| 【発明の名称】 |
植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法及び農産物の鮮度維持方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲張▼ ▲書▼廷
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| 【要約】 |
【課題】安全でかつ有効に植物の病原菌の抑制と増殖を予防する。
【解決手段】(1)アルカリ性水、酸性水又は酸化剤を植物に浴びせかける。(2)アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤を農産物に浴びせかけるか、液中に農産物を浸ける。(3)アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤を農産物にかけながら静電気を印加するか、当該水溶液を農産物にかけた後に静電気を印加する。(4)アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサン、酸化剤の少なくとも1種類を含有する水溶液を浴びせかけ又は液中に浸け、次いで0から20℃までの温度で冷蔵する。(5)アルカリ性水及び酸性水として電気分解により生成されたものを使用する。(6)アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも2つを交互に併用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルカリ性水、酸性水又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を植物に浴びせかけることを特徴とする植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法。 【請求項2】 アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を農産物に浴びせかけることを特徴とする農産物の鮮度維持方法。 【請求項3】 アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液中に農産物を浸けることを特徴とする農産物の鮮度維持方法。 【請求項4】 アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を農産物にかけながら静電気を印加することを特徴とする農産物の鮮度維持方法。 【請求項5】 アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を農産物にかけた後に静電気を印加することを特徴とする農産物の鮮度維持方法。 【請求項6】 アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を浴びせかけ又は液中に浸け、次いで0から20℃までの温度で冷蔵することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の農産物の鮮度維持方法。 【請求項7】 アルカリ性水及び酸性水として電気分解により生成されたものを使用することを特徴とする請求項1記載の植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法。 【請求項8】 アルカリ性水及び酸性水として電気分解により生成されたものを使用することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の農産物の鮮度維持方法。 【請求項9】 アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の少なくとも2つを交互に併用することを特徴とする請求項2〜6、又は8のいずれかに記載の農産物の鮮度維持方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は植物又は植物の生産物である農産物の保護、具体的に言えば植物の病原菌抑制又は予防、農産物への菌の繁殖の抑制、鮮度維持を図る、植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法、農産物の鮮度維持方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】植物の病原菌抑制と予防には主に農薬が使用されることが多い。また、植物の生産物、例えば、果物や野菜などの鮮度を維持するために、低温保存、静電気印加などの物理方法や、化学薬品を添加する方法が採用されている。 【0003】このように、安全かつ有効な植物の病原菌を抑制し増殖を予防する方法や農産物の鮮度を維持する方法が強く求められている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、農薬は確実な効果が得られるが、環境破壊につながるおそれがある。また、上記のような物理方法では長期保存には低温カビなどの発生が生ずる場合がある。上記のような化学薬品を用いる場合は食品の安全性を損なうおそれがある。 【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、安全でかつ有効に植物の病原菌の抑制と増殖を予防することができる植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法、農産物の鮮度維持方法を提供することを目的とする。 