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【発明の名称】 工業用殺菌組成物
【発明者】 【氏名】窪田 尚生
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85号 武田薬品工業株式会社生活環境カンパニー内

【氏名】杉山 孝之
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85号 武田薬品工業株式会社生活環境カンパニー内

【要約】 【課題】細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を発現することのできる、工業用殺菌組成物を提供すること。

【解決手段】工業用殺菌組成物として、スルファミン酸および/またはその塩と、必要により、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを配合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スルファミン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする、工業用殺菌組成物。
【請求項2】 さらに、一般式(1)
【化1】

(式中、Y1は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1およびX2は、同一または相異なって、炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)、または一般式(2)
【化2】

(式中、Y2は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)で表わされるイソチアゾリン系化合物、一般式(3)
【化3】

(式中、X3はヒドロキシル基を有する炭化水素基またはハロゲン原子を、Y3は炭化水素基または水素原子を、Y4はヒドロキシル基を有する炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされるニトロアルコール系化合物、一般式(4)
【化4】

(式中、X4およびX5は、同一または相異なって、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされるジチオール系化合物、一般式(5)
【化5】

(式中、Y5、Y6、Y7およびY8は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされるチオフェン系化合物、および、一般式(6)
【化6】

(式中、X6はハロゲン原子を、X7はハロゲン原子または水素原子を、Y9は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)で表わされるハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の工業用殺菌組成物。
【請求項3】 一般式(1)および一般式(2)で表わされるイソチアゾリン系化合物の式中、Y1およびY2が炭素数1〜8のアルキル基または水素原子であり、X1およびX2がともに水素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子またはともに塩素原子であることを特徴とする、請求項2に記載の工業用殺菌組成物。
【請求項4】 一般式(3)で表わされるニトロアルコール系化合物の式中、X3はヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または塩素原子であり、Y3は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、Y4はヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または水素原子であることを特徴とする、請求項2または3に記載の工業用殺菌組成物。
【請求項5】 一般式(4)で表わされるジチオール系化合物の式中、X4およびX5がともに塩素原子または臭素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子または臭素原子であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【請求項6】 一般式(5)で表わされるチオフェン系化合物の式中、Y5、Y6、Y7およびY8が、すべて塩素原子であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【請求項7】 一般式(6)で表わされるハロシアノアセトアミド系化合物の式中、X6およびX7が塩素原子または臭素原子であり、Y9が炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【請求項8】 さらに、水および/またはグリコール系溶剤を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用殺菌組成物、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として好適に用いられる工業用殺菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような微生物の繁殖を防除するために、工業用殺菌剤が広く用いられている。
【0003】このような工業用殺菌剤としては、従来より、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、ハロシアノアセトアミド系化合物などの各種の化合物が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような各種の工業用殺菌剤を単独で使用しても、その殺菌効果が十分でない場合も多く、とりわけ、これらの工業用殺菌剤に対する耐性菌なども現れ、十分な殺菌効果を発現し得る新規な工業用殺菌剤の開発が望まれている。
【0005】そこで、本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を発現することのできる、工業用殺菌組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、(1)スルファミン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする、工業用殺菌組成物、(2)さらに、一般式(1)
【0007】
【化7】

(式中、Y1は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1およびX2は、同一または相異なって、炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)、または一般式(2)
【0008】
【化8】

(式中、Y2は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)で表わされるイソチアゾリン系化合物、一般式(3)
【0009】
【化9】

(式中、X3はヒドロキシル基を有する炭化水素基またはハロゲン原子を、Y3は炭化水素基または水素原子を、Y4はヒドロキシル基を有する炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされるニトロアルコール系化合物、一般式(4)
【0010】
【化10】

(式中、X4およびX5は、同一または相異なって、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされるジチオール系化合物、一般式(5)
【0011】
【化11】

(式中、Y5、Y6、Y7およびY8は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされるチオフェン系化合物、および、一般式(6)
【0012】
【化12】

