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【発明の名称】 防ダニ樹脂組成物
【発明者】 【氏名】鶴岡 理文
【住所又は居所】東京都江戸川区中央4丁目17番28号 大和化学工業株式会社内

【氏名】村松 高広
【住所又は居所】東京都江戸川区中央4丁目17番28号 大和化学工業株式会社内

【氏名】横田 小百合
【住所又は居所】東京都江戸川区中央4丁目17番28号 大和化学工業株式会社内

【要約】 【課題】防ダニ剤の効力を有効に発揮し得る防ダニ樹脂組成物及びその効率的な製造方法を提供すること。

【解決手段】2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドが低融点樹脂に含有されてなる防ダニ樹脂組成物及び2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドと低融点樹脂とを融点〜融点+50℃の範囲内の温度で溶融混練することを特徴とする防ダニ樹脂組成物の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドが低融点樹脂に含有されてなる防ダニ樹脂組成物。
【請求項2】低融点樹脂がポリプロピレンまたはポリエステルである請求項1に記載の防ダニ樹脂組成物。
【請求項3】2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドと低融点樹脂とを融点〜融点+50℃の範囲内の温度で溶融混練することを特徴とする請求項1または2に記載の防ダニ樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】請求項1または2に記載の防ダニ樹脂組成物をダニ生息域に処理することを特徴とするダニの防除方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防ダニ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】防ダニ樹脂組成物は、樹脂中に防ダニ剤が配合されてなる組成物であり、配合する防ダニ剤によって効果が発揮される。しかしながら、該防ダニ剤の防ダニ活性に基づいて期待される防ダニ効果に比べ、該組成物の効果は低い場合が多く、充分な効力が発揮されないという問題があった。本発明の目的は防ダニ剤の効力を有効に発揮し得る防ダニ樹脂組成物及びその効率的な製造方法を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドが低融点樹脂に含有されてなる防ダニ樹脂組成物が防ダニ剤の効力を有効に発揮し得ることを見出し、本発明に至った。
【0004】即ち、本発明は、1.2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドが低融点樹脂に含有されてなる防ダニ樹脂組成物(以下、本発明防ダニ樹脂組成物と記す。)、2.低融点樹脂がポリプロピレンまたはポリエステルである上記1項に記載の防ダニ樹脂組成物、3.本化合物と低融点樹脂とを融点〜融点+50℃の範囲内の温度で溶融混練することを特徴とする上記1項または2項に記載の防ダニ樹脂組成物の製造方法及び4.上記1項または2項に記載の防ダニ樹脂組成物をダニ生息域に処理することを特徴とするダニの防除方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリド(以下、本化合物と記す。)は、特開昭57−156407号公報及び特開平8−319202号公報に記載の化合物である。
【0006】本発明において低融点樹脂とは融点が250℃以下の熱可塑性樹脂を意味する。ただし、非結晶性の熱可塑性樹脂等、融点が明確でない樹脂においては環球法によって測定される軟化点を、融点と読み代えるものとする。
【0007】本発明防ダニ樹脂組成物に含有され得る低融点樹脂としては、具体的には例えば、融点が250℃以下のポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体とエチレンとの共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルなどの熱可塑性樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0008】本発明防ダニ樹脂組成物は、例えば本化合物と低融点樹脂とを融点〜融点+50℃の範囲内の温度で溶融混練することにより得られる。具体的には、混合した溶融前の樹脂と本化合物とを押し出し機等で融点〜融点+50℃の範囲内の温度で加熱し、溶融・混練する方法、融点〜融点+50℃の範囲内の温度で溶融した低融点樹脂に本化合物をそのまま添加し、混合する方法、また予め本化合物を高い濃度で含有するマスターバッチを作成しておき、該マスターバッチを融点〜融点+50℃の範囲内の温度で溶融した低融点樹脂に添加し、混練する方法等が挙げられる。
