| 【発明の名称】 |
殺菌・消毒剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 務
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、乳酸、次亜塩素酸とそれら酸のナトリウムまたはカリウムまたはカルシュウム塩の中から2種以上を選び出し、それぞれの濃度が0.001モルから1.5モルの範囲になるような水溶液において次亜塩素酸もしくはその塩を1つの成分とし他の酸または塩の1種以上をその他の成分として含む多成分系水溶液であることを特徴とする殺菌・消毒剤組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、殺菌・消臭剤組成物に関するものであり、その適用分野は食品加工、外食、医療、水産、農業、畜産、環境の各分野を含むものである。 【0002】 【従来の技術】本発明に関係のある塩素系殺菌・消臭剤に関する従来の技術について概観すると、食品加工、外食、医療、水産、農業、畜産、環境の各分野で、最も頻繁に使用されている殺菌剤は次亜塩素酸ナトリウムであるといえる。このものは安価であり、厚生省が食品の殺菌剤として認めているものである。従って、その殺菌・消臭機作についても詳しく研究されている。次亜塩素酸ナトリウム水溶液においては、有効遊離塩素による酸化力で殺菌や消臭が行われるため、汚染の度合いに応じてその濃度を調節するのが普通である。また、その殺菌・消臭効果を上げるために系の水素イオン濃度を調節することが有効であるということが、基礎的な実験デ−タよリ明らかにされているため、塩酸を用いて水素イオン濃度を調節する系の開発が注目を集めているが、目的とする水素イオン濃度を、いかに安く、安全に作りだし、保持するかが最大の問題となっている。他の塩素系の殺菌・消毒剤系では、強酸性水や二酸化塩素系が市場に出ているが、食品分野での使用が制限されており、また、コスト面でも次亜塩素酸ナトリウム系に及ばない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】その使用許可の範囲は勿論、コストの面からも、市場が最も多く受け入れている次亜塩素酸ナトリウム系の殺菌・消臭剤を、より安全、より安価に作りだし、より効果的に使用する技術を確立すること、それが本発明が解決しようとする課題である。 【0004】 【課題を解決するための手段】次亜塩素酸ナトリウム系の殺菌・消臭効果を最大限に引き出し、利用するためには、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の水素イオン濃度を若干酸性側に保つと良いことが知られている。次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、本来、アルカリ性であるから、その酸性化には、普通、塩酸や硫酸が使用される。しかし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と上記の酸とを混合する場合に、部分的にしろ、水素イオン濃度がpH表示で4.2以下になると、系から刺激性で毒性の高い塩素ガスが発生するという危険性がある。それを回避するためには、系の水素イオン濃度を均一にする撹拌装置と連動した水素イオン濃度測定器を備えた混合システムが必要となるだろう。そしてこのシステムは、当然のことながら、安全を確保するための高価な投資になるだろう。そして、これこそが本発明者が解決するための課題としているところである。 【0005】本発明者が前記の課題を解決するために発明した手段について詳しく述べる。それは、燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、乳酸とそれらのナトリウムまたはカリウムまたはカルシュム塩の中から1種類以上を選びだし、それぞれの濃度が0.001モルから1.5モルの範囲になるような水溶液を作り、その中に、次亜塩素酸またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩もしくはカルシュウム塩を0.001モルから1.5モルの濃度範囲で共存させる方法である。更に、詳しく述べると、最初に、燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、乳酸とそれらの塩から選ばれたものを用いて所定濃度の水溶液を作る。その水溶液に次亜塩素酸またはその塩を所定量加え、目的とする次亜塩素酸系の殺菌・消臭剤組成物を作るのである。 【0006】燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、乳酸とそれらの塩から選ばれたものを用いて所定濃度の水溶液を作る場合には、出来た水溶液の水素イオン濃度がpH表示で4.5から6.5の範囲に入るように、燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、乳酸とそれらの塩の中から適当なものを選びだし、その濃度を決定しなければならない。