(式中、X6はハロゲン原子を、X7はハロゲン原子または水素原子を、Y9は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)で表わされるハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、前記(1)に記載の工業用殺菌組成物、(3)一般式(1)および一般式(2)で表わされるイソチアゾリン系化合物の式中、Y1およびY2が炭素数1〜8のアルキル基または水素原子であり、X1およびX2がともに水素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子またはともに塩素原子であることを特徴とする、前記(2)に記載の工業用殺菌組成物、(4)一般式(3)で表わされるニトロアルコール系化合物の式中、X3はヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または塩素原子であり、Y3は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、Y4はヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または水素原子であることを特徴とする、前記(2)または前記(3)に記載の工業用殺菌組成物、(5)一般式(4)で表わされるジチオール系化合物の式中、X4およびX5がともに塩素原子または臭素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子または臭素原子であることを特徴とする、前記(2)〜前記(4)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物、(6)一般式(5)で表わされるチオフェン系化合物の式中、Y5、Y6、Y7およびY8が、すべて塩素原子であることを特徴とする、前記(2)〜前記(5)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物、(7)一般式(6)で表わされるハロシアノアセトアミド系化合物の式中、X6およびX7が塩素原子または臭素原子であり、Y9が炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であることを特徴とする、前記(2)〜前記(6)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物、(8)さらに、水および/またはグリコール系溶剤を含有することを特徴とする、前記(1)〜前記(7)のいずれかに記載の工業用殺菌組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の工業用殺菌組成物は、有効成分として、スルファミン酸および/またはその塩を含有している。
【0014】本発明に用いられるスルファミン酸は、アミドスルホン酸(HN−SOH)であって、また、スルファミン酸の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、例えば、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、例えば、ニッケル、銅、コバルトなどの遷移金属、例えば、アンモニウム、例えば、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、グアニジンなどの脂肪族アミン、例えば、エタノールアミンなどのアミノアルコール、例えば、アニリン、フェニレンジアミンなどの芳香族アミン、例えば、ピペラジン、ピペリジン、ピリジン、ピロリジン、モルホリン、メチルピリジンなどの複素環アミンなどが挙げられる。これら塩のうち、好ましくは、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、ニッケル、銅、コバルトなどの遷移金属、アンモニウム、あるいは、グアニジンなどの脂肪族アミンが挙げられる。
【0015】そして、本発明の工業用殺菌組成物では、遊離のスルファミン酸をそのまま配合してもよく、または、スルファミン酸塩として配合してもよく、さらには、遊離のスルファミン酸およびスルファミン酸塩の両者を配合してもよい。これらうちでは、スルファミン酸塩として配合することが好ましい。
【0016】また、スルファミン酸および/またはその塩の配合割合は、例えば、工業用殺菌組成物100重量部に対して、0.1〜99重量部、好ましくは、1〜50重量部である。
【0017】また、本発明の工業用殺菌組成物では、スルファミン酸および/またはその塩を必須の有効成分として、さらに、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分として含有していることが好ましい。
【0018】これらの化合物の少なくとも1種を含有させることで、防除効果を発現させることができる。
【0019】本発明に用いられるイソチアゾリン系化合物は、一般式(1)
【0020】
【化13】

(式中、Y1は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1およびX2は、同一または相異なって、炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)、または一般式(2)
【0021】
【化14】

