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【発明の名称】 ペースト状軟体動物用駆除剤、その製造方法、及びペースト状軟体動物用駆除剤を封入したチューブ
【発明者】 【氏名】高木 啓二
【住所又は居所】岐阜県揖斐郡池田町片山2957番地1 株式会社タニサケ内

【氏名】蛯江 正和
【住所又は居所】岐阜県揖斐郡池田町片山2957番地1 株式会社タニサケ内

【要約】 【課題】軟体動物を駆除するペースト状駆除剤であって、雨水や多湿下、高温下に晒されても容易に崩壊したり変形したりすることがなく、長期間に亘って駆除効果を発揮することができるペースト状軟体動物用駆除剤及びその製造方法の提供、並びにそのようなペースト状軟体動物用駆除剤を必要分量だけ簡単に取り出すことができるペースト状軟体動物用駆除剤を封入したチューブの提供である。

【解決手段】β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中に有効成分としてアルデヒド系化合物が含まれていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中に有効成分としてアルデヒド系化合物が含まれていることを特徴とするペースト状軟体動物用駆除剤。
【請求項2】熱不可逆性ゲルには増粘剤が含まれていることを特徴とする請求項1記載のペースト状軟体動物用駆除剤。
【請求項3】グルカンが1〜10重量%、アルデヒド系化合物が1〜10重量%、増粘剤が2〜20重量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項2記載のペースト状軟体動物用駆除剤。
【請求項4】β−1,3グルコシド結合からなるグルカン1〜10重量%と増粘剤2〜20重量%とを含む水懸濁液中に有効成分であるアルデヒド系化合物を1〜10重量%の割合で添加し、次いで前記水懸濁液を少なくとも80℃以上で加熱処理することで熱不可逆性ゲルを形成し、この後前記熱不可逆性ゲルを攪拌してペースト化したことを特徴とするペースト状軟体動物用駆除剤の製造方法。
【請求項5】β−1,3グルコシド結合からなるグルカン1〜10重量%と増粘剤2〜20重量%とを含む水懸濁液を少なくとも80℃以上で加熱処理することで熱不可逆性ゲルを形成し、次いで前記熱不可逆性ゲルに有効成分としてアルデヒド系化合物1〜10重量%を添加し、この後前記熱不可逆性ゲルを攪拌してペースト化したことを特徴とするペースト状軟体動物用駆除剤の製造方法。
【請求項6】β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中に有効成分としてアルデヒド系化合物を含むペースト状軟体動物用駆除剤を封入したことを特徴とするチューブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペースト状軟体動物用駆除剤、その製造方法、及びペースト状軟体動物用駆除剤を封入したチューブに関する。詳細には、例えばナメクジやカタツムリなどの軟体動物を駆除するペースト状駆除剤であって、雨水や多湿下、高温下に晒されても容易に崩壊したり変形したりすることがなく、長期間に亘って駆除効果を発揮することができるペースト状軟体動物用駆除剤、及びその製造方法、並びに必要分量だけを簡単に取り出すことができるペースト状軟体動物用駆除剤を封入したチューブに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】軟体動物、特にナメクジやカタツムリは、農業や園芸において、作物に甚大な食害を及ぼすことから、その駆除には多くの努力がなされていた。
【0003】その駆除剤として、従来、パラホルムアルデヒドやメタアルデヒドなどを有効成分とし、これに小麦粉やコーンスターチ、澱粉などの増粘剤、きな粉や油かすなどの誘引剤をそれぞれ配合し、この配合物を粉末状または粒状に製剤したものが知られている。この駆除剤は、そのままの形態で畑や庭などに散布することで、軟体動物の駆除に供せられていた。
【0004】ところがこの駆除剤は、雨水や多湿下、高温下に晒されたとき、崩壊や変形を生じ易く、一旦散布しても、散布場所に長く止まらず、その一部又は全部が速やかに流失してしまうので、散布時の駆除剤の効果を長く保つことが困難であった。
【0005】そこで、上記駆除剤をプラスチック容器内に詰め込んで、雨水や多湿下に晒されたときの崩壊や変形を抑える試みがなされている。しかしながらこの場合、容器内に詰め込む駆除剤の量にもよるが、プラスチック容器を犬などの動物が誤って食したとき、死に至る危険性もあった(有効成分量7g/kg)。
