| 【発明の名称】 |
殺菌・静菌液剤、殺菌・静菌方法、消臭液剤および消臭方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】森田 昌宏 【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328番地 ケイ・アイ化成株式会社内
【氏名】小松 正典 【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328番地 ケイ・アイ化成株式会社内
【氏名】磯貝 勝久 【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328番地 ケイ・アイ化成株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】安定した液状組成物の調製が困難であったハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドの液状化を可能にし、取扱性、作業性、安全性、安定性および溶解性に優れた殺菌・静菌液剤および消臭液剤を得る。
【解決手段】式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインまたは式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドと、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する殺菌・静菌液剤および消臭液剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび下記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種と、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする殺菌・静菌液剤。 【化1】
(式中、X1、X2およびYはハロゲン原子、R1およびR2は低級アルキル基を示す。) 【請求項2】 式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインが1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインまたは1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントインである請求項1記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項3】 式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドがN−クロロスクシンイミドまたはN−ブロモスクシンイミドである請求項1または2記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項4】 式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインと、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドとを含有することを特徴とする請求項1または2記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項5】 さらにヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、スクシンイミドおよびフタルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1ないし4のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項6】 さらに有機溶媒および/または水を含有する請求項1ないし5のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項7】 有機溶媒がプロピレンカーボネート、4−ブチロラクトン、2−ピロリジノン、N−メチルアセトアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項8】 さらに公知の殺菌剤成分を含有する請求項1ないし7のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤。 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤を含む消臭液剤。 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤を殺菌・静菌対象系または殺菌・静菌対象物に処理することを特徴とする殺菌・静菌方法。 【請求項11】 請求項9記載の消臭液剤を消臭対象系または消臭対象物に処理することを特徴とする消臭方法。 【請求項12】 下記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび下記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種に溶解することを特徴とする殺菌・静菌液剤の安定化方法。 【化2】
(式中、X1、X2およびYはハロゲン原子、R1およびR2は低級アルキル基を示す。) 【請求項13】 さらにヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、スクシンイミドおよびフタルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種に溶解することを特徴とする請求項12記載の殺菌・静菌液剤の安定化方法。 【請求項14】 殺菌・静菌液剤が消臭液剤である請求項12または13に記載の安定化方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、安定な殺菌・静菌液剤、消臭液剤、それを用いた殺菌・静菌方法、消臭方法、さらに殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法に関し、さらに詳しくはテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド等により安定化されたハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドを含有する殺菌・静菌液剤、消臭液剤、それを用いた殺菌・静菌方法、消臭方法、さらに殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、微生物汚染に起因して各種用水のスライムによる障害が多発し、各種の分野で弊害をもたらしている。