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【発明の名称】 米糠ペレットの製造方法及びこれに使用する米糠ペレットの成形装置
【発明者】 【氏名】成川 栄一
【住所又は居所】富山県富山市関186番地 株式会社タイワ精機内

【氏名】里 至博
【住所又は居所】富山県富山市関186番地 株式会社タイワ精機内

【要約】 【課題】水田の除草に施用する米糠散布作業の改善を図る。

【解決手段】米糠(生糠)に水を加えて、混練し、所定の含水率に調整する。この加水米糠を、移送用螺旋翼10と加圧用螺旋翼11とからなる加圧スクリュ−8を内装した送り筒5の前端に、回転カッタ−13と押し出し孔7を有するディスク6を取り付けた、押し出し式のペレット成形部3に供給して、加水米糠をペレット状に成形し、これを乾燥する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 米糠に水を加えて混練し、米糠を所定の含水率に調整する工程と、この加水米糠を押し出し成形によりペレット状に成形する工程と、このペレット成形品を乾燥する工程とよりなることを特徴とする、米糠ペレットの製造方法。
【請求項2】 米糠の混練時に、米糠の含水率が25〜35%になるように水を添加することを特徴とする、請求項1記載の米糠ペレットの製造方法。
【請求項3】 米糠の混練時に、大豆絞りかすのおからを加え、混練された米糠と大豆絞りかすのおからの混合物の含水率が25〜35%になるように、大豆絞りかすのおからを添加することを特徴とする、請求項1記載の米糠ペレットの製造方法。
【請求項4】 米糠の混練時に、植物性の固形促進剤を加え、その混合物の含水率が25〜35%になるように水を添加することを特徴とする、請求項1記載の米糠ペレットの製造方法。
【請求項5】 米糠等の供給部とペレット成形部とを備えており、供給部は、ホッパ−と攪拌ロ−タを有する攪拌室が連設され、ペレット成形部は、上記攪拌室に連通した、前端に多数の押し出し孔を有するディスクを取り付けた送り筒内に、攪拌室に連通する後部側に移送用の螺旋翼を、前部側に加圧用の螺旋翼を設けた加圧スクリュ−を配設されているとともに、ディスクの外面に接合して回転するカッタ−が設けられていることを特徴とする、米糠ペレットの成形装置。
【請求項6】 攪拌室に、水の噴霧手段を設けたことを特徴とする、請求項2記載の米糠ペレットの成形装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、稲に害を与えず雑草だけの除草法として使用する米糠をペレット化する製造方法及びこれに使用する米糠ペレットの成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、米糠を、稲に害を与えずに雑草だけを除くための方法として米糠が使用されるようになってきた。これは、有機栽培の肥料として使用されている米糠や油かすなどの植物性有機肥料を、生のままで土壌施用し、すぐ作づけすると、微生物による分解時に発生する有機酸で発芽障害や生育障害を引き起こす、ということから、この作用を逆に雑草の発芽・生育抑制に活用した方法である。
【0003】米糠などの表面施用による抑草作用については、まだわからないことが多いが、米糠を散布すると、微生物がそれをエサに急激に増殖し、土壌表層部が一時的に強還元化(酸素不足)されるとともに、乳酸菌の大量発生による土壌表面の酸性化、酪酸等の有機酸による発根阻害効果により抑草作用が特に強く働くといわれといる。また、有機酸が分解されて糖類やアミノ酸が多くなると、藻類や浮草などが発生し、その遮光効果で抑草されるともみられている。また、散布された米糠はゆっくりと発酵を続け、やがて稲の成育に欠かせない有機肥料となる、一石二鳥の効果を有する。
【0004】米糠の施用は、従来一般的に、田植えの直後か同時に行われ、施用の方法としては、米糠を粉状のままで水口から流し込むか、散布機などを用い散布している。そして、今日、米糠の施用は実施個所が増えつつあり、その効果は高く評価されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】稲作における米糠の施用は広まりつつあるが、しかし、その施用は、上記のような 米糠を粉状のまま散布する方法では、田面全体にできるだけ均一に散布するため、無風のときを選んで行うようにしているが、散布後風で寄せられることがあり、均一な状態にすることが難しいことから、湿らせた屑米に 米糠をまぶして散布することもなされている。また、米糠を水口から流し込む方法では、米糠はできるだけ乾燥した油分の多いものを用い、無風の日か、水口から水尻方向に微風が吹いているときを選んで行うこと、そして、米糠は一度に大量に落とさず、米糠の拡散状態を見ながら半分量を流し込み、少し時間をおいてから残りの半分くらいを流し、最後に薄い部分に手まきする、といった面倒な作業となる。