(式中、Y2は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)で表わされる。
【0022】一般式(1)および一般式(2)の式中、Y1およびY2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基などが挙げられる。
【0023】アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
【0024】アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニルなどの炭素数2〜4のアルケニル基が挙げられる。
【0025】アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどの炭素数2〜5のアルキニル基が挙げられる。
【0026】シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
【0027】アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
【0028】Y1およびY2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0029】上記した、Y1およびY2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数が1〜8のアルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびオクチルなどの炭素数8のアルキル基が挙げられる。さらに好ましくは、メチル、n−ブチル、n−オクチルが挙げられる。
【0030】また、Y1およびY2の好ましい例としては、炭素数が1〜8のアルキル基および水素原子が挙げられる。
【0031】一般式(1)で表わされるイソチアゾリン系化合物において、X1およびX2で示される炭化水素基としては、Y1およびY2で示される炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0032】また、X1およびX2は、2価の炭化水素基で環形成されていてもよく、このような2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンなどの炭素数1〜4の2価の炭化水素基が挙げられる。好ましくは、トリメチレンが挙げられる。
【0033】また、X1およびX2で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素が挙げられる。
【0034】X1およびX2の好ましい例としては、例えば、ハロゲン原子、水素原子が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、X1およびX2がともに水素原子、X1およびX2のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がハロゲン原子、X1およびX2がともにハロゲン原子である態様が挙げられる。また、トリメチレンで環形成されているものも、好ましい態様の1つである。
【0035】一般式(3)で表わされるイソチアゾリン系化合物において、A環で示されるベンゼン環の置換基としては、Y2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものを挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基など)が挙げられる。これらの置換基は、同一または相異なって1〜4個、好ましくは、1または2個置換していてもよい。A環で示される置換基を有していてもよいベンゼン環の好ましい態様としては、置換基を有していないベンゼン環が挙げられる。
【0036】このようなイソチアゾリン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンが挙げられる。これらイソチアゾリン系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0037】本発明に用いられるニトロアルコール系化合物は、一般式(3)
【0038】
【化15】

(式中、X3はヒドロキシル基を有する炭化水素基またはハロゲン原子を、Y3は炭化水素基または水素原子を、Y4はヒドロキシル基を有する炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされる。
【0039】一般式(3)の式中、X3で示されるヒドロキシル基を有する炭化水素基の炭化水素基としては、上記したY1およびY2で示される炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。また、ヒドロキシル基は、例えば、炭化水素基に、1〜3個置換していることが好ましく、その中でも、1個置換していることが好ましい。
【0040】このようなヒドロキシル基を有する炭化水素基としては、好ましくは、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシメチルが挙げられる。
【0041】また、X3で示されるハロゲン原子としては、上記したX1およびX2で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、臭素および塩素が挙げられる。
【0042】一般式(3)の式中、Y3で示される炭化水素基としては、上記したY1およびY2で示される炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0043】一般式(3)の式中、Y4で示されるヒドロキシル基を有する炭化水素基としては、X3で示されるヒドロキシル基を有する炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどが挙げられ、より好ましくは、ヒドロキシメチルが挙げられる。また、Y4で示されるハロゲン原子としては、上記したX3で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、臭素および塩素が挙げられる。
【0044】一般式(3)の好ましい態様としては、X3が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または塩素原子であり、Y3が、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、Y4が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または水素原子である態様が挙げられ、X3が、ヒドロキシメチル、臭素原子または塩素原子であり、Y3が、メチルまたは水素原子であり、Y4が、ヒドロキシエチル、ヒドロキシメチル、臭素原子または水素原子である態様が、さらに好ましい。
【0045】このようなニトロアルコール系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロブタン−1,3−ジオール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン−2,4−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール、2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、3,3−ジブロモ−3−ニトロ−2−プロパノール、2−クロロ−2−ニトロエタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、3−クロロ−3−ニトロ−2−プロパノールなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールが挙げられる。これらニトロアルコール系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0046】本発明に用いられるジチオール系化合物は、一般式(4)
【0047】
【化16】

(式中、X4およびX5は、同一または相異なって、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされる。
【0048】一般式(4)の式中、X4およびX5で示されるハロゲン原子としては、上記したX1およびX2で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、臭素および塩素が挙げられる。
【0049】一般式(4)の好ましい態様としては、例えば、X4およびX5がともに臭素原子、X4およびX5がともに塩素原子、X4およびX5のうち、いずれか一方が臭素原子で他方が塩素原子、X4およびX5のうち、いずれか一方が臭素原子で他方が水素原子、X4およびX5のうち、いずれか一方が塩素原子で他方が水素原子である態様が挙げられる。
【0050】このようなジチオール系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、4,5−ジブロモ−1,2−ジチオール−3−オン、4−クロロ−1,2−ジチオール−3−オン、4−ブロモ−1,2−ジチオール−3−オンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンが挙げられる。これらジチオール系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0051】本発明に用いられるチオフェン系化合物は、一般式(5)
【0052】
【化17】