【0006】 【発明が解決するための手段】本発明の請求項1記載の植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法は、アルカリ性水、酸性水又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を植物に浴びせかけることを特徴とする。 【0007】これにより、アルカリ性水、酸性水又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の殺菌作用を生かして病原菌が殺菌され、植物の病原菌の繁殖が防止される。 【0008】本発明の請求項2記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を農産物に浴びせかけることを特徴とする。 【0009】これにより、アルカリ性水の場合には、アルカリ性水の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌され、植物又は植物の生産物は菌の繁殖が防止される。また、アルカリ性水は酸化還元電位がマイナスである特性を持つため、農産物の酸化を防止することができ、菌の繁殖の抑制と酸化防止により、農産物の鮮度維持が図られる。 【0010】また、酸性水の場合には、酸性水の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌され、植物又は植物の生産物は菌の繁殖が防止される。 【0011】また、キチン又はキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液の場合には、キチン、キトサンの殺菌作用と酸化防止作用を生かして植物又はその生産物の鮮度が維持される。 【0012】また、酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の場合には、酸化剤の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌される。 【0013】本発明の請求項3記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液中に農産物を浸けることを特徴とする。 【0014】これにより、アルカリ性水の場合には、アルカリ性水の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌され、植物又は植物の生産物は菌の繁殖が防止される。また、アルカリ性水は酸化還元電位がマイナスである特性を持つため、農産物の酸化を防止することができ、菌の繁殖の抑制と酸化防止により、農産物の鮮度維持が図られる。 【0015】また、酸性水の場合には、酸性水の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌され、植物又は植物の生産物は菌の繁殖が防止される。 【0016】また、キチン又はキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液の場合には、キチン、キトサンの殺菌作用と酸化防止作用を生かして植物又はその生産物の鮮度が維持される。 【0017】また、酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の場合には、酸化剤の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌される。 【0018】本発明の請求項4記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水、酸性水又キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を農産物にかけながら静電気を印加することを特徴とする。 【0019】これにより、アルカリ性水の場合には、アルカリ性水の殺菌作用と酸化防止作用を生かして農産物の鮮度維持が図られるとともに、静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。 【0020】また、酸性水の場合には、酸性水の殺菌作用を生かして農産物の鮮度が維持される上に、静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。 【0021】また、キチン又はキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液の場合には、キチン、キトサンの殺菌作用と酸化防止作用を生かして植物又はその生産物の鮮度が維持されるとともに、静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。また、酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の場合には、酸化剤の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌される。 【0022】本発明の請求項5記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を農産物にかけた後に静電気を印加することを特徴とする。 