【0006】本発明は、上記従来の米糠散布では、散布量が多く労働的に問題が多いことと、風などで散布に偏りが出やすいこと、水田全体に米糠が分散し溶存酸素が減少して水田の小動物に被害を及ぼす恐れがある等の問題があったことから、これを改善するためになされたもので、米糠の粉末をペレット化することにより動力散布機を使用するなどして簡易にかつ均一な散布を可能にするとともに、風の影響も受けず施用を簡易、確実に能率よく行い得るようにした、米糠ペレットの製造法及びこれに使用する、小型で低動力の米糠ペレット成形機を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的を達成するため研究を重ねてきたが、米糠をペレット化することにより、散布労力の大巾な軽減が図れ、均一の散布が実現できることを見出し、効果的な米糠ペレットの製造方法及びこれに使用する、小型でペレットの成形が容易、確実に行うことができる装置の開発に成功し、本発明を形成するに至った。
【0008】本発明の構成を添付の図面を参照して説明すると、請求項1の製造方法は、米糠に水を加えて混練し、米糠を所定の含水率に調整する工程と、この加水米糠を押し出し成形によりペレット状に成形する工程と、このペレット成形品を乾燥する工程とよりなることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2の製造方法は、請求項1記載の方法において、米糠の混練時に米糠の含水率が25〜35%になるように水を添加することを特徴とするものである。
【0010】また、請求項3の製造方法は、請求項1記載の方法において、米糠の混練時に、大豆絞りかすのおからを加え、混練された米糠と大豆絞りかすのおからの混合物の含水率が25〜35%になるように、大豆絞りかすのおからを添加することを特徴とするものである。
【0011】また、請求項4の製造方法は、請求項1記載の方法において、米糠の混練時に、植物性の固形促進剤を加え、その混合物の含水率が25〜35%になるように、水を添加することを特徴とするものである。
【0012】また、請求項5の成形装置は、米糠等の供給部とペレット成形部とを備えており、供給部は、ホッパ−と攪拌ロ−タを有する攪拌室が連設され、ペレット成形部は、上記攪拌室に連通した、前端に多数の押し出し孔を有するディスクを取り付けた送り筒内に、攪拌室に連通する後部側に移送用の螺旋翼を、前部側に加圧用の螺旋翼を設けた加圧スクリュ−を配設されているとともに、ディスクの外面に接合して回転するカッタ−が設けられていることをと特徴とするものである。
【0013】また、請求項6の成形装置は、請求項5に記載の装置において、攪拌室に水の噴霧手段を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の米糠ペレットの製造方法は、精米により生成された米糠(生糠や時間が経過した貯留糠等)を主材料とし、これに加水して攪拌混練する工程と、この混練物をペレット状に成形する工程と、この成形物を乾燥する工程とよりなる。
【0015】米糠をペレット状に成形するにあたっては、米糠自体は成分的に固まりにくいため、米糠に水を加えて米糠を所定の含水率に調整することが必要であり、米糠中の水分と油分がバインダ−となって成形が実現できる。ペレットの成形に必要な米糠の含水率は、25〜35%程度とし、より好ましくは30%程度とするのがよい。米糠として生糠を使用する場合は、油分が約20重量%含有されているので、添加する水は米糠100に対し15〜25重量%、好ましくは20重量%程度とするのがよい。含水率が少ないと水分と油分とのバインダ−効果が低く、固形成形になりにくくペレット成形機も大きな動力を要し小型化が図れない。また、含水率が多すぎると、成形したペレット自体が軟弱でペレット形状が保てなくなり、乾燥にも時間を要することになる。この攪拌混練の工程は、ペレット成形の前作業として、米糠等に水を加え、均一に混合することが必要であるとともに、混練された米糠等の含水率がペレット成形において重要なポイントとなる。特に生糠をペレット化する場合は、米糠には油脂成分がふくまれているので、水をくわえてもよく攪拌しないと均一なペレット材料とはならない。
【0016】また、本発明では、上記の水に代わり、水分を多く含有する大豆の絞りかすであるおから(雪花菜,うの花,以下おからという)を用いることができる。この場合は、米糠とおからの混合物の含水率が上記と同様に、25〜35%程度、好ましくは30%程度となるように、米糠とおからの配合割合量を米糠におから40〜50重量%程度加え調整する。