ここでスライムとは、主として微生物の繁殖によって生じる粘性塊状ないし泥状物質をいう。例えば、化学工場などの冷却水系統の熱交換器や配管などにスライムが発生すると、冷却効果を低下させ、時には配管を閉塞させる。紙、パルプ工場の抄紙工程水やパルプスラリーにスライムが発生し、これが剥離してパルプに混入すると、紙切れの原因となり工程の運転を中断させたり、また紙やパルプに斑点を生じさせたり、着色させたりして製品の品質を低下させる。 【0003】さらに、浴場および食品工場の工程中での微生物の発生は臭気等の発生の原因となる。また、下水処理場での活性汚泥、廃棄物や残渣の不快臭、ゴミ処理場での生ゴミの腐敗臭は、現地での作業環境が悪いのみならず、周辺地域にまで臭気が広がるため、原因物質の速やかなる消臭または脱臭が肝要である。したがって、これらの原因となる微生物の抑制は重要である。 【0004】従来、このような微生物の発生、生育によって起こる障害を防止するため、塩素ガス、次亜塩素酸ナトリウムもしくはカリウム、または塩素化イソシアヌル酸等の液剤、粉剤または錠剤が使用されている。しかし、塩素ガスは漏洩時の危険性が非常に高く、取り扱いも難しい。次亜塩素酸系の薬剤はスライム菌内への浸透力が十分ではなく、また工程内有機物により効力が低下するなどの問題点があり、充分な効力を期待できない。また、従来の消臭剤は消臭効果を有する化学成分の分解または揮発により消臭効果が低下し効果の持続性が低い。 【0005】一方、ハロゲン化ジアルキルヒダントインやハロゲン化スクシンイミドが殺菌活性を有することは知られている(Zn. Mikrobiol., Epidemiol. Immunobiol vol.44, No.9, p14〜18, 1967および特公昭46−27270号公報)。しかし、これらの化合物は塩素化イソシアヌル酸と同様にタブレット状、小片状または粉末状などの固体で流通し、また現場でもこの形状のままで使用されているため、取り扱い時の粉立ちによる安全性の問題やポンプ移送ができない等、作業上の問題を有している。 【0006】多くの殺菌化合物は固体であるが、一般的に、グリコール類、グリコールエーテル類、非プロトン性極性溶剤または水などに溶解させて液状化し、取り扱いを容易にして使用されている。活性成分を液状化することは、使用時において作業性が優れると同時に活性成分が速やかに殺菌・静菌対象系および消臭対象系へ溶解浸透させることができる。つまり水の再循環率が低い、紙、パルプ工業のプロセス水、各種工業用の冷却水や洗浄水に固形物を使用するよりも、より少量の添加でかつ短時間の内に対象物系の生菌数を減少せしめることが可能となり、低コスト化には極めて有効な手法である。また再循環率が高い空調用冷却水系においても、短時間で生菌数を低下させる特性は、耐性菌の発生、棲息する可能性を低下させるもので、スライムの増殖防止に極めて有効である。 【0007】しかし、これら一般的に使用される有機溶媒でハロゲン化ジアルキルヒダントインおよびハロゲン化スクシンイミドの液状組成物を調製した場合、刺激性のある腐食性のガスを大量に発生し、その活性成分はごく短期間の内に失活して、液状の殺菌性組成物としては使用に耐えないものである。ヒダントイン誘導体の安定化については、ε−カプロラクタムやスクシンイミド等の環状アミド化合物と水を使用する方法が提案されているが(特公昭56−37961号)、その安定性は一般的な有機溶媒による場合に比べると上回るものの、まだ十分な長期安定性が得られていない。 【0008】ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよびハロゲン化スクシンイミドは安価でかつ優れた殺菌活性を有するが、その製品形態が固体であり、使用場面において取り扱いが不便で、より簡便で、かつ長期保存性に優れ、さらには水への溶解性が優れた液状組成物が望まれるものの、実用に耐え得る液状組成物が見い出されていなかった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来の問題点を解決するため、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドを有効成分とする液状の殺菌・静菌剤および消臭剤であって、取扱性、作業性、安全性、安定性および溶解性に優れた殺菌・静菌液剤および消臭液剤を提供することである。本発明の他の課題は、上記殺菌・静菌液剤を用いた殺菌・静菌方法、および上記消臭液剤を用いた消臭方法を提案することである。本発明のさらに他の課題は、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドを有効成分とする殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法を提案することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよびハロゲン化スクシンイミドの液状組成物について鋭意研究した結果、溶剤としてテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することにより、刺激性のある腐食性ガスの発生が皆無で、かつ有効活性成分が長期期間にわたって保持される液状組成物を得るに至った。かくして本発明によればハロゲン化ジアルキルヒダントインおよびハロゲン化スクシンイミドの安定化された液状の殺菌・静菌剤および消臭剤、さらにこれを用いた殺菌・静菌方法および消臭方法が提供される。 【0011】すなわち本発明は次の殺菌・静菌液剤および消臭液剤、これらを用いた殺菌・静菌方法および消臭方法、さらに殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法である。 (1) 下記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび下記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種と、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする殺菌・静菌液剤。 【化3】