【0023】これにより、アルカリ性水の場合には、アルカリ性水の殺菌作用と酸化防止作用を生かして農産物の鮮度維持が図られるとともに、静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。 【0024】また、酸性水の場合には、酸性水の殺菌作用を生かして農産物の鮮度が維持される上に、静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。 【0025】また、キチン又はキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液の場合には、キチン、キトサンの殺菌作用と酸化防止作用を生かして植物又はその生産物の鮮度が維持されるとともに、静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。 【0026】また、酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の場合には、酸化剤の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌される。 【0027】本発明の請求項6記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液、酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液を浴びせかけ又は液中に浸け、次いで0から20℃までの温度で冷蔵することを特徴とする。 【0028】これにより、アルカリ性水又は酸性水又はキチンキトサンの殺菌作用と酸化防止作用を生かし、静電印加による酸化防止作用を付加し、更に低温による冷蔵により静菌及び酸化抑制作用が相乗的に作用させられ、鮮度維持の効果が更に高められる。 【0029】本発明の請求項7記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水及び酸性水として電気分解により生成されたものを使用することを特徴とする。 【0030】これにより、電気分解により発生したアルカリ水に金属イオンなどの塩基があまり含まれていなくても、また酸性水に他の無機陰イオンがあまり含まれていなくても、これらのpHを調整でき、自然環境界への影響が少なく好適である。 【0031】本発明の請求項8記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水及び酸性水として電気分解により生成されたものを使用することを特徴とする。 【0032】これにより、電気分解により発生したアルカリ水に金属イオンなどの塩基があまり含まれていなくても、また酸性水に他の無機陰イオンがあまり含まれていなくても、これらのpHを調整でき、農産物表面に残留分があまりないことから好適である。 【0033】本発明の請求項9記載の農産物の鮮度維持方法は、アルカリ性水、酸性水、キチン並びにキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液又は酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の少なくとも2つを交互に併用することを特徴とする。 【0034】これにより、農産物の状態に応じた適切な処理を施すことができ、植物の病原菌の繁殖抑制や殺菌、農産物の鮮度維持がより効果的になされる。 【0035】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の、植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法、農産物の鮮度維持方法について説明する。 【0036】本発明にいう植物とは、生物学上に定義された広い意味の植物を意味する。また、農産物とは、野菜、果物、花卉、穀物、植物の収穫有用部分など及びその加工品を意味し、植物由来の有用生産物を意味する。 【0037】先ず、アルカリ性水は広い意味から言えば、pHが7より高い液体を指すが、実施の形態の説明する上で実際に使用する範囲では、病原菌、腐敗菌、カビなどの菌に対する殺菌効果又は繁殖、抑制効果の具備するアルカリ性を呈する液体を指す。同様に、酸性水も広い意味から言えば、pHが7より低い液体を指すが、実施の形態の説明する上で実際に使用する範囲では病原菌、腐敗菌、カビなどの菌に対する殺菌効果又は繁殖抑制効果のある酸性を呈する液体を指す。 【0038】通常、菌類は周囲環境の影響を強く受けており、その生存条件の重要な一つはpHである。菌により、増殖抑制及び死滅に必要なpH値が異なるが、通常の植物又はその生産物に悪影響を与える菌は、好アルカリ、好酸性菌ではないので、強酸性又は強アルカリ性の条件であれば、死滅させる作用又は増殖抑制作用が顕著に現れる。 【0039】植物例えば、農作物に噴霧器でアルカリ性液、酸性液又は酸化剤を噴霧すれば、作物の葉、茎、花などの部分にその噴霧液が付着し、表面にある菌体を死滅させるか、あるいは増殖が抑えられる。また、その噴霧液が作物の表面に一定の期間付着した状態となるので、その付着している間では菌の発生又は増殖が出来なくなり、植物を保護することができる。 【0040】植物の生産物例えば、農作物である果物、野菜などに噴霧器などでアルカリ性液又は酸性液を噴霧するか、当該アルカリ性水、酸性又は酸化剤の液体中に農作物を漬けるか又は通過させる等の方法で、当該液体を農作物の表面に付着させ、表面にある菌体を死滅させるか、増殖を抑えることができる。