【0009】本発明防ダニ樹脂組成物における本化合物の割合は、低融点樹脂1Kgに対して通常0.001〜10g、好ましくは0.01〜1gである。
【0010】本発明防ダニ樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線防止剤、潤滑剤、帯電防止剤、防汚剤、脱臭剤、充填剤、発泡剤、消泡剤、アンチブロッキング剤、着色剤、防虫剤、着香料等の添加剤が含有される。
【0011】また、本発明防ダニ樹脂組成物には、必要に応じて本化合物以外に例えばd−フェノトリン、エンペントリン等のピレスロイド化合物等の他の殺虫・殺ダニ成分、共力剤、抗菌・防黴剤等の成分が含有され得る。
【0012】本発明防ダニ樹脂組成物によって防除可能なダニとしては、例えばコナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、コウノホシカダニ、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、ミナミツメダニ、クワガタツメダニ、フトツメダニ、ホソツメダニ、アシナガツメダニ等のツメダニ類、イエダニ、トリサシダニ、ワクモ、スズメサシダニ等のイエダニ類、シラミダニ類、ヒゼンダニ類等が挙げられる。
【0013】本発明防ダニ樹脂組成物は、プレート状、繊維状等の様々な形態に成形されうる。
【0014】本発明防ダニ樹脂組成物をダニ生息域に処理する方法としては、具体的には例えば、シート状の本発明防ダニ樹脂組成物を、畳、カーペットの下、畳表の裏等に敷く方法、繊維状の本発明樹脂をカーペットのパイル部分、元布の部分等に入れ込み、該カーペットを床等に敷く方法等が挙げられる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を製造例及び試験例によって、より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0016】製造例1ポリエチレン(ミラソン403P:三井化学)1Kgに本化合物2gを添加し、よく混合した後、該混合物を二軸押出し機にて溶融混練した。該混練物を射出成型機にてプレート状に成形し、88mm×49mm×3mmの大きさの防ダニ樹脂組成物のプレート(以下、樹脂プレート1と記す。)10枚を得た。溶融・混練及び成形は160〜180℃の温度で行った。
【0017】製造例2ポリプロピレン系樹脂(グランドポリプロJ104WA:(株)グランドポリマー)1Kgに本化合物2gを添加し、よく混合した後、該混合物を二軸押出し機にて溶融・混練した。該混練物を射出成形器にてプレート状に成形し、88mm×49mm×3mmの大きさの防ダニ樹脂組成物のプレート10枚を得た。溶融・混練及び成形は200〜220℃の温度で行った。
【0018】試験例1増殖抑制試験基本マニュアル(出典:防ダニ加工製品協議会)に記載の方法にしたがい、ダニ培地を調製した。外径45mm、高さ15mmのガラスシャーレ及び樹脂プレート1を用意し、樹脂プレート1をガラスシャーレの底面の大きさにあわせて切り抜いた。該ガラスシャーレの底面に切り抜いた樹脂プレート1を敷いた(これを薬剤処理区とする。)。該樹脂プレート1上にヤケヒョウヒダニ100~200頭を含むダニ培地0.1gを均一にまいた。これを昆虫用粘着トラップ上に置き、トラップごとプラスチックケース内に入れた。湿度調節用に飽和食塩水を入れたカップを上記プラスチックケースの底部に置き、シャーレには蓋をせずにプラスチックケースのみ蓋をした。該プラスチックケースを全暗状態の恒温器中に静置し、プラスチックケース内が25±1℃、75±5%R.H.を維持している状態で保管した。4週間後に樹脂プレート1上及びガラスシャーレ内の生存ダニを水洗いによって回収し、計数した。また、本化合物を含有していない樹脂プレートを使用する以外は全て同様の試験を行った(これを無処理区とする。)。本試験は3反復行った。下記の式によって増殖抑制率を計算した。各試験において求められた増殖抑制率の平均を求めた。結果を表1に示す。
【数1】増殖抑制率(%)={(無処理区の生存ダニ数−薬剤処理区の生存ダニ数)/無処理区の生存ダニ数}×100【0019】
【表1】

【0020】
【発明の効果】本発明により、防ダニ剤の効力を有効に発揮し得る防ダニ樹脂組成物及びその効率的な製造方法の提供が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
【出願日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外1名)
【公開番号】 特開2003−95822(P2003−95822A)
【公開日】 平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願番号】 特願2001−290842(P2001−290842)