(式中、Y5、Y6、Y7およびY8は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を示す。)で表わされる。
【0053】一般式(5)の式中、Y5、Y6、Y7およびY8で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したY1およびY2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0054】また、Y5、Y6、Y7およびY8で示されるハロゲン原子としては、上記したX1およびX2で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、塩素が挙げられる。
【0055】一般式(5)の好ましい態様としては、Y5、Y6、Y7およびY8のすべてがハロゲン原子、Y5、Y6、Y7がハロゲン原子でY8が水素原子、Y5およびY8がハロゲン原子でY6およびY7が水素原子である態様が挙げられる。このうち、Y5、Y6、Y7およびY8のすべてがハロゲン原子、とりわけ、Y5、Y6、Y7およびY8のすべてが塩素原子である態様が好ましい。
【0056】このようなチオフェン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4,4−テトラブロモテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,4−ジクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4−トリブロモテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドが挙げられる。これらチオフェン系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0057】本発明に用いられるハロシアノアセトアミド系化合物は、一般式(6)
【0058】
【化18】

(式中、X6はハロゲン原子を、X7はハロゲン原子または水素原子を、Y9は置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)で表わされる。
【0059】一般式(6)の式中、X6およびX7で示されるハロゲン原子としては、上記したX1およびX2で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、臭素および塩素が挙げられる。
【0060】Y9で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したY1およびY2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0061】一般式(6)の好ましい態様としては、X6およびX7が塩素原子または臭素原子であり、Y9が炭素数1〜4のアルキル基または水素原子である態様が挙げられる。より好ましくは、X6およびX7がともに臭素原子であり、Y9が水素原子である態様が挙げられる。
【0062】このようなハロシアノアセトアミド系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、2−クロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドなどの2−ハロ−3−ニトリロプロピオンアミド、例えば、2,2−ジクロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−クロロ−2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドなどの2,2−ジハロ−3−ニトリロプロピオンアミド、例えば、N−メチル−2−クロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、N−メチル−2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドなどのN−C1−3アルキル−2−ハロ−3−ニトリロプロピオンアミド、例えば、N−メチル−2,2−ジクロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、N−メチル−2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドなどのN−C1−3アルキル−2,2−ジハロ−3−ニトリロプロピオンアミドなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2,2−ジクロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N−メチル−2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドが挙げられる。さらに好ましくは、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドが挙げられる。これらハロシアノアセトアミド系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0063】また、このようなハロシアノアセトアミド系化合物は、塩として用いてもよく、そのような塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩、例えば、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。
【0064】このような、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物を配合する割合は、その合計量として、例えば、スルファミン酸および/またはその塩100重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは、5〜200重量部である。
【0065】また、スルファミン酸および/またはその塩と、必要により、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを配合するには、例えば、物理的に混合するなど、公知の配合方法を用いればよい。
【0066】このようにして得られる本発明の工業用殺菌組成物は、細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を発現するため、これらの防除剤として好適に用いられる。
【0067】なお、本発明の工業用殺菌組成物は、予めスルファミン酸および/またはその塩と、必要により、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを配合して製剤化したものを適用対象物に添加してもよく、また、スルファミン酸および/またはその塩と、必要により、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、適用対象物に、それぞれ個別に添加して、適用対象物中において作用させてもよい。
【0068】本発明の工業用殺菌組成物を、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として用いる場合には、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の剤型に製剤化して用いることができる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製してもよい。