(式中、X1、X2およびYはハロゲン原子、R1およびR2は低級アルキル基を示す。) (2) 式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインが1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインまたは1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントインである上記(1)記載の殺菌・静菌液剤。 (3) 式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドがN−クロロスクシンイミドまたはN−ブロモスクシンイミドである上記(1)または(2)記載の殺菌・静菌液剤。 (4) 式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインと、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドとを含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の殺菌・静菌液剤。 (5) さらにヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、スクシンイミドおよびフタルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤。 (6) さらに有機溶媒および/または水を含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤。 (7) 有機溶媒がプロピレンカーボネート、4−ブチロラクトン、2−ピロリジノン、N−メチルアセトアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(6)記載の殺菌・静菌液剤。 (8) さらに公知の殺菌剤成分を含有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤。 (9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤を含む消臭液剤。 (10) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の殺菌・静菌液剤を殺菌・静菌対象系または殺菌・静菌対象物に処理することを特徴とする殺菌・静菌方法。 (11) 上記(9)記載の消臭液剤を消臭対象系または消臭対象物に処理することを特徴とする消臭方法。 (12) 下記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび下記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種に溶解することを特徴とする殺菌・静菌液剤の安定化方法。 【化4】
(式中、X1、X2およびYはハロゲン原子、R1およびR2は低級アルキル基を示す。) (13) さらにヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、スクシンイミドおよびフタルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種に溶解することを特徴とする上記(12)記載の殺菌・静菌液剤の安定化方法。 (14) 殺菌・静菌液剤が消臭液剤である上記(12)または(13)に記載の安定化方法。 【0012】 【発明の実施の形態】本明細書において、「殺菌」とは微生物を死滅させることを意味する。また「静菌」とは、微生物の増殖が阻害された状態をいい、微生物が増殖可能な条件下における生育阻害現象である。 【0013】本発明に使用されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよびハロゲン化スクシンイミドは、前記式(1)および式(2)で示される。前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインは、ジアルキルケトン、シアン化合物および炭酸塩からジアルキルヒダントインを得、これをハロゲン化して製造することができる。 【0014】前記式(1)においてX1またはX2で示されるハロゲンとしては、臭素、塩素などが挙げられる。これらは同一でも、異なっていてもよい。前記式(1)においてR1またはR2で示される低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3、好ましくは1〜2のアルキル基が挙げられる。これらは同一でも、異なっていてもよい。前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。 【0015】前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインの具体的な化合物を以下に例示する。 化合物A1:1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン化合物A2:1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン化合物A3:3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン化合物A4:ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン化合物A5:1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン化合物A6:1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントインこれらの化合物の中では、化合物A1、化合物A2、化合物A3および化合物A4等から選択するのが好ましい。 【0016】前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインは市販されており、これらを使用することもできる。例えば、ハロコム(HALOCOM) DBH(ハイポリマーラボズ(High Polymer Labs)社、前記化合物A1)、アクアブロム(AQUABROM)(グレートレークスケミカル社、前記化合物A2)およびダントブロム(DANTOBROM) RW(ロンザ(Lonza)社、前記化合物A4、化合物A5および化合物A6の混合物)等が挙げられる。 【0017】前記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドは、スクシンイミドをハロゲン化剤、例えば次亜塩素酸金属塩、次亜塩素酸エステル等を用いてハロゲン化して製造することができる。 【0018】前記式(2)においてYで示されるハロゲンとしては、臭素、塩素などが挙げられる。前記(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。 