| 【発明の名称】 |
防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物およびその製法 |
| 【発明者】 |
【氏名】平澤 朗 【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台1丁目6番地 トッパン・フォームズ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】安価で保存性もよく、対象物に印刷などの公知の方法で容易に塗布できる上、防菌・防カビ剤の機能を長期にわたり安定して発揮できる防菌・防カビ剤組成物およびその製法の提供。
【解決手段】(1)防菌・防カビ剤を水に溶解および/または分散させた水溶液および/または水分散液を作る。(2)工程(1)で作った水溶液および/または水分散液を高吸水性ポリマー微粒子に吸収させる。(3)工程(2)で作った高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させて防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を作る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 防菌剤および/または防カビ剤の水溶液および/または水分散液を吸収した高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させたことを特徴とする防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物。 【請求項2】 高吸水性ポリマー微粒子が球状微粒子であることを特徴とする請求項1記載の防菌・防カビ剤組成物。 【請求項3】 下記の工程(1)〜(3)により製造することを特徴とする防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物の製法。 (1)防菌剤および/または防カビ剤を水に溶解および/または分散させた水溶液および/または水分散液を作る。 (2)工程(1)で作った水溶液および/または水分散液を高吸水性ポリマー微粒子に吸収させる。 (3)工程(2)で作った高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させて防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を作る。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物およびその製法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、抗菌剤などを公知の方法によりマイクロカプセル化することによりインク化して、基材上に印刷するなどして各種用途に使用されている(例えば、特開平7−82109号公報)。一方、水溶性抗菌剤をマイクロカプセル化してインク化することも不可能ではないが、コスト高になる上、保存性が悪いので実際は使用されていないのが実情である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、防菌・防カビ剤を含む防菌・防カビ剤組成物であって、マイクロカプセル化の手間がかからず安価で保存性もよく、対象物に印刷したり、塗料、接着剤、加工油などに添加するなどして防菌・防カビ剤の機能を長期にわたり安定して発揮できるようにした防菌・防カビ剤組成物を提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような防菌・防カビ剤組成物を容易に製造する方法を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、例えば防菌・防カビ剤を水に溶解し、この水溶液を高吸水性ポリマー微粒子に吸収させ、水溶液を吸収させた高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させることにより課題を解決できることを見いだし、本発明を成すに到った。 【0005】上記課題を解決するための本発明の請求項1記載の防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物は、防菌剤および/または防カビ剤の水溶液および/または水分散液を吸収した高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させたことを特徴とする。 【0006】本発明の請求項2記載の防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物は、請求項1記載の防菌・防カビ剤組成物において、高吸水性ポリマー微粒子が球状微粒子であることを特徴とする。 【0007】本発明の請求項3は、下記の工程(1)〜(3)により製造することを特徴とする防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物の製法である。 (1)防菌剤および/または防カビ剤を水に溶解および/または分散させた水溶液および/または水分散液を作る。 (2)工程(1)で作った水溶液および/または水分散液を高吸水性ポリマー微粒子に吸収させる。 (3)工程(2)で作った高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させて防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を作る。 