【0069】これらのうち、例えば、液剤として製剤化するには、スルファミン酸および/またはその塩と、必要により、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを上記した割合で、適宜溶剤に溶解または分散すればよい。より具体的には、例えば、溶剤60〜98重量%に対して、スルファミン酸および/またはその塩が1〜20重量%、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物およびハロシアノアセトアミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、合計量として、1〜20重量%となる割合で配合し、溶解または分散させればよい。
【0070】このときに用いられる溶剤としては、これらの化合物を溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されない。
【0071】このような溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネートなどのケトン系溶剤、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどのエステル系溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、エチルビフェニル、ジエチルビフェニル、ソルベントナフサなどの芳香族系溶剤、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。
【0072】また、工業的に使用されている脂肪族系石油溶剤や芳香族系石油溶剤を用いてもよい。脂肪族系石油溶剤としては、例えば、ミネラルスピリットなどが挙げられる。また、芳香族系石油溶剤としては、市販品として、例えば、MSP(蒸留範囲(℃)90〜120、比重(15/4℃)0.820以上、混合アニリン点(℃)26以下、芳香族含量(容量%)70以上)、スーパーゾール100(蒸留範囲(℃)95〜111、比重(15/4℃)0.825、混合アニリン点(℃)26.0、芳香族含量(容量%)75以上)、ペガゾールARO−80(蒸留範囲(℃)104〜123、比重(15/4℃)0.832、混合アニリン点(℃)26、芳香族含量(容量%)75.9)、スワゾール100(蒸留範囲(℃)106〜116、比重(15/4℃)0.835、混合アニリン点(℃)24.6、芳香族含量(容量%)76.4)、スワゾール200(蒸留範囲(℃)132〜144、比重(15/4℃)0.844、混合アニリン点(℃)23.8、芳香族含量(容量%)80.9)、MHS(蒸留範囲(℃)140〜170、比重(15/4℃)0.86〜0.88、混合アニリン点(℃)11〜12、芳香族含量(容量%)98以上)、ハイアロム2S(蒸留範囲(℃)152〜187、比重(15/4℃)0.816、混合アニリン点(℃)47以下、芳香族含量(容量%)45〜55)、スワゾール310(蒸留範囲(℃)153〜177、比重(15/4℃)0.817、混合アニリン点(℃)43.6、芳香族含量(容量%)51.0)、スーパーゾール150(蒸留範囲(℃)153〜197、比重(15/4℃)0.815、混合アニリン点(℃)21.5、芳香族含量(容量%)50以上)、昭石ハイゾール(蒸留範囲(℃)153〜198、比重(15.6/15.6℃)0.818、芳香族含量(容量%)55)、HAWS(蒸留範囲(℃)154〜190、比重(15/4℃)0.822、芳香族含量(容量%)50)、スーパーゾール1500(蒸留範囲(℃)155〜171、比重(15/4℃)0.869、混合アニリン点(℃)14.6、芳香族含量(容量%)98以上)、日石ハイゾール100(蒸留範囲(℃)155〜180、比重(15/4℃)0.870〜0.880、混合アニリン点(℃)15以下、芳香族含量(容量%)99.0以上)、ベガゾールR−100(蒸留範囲(℃)156〜174、比重(15/4℃)0.874、混合アニリン点(℃)14、芳香族含量(容量%)96.4)、ソルベッソ100(蒸留範囲(℃)158〜177、比重(15/4℃)0.870、混合アニリン点(℃)14、芳香族含量(容量%)98.0)、MSS(蒸留範囲(℃)158〜180、比重(15.6/15.6℃)0.86〜0.89、混合アニリン点(℃)13〜14、芳香族含量(容量%)98以上)、SHELLSOL A(蒸留範囲(℃)160〜182、比重(15/4℃)0.873、芳香族含量(容量%)98)、スワゾール1000(蒸留範囲(℃)162〜176、比重(15/4℃)0.878、混合アニリン点(℃)12.7、芳香族含量(容量%)99.7)、出光イプゾール100(蒸留範囲(℃)162〜179、比重(15/4℃)0.875、混合アニリン点(℃)13.5、芳香族含量(容量%)99.5以上)、昭石特ハイゾール(蒸留範囲(℃)162〜180、比重(15/4℃)0.881、混合アニリン点(℃)12.6、芳香族含量(容量%)99.99)、スワゾール1500(蒸留範囲(℃)180〜207比重(15/4℃)0.886、混合アニリン点(℃)16.5、芳香族含量(容量%)98.8)、日石ハイゾール150(蒸留範囲(℃)182〜216、比重(15/4℃)0.887〜0.904、混合アニリン点(℃)17以下、芳香族含量(容量%)99.0以上)、スーパーゾール1800(蒸留範囲(℃)183〜208、比重(15/4℃)0.889、混合アリニン点(℃)15.7、芳香族含量(容量%)99以上)、ソルベッソ150(蒸留範囲(℃)185〜211、比重(15/4℃)0.896、混合アニリン点(℃)18.3、芳香族含量(容量%)97.3)、出光イプゾール150(蒸留範囲(℃)186〜205、比重(15.6/15.6℃)0.895、混合アニリン点(℃)15.2、芳香族含量(容量%)99.5以上)、SHELLSOL AB(蒸留範囲(℃)187〜213、比重(15/4℃)0.894、芳香族含量(容量%)99.5)、ペガゾールR−150(蒸留範囲(℃)191〜212、比重(15/4℃)0.890、混合アニリン点(℃)18、芳香族含量(容量%)97.2)、スワゾール1800(蒸留範囲(℃)197〜237、比重(15/4℃)0.940、混合アニリン点(℃)14.0、芳香族含量(容量%)99.6)が挙げられる。
【0073】これらのうち、好ましくは、水および/またはグリコール系溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独または2種以上併用してもよい。
【0074】さらに、本発明の工業用殺菌組成物は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、他の防藻剤および/または防かび剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