【0017】さらに、本発明の方法では米糠に植物性の固形促進剤(ツナギ剤)を5〜20重量%程度加えることができる。それにより、米糠だけで成形したペレットより固く成形されるようになる。ツナギ剤としては、小麦粉、米粉等が一般的である。また、米糠と植物性ツナギ剤を混合したものをペレット成形する場合は、米糠とツナギ剤との混合物に対して重量比で10〜25%の加水量が好適である。それによって、ツナギ剤との混合物の含水率が25〜35%に調整される。
【0018】米糠と水またはおからは、混合機等を用いて均一に混合させる。混合が不十分であると、後の圧縮成形において糠づまりを起したり、糠の粉粒相互の結合にむらが生じ、所定の成形ペレットがくずれやすくなる。混合機は、例えば、直立する回転軸に攪拌翼を突設した竪型のものや、水平軸に攪拌翼を突設した横型のもの、あるいは、回転胴内に攪拌翼を設けた形式の混合ミキサー等を用いるが、これに限定されるものではない。
【0019】加水した米糠または米糠とおからの混合物または米糠と植物性のツナギ剤に加水した混合物(以下米糠等という)は、次に成形工程に送られる。成形装置としては、一般に押し出し式(圧縮押し出し式)のものや型押し式のものが使用されているが、この場合は米糠等に強い加圧力を与えられる押し出し式のものを使用するのがよい。押し出し式の成形装置では、棒状となったペレット素材が連続して押し出されるので、これを所要の長さに切断する手段を設けた装置を使用し、ペレット成形品を得ることができる。ペレット成形品の大きさは、手播きするものであれば径が4〜6mm、長さ5〜8mm度のものとしてもよいが、散布機に入れて播けるものとするためには、径が4〜5mm、長さが5〜6mm程度のものとするのが好ましい。
【0020】成形機より取り出されたペレット成形品は、そのままだと醗酵がはじまるので、これを乾燥処理する。また、それによって、散布に適した硬さのペレットに固化されることになるとともに、長期にわたっての貯蔵が可能となる。乾燥処理は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、天日での自然乾燥やハウス内での自然乾燥によってもよく、また、平型乾燥機やロータリーキルン乾燥機等の乾燥機を使用して行うことができる。その乾燥は、含水率10%程度とするのが好ましい。乾燥を終えた米糠ペレットは、通気性のない袋に入れておけば保存ができ、必要時に取り出して適宜に散布することができる。
【0021】次に、米糠ペレットの成形装置の実施形態について説明する。この装置は、特に、農家等が自前で米糠ペレットを製造するのに適するような構成としており、図1、図2は、装置の実施態様を示し、図3は同他の実施態様を示したものである。
【0022】図1、図2において、1は箱状に形成された機体で、その中には、米糠等の供給部2とペレット成形部3が配設されている。ペレット成形部3は、前端に、多数の押し出し孔7を備えたディスク6を着脱自在に取り付けた送り筒5内に、回転軸9の後部側に、ピッチの粗い移送用の螺旋翼10と、前部側にピッチの細かい加圧用の螺旋翼11を突設した加圧スクリュー8が配設され、回転軸9の先部はディスク6より突出されており、回転軸9の基端部はモータ12と接続されている。
【0023】そして、回転軸9のディスク6より突出した部分には、ディスク6の外面に接合しながら回転軸9とともに回転するカッター13が、ノブ14に当って圧縮するスプリング15の作用で圧接力が保持された状態で設けられている。また、移送筒5の後部の上側には、供給部2と連通する供給口16が開設されている。なお、上記カッタ−13の圧接力を保持する手段は、スプリング15に代えて弾性ゴム等を使用することができる。また、加圧用螺旋翼11は2条巻きで形成することができる。それにより、ペレット成形部3内の米糠等は、加圧用螺旋翼11の圧縮作用によって圧力を受けるが、その反力を2条巻き螺旋翼で均一に受け止めることになり、軸振れが防止できる。
【0024】供給部2は、ホッパー21とその下に続く攪拌室22とを備えており、攪拌室22の下端は上記送り筒5の供給口16と連通しており、攪拌室22内には、回転軸9の駆動により回転される軸杆24に攪拌翼25を突設した攪拌ロータ23が架設されている。また、ホッパー21の下部内には、防護用の粗目のホッパー網26が設けられている。