【0006】このような危険性を回避するため、小さな容器を用いて少量の駆除剤を詰め込むようにすることも考えられるが、この場合、設計上、ナメクジなどの軟体動物が容器内の該駆除剤を食べるための孔を開けることができなかったり、容器自体が雨水などで流されてしまうなどの不具合が生じる恐れがある。
【0007】またナメクジやカタツムリなどの軟体動物は、石や植木鉢、木材などの物影(隙間)を好む性質があるため、該駆除剤は物影に置くのが好ましいが、容器が隙間よりも大きな場合には容器を設置することができず、また、石垣や土手の急斜面など不安定な場所にも容器は設置できないなど、設置する場所にも制限があった。
【0008】本発明の第1の目的は、このような事情に鑑みなされたものであり、例えばナメクジなどの軟体動物を駆除するペースト状駆除剤であって、雨水や多湿下、高温下に晒されても容易に崩壊したり変形したりすることがなく、長期間に亘って駆除効果を発揮することができるペースト状軟体動物用駆除剤及びその製造方法を提供することであり、本発明の第2の目的は、雨水や多湿下に晒されても容易に崩壊したり変形したりすることがないペースト状軟体動物用駆除剤を必要分量だけ簡単に取り出すことができるペースト状軟体動物用駆除剤を封入したチューブを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中に有効成分としてアルデヒド系化合物が含まれていることを特徴とするペースト状軟体動物用駆除剤をその要旨とし、請求項2記載の発明は、熱不可逆性ゲルには増粘剤が含まれていることを特徴とする請求項1記載のペースト状軟体動物用駆除剤をその要旨とし、請求項3記載の発明は、グルカンが1〜10重量%、増粘剤が2〜20重量%、アルデヒド系化合物が1〜10重量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項1記載のペースト状軟体動物用駆除剤をその要旨とし、請求項4記載の発明は、β−1,3グルコシド結合からなるグルカン1〜10重量%と増粘剤2〜20重量%とを含む水懸濁液中に有効成分であるアルデヒド系化合物を1〜10重量%の割合で添加し、次いで前記水懸濁液を少なくとも80℃以上で加熱処理することで熱不可逆性ゲルを形成し、この後前記熱不可逆性ゲルを攪拌してペースト化したことを特徴とするペースト状軟体動物用駆除剤の製造方法をその要旨とし、請求項5記載の発明は、β−1,3グルコシド結合からなるグルカン1〜10重量%と増粘剤2〜20重量%とを含む水懸濁液を少なくとも80℃以上で加熱処理することで熱不可逆性ゲルを形成し、次いで前記熱不可逆性ゲルに有効成分としてアルデヒド系化合物1〜10重量%を添加し、この後前記熱不可逆性ゲルを攪拌してペースト化したことを特徴とするペースト状軟体動物用駆除剤の製造方法をその要旨とした。
【0010】また上記第2の目的を達成するため、請求項6記載の発明は、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中に有効成分としてアルデヒド系化合物を含むペースト状軟体動物用駆除剤を封入したことを特徴とするチューブをその要旨とした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のペースト状軟体動物用駆除剤、その製造方法、及びペースト状軟体動物用駆除剤を封入したチューブをさらに詳しく説明する。まず本発明のペースト状軟体動物用駆除剤(以下、単に駆除剤と称す。)について説明する。
【0012】この駆除剤はペースト状をなしている。このペーストは、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなる。この熱不可逆性ゲルは、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンを水存在下で加熱して得られるトリプルへリックス構造を有するゲルである。またこの熱不可逆性ゲルは、500g/cm2 を越える高いゲル強度を持ち、100℃を越える高温下に晒されても、あるいは5℃を下回る低温下に晒されても、容易に崩壊したり、変形したりすることがない。上記熱不可逆性ゲルを構成するグルカンの駆除剤における含有量としては1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0013】この熱不可逆性ゲルには、例えばグァーガム、小麦粉、プルラン、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ、デキストリンなど増粘剤が2〜20重量%の割合で含まれている。熱不可逆性ゲル中の増粘剤が2重量%を下回ると、熱不可逆性ゲルのペースト化が困難となり、20重量%を上回る場合は、不経済となる。このペースト中にアルデヒド系化合物が有効成分として含まれているのである。
