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【発明の名称】 ポリアミドフィルム
【発明者】 【氏名】桂 昌義
【住所又は居所】茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱化学株式会社内

【氏名】長谷川 雅士
【住所又は居所】茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱化学株式会社内

【要約】 【課題】包装材として好適な抗菌性フィルムを提供する。

【解決手段】無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂からなる層に、該ポリアミド樹脂よりも耐屈曲性に優れた重合体を含むことを特徴とするポリアミドフィルム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材層の少なくとも片面に無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂からなる層を有し、且つ、該ポリアミド樹脂層に該ポリアミド樹脂よりも耐屈曲性に優れた重合体を含むことを特徴とする積層ポリアミドフィルム【請求項2】 無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂からなる層に、該ポリアミド樹脂よりも耐屈曲性に優れた重合体を含むことを特徴とするポリアミドフィルム【請求項3】 耐屈曲性に優れた重合体がポリオレフィンである請求項1又は2のポリアミドフィルム【請求項4】 耐屈曲性に優れた重合体がアイオノマーである請求項1又は2のポリアミドフィルム【請求項5】 耐屈曲性に優れた重合体がエチレン−アクリルエステル共重合体エラストマーまたはエチレン−メタアクリルエステル共重合体エラストマーである請求項1又は2のポリアミドフィルム【請求項6】 耐屈曲性に優れた重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1又は2のポリアミドフィルム【請求項7】 耐屈曲性に優れた重合体が、ポリアミドエラストマーである請求項1又は2のポリアミドフィルム【請求項8】 耐屈曲性に優れた重合体を0.1〜5重量%含む請求項1ないし7いずれかのポリアミドフィルム【請求項9】 無機系抗菌剤が銀イオンを含有する溶解性ガラス粒子である請求項1ないし8いずれかのポリアミドフィルム【請求項10】 請求項1のポリアミドフィルムにシーラント層を設けてなるポリアミド積層フィルムであって、該シーラント層を、無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂からなる層に対する反対側に設けてなる積層フィルム【請求項11】 請求項2のポリアミドフィルムにシーラント層を設けてなるポリアミド積層フィルム【請求項12】 請求項10又は11の積層フィルムからなる保冷材包装用フィルム
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌等により変質しやすい食品、医療品及び薬品等の包装用、あるいは、保冷剤の包装用などに適した抗菌性ポリアミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミドフイルムは、単独で又は他の種類のフイルムと積層して、種々の包装材料として利用されている。特に保冷剤用の包装としては、その耐ピンホール性、低温での柔軟性、耐落下破袋性などに優れ、重用されてきた。一方、近年抗菌性の要望が高まっており、抗菌性フィルムが注目されてきた。抗菌剤を使用したフィルムについて多数の提案がある(特開平2ー247239号公報、特開平9―57923号公報、特開2000―85069号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗菌性ポリアミドフィルムでは、銀イオンなどの抗菌剤を添加することでフィルムが不透明になったり、あるいは、フィルム強度を上げるために延伸する際に破断が起こりやすく安定生産が困難であった。また、有機系抗菌剤を用いた場合は、ポリアミド樹脂への分散性がよく、延伸時の破断も少ないが、フィルムからの抗菌剤のブリードが大きく、抗菌効果が低下しやすい。そこで、本発明の課題は、上記実状に鑑み、優れた抗菌性を有し、且つ、強靱性等のフィルム物性とを兼ね備えた抗菌性ポリアミド延伸フイルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。