| 【発明の名称】 |
腹足類の誘引剤及び誘引駆除剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤井 慎吾
【氏名】池田 和幸
【氏名】中本 暁子
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| 【要約】 |
【課題】腹足類に対して優れた誘引効果を示し、また、ビール製造時の副産物の再資源化としても有意義である腹足類の誘引剤及び誘引駆除剤を提供すること。
【解決手段】ビール酵母を利用したビール製造時において、発酵を終えた沈殿ビール酵母を有効成分として含有する腹足類の誘引剤である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビール酵母を利用したビール製造時において、発酵を終えた沈殿ビール酵母を誘引成分として含有することを特徴とする腹足類の誘引剤。 【請求項2】 ビール酵母を利用したビール製造時において、発酵を終えた沈殿ビール酵母、駆除剤、必要に応じて、賦形剤とを含有することを特徴とする腹足類の誘引駆除剤。 【請求項3】 前記沈殿ビール酵母の使用濃度が誘引駆除剤全量に対して0.1〜80重量%である請求項2記載の腹足類の誘引駆除剤。 【請求項4】 前記駆除剤の有効成分が、メタアルデヒドである請求項2又は3記載の腹足類の誘引駆除剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、腹足類の誘引剤及び誘引駆除剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ナメクジ等の腹足類の一般的な駆除方法としては、メタアルデヒドを含有する粒状の固形物を散布して駆除、あるいは、メタアルデヒド、フスマ、米ヌカ、小麦粉等を混合した粉状物を入れた容器を用いて駆除していた(特開昭56−127035号公報参照。)。しかし、誘引効果が弱く満足する駆除効果を得ることができなかった。 【0003】また、誘引効果を高めるために、特開平3−130203号公報には、酵母で発酵させた食餌にナメクジ類誘引殺虫剤のメタアルデヒドを混入したナメクジ類誘引殺虫剤が記載されており、あるいは、特開平3−184901号公報には、酵母及び/又は動物性食餌成分を有効成分として含有する腹足類誘引剤が記載されている。しかし、いずれの記載のものも充分な誘引効果を得ることができなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明は、前記従来の技術の問題を解決することで、常時、高い誘引効果を示し、あらゆる場所で効果的な駆除効果を発揮する腹足類誘引剤及び誘引駆除剤を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、鋭意研究した結果、本願発明でいうところの沈殿ビール酵母、詳しくは、ビールの製造時において、発酵後、副産物として発酵槽の中に沈殿するビール酵母がナメクジ等腹足類を強く誘き寄せることを確認した。 【0006】請求項1に係る発明は、ビール酵母を利用したビール製造時において、発酵を終えた沈殿ビール酵母を有効成分として含有する腹足類の誘引剤である。 【0007】そして、請求項1に係る発明によれば、腹足類に対して優れた誘引効果を示す。また、ビール製造時の副産物の再資源化としても有意義である。 【0008】請求項2に係る発明は、ビール酵母を利用したビール製造時において、発酵を終えた沈殿ビール酵母、駆除剤、必要に応じて、賦形剤とを含有することを特徴とする腹足類の誘引駆除剤である。 【0009】請求項2に係る発明によれば、腹足類に対して優れた誘引駆除効果を示す。 【0010】請求項3に係る発明は、沈殿ビール酵母の使用濃度が、誘引駆除剤全量に対して0.1〜80重量%である請求項2記載の腹足類の誘引駆除剤である。 【0011】請求項4に係る発明は、駆除剤の有効成分が、メタアルデヒドである請求項2又は3記載の腹足類の誘引駆除剤である。 【0012】請求項3及び4に係る発明によれば、ナメクジに対して優れた誘引効果を示し、効果的な駆除ができる。 【0013】本願発明の誘引成分である沈殿ビール酵母は、ビール酵母を利用したビール製造時において得られる副産物であり、すなわち、■ビール大麦を麦芽にする製麦工程(ビール大麦を洗浄してから充分に水を吸わせ、空気を与える。)→■麦芽から麦汁を得る仕込工程(麦芽を粉にして、デンプンなど副原料と共にゆっくり煮て麦汁を得、その後、麦汁を濾過して麦芽粕を除く。)→■発酵工程(麦汁にビール酵母を入れ増殖させる。)→■製品工程(発酵完了後、上澄液としてビールを得る。この時、発酵を終えたビール酵母は発酵槽の中に沈殿する。)の略製造工程における■製品工程で、発酵槽の上澄液(ビール)を濾過し、取り除かれた、発酵槽の中に沈殿していたのが沈殿ビール酵母である。 【0014】また、上記■発酵工程で使用するビール発酵前のビール酵母は、誘引効果が弱かった。さらに、副産物として、上記■仕込工程で得られる麦芽粕も誘引効果が弱かった。その理由については、定かではないが、ナメクジ類が発酵臭により誘引されることから、ビール発酵前のものではそれらの発酵臭が弱いためではないかと推測する。 【0015】本願発明の誘引駆除剤は、前記誘引成分、腹足類の駆除剤、必要に応じて、賦形剤からなる組成物である。 【0016】前記駆除剤は、有効成分として、メタアルデヒド、塩化トリフェノール錫、酢酸トリフェノール錫、マクロテトロライド、2−メチル−4−メチルチオ−6−ニトロフェノール、イソシアヌル酸トリアリルエステル等の有効成分を単独、もしくは組み合わせて用いることができる。