【0014】アルデヒド系化合物としては、パラホルムアルデヒドやメタアルデヒドなどを挙げることができる。このアルデヒド系化合物の含有量としては1〜10重量%の割合が好ましい。アルデヒド系化合物の含有量が1重量%を下回る場合、十分な駆除効果が得られず、含有量が10重量%を上回る場合には、含有量を多くした分だけの駆除効果が期待できず、不経済となるからである。
【0015】この駆除剤には、前記グルカン、増粘剤、及びアルデヒド系化合物の他に、誘引剤、誤食防止剤、防腐剤、着色剤などを適宜含ませることができる。
【0016】誘引剤としては、きな粉、酒粕、ビール酵母、ビール粕、三温糖などを挙げることができる。また誤食防止剤としては、わさび、からし、唐辛子、唐辛子エキス、唐辛子チンキ、柿渋などを挙げることができる。
【0017】上記の如く本発明の駆除剤は、高いゲル強度を持つグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中にアルデヒド系化合物が含まれていることから、そのままの状態で、ナメクジやカタツムリの好む畑や庭など物陰に設置して、雨水や多湿下に晒されたとしても、崩壊や変形をする恐れがなく、長期間に亘り優れた駆除効果を維持することができるようになっている。またこの駆除剤にあっては、その粘着力で石垣や土手の急斜面など不安定な場所にも安定した状態で設置でき、設置場所にも制限がない。
【0018】次に、この駆除剤の製造方法について説明する。上記駆除剤を製造する方法(以下、単に方法と称す。)には、2つの方法がある。その一つは、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンと増粘剤とを含む水懸濁液中に有効成分であるアルデヒド系化合物を添加するステップと、前記懸濁液を加熱して熱不可逆性ゲルを形成するステップと、熱不可逆性ゲルを攪拌してペースト化するステップとを備えた方法である。
【0019】水懸濁液は、1〜10重量%のグルカンと2〜20重量%の増粘剤とを50〜90重量%の水に添加し、攪拌することで調製できる。この水懸濁液にアルデヒド系化合物を1〜10重量%の割合で添加する。また水懸濁液には、グルカン、増粘剤、アルデヒド系化合物の他に、誘引剤、誤食防止剤、防腐剤、着色剤などを必要に応じて適宜添加することができる。
【0020】次に、この水懸濁液を加熱して熱不可逆性ゲルを形成する。加熱は少なくとも80℃以上の温度で行う。加熱の回数は1度に限らず、複数回に分けて行っても良い。好ましくはまず約55〜60℃の温度で加熱し、冷却することで水懸濁液からグルカンのゲルを形成する。得られるゲルは熱可逆性のシングルヘリックス構造で組織されたゲルであり、そのゲル強度は500g/cm2 程度である。
【0021】次いで、この熱可逆性ゲルをさらに80℃以上、好ましくは80〜110℃の温度で加熱する。加熱温度が80℃を下回ると、ゲル組織の組み替えが起きず、その構造はシングルヘリックス構造のままであり、ゲル強度も500g/cm2を越えることはない。一方、110℃を越えると、ゲル中のアルデヒド系化合物が熱により昇華し分解してしまって、アルデヒド系化合物本来の駆除効果が得られなくなる恐れが生じる。
【0022】少なくとも80℃以上、好ましくは110℃以下の温度で加熱され、30℃以下となるまで冷却されたとき、グルカンの熱可逆性ゲルはトリプルへリックス構造となって熱不可逆性となり、500g/cm2 を越える高いゲル強度を持つに至る。しかもゲル中のアルデヒド系化合物は、110℃を越えない範囲で加熱されるので、熱により変質することはない。
【0023】この後、熱不可逆性ゲルを高速攪拌することでペースト状の駆除剤が作製される。
【0024】尚、水懸濁液からグルカンの熱可逆性ゲルを形成する場合、熱によらず、例えば水懸濁液中に苛性ソーダなどのアルカリを溶かし、その後静置したままで炭酸ガスで水懸濁液を中和するか、透析膜を用いて水懸濁液からアルカリを取り除くかすることでも、熱可逆性ゲルの形成はでき、熱不可逆性ゲルの形成時のみ加熱するようにしても良い。