その水溶液に、次亜塩素酸またはその塩を加えると、安全かつ効果的な次亜塩素酸系の殺菌・消毒剤組成物が出来る。 【0007】 【作用】次に、本発明の作用について説明する。燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、乳酸とそれらの塩から選ばれたものを用いて、pHが4.5から6.5の範囲に入る水溶液を作り、それに所定量の次亜塩素酸またはその塩を加える場合には、次亜塩素酸系化合物から、刺激性でかつ毒性の高い塩素ガスが生成することが無い。これは前述のように、次亜塩素酸系化合物から塩素ガスが生成するpH範囲、即ちpHが4.2以下にはなっていないからである。本発明による殺菌・消臭剤組成物の安全性の作用は以上のようになっている。 【0008】次に、次亜塩素酸系化合物が最も有効にその働きを示すのも、系の水素イオン濃度に依存することが、その基礎的な研究から明らかになっている。即ち、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の場合には、系の水素イオン濃度がpH表示で、4.5から6.5の範囲内で最も殺菌・消臭力が大きくなるのである。本発明になる次亜塩素酸系化合物を含んだ水溶液では、系内の化合物の陽イオンと陰イオン濃度の関係で、系の水素イオン濃度が望ましい範囲に保たれる。これが、次亜塩素酸系化合物がその殺菌・消臭力を最大限に発揮できる作用である。勿論、食品関係の殺菌・消臭には、上記の化合物の中から食品添加物として認められているもののみを使用することになる。 【0009】 【実施例】次に、実施例でもって本発明を説明する。 実施例1.燐酸二水素カリウムの結晶6.8gを蒸留水(pH6.8)970ml中に溶解した。この水溶液のpHは4.7であった。この燐酸二水素カリウムの水溶液を3組作り、それぞれに次亜塩素酸ナトリウム10%水溶液を20ml、5ml、1ml加えた後蒸留水を加え、全量を1000mlとした。これらの水溶液のpHを測定した。次亜塩素酸ナトリウム10%液を20ml加えたもののpHは6.3、5ml加えたもののpHは5.8、1ml加えたものではpHが5.4だった。何れも塩素ガスを生成するpH範囲には入らない、安全な領域で次亜塩素酸ナトリウム系の殺菌・消臭剤水溶液が出来ることが明らかとなった。 【0010】実施例2.クエン酸分子中の3個のカルボキシル基の水素の2個をナトリウムで置き換えた、クエン酸2ナトリウム塩の16.9gを、蒸留水(pH6.8)950mlに溶かした。この水溶液のpHは、4.9であった。この水溶液に、次亜塩素酸ナトリウムの10%水溶液を1ml加え、更に、蒸留水を加えて全量を1000mlとした。この次亜塩素酸ナトリウムとクエン酸2ナトリウムを含んだ水溶液(A液とする)のpHは5.0であった。一方、蒸留水998mlに次亜塩素酸ナトリウムの10%水溶液を2ml加えた液(B液とする)を作った。B液のpHを測定したところ8.5であった。A液とB液を用いて、殺菌剤に対して抵抗性を持つ、枯草菌(芽胞)に対する殺菌効果を測定した。試験方法は枯草菌(芽胞)の懸濁液をつくり、その液の含有菌数を通常のシャ−レを用いた培養法で測定し、その菌懸濁液の所定量を、100mlのA液およびB液および蒸留水に加え、20℃で10分間静かに撹拌した後、通常のシャ−レを用いた培養法で残存生菌数を測定し結果を表1に示した。表1は本発明による次亜塩素酸ナトリウム水溶液(A液)の殺菌力が、従来のもの(B液)より高い事を示す。 【0011】 【表1】
【0012】 【発明の効果】実施例で示したように、本発明による次亜塩素酸系化合物を含む、多成分系水溶液は、従来の使用法での次亜塩素酸系化合物の殺菌・消臭力を上回ることが明らかである。また、次亜塩素酸系化合物を含む、多成分系水溶液の作製には、塩素ガスの発生が起こらず、安全であることが明らかになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593143485 【氏名又は名称】株式会社生物環境システム工学研究所
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| 【出願日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−34605(P2003−34605A) |
| 【公開日】 |
平成15年2月7日(2003.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2001−218977(P2001−218977) |
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