【0075】他の防藻剤および/または防かび剤としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよびp−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよびN−(フルオロジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェニル−スルファミドなどのハロアルキルチオ系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、ジンクピリチオンおよびナトリウムピリチオンなどのピリチオン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系化合物、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン 4−オキシドなどのオキサチアジン系化合物などが挙げられる。
【0076】これらの他の防藻剤および/または防かび剤は、単独または2種以上併用してもよい。また、これらの配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定される。
【0077】また、界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0078】ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合物などが挙げられる。
【0079】アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられる。また、これらの金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0080】また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0081】これら、界面活性剤および酸化防止剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
【0082】また、光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
【0083】このような光安定剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜10重量部添加される。
【0084】このようにして得られる本発明の工業用殺菌組成物は、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤として優れた効果を発現することができる。
【0085】そのため、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品などの有害微生物の防除の用途において有効に用いることができる。
【0086】より具体的には、例えば、製紙パルプ工場や冷却水循環工程のスライムコントロール剤、金属加工油剤、カゼイン、澱粉塗工液、樹脂製品の防腐剤、塗料、樹脂、インキ、シリコーンシーリング剤などの工業用殺菌剤などとして好適に用いられる。
【0087】なお、本発明の工業用殺菌組成物は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、1〜5000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、5〜2000mg(有効成分)/kg(製品)の濃度として用いることが好ましい。
【0088】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0089】(1) 工業用殺菌組成物の調製実施例190gの水に、10gのスルファミン酸アンモニウムを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0090】実施例290gの水に、10gのスルファミン酸ナトリウムを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0091】実施例390gの水に、10gのスルファミン酸グアニジンを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0092】実施例490gの水に、10gのスルファミン酸を加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0093】実施例575gの水に、10gのスルファミン酸アンモニウムと、15gのケーソンLX SF25(ローム・アンド・ハース社製:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(Cl−MIT)20重量%と、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)6重量%との混合物)とを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0094】実施例682gの水に、10gのスルファミン酸アンモニウムと、8gのゾーネンML(ケミクレア社製:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)50重量%)とを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0095】実施例780gの水に、10gのスルファミン酸アンモニウムと、10gの2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(BNPD)(ナガセケムスペック社製:98重量%)とを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0096】実施例830gのジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)および50gの水に、10gのスルファミン酸アンモニウムと、10gの2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール(DBNE)(ケイ・アイ化成社製:98重量%)とを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0097】実施例930gのジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)および53.75gの水に、10gのスルファミン酸アンモニウムと、6.25gのプロクセルプレスペーストP6(アビシア製:1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン(BIT)80重量%)とを加え、室温で撹拌して、100gの工業用殺菌組成物を得た。
【0098】(2) 抗菌試験実施例1〜4について、グルコース寒天培地を用いた倍数希釈法で、33℃、24時間培養後に、各試験菌の生育の有無を肉眼観察し、最小発育阻止濃度(MIC、μg/mL)を求めた。その結果を表1に示す。なお、希釈には滅菌水を用い、また、試験菌として、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis:IFO 3513)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus:IFO 3061)、エシュリヒア・コリー(Escherichia coli:IFO 3044)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa:IFO 3080)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens:IFO 3735)を用いた。
【0099】
【表1】

