| 【発明の名称】 |
殺藻殺菌剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】高本 裕昭
【氏名】奥薗 一彦
【氏名】長嶋 博伸
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| 【要約】 |
【課題】珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壺状菌、付着細菌等の病害菌を駆除することができる殺藻殺菌剤の提供。
【解決手段】本発明は、海苔養殖時に発生する雑藻、病害の駆除予防を行う殺藻殺菌剤であって、酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを主成分とすることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを主成分とすることを特徴とする海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【請求項2】 酸がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、フマル酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸、アジピン酸、フィチン酸、ケトグルタル酸、イタコン酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸の中の1種以上であることを特徴とする請求項1記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【請求項3】 サリチル酸エステルが、サリチル酸イソアミル、サリチル酸エチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチルの中の1種以上であり、プロピオン酸エステルが、プロピオン酸アミル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸メチルの中の1種以上であることを特徴とする請求項1、2記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【請求項4】 殺藻殺菌の処理時におけるサリチル酸エステル又はプロピオン酸エステルの濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【請求項5】 殺藻殺菌の処理時における酸濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【請求項6】 殺藻殺菌の処理時にpHを1.5〜2.5に調整することを特徴とする請求項1〜5に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【請求項7】 無機塩類を添加することを特徴とする請求項1〜6に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、海苔養殖中に発生する珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壺状菌、付着細菌等の病害菌を駆除する殺藻殺菌剤に関する。 【0002】 【従来の技術】海苔養殖中に、珪藻、アオノリ等の雑藻が海苔葉体又は海苔網に大量に付着すると海苔の生育を阻害し、ひいては海苔が枯死する場合もある。雑藻類の付着が少ない場合も、その海苔原藻を製品にすると緑色の斑点が見え、外観を損ねる為、商品価値が著しく低下する。又、海苔養殖中に赤腐れ菌、壺状菌、付着細菌等の発生により海苔が腐敗してしまうことがある。珪藻等の雑藻類、赤腐れ菌等の雑菌類を駆除する為に海苔養殖時に酸性処理や干出という作業が行われている。現在では、クエン酸、リンゴ酸等を主成分とする製品の10〜20倍液を用いて雑藻、雑菌の駆除を行っているが、短時間で効果が高い雑藻、雑菌の駆除方法が求められている。 【0003】今までに、下記に示すような海苔養殖用の処理剤が開示されている。特開昭50−121425号公報には、「炭素数1ないし4の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素数2ないし4の飽和または不飽和ジカルボン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸から成る群から選ばれた有機カルボン酸の一種又は二種以上を有効成分として含有する殺藻剤」とある。この公報には有機酸を用いて雑藻を駆除することが記載してある。 【0004】特開平11−286407号公報には、「乳酸及び/又は酢酸とパラオキシ安息香酸エステルとを含有することを特徴とするケイソウ駆除用処理剤」が記載されている。この公報には短時間でのケイソウ駆除について記載してあるが、実用的ではない。 【0005】最近の海苔養殖では、海苔生産者一軒当たりの養殖網の枚数が増加したために、養殖網1枚当たりの処理に要する時間を短くせざるを得なくなり、より短時間で効果のある安全な雑藻、雑菌の駆除方法が求められている。 【0006】 【本発明が解決しようとする課題】本発明は、海苔自体に害を与えることなく、珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壺状菌、付着細菌等の病害菌を短時間に駆除する薬剤を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを併用することによって珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壺状菌、付着細菌等の病害菌を短時間に駆除できることを見い出し、本発明を完成させるに至った。 