しかして本発明の要旨とするところは、基材層の少なくとも片面に無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂からなる層を有し、且つ、該ポリアミド樹脂層に該ポリアミド樹脂よりも耐屈曲性に優れた重合体を含むことを特徴とする積層ポリアミドフィルム、又は無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂からなる層に、該ポリアミド樹脂よりも耐屈曲性に優れた重合体を含むことを特徴とするポリアミドフィルムに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリアミド樹脂としては、εーカプロラクタム単独重合体(ナイロン−6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−66)、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD)が好ましいが、場合によっては、前記重合体に、これと共重合可能な化合物を共重合したものでも良い。共重合可能な化合物の量は20モル%程度以下のものが望ましい。カプロラクタム、ヘキサメチレンアジパミド、メタキシリレンアジパミドなどと共重合可能な化合物としては、脂肪族あるいは芳香族あるいは脂環式ジアミン類と、脂肪族あるいは芳香族あるいは脂環式ジカルボン酸類とのナイロン塩、等が挙げられる。ジアミン類としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等、ピペラジンビスプロピルアミン、ネオペンチルグリコールビスプロピルアミンのような異節環または異原子含有ジアミン等が挙げられる。ジカルボン酸類としては、アジピン酸、セバシン酸、コルク酸、グルタール酸、アゼライン酸、βーメチルアジピン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸、ピメリン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
【0006】なお、以上のポリアミド樹脂には、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の各種添加剤を、フィルムの性質に影響を与えない範囲で添加することができる。
【0007】耐屈曲性に優れた重合体とはフィルムに耐屈曲性改良剤の機能を果たすものであり、重合体自身からなる未延伸のフィルムを特定の大きさに切断したフィルムにつき、ゲルボーフレックステスターによる繰り返し屈曲テストを行った後のフィルムにつきピンホール数を測定したとき、10個/77inch2以下の重合体をいう。具体的な測定方法は、後述の実施例に示した。
【0008】耐屈曲性に優れた重合体の具体例としては、例えば、ポリオレフィン類、変性ポリオレフィン類、変性ポリオレフィン類とポリオレフィン類との混合物、ポリアミドエラストマー類、アイオノマー重合体等、またはこれらの混合物等が使用できるがこれらに限定されるものではない。ポリオレフィン類の具体例としてはエチレン、プロピレン等のオレフィン類の単独重合体、およびこれらの混合物、または共重合体およびこれらの混合物であり、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0009】変性ポリオレフィン類もポリオレフィン類に含まれる。変性ポリオレフィン類とは主骨格となるポリオレフィン類に不飽和カルボン酸類をグラフト重合したものをいう。主骨格となるポリオレフィン類の具体例としては、エチレン、プロピレン等のオレフィン類の単独重合体、およびこれらの混合物、または共重合体およびこれらの混合物であり、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン等が挙げられる。不飽和カルボン酸類の具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のカルボン酸類、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の酸無水物類、またはアクリル酸カリウム、メタアクリル酸カリウム等の酸の金属塩が挙げられる。これら不飽和カルボン酸類は1種類に限定させるものではなく、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0010】変性ポリオレフィン中に占める不飽和カルボン酸類の含有率は、通常4重量%未満で、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。4重量%を越える場合には、製造コストが高くなるばかりか、得られたフィルムの耐屈曲性向上効果が飽和するので、変性ポリオレフィン中に占める不飽和カルボン酸類の含有率は、4重量%を越えて含有させる必要はない。