また、その噴霧液又は浸漬液が作物の表面に一定の期間付着した状態となるので、その付着している間では菌の発生又は増殖が出来なくなり、植物の生産物を保護することができる。 【0041】農産物、特に収穫された果物、野菜などは収穫した後に様々の因子の影響を受け、鮮度が劣化する。その中に、酸化劣化もその原因の一つである。静電気は電子を供給でき、還元作用が生じるため、静電気を印加することにより、果物などの酸化劣化を抑えることができる。 【0042】また、微生物や農産物の熟成に関与する酵素は雰囲気温度の影響を強く受ける。一般に、温度が低い条件では活性が低下し、ある温度を下回るとその活動が停止する。このような観点から、低温保存方法が広く使用されている。 【0043】しかしながら、農産物には凍害を受ける温度が存在し、凍害を受けない温度であっても低温カビの発生したり、鮮度が劣化することがある。この場合では上記アルカリ性水、酸性水、酸化剤、静電気印加、低温冷蔵などの方法の組合せて施すことにより、その相乗効果により鮮度維持する効果が高めることができる。 【0044】鮮度維持という面では、アルカリ性水の酸化還元電位がマイナスにあるので、殺菌作用の同時に還元作用を併せ持ち、酸化劣化の防止にも寄与する。アルカリ性水は一般にpHが高いほどその効果が強いが、対象物、用途及び他の条件により効果的なpH値が異なる。コスト、対象物に対する腐食性などを総合的に判断して最適値を選択する必要があるが、一般に、pHが10以上では菌の増殖が抑制され、pHが11以上では大部分の菌が死滅に至る。 【0045】アルカリ液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ性物質により製造することも出来る。さらに、電気分解によりアルカリ性水を製造するようにしてもよい。残留物質の面から見ると電気分解を用いて製造することが望ましいが、これに限られない。 【0046】酸性水は割りに殺菌力が強いが、酸化還元電位がプラスにあるため、農産物の鮮度維持には不利な場合があるが、菌による腐敗由来の鮮度劣化には酸性水の効果が高い。pHが低いほどその効果が高いが、コスト及び腐食性が高くなる傾向がある。一般に、pHが4以下では相当種類の菌に抑制効果があるが、pHが3以下となれば相当種類の菌が死滅に至る。対象物、用途及び他の条件により効果的なpH値が異なるが、コスト、対象物に対する腐食性などを総合的に判断して最適値を選択する必要がある。 【0047】酸性液は、乳酸、酢酸、プロピン酸、クエン酸、木酢などの有機酸を用いて製造することができる。なお、珪酸、燐酸などの無機酸を用いて製造するようにしてもよい。さらに、電気分解により酸性水を製造してもよい。残留物質の面から見ると電気分解を用いて製造することが望ましいが、これに限られない。 【0048】酸化剤としては、酸化力のある物質ならば特に制限はないが、通常ヨウ素、次亜塩素酸ソーダなどが挙げられる。但し、農産物と植物に悪影響がないものを選択する必要がある。 【0049】静電気を印加する場合では、対象物の物性や他の環境条件にもよるが、単位体積当たりの電気出力と電圧により効果が異なる。一般に、電圧がマイナス2000〜20000Vが使用しやすい。安全の為に電流出力を2mA以下に抑え、静電気発生器にはアースをつけることが必要であり、対象物は大地と絶縁することが重要である。 【0050】また、静電気を印加する場合では、対象物の物性や他の環境条件にもよるが、凍結温度が下がる場合がある。この場合では凍害を受けずに通常より低い温度で保存できるようになるので、鮮度維持の効果が高められる。 【0051】キチン、キトサンは抗菌効果を持ち、安全であるばかりか、植物の表面に薄膜を形成するので、当該薄膜により農産物表面からの水分の蒸発が抑えられ、農産物の鮮度維持及び風味、外観の維持にも寄与する。この場合において、更に静電気を印加するようにすると、鮮度維持及び糖度向上に寄与させることができ、その効果が強化される。 【0052】電気分解は陽極、陰極及び直流電流を基本要素とし、一般に、イオン交換膜が必要であるが、その組合せ方法は必要に応じて、最適な条件を選択することができる。 【0053】また、本発明の実施の形態に示した方法を組合せて使用すれば、相乗効果が得られて、更に高い効果を得ることができる。更に、上記方法を交互に交代して使用することにより病原菌又は腐敗菌、カビなどの菌の薬品耐性に由来する効果低下を防ぐことができる。 【0054】農産物の鮮度維持を図るためには、アルカリ性水、酸性水、キチンキトサン液、酸化剤などは農産物に噴霧するなどにより浴びせかけることや、所定液に入れて漬ける方法のいずれでもよいが、農産物表面に確実に付着させるためには漬ける方法が望ましい。 【0055】 【実験例】以下、本発明の実施の形態を実験例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実験例によって限定されるものではない。 【0056】(実験例1)ビニールハウス内のトマトの栽培を用いた。植え継ぎした後(定植後)、1.5ヶ月〜2ヶ月経過後から月に2回の割合で、pH11.5の電気分解水に3ppmのヨウ素を添加した液と、pH2.6の電気分解水とを交互に、ビニールハウス内と、トマトの植株に散布した。これにより、トマトは病原菌が発生せずに無事に収穫できた。 【0057】(実験例2)実験例1と同じく、pH2.2の酢酸液をビニールハウス内と、トマトの植株に散布した。その結果、トマトは病原菌が発生せずに無事に収穫できた。 【0058】(実験例3)収穫した直後のブドウを2℃の冷蔵庫において保存した。