【0025】上記構成の装置において、米糠等はホッパー21に投入される。この場合、米糠等は、ペレットを成形するために必要な25〜35%程度の含水率に調整されたものを使用するが、生糠を用いる場合は、通常、生糠100に対し20重量%の水を加えてやればよい。ホッパー21に投入された米糠等は、ホッパー網26を抜けて攪拌室22に流下する。攪拌室22内では、攪拌ロータ23の回転で、生糠と添加した水とがむらなく混合されて供給口16よりペレット成型部3の送り筒5の後部内に供給されることになる。なお、図1の実施態様の装置では、生糠を使用してこれに水を添加する場合に適するように、攪拌室22を設けたものとなっているが、所定の含水率に調整した米糠等の材料を使用する場合は、攪拌室22を除外して、ホッパー21の下端開口部を供給口16に直接連通させたものとすることができる。また、攪拌室22を備えたものでも、所定の含水率に調整した米糠等を使用するのに何等差し支えない。
【0026】送り筒5に供給された米糠等は、移送用の螺旋翼10により、ピッチの細かい加圧用螺旋翼11のある部分に送られ再びねりの効果でより一層均一に混合し、前端に設けられたディスク6に達することになる。その間、両螺旋翼10,11の送り速度(送り量)の差から、移送用螺旋翼10で送られる余剰な米糠等は再び供給口16戻る作用による練り効果が生じ米糠等はさらに混練されるとともに加圧されていき、ディスク6にある押し出し孔7に圧入され、圧縮された状態で棒状となって押し出し孔7から外部に吐出されて行くようになる。そして、ディスク6の外面に接合したカッター13の回転による切断作用により、所定の長さのペレット成形品となるのである。上記のディスク6は着脱自在となっているので、押し出し孔7の径の異なる複数種のディスク6を用意しておけば、必要に応じて取り替え、所要径の米糠ペレット成形品を得ることができる。
【0027】本発明の装置では、投入された米糠に加水する手段を設けることができる。図3はその実施態様を示したものである。この実施態様では、攪拌室22内に水を注入する噴霧ノズル17を設け、これに水源(水道の蛇口等)よりの加水パイプ18が接続されている。そして、加水パイプ18には、噴霧ノズル17の近くに位置して水量を調節するバルブ19が設けられている。噴霧ノズル17は米糠と噴霧水とが混ざりやすい攪拌ロータ23の近くに設けるのがよい。
【0028】このように、加水手段を設けることにより、ペレット成形の前作業として必要な混合機の使用を除くことができる。この実施態様の装置では、米糠等の供給を絶やさず行うことにより、連続してペレット成形作業ができ、作業能率が向上できる。なお、加水手段は、図3の鎖線で示すように、攪拌ロータ23の軸24を噴霧孔を有する中空軸として、これに加水パイプ18を接続し、軸24より水を噴霧させることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法によれば、米糠に水を添加して、ペレットの成形に適した含水率のものに調整し、これを加圧、押し出し式の成形装置を用いてペレット状に成形した後、乾燥処理を行うようにしたので、ペレット散布時には動力散布機などにも使用できる等、取り扱い容易な米糠のペレット化が、簡易にかつ安価に製造できるようになる。それによって、米糠の施用が、風などの天候に影響されず、能率よく効果的に行えることになる。
【0030】また、米糠とおからの混合物をペレット化することにより除草効果の他に、やがて稲の成育とともに肥料化した際の米糠だけでは不足する有機肥料分を補う有機肥料としての活用の範囲が広まる。
【0031】また、米糠に植物性の固形促進剤を加えた混合物をペレット化にすることにより米糠だけのペレットより、乾燥後の取り扱いにおいても形くずれしにくい固いペレットが得られるため、動力散布機以外の散布用機器の糠ペレットとして活用の範囲が広い。
【0032】また、本発明のペレット成形機によれば、粗いピッチの移送用螺旋翼の次に細かいピッチの加圧用螺旋翼を設けた加圧スクリュ−を用いて、米糠にねりと圧縮を加えながら送り筒前端に設けたディスクへと圧送し、ディスクの吐出し孔から押し出しながらカッタ−で切断を繰り返すようにしたので、所定の径と長さの米糠のペレットが確実に連続して能率よく製造できることになる。また、装置は構造が簡単で小型、安価にでき、米糠施用者の自家用機として提供するのに適している。
【出願人】 【識別番号】391055025
【氏名又は名称】株式会社タイワ精機
【住所又は居所】富山県富山市関186番地
【出願日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【代理人】 【識別番号】100082290
【弁理士】
【氏名又は名称】植松 茂
【公開番号】 特開2003−63918(P2003−63918A)
【公開日】 平成15年3月5日(2003.3.5)
【出願番号】 特願2001−254166(P2001−254166)