【0008】即ち、本発明は次の通りである。 (1)酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを主成分とすることを特徴とする海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (2)酸がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、フマル酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸、アジピン酸、フィチン酸、ケトグルタル酸、イタコン酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸の中の1種以上であることを特徴とする前記(1)記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (3)サリチル酸エステルが、サリチル酸イソアミル、サリチル酸エチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチルの中の1種以上であり、プロピオン酸エステルが、プロピオン酸アミル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸メチルの中の1種以上であることを特徴とする前記(1)、(2)記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (4)殺藻殺菌の処理時におけるサリチル酸エステル又はプロピオン酸エステルの濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であることを特徴とする(1)〜(3)に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (5)殺藻殺菌の処理時における酸濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であることを特徴とする(1)〜(4)に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (6)殺藻殺菌の処理時にpHを1.5〜2.5に調整することを特徴とする(1)〜(5)に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (7)無機塩類を添加することを特徴とする(1)〜(6)に記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明の殺藻殺菌剤は、殺藻殺菌の処理時に海水又は水に希釈、添加、或いはそのまま使用され、海苔養殖時に発生する雑藻、病害の駆除予防を行うものであり、酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを主成分とする。 【0010】本発明の殺藻殺菌剤は、殺藻殺菌の処理時或いは使用時に海水又は水などで希釈して使用される。その希釈倍率は、好ましくは50〜500倍であるが、これに限るものではなく、その製剤としての使用態様に応じて倍率を決めることができる。また、本発明の殺藻殺菌剤は、殺藻殺菌の処理時に添加して使用される。殺藻殺菌剤を成分ごとに小分け包装した製剤等として提供されるときなどを一例として挙げることができ、船等の処理槽等に殺藻殺菌剤の成分を直接添加する場合等である。更に、施設が整っていれば、殺藻殺菌剤の貯留タンクから船等の処理槽等にそのまま供給して使用しても良い。 【0011】従来は、雑藻及び病害を駆除するためにクエン酸、リンゴ酸等を40〜80%の範囲で含有する製品を100〜200倍希釈液にて10〜30分の処理を行っていた。この場合、海苔網を取り外して処理を行うため時間と手間がかかりすぎるという問題がある。現在では、養殖規模の拡大により、海苔網を固定したまま、潜り船を潜らせる方法が採用されている。この方法では120秒以下の処理を行う短時間処理が望まれている。そのため、クエン酸、リンゴ酸等を主成分とする製品を10〜20倍液(酸濃度の2〜8%濃度)にて使用するようになってきている。しかし、雑藻及び病害の駆除効果は不十分である。 【0012】実際に、後述する実施例より、酸単独では効果は高くならないが、酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを併用することによって雑藻及び病害の駆除効果が高くなることが分かった。 【0013】本発明に用いる酸の内容は、特に限定されるものではないが有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、フマル酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸、アジピン酸、フィチン酸、ケトグルタル酸、イタコン酸等を挙げることができ、無機酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を挙げることができる。本発明の酸はこれらの酸の少なくとも1種類以上から成り立つ。 