前記駆除有効成分の内、メタアルデヒド自身に誘引効果があり、また、安定性も比較的高く製剤化し易いなどから好ましい。 【0017】また、駆除剤の使用濃度は、誘引駆除剤全量に対して1〜25重量%であり、好ましくは、2〜15重量%である。1重量%未満の場合、殺虫量として充分でない。一方、25重量%以上になると喫食量の低下、あるいは製剤コスト高で好ましくない。 【0018】前記賦形剤は、製剤化の助剤、喫食の増進、駆除剤の忌避低減などのために用いるもので、公知の食餌剤、増量剤等を用いることができる。例えば、サナギ粉、オキアミ、魚粉、牛もしくは豚等の肉粉、それらのエキスパウダー等の動物性粉末、米ヌカ、フスマ、小麦粉、雑穀粉、ポテト、ブドウ糖、砂糖等が例示できる。 【0019】前記組成物を、顆粒剤、粉剤、ゲル剤、ダンゴ剤又はフロアブル剤、液剤等に製剤化し、腹足類の出没する場所に、ばら撒いたり、容器に入れたものをおいて防除に供する。前記製剤中、顆粒剤等の固形タイプが、使用上の取扱い、経時安定性等から好ましい。 【0020】前記誘引成分である沈殿ビール酵母の使用濃度としては、全製剤量(誘引駆除剤全量)に対して、0.1〜80重量%、好ましくは、1.0〜50重量%である。0.1重量%未満の場合、誘引効果が充分に発揮されない。一方、濃度の上限について、効力的には、濃度が高くなるにしたがって効力が向上することから制限されない。しかし、経済的には、高濃度になるにしたがって商品価格が高くなることから、使用対象や製剤種等に応じて決めることが望ましい。 【0021】また、前記製剤化に際し、防カビ剤、酸化防止剤、色素等を加え、長期経時安定化、使用感等製剤品質をより向上させることができる。 防カビ剤:ホウ酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸及びその塩、パラオキシ安息香酸エステル酸、プロピオン酸及びその塩等。 酸化防止剤:ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ビタミンE等。 色素:赤色2号、赤色3号、青色1号、青色2号、緑色201号、緑色202号等。 【0022】 【実施例】実施例1誘引剤の誘引効果の評価試験/室内試験【0023】(試験方法)25×30cmの容器内に適度に湿らせたバーミキュライトを適量敷き詰め、沈殿ビール酵母2.0gを入れたφ3.0cmの餌皿を設置し、そこに野外で採取してきた30匹のナメクジを入れた。その後6時間観察し、沈殿ビール酵母に誘引され、喫食したナメクジの数をカウントし、誘引率を算出した。また、比較としてビール発酵前の単なる酵母、ビール粕、酒粕、フスマ、米ぬかについても同様にその誘引率を算出した。 【0024】 【表1】
【0025】表1の結果から、他の誘引物と比較し、沈殿ビール酵母は優れた誘引性を有していることが判った。 【0026】実施例2誘引駆除剤の駆除効果の評価試験/室内試験【0027】(試験方法)誘引成分として沈殿ビール酵母0.01〜80%、駆除有効成分としてメタアルデヒド10%、その他に賦形剤、結合剤を10〜89.01%からなる混合物に水を加え練合わせ、造粒機にかけることにより、顆粒状の誘引駆除剤を得て、下記試験を行った。 【0028】25×30cmの容器内に適度に湿らせたバーミキュライトを適量敷き詰め、誘引駆除剤3.0gを入れたφ3.0cmの餌皿を設置し、そこに野外で採取してきた30匹のナメクジを入れた。そして、24時間後のナメクジの死亡数をカウントし、致死率を算出した。 【0029】 【表2】
【0030】表2の結果から、沈殿ビール酵母の使用濃度は0.1%以上から高い誘引力を持ち、致死率が高くなることが判った。 【0031】実施例3誘引駆除剤の実用駆除効果の評価試験/フィールド試験【0032】(試験方法)実施例2にて作成した、沈殿ビール酵母の使用濃度5%の誘引駆除剤を用い、野外でナメクジ約30匹が住み着いているφ30cmの植木鉢の下に、誘引駆除剤を3.0gずつ設置した。そして、24時間後のナメクジの死亡数をカウントし、致死率を算出した。また、比較として、それぞれ酒粕、フスマを誘引剤とした市販品A、Bについても同様の試験を行った。 【0033】 【表3】
【0034】表3の結果から、沈殿ビール酵母を誘引成分とする本願発明品が突出した効果を有することが判った。 【0035】 【発明の効果】本願発明の腹足類誘引剤及び誘引駆除剤によれば、腹足類に対して優れた誘引効果を示す。また、ビール製造時の副産物の再資源化としても有意義となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112853 【氏名又は名称】フマキラー株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073818 【弁理士】 【氏名又は名称】浜本 忠 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−63915(P2003−63915A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月5日(2003.3.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−254090(P2001−254090) |
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