(3) 防腐試験(墨液)
墨液(呉竹精昇堂製)に、実施例1〜4の工業用殺菌組成物を、それぞれ5g/kgとなる濃度で添加し、さらに、10cfu/mLになるように、(2)抗菌試験で用いた5種の菌で調製した腐敗種を加え、33℃で4週間静置させた後、再び、10cfu/mLになるように腐敗種を加え、33℃で4週間静置した後、BA培地にて菌数を測定した。その結果を表2に示す。なお、表2には、各実施例の工業用殺菌組成物が添加されていない無添加の墨液についての結果も比較例として併せて示す。
【0100】
【表2】

表2から明らかなように、実施例1〜4の工業用殺菌組成物が添加された墨液は、無添加の墨液に比べて、優れた防腐効果を発現していることがわかる。
【0101】(4) 防腐試験(樹脂および塗料)
1)アクリル・スチレン系エマルション(商品名:ウルトラゾールC−62、ガンツ化成(株)社製、防腐剤無添加品)と、そのアクリル・スチレン系エマルションを含む表3に示す組成の塗料とに、実施例1、5〜9の工業用殺菌組成物を、それぞれ2000mg/kgとなる濃度で添加した。
【0102】2)さらに、10cfu/mLになるように、(2)抗菌試験で用いた5種の菌で調製した腐敗種を加え、33℃で4週間静置させた後、再び、10cfu/mLになるように腐敗種を加え、33℃で4週間静置した後、BA培地にて菌数を測定した。その結果を表4に示す。なお、表4には、各実施例の工業用殺菌組成物が添加されていない無添加のアクリル・スチレン系エマルションおよび塗料についての結果も比較例として併せて示す。
【0103】
【表3】

(ミルベース)
分散剤:ポリカルボン酸ナトリウム塩(商品名:オロタン850、ローム・アンド・ハース社製)
湿潤剤:アルキルエーテルサルフェート(商品名:トライトンCF−10、ユニオン・カーバイド社製)
消泡剤:鉱物油とポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤の混合物(商品名:ノプコ8043−L、サンノプコ(株)社製)
チタン白:ルチル型酸化チタン(商品名:TITANIX JR−900、テイカ(株)社製)
(レットダウン)
エマルション:アクリル・スチレン系エマルション(商品名:ウルトラゾールC−62、ガンツ化成(株)社製、防腐剤無添加品)
造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(商品名:CS−12、チッソ(株)社製)
消泡剤:鉱物油とポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤の混合物(商品面:ノプコ8034−L、サンノプコ社製)
増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース(商品名:SP−600、ダイセル(株)社製)の2重量%水溶液【0104】
【表4】

表4から明らかなように、実施例1、5〜9の工業用殺菌組成物が添加されたアクリル・スチレン系エマルションおよび塗料は、無添加のアクリル・スチレン系エマルションおよび塗料に比べて、優れた防腐効果を発現していることがわかる。
【0105】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の工業用殺菌組成物は、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤として優れた効果を発現することができる。そのため、例えば、製紙パルプ工場や冷却水循環工程のスライムコントロール剤、金属加工油剤、カゼイン、澱粉塗工液、樹脂製品の防腐剤、塗料、樹脂、インキ、シリコーンシーリング剤などの工業用殺菌剤などとして好適に用いることができる。
【出願人】 【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号
【出願日】 平成13年7月11日(2001.7.11)
【代理人】 【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
【公開番号】 特開2003−26524(P2003−26524A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−210310(P2001−210310)