【0014】本発明に用いられるサリチル酸エステルとしては、何ら限定されるものではないが、食品添加物であるサリチル酸メチルが好ましく、その他サリチル酸イソアミル、サリチル酸エチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジルが挙げられる。 また、殺藻殺菌の処理時にはこれらを2種以上併用しても良い。 【0015】本発明に用いられるプロピオン酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、食品添加物であるプロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジルが好ましく、その他プロピオン酸アミル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸メチルが挙げられる。また、殺藻殺菌の処理時にはこれらを2種以上併用しても良い。 【0016】本発明の殺藻殺菌剤は、その殺藻殺菌の処理時における酸濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であり、サリチル酸エステル濃度が0.01〜0.5W/V%、プロピオン酸エステル濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であることが望ましい。酸濃度が0.01W/V%を下回ると効果が出にくく、その濃度が0.5W/V%を上回ると健全な海苔も傷む場合がある。また、サリチル酸エステルおよびプロピオン酸エステルの濃度は特に、0.01〜0.1W/V%の範囲であることが好ましい。その濃度が0.01W/V%を下回ると効果が出にくく、逆に濃度が0.5W/V%を上回ると健全な海苔も傷む場合がある。 【0017】本発明の殺藻殺菌剤は、殺藻殺菌の処理時においてpHが1.5〜2.5になるように調整することが好ましい。pH調整剤としては有機酸、無機酸のいずれでも良く、pHを1.5〜2.5に調整することで雑藻類、病害の駆除効果が高くなると共に海苔への傷害を抑制することができる。 【0018】本発明の殺藻殺菌剤は、その殺藻殺菌の処理時に無機塩類を添加することが好ましい。殺藻殺菌剤に無機塩類を添加使用すると、雑藻類、病害の駆除効果が高くなると共に処理時の海苔への傷害を抑制することができる。又、処理時に無機塩類を添加すると海苔が赤く変色するので目視により処理効果の確認が容易になる。特に添加する無機塩類の量は0.5〜10.0%が好ましい。 【0019】また、本発明の殺藻殺菌剤には、必要により肥料成分として、アミノ酸、塩安、硝酸ソーダ、硝安、硝酸カリウム、リン酸ソーダ、燐安、リン酸カリウム、硫安、糖類等を添加することもできる。 【0020】本発明の殺藻殺菌剤は、酸成分液にサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステル成分を溶解した1液型製剤でも、酸成分とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステル成分を各々別に製剤化し処理時に混合又は海水(又は水)に直接それぞれを添加して使用する2液型であっても良い。又、本製剤は中和した中性の製剤でも酸性の製剤でも良い。 【0021】 【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳述する。 【0022】[試験1:実施例1〜13及び比較例1〜14]表1に示した有機酸及び無機酸を各々0.3W/V%とサリチル酸メチルを0.05W/V%になるように溶解し調整した。赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として表1に示した有機酸及び無機酸の0.3W/V%のみ、サリチル酸メチル0.05W/V%のみを調整して用いた。結果を表1に示す。 【0023】 【表1】
【0024】上記表1の結果から明らかなように、有機酸及び無機酸単独では比較例1〜13に示すように効果が弱く、サリチル酸メチル単独では比較例14に示すように効果が認められなかった。しかし、有機酸又は無機酸とサリチル酸メチルを併用すると実施例1〜13に示したように赤腐れ菌の駆除効果が高くなった。 【0025】[試験2:実施例14〜26及び比較例15]表1に示した有機酸及び無機酸を各々0.3W/V%とプロピオン酸ベンジルを0.05W/V%になるように溶解し調整した。赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例としてプロピオン酸ベンジル0.05W/V%のみを調整して用いた。結果を表2に示す。 【0026】 【表2】
【0027】上記表2の結果から明らかなように、比較例15に示すようにプロピオン酸ベンジル単独では効果が弱かった。しかし、有機酸又は無機酸とプロピオン酸ベンジルを併用すると実施例14〜26に示したように赤腐れ菌の駆除効果が高くなった。 【0028】[試験3:実施例27〜30及び比較例16]酢酸を0.3、0.5W/V%及びサリチル酸メチルを0.5、0.1、0.01W/V%になるように溶解し調整した。赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%及びサリチル酸メチル0.6W/V%を含む混液を用いた。結果を表3に示す。 【0029】 【表3】
