 n4 : 発病面積が無処理区の50%以上の葉数【0053】
【表3】

【0054】試験結果から、アゾキシストロビン(ストロビルリン系殺菌剤)と緑茶抽出物とを混合することにより、アゾキシストロビンの殺菌効果を著しく増強させ、対照剤であるテブコナゾールに明らかに優る高いムギふ枯病防除効果を示した。
【0055】なお、その他の本発明で使用する植物抽出物はアゾキシストロビンに加えることにより、アゾキシストロビンの効力増強効果を示し、高いムギふ枯病防除効果を示した。
【0056】試 験 例 3リンゴ黒星病予防効果試験:直径6cmのプラスチックポット各々に、リンゴ種子(品種:紅玉)を2粒づつ播種し、温室内で育成した。実施例17、18および比較例2の水和剤を水で所定濃度に希釈し、本葉が4枚展開した実生苗に、1ポット当たり10ml散布した。風乾後、リンゴ黒星病菌の胞子懸濁液を噴霧接種し、直ちに20℃の湿室内で48時間管理した。その後、リンゴ苗を温室内に移し発病させ、接種10日後に接種時の上位2葉の発病面積割合を試験例2の発病指数に基づき調査し、試験例1と同様の方法により防除価を算出した。なお、比較としては、緑茶抽出物(参考例1で得たもの)を、対照としてはビテルタノール市販製剤(ホクコーバイコラール水和剤)を希釈したものを使用した。その結果を表4に示した。
【0057】
【表4】

【0058】試験結果から、クレソキシムメチル(ストロビルリン系殺菌剤)とブドウ種子抽出物とを混合することにより、クレソキシムメチルの殺菌効果を著しく増強させ、対照剤であるビテルタノールに明らかに優る高いリンゴ黒星病防除効果を示した。
【0059】尚、その他の本発明で使用する植物抽出物をクレソキシムメチルに加えることにより、クレソキシムメチルの効力増強効果を示し、高いリンゴ黒星病防除効果を示した。
【0060】
【発明の効果】本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、ストロビルリン系殺菌剤の有する殺菌力を植物抽出物が増強させるものであるため、優れた殺菌効果を発揮し、ストロビルリン系殺菌剤単独では十分な効果が得られない低薬量でも、多くの病害に対して極めて高い殺菌効果を得ることができ。
【0061】従って、環境に及ぼす影響の少ない、確実に病害を防除する農園芸用殺菌剤として、広く使用しうるものである。
以 上
【出願人】 【識別番号】000000169
【氏名又は名称】クミアイ化学工業株式会社
【出願日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【代理人】 【識別番号】100086324
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 信夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−95825(P2003−95825A)
【公開日】 平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願番号】 特願2001−289093(P2001−289093)