【0025】次に、他の方法について説明する。この方法は、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンと増粘剤とを含む水懸濁液を少なくとも80℃以上で加熱して熱不可逆性ゲルを形成するステップと、熱不可逆性ゲルに有効成分としてアルデヒド系化合物を添加するステップと、熱不可逆性ゲルを攪拌してペースト化するステップとを備えた方法である。
【0026】水懸濁液は、1〜10重量%のグルカンと2〜20重量%の増粘剤とを50〜90重量%の水に添加し、攪拌することで調製できる。
【0027】次に、この水懸濁液を加熱して熱不可逆性ゲルを形成する。加熱は少なくとも80℃以上の温度で行う。加熱の回数は1度に限らず、複数回に分けて行っても良い。好ましくはまず約55〜60℃の温度で加熱し、冷却することで水懸濁液からグルカンのゲルを形成する。得られるゲルは熱可逆性のシングルヘリックス構造で組織されたゲルであり、500g/cm2 程度のゲル強度を有する。
【0028】次いで、この熱可逆性ゲルをさらに80℃以上の温度で加熱する。加熱温度が80℃を下回ると、ゲル組織の組み替えが起きず、その構造はシングルヘリックス構造のままであり、ゲル強度も500g/cm2 を越えることはないからである。少なくとも80℃以上の温度で加熱され、30℃以下となるまで冷却されたとき、ゲルはトリプルへリックス構造となって熱不可逆性となり、500g/cm2 を越える高いゲル強度を持つに至る。
【0029】次に、この熱不可逆性ゲルにアルデヒド系化合物を1〜10重量%の割合で添加する。また熱不可逆性ゲルには、アルデヒド系化合物の他に、誘引剤、誤食防止剤、防腐剤、着色剤などを必要に応じて適宜添加することができる。この方法の場合、アルデヒド系化合物の添加が、熱可逆性ゲルを熱不可逆性とするための加熱の後となるので、アルデヒド系化合物が熱により変質する恐れはなく、熱可逆性ゲルを熱不可逆性とするための加熱温度に上限はなくなり、より高温での処理が可能となり、よりゲル強度の高い熱不可逆性ゲルを得ることができる。
【0030】この後、熱不可逆性ゲルを高速攪拌することでペースト状の駆除剤が作製される。
【0031】次に、本発明のチューブについて説明する。このチューブは、可撓性のプラスチックシート、またはこのプラスチックシートにアルミなどの金属シートを積層して一体化したシート材を素材とするものであり、チューブ内部には上述の駆除剤が封入される。
【0032】このチューブにあっては、ナメクジやカタツムリなどの軟体動物が好む、石や植木鉢、木材などの物影(隙間)の大きさや形状に合わせて、チューブ内部の駆除剤を所望の長さに押し出して、適当な場所に載せるといった具合に、チューブからの押し出し量を調整することで、設置場所の大きさや形状に対応する駆除剤を自由に、しかも簡単に造り出せるといったメリットがある。
【0033】またチューブ内の駆除剤は、該チューブが高温下に晒されても常にペースト状態が保持されるので、最後まで無駄なく使い切ることができる。
【0034】
【実施例】実施例1ビーカーに水80mlを入れ、これに砂糖5g、小麦粉5g、グルカン(カードラン、武田薬品工業株式会社製)4g、メタアルデヒド6gを加える。
【0035】次いで、ビーカー温度を50〜60℃として2分間攪拌し、その後蒸し器に移し、80〜90℃の温度で10分間保持し、20℃となるまで30分間水冷し、得られたゲルを高速攪拌機て攪拌し、ペースト状の駆除剤を得た。
【0036】実施例2ビーカーに水85mlを入れ、これに小麦粉5g、グルカン(カードラン、武田薬品工業株式会社製)4g、メタアルデヒド6gを加えた以外は実施例1と同様にしてペースト状の駆除剤を得た。
【0037】実施例3ビーカーに水85mlを入れ、これにコーンスターチ5g、グルカン(カードラン、武田薬品工業株式会社製)4g、メタアルデヒド6gを加えた以外は実施例1と同様にしてペースト状の駆除剤を得た。
【0038】実施例4ビーカーに水88mlを入れ、これにグァーガム2g、グルカン(カードラン、武田薬品工業株式会社製)4g、メタアルデヒド6gを加えた以外は実施例1と同様にしてペースト状の駆除剤を得た。
【0039】比較例1ビーカーに水80mlを入れ、これに砂糖5g、小麦粉5g、グルカン(カードラン、武田薬品工業株式会社製)4g、メタアルデヒド6gを加える。
【0040】次いで、ビーカー温度を50〜60℃として2分間攪拌した後、20℃となるまで水冷し、得られたゲルを高速攪拌機て攪拌し、ペースト状の駆除剤を得た。