【0008】本発明の防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物は、例えば、水溶性防菌剤および/または防カビ剤の水溶液を吸収させた高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させたものであるので、マイクロカプセル化の手間がかからず安価で保存性もよく、対象物に印刷などの公知の方法で容易に塗布できる上、塗膜中の高吸水性ポリマー微粒子に吸収された防菌剤および/または防カビ剤は安定に維持され徐放効果があるので防菌剤および/または防カビ剤の機能を長期にわたり安定して発揮でき、また防菌・防カビ剤の皮膚刺激性も低減され、取り扱い性が改善される。 【0009】また、本発明の防菌・防カビ剤組成物は、合成樹脂エマルション、金属加工油、塗料、でんぷん液(スラリー及び糊)などに防腐剤として、また紙パルプ抄紙系にスライムコントロール剤として、冷却水系や紙パルプ抄紙系のスライムコントロール剤として、でんぷんやカゼインなどの防腐剤として、SBRラテックス、塗料、接着剤などの製品防腐剤として、あるいは金属加工油使用系の防腐剤などとして、幅広い分野に極めて有効に使用することもできる。本発明の製法により、本発明の防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を容易に製造することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】次に本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を対象物に塗布した状態を模式的に示す説明図である。図1において、1は対象物、2は塗膜、3は防菌・防カビ剤4の水溶液および/または水分散液を吸収した高吸水性ポリマー微粒子を示す。塗膜2中の高吸水性ポリマー微粒子3に担持された防菌・防カビ剤4は安定に維持され徐放効果があるので防菌・防カビ剤4の機能を長期にわたり安定して発揮できる。 【0011】本発明で用いる高吸水性ポリマーとしては、でんぷん系、セルロース系あるいはアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸塩、メタアクリル酸塩、スチレン、ビニルエーテル等のポリマー、コポリマー、ターポリマー等の合成樹脂系などがあげられる。市販のものでは、例えば、ノニオン型ポリアルキレンオキサイド系の高吸水性ポリマー「AQUACALK」(住友精化社製)は、塩に対しても吸水性が変化しないため、好適に利用できる。 【0012】高吸水性ポリマーの中には吸水した時、水溶性で糊状になったり、あるいは水膨潤性で細片状、破砕状、粒状、粉状のものがあるが、本発明においてはこれらのいずれでも使用できる。 【0013】細片状を示す高吸水性ポリマーとしては、具体的にはアクリル酸とアクリル酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩とを含むモノマーの水溶液に、0.1〜10質量%の多価有機金属イオン架橋剤を加えて水溶液重合し、乾燥することによって得られる適度に架橋された高吸水性ポリマー、あるいはアクリル酸とアクリル酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩との共重合体に0.1〜10質量%の多価有機金属イオン架橋剤を用いてポスト架橋することによって得られる適度に架橋された高吸水性ポリマーなどを挙げることができる。 【0014】破砕状、粒状状、粉状を示す高吸水性ポリマーとしては、上記高吸水性ポリマーを粉砕して所定の粒子形状に加工する方法、上記高吸水性ポリマーの原料化合物から重合または縮合して粒状の形で高分子化合物とする方法などが挙げられる。中でも、有機溶剤中で逆相懸濁重合して得られる球状あるいは粒状のポリアクリル酸塩、ビニルアルコールとアクリル酸塩共重合体またはイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体をケン化する方法で得られる高吸水性ポリマー(例えば、平均粒径約0.005〜5mm)は、水を吸水しても粒子が互いに非粘着性を維持し、保水した状態で独立した粒子を維持するので好ましく使用できる。 【0015】保水した状態でも独立した粒子を維持する高吸水性ポリマ−であると、高吸水性で多量の水溶液あるいは水分散液を急速に吸収できるとともに、吸収してもべとついたり、塊になったりせず、使用し易く、取り扱い易い。 【0016】本発明で用いる高吸水性ポリマー微粒子の粒径は、特に限定されるものではなく、用途、製品の種類などに応じてnmオーダーのもの(分子分散系)でもよく、あるいはnm〜μmオーダーのもの(コロイド分散系)でもよく、あるいはμm以上のもの(粗粒子分散系)でもよく、あるいはこれらの2つ以上の混合物であってもよい。 【0017】本発明で用いる防菌剤としては、例えば、エタノールなどのアルコール類、次亜塩素酸塩、N−クロラミン類、ヨウ素、無機および/または有機水銀、銅化合物、亜鉛化合物、銀化合物、過酸化物、フェノール化合物、ヒドロキシ安息香酸、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体、第4級アンモニウム関連化合物、パイン油化合物、カルバミン酸と尿素誘導体、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの公知の抗微生物活性成分の他、公知の抗菌剤であるフェノール類、ハロゲン化合物、第4級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アニリド、有機硫黄、硫黄−窒素化合、ナリジクス酸とその他のキノロンカルボン酸、ニトロフラン、スルホンアミドなどを挙げることができる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用することもできる。 【0018】本発明で用いる防カビ剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、例えば、前記公知の抗微生物活性成分の他、イソチアゾロン系化合物あるいはイソチアゾロン系化合物の包接化合物などを挙げることができる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用することもできる。