【0030】上記表3の結果から、実施例27〜30に示したように酢酸とサリチル酸メチルを併用した場合、サリチル酸メチルの使用量に伴い赤腐れ菌の駆除効果が高くなることが分かった。また、サリチル酸メチル濃度が0.5W/V%以上の場合は比較例16に示したように海苔に傷害が早く発生することが分かった。 【0031】[試験4:実施例31〜34及び比較例17]酢酸を0.3、0.5W/V%及びプロピオン酸ベンジルを0.5、0.1、0.01W/V%になるように溶解し調整した。赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%及びプロピオン酸ベンジル0.6W/V%を含む混液を用いた。結果を表4に示す。 【0032】 【表4】
【0033】上記表4の結果から、実施例31〜34に示したように酢酸とプロピオン酸ベンジルを併用した場合、プロピオン酸ベンジルの使用量に伴って効果が高くなることが分かった。また、プロピオン酸ベンジル濃度が0.5W/V%以上の場合は比較例17に示したように海苔に傷害が早く発生することが分かった。 【0034】[試験5:実施例35〜40]酢酸を0.2W/V%及びサリチル酸メチルを0.5、0.3W/V%になるように調整した溶液と、その液にpH調整剤として塩酸を用いpH2.5及び1.5に調整した溶液を用い、赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。結果を表5に示す。 【0035】 【表5】
【0036】表5の結果から、処理液のpHの値を3以下、特に2.5以下と低くすれば、更に短時間で赤腐れ菌を駆除することができ、また海苔が傷害を起こすまでの時間も長くなることが分かった。 【0037】[試験6:実施例41〜43及び比較例18、19]酢酸を0.3W/V%及びサリチル酸メチルを0.5、0.1、0.01W/V%になるように溶解し調整した。壺状菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に壺状菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%のみ、サリチル酸メチル0.5W/V%のみの液を調整して用いた。結果を表6に示す。 【0038】 【表6】
【0039】上記表6の結果から、酢酸単独、サリチル酸メチル単独では比較例18、19に示したように壺状菌を駆除できないが、酢酸とサリチル酸メチルを併用することで実施例41〜43に示したように壺状菌の駆除効果が高くなることが分かった。 【0040】[試験7:実施例44〜46及び比較例20、21]酢酸を0.3W/V%及びプロピオン酸ベンジルを0.5、0.1、0.01W/V%になるように溶解し調整した。壺状菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に壺状菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%のみ、プロピオン酸ベンジル0.5W/V%のみの液を調整して用いた。結果を表7に示す。 【0041】 【表7】
【0042】上記表7の結果から、酢酸単独、プロピオン酸ベンジル単独では比較例20、21に示したように壺状菌を駆除できないが、酢酸とプロピオン酸ベンジルを併用することで実施例44〜46に示したように壺状菌の駆除効果が高くなることが分かった。 【0043】[試験8:実施例47〜49及び比較例22、23]酢酸を0.3W/V%及びサリチル酸メチルを0.5、0.1、0.01W/V%になるように溶解し調整した。珪藻の付着した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%のみ、サリチル酸メチル0.5W/V%のみ液を調整して用いた。結果を表8に示す。 【0044】 【表8】
【0045】上記表8の結果から、酢酸単独、サリチル酸メチル単独では比較例22、23に示したように珪藻を駆除できないが、酢酸とサリチル酸メチルを併用することで実施例47〜49に示したように珪藻の駆除効果が高くなることが分かった。 【0046】[試験9:実施例50〜52及び比較例24、25]酢酸を0.3W/V%及びプロピオン酸ベンジルを0.5、0.1、0.01W/V%になるように溶解し調整した。珪藻の付着した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%のみ、プロピオン酸ベンジル0.5W/V%のみの液を調整して用いた。結果を表9に示す。 【0047】 【表9】
【0048】上記表9の結果から、酢酸単独、プロピオン酸ベンジル単独では比較例24、25に示したように珪藻を駆除できないが、酢酸とプロピオン酸ベンジルを併用することで実施例50〜52に示したように珪藻の駆除効果が高くなることが分かった。 【0049】[試験10:実施例53〜57及び比較例26〜28]酢酸を0.3W/V%及びサリチル酸メチルを0.1W/V%になるように調整し、その液に食塩を1、3、5、10W/V%添加した溶液を用い、赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%及び食塩5W/V%を含む混液、サリチル酸メチル0.1W/V%及び食塩5W/V%を含む混液、食塩5W/V%のみの液を調整して用いた。結果を表10に示す。 【0050】 【表10】