【0011】アイオノマー重合体としてはオレフィンとカルボキシル部分をもったα,β−エチレン型不飽和単量体とからつくられ、該カルボキシル部分は酸同等物と考えられ、カルボン酸が原子価1〜3の金属イオンで中和されているものをいう。オレフィンの具体例としては、ポリエチレンまたはエチレンと炭素数が通常3〜8の少なくとも一種のα−オレフィンとジオレフィン、例えば1,4−ヘキサジエンとの共重合体である。カルボキシル部分をもったα,β−エチレン型不飽和単量体の具体例としては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸等である。金属イオンとしては、亜鉛イオン、ナトリウムイオン等、リチウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等である。アイオノマー重合体は、α−オレフィンとカルボキシル部分をもつオレフィン単量体とを重合させる直接合成法、またはカルボキシル部分をもつ単量体をオレフィン骨格に付加するグラフト化による方法、等により製造される。
【0012】エチレン−アクリルエステル共重合体またはエチレン−メタアクリルエステル共重合体エラストマーとしてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル等との共重合体が挙げられる。
【0013】ポリアミドエラストマーとしてはポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエステルアミド等が挙げられる。また、任意成分としてドデカンジカルボン酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸を少量用いたものであってもよい。
【0014】耐屈曲性に優れた重合体の含有量はポリアミド樹脂に対して通常0.1〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満では耐屈曲ピンホール性の改善効果が少なく、5重量%を越えると得られるフィルムの透明性が損なわれる傾向がある。
【0015】無機系抗菌剤としては、溶解性ガラス、ゼオライト、シリカ、酸化チタン、無定形アルミノケイ酸、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウム、ハイドロキシアパタイト等の無機化合物にイオン交換等により、一般的に抗菌作用があると古くから知られている銀、銅,亜鉛、水銀、鉛、錫、クロム、ビスマス、カドミウム、タリウム等のイオンを担持させたものが挙げられ、銀イオンを含有する溶解性ガラスが特に好ましい。
【0016】銀イオンを含有する溶解性ガラスとは、シリカ系ガラス、リン酸系ガラス、ホウ酸系ガラス等に銀化合物が配合されてなるものである。銀の配合量はAg2O換算で通常0.1〜5重量%程度が抗菌性効果、経済性等の観点から望ましい。溶解性ガラスとは、ガラスの組成により制御された溶解速度を有するガラスの総称であり、配合した銀化合物からの銀イオンが極微量ながら長期間に渡って溶出しうる。そして、かかる銀イオンにより抗菌性効果が得られる。
【0017】本発明では、以上の無機系抗菌剤をポリアミド樹脂に分散させる。この分散量は、所望の抗菌効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常0.01〜1重量%である。少なすぎれば抗菌効果に乏しくなり、多すぎると、フィルムを延伸する際に破断しやすく、また破断せずともフィルムの透明性が低下する恐れがある。
【0018】無機系抗菌剤は、上記ポリアミド樹脂の樹脂ペレットをそのままドライブレンドで配合してもよいが、一般的には、無機系抗菌剤の濃度の高いマスターバッチを作成し、該マスターバッチとポリアミド樹脂とを更にドライブレンドしたものを用いてフィルム成形する方法が好ましい。
【0019】また、かかる無機系抗菌剤を分散させたポリアミド樹脂は、そのまま、フィルムに成形することができるが、予め、フィルターに溶融通過させたものをフィルム成形する方法が好ましい。