本発明においては、これらの防菌・防カビ剤(例えば銀など、またベンザルコニウム、セチルピリジニウムなど)をりん酸塩などにインターカレートしたものを使用することもできる。 【0019】本発明で用いる油性分散剤は、防菌・防カビ剤を水に溶解および/または分散させた水溶液および/または水分散液を吸収させた高吸水性ポリマー微粒子を分散させて防菌・防カビ剤組成物を調製できるものであればヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1.4−ジオキサン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、ニトロメタン、ジミチルスルホキシド、スルホランなどの脂肪族溶媒やベンゼン、トルエン、ナフタレン、クロロベンゼン、アニソール、ジフェニルエーテル、ピリジン、ニトロベンゼンなどの芳香族溶媒などの低分子量有機化合物、オリゴマーあるいはポリマーあるいはこれらの1つ以上の混合物でよく、特に限定されるものではない。 【0020】本発明で用いる油性分散剤の他の例として、非水系ビヒクルを挙げることができる。非水系ビヒクルは、前記溶媒や非水系インクなどあるいはこれらの混合物であればよく、特に限定されない。非水系インクとしては、具体的には、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸エステル共重合体などの合成樹脂、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物あるいはこれらの2種以上の混合物などのカチオン性樹脂を用いたインクを挙げることができる。その他、電子線硬化型インク、紫外線硬化型インク、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基などのアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸などのアニオン性樹脂なども必要に応じて使用できる。 【0021】本発明においてこれらの中でも電子線硬化型インクや紫外線硬化型インクが好適に使用できる。このような電子線硬化型や紫外線硬化型インクとしては、公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。 【0022】光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。 【0023】また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。 【0024】アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。 【0025】また、光重合開始剤としては、従来公知のもので良く、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常ビヒクル100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。 【0026】本発明の防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物は、下記の工程(1)〜(3)により容易に製造することができる。先ず工程(1)で、防菌剤および/または防カビ剤を水に溶解および/または分散させた水溶液および/または水分散液を作る。本発明においては防菌・防カビ剤を水中に分散する場合に界面活性剤を使用する場合があるが、界面活性剤の種類、HLB、使用量などは特に限定されず、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを何れも使用できる。防菌剤および/または防カビ剤の水に対する添加量は、安定に維持でき防菌剤および/または防カビ剤の性能を発揮できるような添加量であれば特に限定されず、飽和水溶液になるまでの添加量以下でも、飽和水溶液になるまでの添加量でも、飽和水溶液になるまでの添加量以上でも、あるいは安定に分散状態を保つことができるような添加量であればよい。水に溶解させたり分散させる方法や装置なども特に限定されず公知のものを用いることができる。 【0027】次いで工程(2)で、工程(1)で作った水溶液および/または水分散液を高吸水性ポリマー微粒子に吸収させる。吸収量は安定に維持でき機能性材料の性能を発揮できるような吸収量であれば特に限定されない。吸収させる方法や装置なども特に限定されず公知のものを用いることができる。 【0028】次いで、工程(3)で、工程(2)で作った高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させて防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を作る。この際、分散量は安定に維持できるような分散量であれば特に限定されない。分散させる方法や装置なども特に限定されず公知のものを用いることができる。 【0029】本発明の防菌・防カビ剤組成物は、例えば、刷毛塗り、ロールコーテイング法、キスコート、ホイラーコート、スプレー法、カーテン塗装法、浸漬法、静電塗装法、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、平板オフセットコーター、ダイリソコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーター、凸版印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷などの塗工手段により対象物の面の所定部あるいは全部に塗工し、必要に応じて乾燥、硬化して、対象物に密着した塗膜を形成することができる。 