【0019】前記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドの具体的な化合物を以下に例示する。 化合物B1:N−ブロモスクシンイミド化合物B2:N−クロロスクシンイミド【0020】前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび前記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドは、単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。 【0021】本発明に主溶剤として使用されるチオフェン誘導体を以下に示す。 化合物C1 : テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド化合物C2 : 3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド化合物C3 : 2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド【0022】前記チオフェン誘導体は単独で使用することも出来るし、2種以上を併用することも出来る。 【0023】さらに主溶剤であるチオフェン誘導体に加え、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドの溶解性を高めるための補助剤として、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、スクシンイミドおよびフタルイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種類を含有させることができる。前記補助剤は単独で使用することも出来るし、2種以上を併用することも出来る。 【0024】良好な安定効果を得るには、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドの合計100重量部に対して、前記チオフェン誘導体から選ばれる少なくとも1種を100重量部以上配合するのが好ましく、さらには200〜900重量部配合するのがより好ましい。 【0025】また、前記補助剤を配合する場合には、ハロゲン化ジアルキルヒダントインまたはハロゲン化スクシンイミドの100質量部に対して、前記補助剤から選ばれる少なくとも1種を1〜50重量部配合するのが好ましく、さらには5〜20重量部配合するのがより好ましい。 【0026】低コスト化のために、安価で一般的に使用されている各種の有機溶媒および/または水との混合使用も可能である。この場合は、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドおよびチオフェン誘導体(および補助剤)との液状組成物を、チオフェン誘導体(および補助剤)以外の他の有機溶媒および/または水で希釈することで得られる。 【0027】また、チオフェン誘導体(および補助剤)と他の有機溶媒および/または水との混合溶剤に、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドを加えて攪拌することで同様に安定な液状組成物が得られる。攪拌する際は、40〜50℃で10分〜1時間程度加温するのが好ましい。 【0028】上記他の有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、メチルカルビトール、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシアセテート、2−エトキシアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、4−ブチロラクトン、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等のエステル類;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム等のアミド類;ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;イソプロピルアルコール、オクタノール等のアルコール類、水等が挙げられる。これらの中では有機溶媒が好ましく、特にプロピレンカーボネート、4−ブチロラクトン、2−ピロリジノン、N−メチルアセトアミド等の環状エステル類が好ましい。他の有機溶媒は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもでき、また水と併用することもできる。 【0029】これらの他の有機溶媒および/または水により、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドおよびチオフェン誘導体(および補助剤)との安定化液状組成物を任意の量で希釈可能である。本発明の殺菌・静菌液剤に占める他の有機溶媒および/または水の割合は1〜99重量%であるのが好ましく、10〜90重量%がより好ましい。さらには30〜70重量%がより好ましい。 【0030】本発明の殺菌・静菌液剤は公知の殺菌剤成分とを組み合わせることにより、抗菌スペクトラムの拡大、抗菌力の相加または相乗効果を得ることができる。公知の殺菌剤成分としては2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=ホルメート、2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=アセテート、2,2−ジブロモ−2−ニトロエチル=プロパノエート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジイル=ジホルメート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジイル=ジアセテート(以下BNDAという)等のブロモニトロ系化合物、メチレンビスチオシアネート、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1−ブロモメチル−2−ブロモ−1,2−エタンジニトリル、ジ−n−デシルジメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。これらの中で2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールまたは2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジイル=アセテートとの配合が好ましい。 