【0020】抗菌性ガラス粒子を分散させたポリアミド樹脂は、ダイスに導かれ、フィルム状になり、口金から吐出され、吐出されたフィルムは、急激に冷却され、実質的に未配向のフィルムとなる。該未配向フィルムは、ロール式一軸延伸、テンター式一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の延伸方法により、通常少なくとも1方向に1.5倍以上、好ましくは2〜5倍に延伸する。特に、二軸延伸で得られたフィルムが、その強度、透明度、厚み均一性、扱い易さ等から好ましく用いられる。このように延伸することにより、フィルム強度、透明度が向上する一方で、フィルム表面の面積あたりの抗菌剤濃度が減少するにも関わらず抗菌力はほとんど減少しない。その理由は明確にはわからないが、抗菌剤がフィルム表面から頭を出しやすくなることで発現すると推定される。また、外側に配した抗菌剤含有層をコロナ処理することで、抗菌性を更に向上させることができる。通常、包装用フィルム基材の内側をコロナ放電処理する事により、印刷やラミネート時の接着剤をつきやすくさせることは公知であるが、本発明で得られるフィルムではさらに外側の抗菌材含有層を同様なコロナ放電処理することで抗菌力が高まる傾向にある。
【0021】本発明の抗菌性ポリアミドフィルムは、抗菌剤含有層を表面層に含むものであればよい。かかる意味は、本発明の抗菌性ポリアミドフィルムは、抗菌剤含有層のみの単層からなるポリアミドフィルムは勿論であるが、少なくとも表面に抗菌剤を有する層があれば、多層構成でもかまわない。むしろ、表面層1層のみ抗菌剤を含有させることで、全体にしめる抗菌材の量が減少でき、透明性、経済性の面から好ましい。層構成は、抗菌剤を含むポリアミド樹脂からなるA層、抗菌剤を含まないポリアミド樹脂からなる基材層であるB層とすると、A、A/B、A/B/A等の構成があるが、B層が2層以上であってもかまわないし、また、各層のポリアミド樹脂の種類が異なるものであってもよい。更に、ポリアミド樹脂以外のC層をこれに加えてもよい。基材層であるB層はポリアミド樹脂以外であっても良い。
【0022】本発明の抗菌性ポリアミドフィルムにおいて、抗菌剤含有層の厚みが通常2〜40μm、フィルム全体の厚みが10〜40μmであるのが好ましい。全体の厚みが、10μm未満のときは、フィルムとしての強度が十分ではなく、包装用途として満足なフイルムは得られない。また、40μmを越えるときは、フイルムが硬くなり、更にシーラント層を張り合わせる場合には、フイルム全体が非常に厚くなり軟包装用途には適さなくなる。
【0023】以上の本発明の抗菌性ポリアミドフイルムでは、更に、LLDPEやCPP、EVA、アイオノマーその他いわゆるシーラントと称される熱溶着性樹脂層を張り合わせて積層フィルムすることができる。かかる積層フィルムでは、通常、抗菌剤含有層を最外層として、その最外層に対する反対側の内側層をシーラント層とする構成とし、例えば、ヒートシールして袋状とした後、袋に保冷材、蓄熱材等を充填することで、外面抗菌性を有する保冷材パック、蓄熱材パックが得られる。これを十分冷却あるいは加温し、生鮮食品や医薬品等の保冷用途あるいは、保温用途、あるいは、スポーツ時の筋肉冷却や、ウォーミングアップ時の保温に用いることで、被保冷物、被保温物や、保冷材パック、蓄熱材パック表面での菌等の増殖を防止することができる。保冷材、蓄熱材以外でも内容保持材、たとえば、酸素吸収剤あるいは乾燥剤等を封入する袋の一部に使用することで、内容物の長期保管の際、有効である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定されるものではない。なお、実施例でのフイルムの評価方法は以下の通りである。
(1)抗菌力各フイルムを、抗菌製品技術協議会試験法「抗菌製品の抗菌力評価試験法(1998年度改訂版)フィルム密着法」で、黄色ブドウ球菌に対する抗菌力試験を行った。結果は下記により増減値差を算出し、増減値差2以上を、抗菌性ありと判断した。
増減値差=logC−logD但し、C;対照検体(抗菌剤を含まないONYフィルム)の24時間後の生菌数の平均値(無加工試験区)
D;試験検体の24時間後の生菌数の平均値(抗菌加工試験区)
【0025】
(2)耐屈曲性(ピンホール数/77inch2