【0041】比較例2ビーカーに水80mlを入れ、これに砂糖5g、小麦粉5g、ゼラチン4g、メタアルデヒド6gを加える。
【0042】次いで、ビーカー温度を70℃として2分間攪拌した後、20℃となるまで水冷し、得られたゲルを高速攪拌機て攪拌し、ペースト状の駆除剤を得た。
【0043】比較例3ビーカーに水80mlを入れ、これに砂糖5g、小麦粉5g、カラギーナン4g、メタアルデヒド6gを加える。
【0044】次いで、ビーカー温度を70〜80℃として2分間攪拌した後、20℃となるまで水冷し、得られたゲルを高速攪拌機て攪拌し、ペースト状の駆除剤を得た。
【0045】崩壊度試験得られた実施例1〜4、並びに比較例1〜3の各ペーストを15mm×15mm×5mmの大きさとして、これをシャーレ上に置き、水60mlをシャーレに注ぎ込み、24時間浸潤させたときの崩壊状態を以下に示す5つの段階で評価した。
【0046】崩壊A:崩壊が全く見られないか、若しくは20%程度の崩壊を認める状態崩壊B:20〜40%の崩壊状態崩壊C:40〜60%の崩壊状態崩壊D:60〜80%の崩壊状態崩壊E:80%〜殆ど跡形もなく、崩れてしまう崩壊状態。
【0047】

実施例1〜4の各ペーストは、いずれも24時間経過後もなお浸潤当初の形状を保っていた。これに対し比較例1のペーストは、浸潤当初は形状を保持してはいたものの、4時間を経過した後、完全に崩壊した。
【0048】一方、比較例2のペーストは、実施例1〜4のペーストと同じく24時間経過後もなお浸潤当初の形状を保っていた。しかしながらこのペーストを40℃で加温したとき、ペーストが融解した。比較例3のペーストは、24時間後、完全崩壊した。
【0049】以上の結果から、実施例1〜4のペーストが優れた形態保持性を持ち、かつ耐熱性にも優れていることが確認された。
【0050】実施例5ビーカーに水78.89mlを入れ、これに誤食防止剤(ビトレックス、株式会社製)0.01g、及び砂糖(誘引剤)2.00gを入れて2分間攪拌し、ビトレックスが溶けたことを確認して、グルカン(カードラン、武田薬品工業株式会社製)4.00gを入れ、再び2分間攪拌する。この後、小麦粉(増粘剤)5.00gを少量づつ攪拌しつつ加え、さらにきな粉(誘引剤)2.00g、防腐剤(パラベン)0.1gを入れて2分間攪拌後、メタアルデヒド6.00gを入れ2分間攪拌。次いでグァーガム(増粘剤)2.00gを入れて攪拌しゾル状となったとき、攪拌を止めてビーカーを蒸し器に移し、80〜90℃の温度で10分間保持し、20℃となるまで水冷し、得られたゲルを高速攪拌機て攪拌し、ペースト状の駆除剤を得た。
【0051】野外試験得られたペースト2gを10m2の広さの野菜畑に約1m間隔で6カ所(a、b、c、d、e、f)に置き、15日間におけるナメクジの捕獲数により、該駆除剤の野外における駆除効果を評価した。

15日間のうち、最初の1週間で127匹のナメクジが捕獲された。その後捕獲数は減少してゆき、15日間で196匹の捕獲数となり、該ペーストの駆除効果が優れていることが確認された。
【0052】またペーストは、後半の11日から13日まで3日間続いた降水でも崩壊したり流失したりせず、その形状を保持していて、降水後の14日目、15日目にもナメクジの捕獲があり、該駆除剤の有効性が続いていることが確認された。
【0053】
【発明の効果】本発明の駆除剤は、β−1,3グルコシド結合からなるグルカンの熱不可逆性ゲルよりなるペースト中に有効成分としてアルデヒド系化合物が含まれていることから、雨水や多湿下、高温下に晒されても容易に崩壊したり変形したりすることがないので、長期間に亘って駆除効果を発揮する。またこの駆除剤は、その粘着力で石垣や土手の急斜面など不安定な場所にも安定して設置でき、設置場所にも制限がない。
【0054】本発明のチューブは、該チューブ内の駆除剤を必要分量だけ押し出せば簡単に取り出すことができる。またチューブ内の駆除剤は、該チューブが高温下に晒されても常にペースト状態が保持されるので、最後まで無駄なく使い切ることができる。
【出願人】 【識別番号】390016735
【氏名又は名称】株式会社タニサケ
【住所又は居所】岐阜県揖斐郡池田町片山2957番地の1
【出願日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2003−95804(P2003−95804A)
【公開日】 平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願番号】 特願2001−294493(P2001−294493)