【0031】本発明の消臭液剤は、前記の殺菌・静菌液剤を含むものであればよい。本発明の消臭液剤は、前記殺菌・静菌液剤を含んでいるため、殺菌・静菌が可能であり、微生物に起因する悪臭を消臭することができる。 【0032】本発明の殺菌・静菌液剤は、種々の殺菌・静菌対象系および殺菌・静菌対象物に適用することにより、通常の形態である固体品よりも速やかに微生物を殺菌・静菌することができる。例えば、スライムの発生を抑制することができる。特に好適な使用場面として、空調用冷却水、紙、パルプ工業におけるプロセス水、各種工業用の冷却水や洗浄水、金属加工油、繊維油剤、セメント減水剤、工業用水、プール、浴場、食品工場、活性汚泥や残渣、生ごみ等の殺菌・静菌用途、スライムの抑制に好適である。 【0033】本発明の消臭液剤は、前記殺菌・静菌液剤を含んでいるため、種々の消臭対象系および消臭対象物に適用することにより、微生物に起因する悪臭を消臭することができる。特に好適な使用場面としては、前記殺菌・静菌液剤と同様の使用場面が挙げられる。 【0034】殺菌・静菌用途に適正な投入量は、系内の汚染度やpH、水系に含有する各種の有機・無機成分の影響により異なり、また消臭用途に適正な投入量はそれらに加え臭気の強さによっても異なり、適宜選択されるが、おおむねハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドの合計として重量基準で0.1ppm〜1000ppm、好ましくは5ppm〜100ppmになるように投入することが経済的である。 【0035】殺菌・静菌の対象となる微生物は、細菌、酵母、糸状菌等の真菌類および藻類を挙げることができる。細菌としては、例えば、エスケリッチア(Escherchia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ピブリオ(Vibrio)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、レジオネラ(Legionella)属、サルモネラ(Salmonella)属等のグラム陰性細菌およびスタフィロコッカス(Staphylococcus)属、バチルス(Bacillus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属等のグラム陽性細菌を例示できる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス(Saacharomyces)属、カンジダ(Candida)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、ロドトルア(Rhodotrula)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、ピッチア(Pichia)属等を例示できる。糸状菌としては、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillum)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属、フザリウム(Fusarium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、アルタナリア(Alternaria)属等を例示できる。また、藻類として、例えばクロレラ(Chlorella)属、オシラトリア(Oscillatoria)属、アナベナ(Anabaena)属、セネデスムス(Senedesmus)属、クロステチウム(Clostetium)属等を例示できる。 【0036】本発明殺菌・静菌液剤および消臭液剤は、溶剤としてテトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることにより、これまで安定した液状組成物の調製が困難であったハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドの液状化を可能にしたものであり、取り扱い時の粉立ちがないほか、刺激性のある腐食性ガスの発生が皆無で、作業性、安全性に優れている。また液状であるのでポンプ移送が容易であり、取扱性、作業性に優れている。また長期間保存しても活性の低下がなく、長期保存性に優れている。さらに種々の有機溶媒、水などへの溶解性に優れている。 【0037】本発明の殺菌・静菌方法は、前記本発明の殺菌・静菌液剤を殺菌・静菌対象系または殺菌・静菌対象物に処理する殺菌・静菌方法であり、前記のように、空調用冷却水、紙、パルプ工業におけるプロセス水、各種工業用の冷却水や洗浄水、金属加工油、繊維油剤、セメント減水剤、工業用水、プール、浴場、食品工場、活性汚泥や残渣、生ごみ等の殺菌・静菌対象系または殺菌・静菌対象物に、前記本発明の殺菌・静菌液剤を前記濃度となるように添加することにより、殺菌・静菌することができる。 【0038】本発明の消臭方法は、前記本発明の消臭液剤を消臭対象系または消臭対象物に処理する消臭方法であり、前記のように、空調用冷却水、紙、パルプ工業におけるプロセス水、各種工業用の冷却水や洗浄水、金属加工油、繊維油剤、セメント減水剤、工業用水、プール、浴場、食品工場、活性汚泥や残渣、生ごみ等の消臭対象系または消臭対象物に、前記本発明の消臭液剤を前記濃度となるように添加することにより、消臭することができる。 【0039】本発明の殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法は、前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび前記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種に溶解する殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法である。前記式(1)で示されるハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび前記式(2)で示されるハロゲン化スクシンイミドは、テトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種に溶解することにより、殺菌作用を低下させることなく、液状で長期間安定に保存することができる。 【0040】 【発明の効果】本発明の殺菌・静菌液剤および消臭液剤は、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドと、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有しているので、取扱性、作業性、安全性、安定性および溶解性に優れている。