8インチ×11インチの大きさに切断したフィルムを温度23℃、相対湿度50%の条件下に、24時間以上放置してコンディショニングし、ゲルボーフレックステスター(理学工業社性、No.901型(MIL−B−131Cの規格に準拠))を使用して、次のように屈曲テストを繰り返し、ピンホール数を計測した。
【0026】上記長方形テストフィルムを巻架して長さ8インチの円筒状にし、当該巻架した円筒状のフィルムの一端を上記テスターの円盤状固定ヘッドの外周に、他端を上記テスターの円盤状可動ヘッドの外周にそれぞれ固定し、上記可動ヘッドを上記固定ヘッド方向に、平行に対向した両ヘッド(固定ヘッドと可動ヘッドとは7インチ隔てて対向している。)の軸に沿って3.5インチ接近させる間に440°回転させ、続いて回転させることなしに2.5インチ直進させ、その後、これらの動作を逆に行わせ、上記可動ヘッドを最初の位置に戻すまでの行程を1サイクルとする屈曲テストを、1分間にあたり40サイクルの速度で、連続して3000サイクル行った後に、テストしたフィルムの固定ヘッド、可動ヘッドの外周に固定した部分を除いた7インチ×11インチ内のフィルムに生じたピンホール数を、ピンホールテスター(サンコー電子研究所製、TRD型)により1KVの電圧を印加して、計測した。
【0027】実施例1P2O5として55重量%、ZnOとして30重量%、B2O3として5重量%、CaOとしてが5重量%、Ag2Oとして3重量%、Na2Oとして1重量%、CeO2として1重量%となるように、それぞれのガラス原料をるつぼ内で均一に粉砕混合した。ついでガラス溶融炉を用いて加熱し、溶融ガラスを作成、この溶融ガラスを水中に流し込み、水砕した。さらに乳鉢で粗粉砕し、さらに振動ボールミルで微粉砕した。得られた粉を、メタノールに分散させ、光散乱法にて、粒子径分布を測定したところ、細かい粒子から累積して、その粒子数の98%が粒子径7μ以下であった。以上で調製した粒子を抗菌剤Aとして使用した。ナイロン6樹脂ペレット(三菱エンジニアリングプラスチックス社)と抗菌剤(抗菌剤粒子A10%入りナイロン6マスターバッチ)を重量比95:5でドライブレンドした樹脂混合物(■)と ナイロン6樹脂とポリアミドエラストマーX(ダイセルヒュルス社製)とを重量比99:1で混合した樹脂(■)を、各々別の65mmφ押出機から押出し、2層のマニホールドに導き、Tダイ出口で■/■の2層に積層してフィルム状に押し出した。
【0028】上記の積層フィルムを35℃に保たれた冷却ロールに静電密着法で密着させ、急冷することにより、■層が約100μm、■層が40μm、全厚さ140μmの無配向積層フィルムを得た。無配向積層フィルムを複数ロールで構成される縦延伸機に導き、延伸温度50℃、平均変形速度13000%/分、延伸倍率3の条件下に縦延伸を行った。引き続き、縦延伸したフィルムをテンター式横延伸機に移送し、その両端をテンタークリップで把持し、延伸温度100℃、平均変形速度3000%/分、延伸倍率3.4倍の条件下に横延伸を行った。引き続き、横延伸を行ったフィルムをテンタークリップで把持したまま200℃で熱処理を行った。熱処理後のフィルムは、フィルム両耳を切断除去し、ワインダーにて巻き取った。得られた積層二軸延伸フィルムは全厚み15μmであった(■層約11μm/■層約4μm )。得られたフィルムの性能測定結果を表1に示す。
【0029】実施例2実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。ナイロン6樹脂ペレット(三菱エンジニアリングプラスチックス社)、MXD樹脂ペレット(三菱ガス化学製)、抗菌剤(抗菌剤粒子A10%入りナイロン6マスターバッチ)を重量比75:20:5にポリアミドエラストマーX(ダイセルヒュルス社製)0.6%を加えてドライブレンドした樹脂混合物(■)、MXD樹脂(三菱ガス化学製)とポリアミドエラストマーを重量比97:3でブレンドした樹脂混合物(■)を、各々の65mmφ押出機から押出し、2つの導入口と3つのマニホールドとを有するTダイに導き、中央マニホールドに樹脂(■)を導き、原料(■)は流路によって2つに分岐させて両外側2層のマニホールドに導き、Tダイ出口で■/■/■の3層に積層してフィルム状に押し出した。上記の積層フィルムを35℃に保たれた冷却ロールに静電密着法で密着させ、急冷することにより、原料■層約55μm、原料■層が40μm、原料■層が約55μm、全厚さ150μmの無配向積層フィルムを得た。上記の無配向積層フィルムを複数ロールで構成される縦延伸機に導き、延伸温度60℃、平均変形速度13000%/分、延伸倍率3の条件下に縦延伸を行った。引き続き、縦延伸したフィルムをテンター式横延伸機に移送し、その両端をテンタークリップで把持し、延伸温度120℃、平均変形速度3000%/分、延伸倍率3.6倍の条件下に横延伸を行った。引き続き、横延伸を行ったフィルムをテンタークリップで把持したまま200℃で熱処理を行った。熱処理後のフィルムは、フィルム両耳を切断除去し、ワインダーにて巻き取った。全厚み15μmであった。