【0030】また、本発明の防菌・防カビ剤組成物は、合成樹脂エマルション、金属加工油、塗料、でんぷん液(スラリー及び糊)などに防腐剤として、また紙パルプ抄紙系にスライムコントロール剤として、冷却水系や紙パルプ抄紙系のスライムコントロール剤として、でんぷんやカゼインなどの防腐剤として、SBRラテックス、塗料、接着剤などの製品防腐剤として、あるいは金属加工油使用系の防腐剤などとして、幅広い分野に極めて有効に使用することもできる。 【0031】本発明で用いる対象物としては、有機物でも無機物でもあるいはこれらの組み合わせでもよく、天然由来のものでも、合成品でもあるいはこれらの組み合わせでもよく、具体的には、例えば、通常の紙の他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることもでき、また、カーボン、ガラス、セラミックス、金属、木、あるいはこれらの組み合わせ、およびこれらの加工製品などを挙げることができる。塗膜の密着性を向上するためにこれらの対象物の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すことができる。また、対象物面への塗工量は、特に限定されないが、例えば約1〜30g/m2 の例を挙げることができる。 【0032】本発明の防菌・防カビ剤組成物に、本発明の効果を損なわない範囲で公知のシリカ、アルミナ、マイカなどのフィラー、炭素粉、顔料、染料、重合禁止剤、増粘剤、チキソトロピー剤、沈殿防止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤などを添加することができる。 【0033】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。 【0034】 【実施例】以下実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)安息香酸ナトリウム(防カビ剤)をイオン交換水に溶解し10質量%液を得る。この溶解液400質量部を高吸水性ポリマー微粒子[アクアキープ10SH−P(住友精化社製)]100質量部に吸収させた。この高吸水性ポリマーをプロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート[SR−492(サートマー社製)]935質量部に光重合開始剤2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン−1−オン[商品名:イルガキュア907(チバ・スペッシャリテイケミカルズ社製)]65質量部を溶解させた液中に均一に分散させ本発明の防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物を調製した。この防菌・防カビ剤組成物をロータリースクリーン印刷機を使用してタック紙に20g/m2 になるように印刷しUV照射することにより塗膜を硬化させた。得られたタック紙は長期にわたり防カビシートとしての機能がある付加価値のあるものであることが判った。 【0035】 【発明の効果】本発明の請求項1記載の防菌・防カビ剤を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む防菌・防カビ剤組成物は、防菌・防カビ剤の水溶液および/または水分散液を吸収した高吸水性ポリマー微粒子を油性分散媒体中に分散させたので、マイクロカプセル化の手間がかからず安価で保存性もよく、対象物に印刷などの公知の方法で容易に塗布できる上、塗膜中の高吸水性ポリマー微粒子に吸収された防菌・防カビ剤は安定に維持され徐放効果があるので防菌・防カビ剤の機能を長期にわたり安定して発揮できるとともに、防菌・防カビ剤の皮膚刺激性も低減され、取り扱い性が改善されるという顕著な効果を奏する。また、本発明の請求項1記載の防菌・防カビ剤組成物は、合成樹脂エマルション、金属加工油、塗料、でんぷん液(スラリー及び糊)などに防腐剤として、また紙パルプ抄紙系にスライムコントロール剤として、冷却水系や紙パルプ抄紙系のスライムコントロール剤として、でんぷんやカゼインなどの防腐剤として、SBRラテックス、塗料、接着剤などの製品防腐剤として、あるいは金属加工油使用系の防腐剤などとして、幅広い分野に極めて有効に使用することもできる。 【0036】本発明の請求項2記載の防菌・防カビ剤組成物は、請求項1記載の防菌・防カビ剤組成物において、高吸水性ポリマー微粒子が球状微粒子であるので、請求項1記載の防菌・防カビ剤組成物と同じ効果を奏するとともに、吸水しても相互に非粘着で、取り扱い性に優れるとともに、塗膜面の平滑性などに優れるというさらなる顕著な効果を奏する。 【0037】本発明の請求項3記載の製法により、本発明の防菌・防カビ剤組成物を容易に製造できるという顕著な効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110217 【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台1丁目6番地
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| 【出願日】 |
平成13年8月29日(2001.8.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062225 【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−63904(P2003−63904A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月5日(2003.3.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−259990(P2001−259990) |
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