本発明の殺菌・静菌方法は、上記殺菌・静菌液剤を用いて殺菌・静菌対象系または殺菌・静菌対象物を処理しているので、安全に、かつ作業性よく殺菌・静菌処理することができる。本発明の消臭方法は、上記消臭液剤を用いて消臭対象系または消臭対象物を処理しているので、安全に、かつ作業性よく消臭処理することができる。本発明の殺菌・静菌液剤および消臭液剤の安定化方法は、溶剤としてテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、3−メチルテトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドおよび2,5−ジヒドロチオフェン 1,1−ジオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用しているので、ハロゲン化ジアルキルヒダントインおよび/またはハロゲン化スクシンイミドを有効成分とする殺菌・静菌液剤および消臭液剤を溶液状態で長期間安定に保存することができる。 【0041】 【実施例】以下に実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例は、各成分を混合攪拌して得た。なお、各例において使用している化合物A1、化合物A2・・・などの略号は、前記と同じである。また試験に使用した化合物A4、A5およびA6の混合物はそれぞれ60重量部、30重量部および10重量部の割合で混合したものである。 【0042】 【表1】
【0043】 【表2】
*: 2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジイル=ジアセテート【0044】試験例(安定性試験)容量20mlの目盛り付きガラス試験管に表1および表2の液剤を満たし、発生ガスの排出用にU字型に曲げたガラス管を貫通装着したシリコン栓で気泡が残らないように栓をした。ガラスビーカーにこの装置全体を入れ、アルミホイルでガラスビーカーの口を覆い、40℃の恒温槽に所定の日数静置した。経時的に発生するガスの量を目盛りから読み取り、さらに発生した気体によるアルミホイルの腐食状態を観察した。結果を表3および表4に示す。 【0045】 【表3】
【0046】 【表4】
【0047】表3および表4の結果から、本発明の液剤は、比較例と比べてガスの発生が極めて少なく、また腐食性も有しておらず、安全で安定な液状組成物であることがわかる。 【0048】試験例2(安定性的殺菌性確認試験)ガラスビンに表1および表2の液剤を注ぎ、密栓して50℃の恒温槽に4週間静置したものおよび調製直後の未加熱の液剤につき、その殺菌活性を比較した。pH8リン酸クエン酸緩衝液に、所定の濃度(活性成分で表示)の液剤および菌体洗浄を行ったエスケリッチア属細菌(106CFU/ml)を加え、L字管で1時間振とうした。その後、滅菌水で希釈し、普通寒天平板培地に接種し、30℃恒温槽で3日間培養した後、生菌数を数えた。結果を表5および表6に示す。 【0049】 【表5】
【0050】 【表6】
【0051】表5および表6の結果から、本発明の液剤は50℃で4週間の加温処理を行ったにも拘わらず、比較例が大きく失活したのに比べ、調製直後の液剤とほぼ同等の殺菌効力を示し、有効成分の安定性も非常に良好であることがわかる。 【0052】試験例3(速効的殺菌効力)本発明の液剤(実施例1および実施例8)および化合物A1の粉末原体について、殺菌効力を比較した。三角フラスコに、菌体洗浄を行ったエスケリッチア属細菌を約106CFU/mlになるように、pH8リン酸クエン酸緩衝液に希釈し、投入した。さらに各所定濃度(活性成分で表示)になるように液剤または粉末原体を添加して、スターラーバーで攪拌しながら5、10、30および90分間静置した。その後、滅菌水で希釈し、希釈液を普通寒天平板培地に接種し、30℃恒温槽で3日間培養して生菌数を数えた。結果を表7および表8に示す。 【0053】 【表7】
【0054】 【表8】
【0055】表7および表8の結果から、本発明の液剤は、従来現場で使用されている形態である固体粉末形状のものよりも溶解性が向上しており、ごく短時間の内に優れた殺菌効力を示すことがわかる。この特性を有することは、速効的な殺菌力が求められる紙・パルプ工業のプロセス水の殺菌用途や空調用冷却水のスライム防除に好適であることを示す。 【0056】試験例4(活性汚泥の消臭効果持続性試験)某下水処理場の活性汚泥(脱水ケーキ、含水率70%)を用い、本発明による液剤の消臭効果を試験した。入手した活性汚泥を蒸留水で40%の懸濁液とし、表9に示した所定量(活性成分で表示)の実施例9、比較例2および化合物A2の粉末を投入し、攪拌した。この懸濁液200gを1L三角フラスコにそれぞれ投入し、ゴムチューブとピンチコックを付けたガラス管が2本貫通したゴム栓で三角フラスコに栓をした。1時間後および7日後に両方のピンチコックを開き、片方のゴムチューブにガス検知管を挿入し、三角フラスコ気相部の各ガス量を測定した。使用した検知管はアンモニア用にガステック社、3L、硫化水素用に3L、メチルメルカプタン用に7lを用いた。結果を表9に示す。表中の記号NDは検知管の検出限界以下を示す。 【0057】 【表9】
【0058】表9の結果から、本発明の液剤は、固形のものよりも短時間の内に優れた消臭効果を示すことが判る。特に攪拌が弱く、混合が不十分な条件においても、本発明の液剤は対象物に十分に溶解、浸透するため、より少量でかつ速やかに消臭効果を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390034348 【氏名又は名称】ケイ・アイ化成株式会社 【住所又は居所】静岡県磐田郡福田町塩新田浜野328
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| 【出願日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067839 【弁理士】 【氏名又は名称】柳原 成
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| 【公開番号】 |
特開2003−89607(P2003−89607A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月28日(2003.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−166788(P2002−166788) |
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