【0030】実施例3実施例2の条件で樹脂■にMXD樹脂を使用せず、ポリアミドエラストマーXを変性ポリオレフィンO(日本ポリケム製)に変更した以外は、実施例2と同様の条件で製造した結果を表1に示す。
実施例4実施例2の条件でポリアミドエラストマーXを変性エチレン−酢酸ビニル共重合体P(日本ポリケム製)に変更した以外は、実施例2と同様の条件で製造した結果を表1に示す。
実施例5実施例1と同様な方法で、樹脂混合物■中のポリアミドエラストマーXをエチレン−エチルアクリレート共重合体Y(三井デュポンケミカル社)2%に変更し、単層フィルムを製造した結果を表1に示す。
実施例6実施例2の条件でポリアミドエラストマーXをアイオノマーZ(三井デュポンケミカル製)に変更した以外は、実施例2と同様の条件で製造した結果を表1に示す。
実施例7実施例5の条件で、ナイロン6をナイロン66(旭化成工業社製レオナ)に変更した以外は実施例5と同様の条件でフィルムを製造した結果を表1に示す。
実施例8実施例5において、抗菌剤を以下のもの0.3%に変更し、エチレン−エチルアクリレート共重合体Y2%をポリアミドエラストマーX1%に変更してフィルムを製造した結果を表1に示す。B2O3として56重量%、P2O5として11重量%、Ag2Oが3重量%、Na2Oとして4重量%、MgOとして26重量%となるように、それぞれのガラス原料をるつぼ内で均一に粉砕混合した。ついでガラス溶融炉を用いて加熱し、溶融ガラスを作成、この溶融ガラスを水中に流し込み、水砕した。さらに乳鉢で粗粉砕し、さらに振動ボールミルで微粉砕しした。得られた粉を、メタノールに分散させ、光散乱法にて、粒子径分布を測定したところ、細かい粒子から累積して、その粒子数の98%が粒子径10μ以下であった。以上で調製した粒子を抗菌剤Bとして使用した。
実施例9実施例8で抗菌剤量を0.05%に変更し、ポリアミドエラストマーX1%をエチレン−エチルアクリレート共重合体Y4%に変更した以外は、実施例8と同様の条件で製造した結果を表1に示す。
実施例10実施例8でポリアミドエラストマーX1%をエチレン−酢酸ビニル共重合体Q(日本ポリケム製)3%に変更した以外は、実施例8と同様の条件で製造した結果を表1に示す。
【0031】比較例1実施例5の条件で、抗菌剤とエチレン−エチルアクリレート共重合体Yを使用しなかった以外は実施例5と同様にしてフィルムを製造した結果を表1に示す。
比較例2実施例5の条件で、エチレン−エチルアクリレート共重合体Yを使用しなかった以外は実施例5と同様にしてフィルムを製造した結果を表1に示す。
比較例3実施例8の条件で、ポリアミドエラストマーXを使用しなかった以外は実施例8と同様にしてフィルムを製造した結果を表1に示す。
比較例4実施例2でポリアミドエラストマーXを使用しなかった以外は実施例2と同様にしてフィルムを製造した結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【発明の効果】本発明の抗菌性ポリアミドフィルムは、ポリアミドの特性である優れた透明性、耐屈曲性、および強靱性等のフィルム物性を有し、かつ、抗菌性に優れる。従って、細菌等により変質しやすい食品、医療品及び薬品等の包装用、あるいは、保冷剤の包装用などに適する。特に、本発明の抗菌性ポリアミドフィルムにシーラント層を張り合わせて積層フィルムでは、袋状として、外面抗菌性を有する保冷材パック、蓄熱材パック、保存材パック等として利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番2号
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】 【識別番号】100103997
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 曉司
【公開番号】 特開2003−12407(P2003−12407A)
【公開日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願番号】 特願2001−193903(P2001−193903)