その中の一部分はpH11.5の電気分解アルカリ水に5分間浸けた後に水を切り、ビニル袋に入れ保存した。比較の為に収穫されたままのブドウをビニル袋に入れて同一条件で保存した。3ヶ月経過した後に、アルカリ水をつけたブドウは収穫された時と余り変わらないが、比較のため保存したブドウの茎にカビの発生が見られた。 【0059】(実験例4)収穫した直後のブドウを2℃の冷蔵庫において保存し、更に静電気8000Vを印加した。その中の一部分をpH11.5の電気分解アルカリ水中に5分間漬けた後に水を切り、ビニル袋に入れ保存した。比較の為に収穫されたままのブドウをビニル袋に入れて同一条件で保存した。3ヶ月経過した後に、アルカリ水をつけたブドウは収穫された時と余り変わらないが、比較のため保存したブドウの茎へのカビの発生が見られた。 【0060】(実験例5)収穫した直後のブドウを2℃の冷蔵庫において保存した。その中の一部分をpH2.3の電気分解酸性水中に5分間漬けた後に水を切り、ビニル袋に入れ保存した。比較の為に収穫されたままのブドウをビニル袋に入れて同一条件で保存した。3ヶ月経過した後に、比較のため保存したブドウの茎にカビの発生が見られたが、酸性水をつけたブドウはカビの発生は全く無かった。 【0061】(実験例6)収穫した直後のブドウを2℃の冷蔵庫において静電気8000Vを印加して保存した。その中の一部分を容量重量濃度0.2g/リットルのキトサン溶液中に3分間漬けた後に水を切り、ビニル袋に入れ保存した。比較の為に収穫されたままのブドウをビニル袋に入れて同一条件で保存した。3ヶ月経過した後に、比較のため保存したブドウの茎にカビの発生が見られたが、キトサン液をつけたブドウにはカビの発生は全く無かった。なお、キトサンとキチンをあわせて使用する場合には水溶性キチンを用いなければならない。 【0062】(実験例7)キャベツをpH11.5の電気分解水に35ppmの次亜塩素酸ソーダを添加した液中にを3分間漬けたもの、pH2.5の電気分解水に3ppmの次亜塩素酸ソーダを添加した液中に3分間漬けたもの、何もつけないそのままのものを、25〜30℃の室温に置いて、比較した。なにもつけないそのままのキャベツは約5日ぐらいで表面に腐敗が見えたが、アルカリ水と酸性水をつけたものは腐敗現象が見られなかった。 【0063】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の植物の病原菌の繁殖抑制・殺菌方法及び農産物の鮮度維持方法によれば、以下のような効果を奏する。 【0064】(1)アルカリ性水又は酸性水の殺菌作用を生かして病原菌を殺菌し、植物の病原菌の繁殖を防止することができる。 【0065】(2)アルカリ性水の場合には、アルカリ性水の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌され、植物又は植物の生産物は菌の繁殖が防止され、アルカリ性水は酸化還元電位がマイナスである特性を持つため、農産物の酸化を防止することができ、菌の繁殖の抑制と酸化防止により、農産物の鮮度維持が図られる。 【0066】(3)酸性水の場合には、酸性水の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌され、植物又は植物の生産物は菌の繁殖が防止される。 【0067】(4)キチン又はキトサンの少なくとも1種類を含有する水溶液の場合には、キチン、キトサンの殺菌作用と酸化防止作用を生かして植物又はその生産物の鮮度が維持される。 【0068】(5)酸化剤の少なくとも一種類を含有する水溶液の場合には、酸化剤の殺菌作用を生かして腐敗菌又は毒素菌が殺菌される。 【0069】(6)静電気を印加することにより酸化防止作用を発揮させて鮮度維持の効果が更に高められる。 【0070】(7)更に低温による冷蔵により静菌及び酸化抑制作用が相乗的に作用させられ、鮮度維持の効果が更に高められる。 【0071】(8)電気分解により発生したアルカリ水に金属イオンなどの塩基があまり含まれていなくても、また酸性水に他の無機陰イオンがあまり含まれなくても、これらのpHを調整でき、自然環境界への影響が少なく好適であるとともに、農産物表面に残留分があまりないことから好適である。 【0072】(9)農産物の状態に応じた適切な処理を交互に併用して施すことにより、植物の病原菌の繁殖抑制や殺菌、農産物の鮮度維持がより効果的になされる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599107739 【氏名又は名称】▲張▼ ▲書▼廷
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| 【出願日】 |
平成13年8月27日(2001.8.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109944 【弁理士】 【氏名又は名称】村山 保之
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| 【公開番号】 |
特開2003−73217(P2003−73217A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月12日(2003.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−255836(P2001−255836) |
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