【0051】上記表10の結果から、酢酸と食塩の混液では比較例26に示すように効果が弱く、サリチル酸メチルと食塩の混液及び食塩のみの液では比較例27及び28に示したように赤腐れ菌を駆除できないが、酢酸とサリチル酸メチルの混液に食塩を添加すると実施例53〜56に示したように赤腐れ菌の駆除時間が短縮され、且つ海苔が傷害を起こすまでの時間が長くなることが分かった。 【0052】[試験11:実施例58〜62及び比較例29〜31]酢酸を0.3W/V%及びプロピオン酸ベンジルを0.1W/V%になるように溶解し、その液に食塩を1、3、5、10W/V%添加した溶液を用い、珪藻が付着した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.3W/V%及び食塩5W/V%を含む混液、プロピオン酸ベンジル0.5W/V%及び食塩5W/V%を含む混液、食塩のみの液を調整して用いた。結果を表11に示す。 【0053】 【表11】
【0054】上記表11の結果から、酢酸と食塩の混液、プロピオン酸ベンジルと食塩の混液及び食塩のみの液では比較例29、30及び31に示したように珪藻を駆除できないが、酢酸とプロピオン酸ベンジルの混液に食塩を添加すると実施例58〜61に示したように珪藻の駆除時間が短縮され、且つ海苔が傷害を起こすまでの時間が長くなることが分かった。 【0055】[試験12:実施例63〜65及び比較例32、33]酢酸を0.01、0.02、0.03W/V%及びサリチル酸メチルを0.01W/V%になるように調整し、赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で1分から20分まで1分間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.03W/V%、サリチル酸メチル0.01W/V%の液を調整して用いた。結果を表12に示す。 【0056】 【表12】
【0057】上記表12の結果から、酢酸単独、サリチル酸メチル単独では比較例32、33に示したように、20分という長い処理時間でも駆除できないが、低濃度でも酢酸とサリチル酸メチルを併用すると実施例63〜65に示したように時間はかかるが駆除できることが分かった。 【0058】[試験13:実施例66及び比較例34、35]酢酸0.03W/V%、サリチル酸メチル0.02W/V%、プロピオン酸ベンジル0.02W/V%及びプロピオン酸イソアミル0.02W/V%になるように調整し、赤腐れ菌に感染した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。2日後に赤腐れ菌の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.03W/V%のみ、サリチル酸メチル0.02W/V%、プロピオン酸ベンジル0.02W/V%及びプロピオン酸イソアミル0.02W/V%を含む混液を調整して用いた。表中の濃度の単位はW/V%である。結果を表13に示す。 【0059】 【表13】
【0060】上記表13の結果から、酢酸単独、サリチル酸メチル、プロピオン酸ベンジル及びプロピオン酸イソアミルの混液では比較例34、35に示したように、赤腐れ菌を駆除できないが、酢酸とサリチル酸メチル、プロピオン酸ベンジル及びプロピオン酸イソアミルを併用すると実施例66に示したように赤腐れ菌を駆除できることが分かった。 【0061】[試験14:実施例67及び比較例36、37]酢酸0.03W/V%、サリチル酸メチル0.02W/V%、プロピオン酸ベンジル0.02W/V%及びプロピオン酸イソアミル0.02W/V%になるように調整し、珪藻の付着した海苔葉体をこの調整液で5秒から180秒まで5秒間隔で処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例として酢酸0.03W/V%のみ、サリチル酸メチル0.02W/V%、プロピオン酸ベンジル0.02W/V%及びプロピオン酸イソアミル0.02W/V%を含む混液を調整して用いた。表中の濃度の単位はW/V%である。結果を表14に示す。 【0062】 【表14】
【0063】上記表14の結果から、酢酸単独、サリチル酸メチル、プロピオン酸ベンジル及びプロピオン酸イソアミルの混液では比較例36、37に示したように、珪藻を駆除できないが、酢酸とサリチル酸メチル、プロピオン酸ベンジル及びプロピオン酸イソアミルを併用すると実施例67に示したように珪藻を駆除できることが分かった。 【発明の効果】本発明は、海苔養殖時に発生する雑藻・病害の駆除予防を行う殺藻殺菌剤であって、酸とサリチル酸エステル及び/又はプロピオン酸エステルを主成分とすることにより、珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壺状菌、付着細菌等の病害菌を駆除することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000208787 【氏名又は名称】第一製網株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年9月27日(2001.9.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−95818(P2003−95818A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月3日(2003.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−295302(P2001−295302) |
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