| 【発明の名称】 |
殺菌剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 浩之 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
【氏名】石田 浩彦 【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内
【氏名】佃 一訓 【住所又は居所】和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】住居内の硬質表面などの、食器や調理器具以外で食物が直接接触する可能性がある表面に対して、処理後にすすぎ工程を必要としない、安全で優れた殺菌効果を示し、且つ使い勝手のよい殺菌剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)ポリリジン、(b)植物精油、(c)有機溶媒及び(d)水を、それぞれ特定比率で含有する殺菌剤組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)ポリリジン0.0001〜1質量%、(b)植物精油0.0001〜1質量%、(c)有機溶媒0.1〜18質量%及び(d)水80〜99質量%を含有する殺菌剤組成物。 【請求項2】 植物精油がチモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール、1.8−シネオール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、アネトール、メントール、メントン、カルボン、カンファー及びリモネンから選ばれる1種以上の化合物を含有する請求項1記載の殺菌剤組成物。 【請求項3】 (a)ポリリジン0.0001〜1質量%、(b1)チモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール、1.8−シネオール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、アネトール、メントール、メントン、カルボン、カンファー及びリモネンから選ばれる1種以上の化合物0.0001〜1質量%、(c)有機溶媒0.1〜18質量%並びに(d)水80〜99質量%を含有する殺菌剤組成物。 【請求項4】 界面活性剤の含有量が0.1質量%以下である請求項1または3記載の殺菌性組成物。 【請求項5】 請求項4の殺菌性組成物を、非エアゾール式噴霧器を備えた容器に充填してなる容器入り殺菌剤。 【請求項6】 (a)ポリリジン0.0001〜1質量%、(b)植物精油0.0001〜1質量%、(c)有機溶媒0.1〜18質量%及び(d)水80〜99質量%を含有し、界面活性剤の含有量が0.1質量%以下である組成物を用いて硬質表面を殺菌する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、住居内の硬質表面、例えばキッチンテーブル、シンク、壁、フローリングなどの床、家具等の表面用殺菌剤として好適な殺菌剤組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、生活環境の変化により、清潔に関する考え方が変わってきている。特に除菌に対する関心は高まってきており、キッチンテーブル、シンク、壁、床及び家具等の室内の表面上に多数存在する微生物の影響を懸念する人が増えてきている。これら微生物の発生を抑制するためには、拭き掃除を行うことが有効な方法であるが、微生物の増加を十分に抑えるためには、殺菌や抗菌などの、微生物自体の発生や増殖を抑制する方法を併用することが望ましい。 【0003】従来、殺菌剤は無機物質、有機物質に関係なく、多種多様の物質が見出されており、自然界にも多くのものが存在している。それらのうち天然系殺菌剤であるポリリジンは、食品用保存料として用いることができ、その他食品や食器用の殺菌洗浄剤としての使用が提案されている。 【0004】特開平9−176689号公報には、ポリリジン/キレート剤/界面活性剤/可溶化剤からなる野菜、果実等の食品類あるいは食器等に対する殺菌洗浄剤が記載されている。その他、食品用の殺菌洗浄剤として、特開2000−26885号、特開2000−26886号、特開2000−26887号公報、特開2000−26889号公報、特開平7−188696号公報が知られている。特開平2−107174及び特開平8−319208にはエタノールを主剤とし、ポリリジンを配合したエアゾールタイプの食品殺菌剤が記載されている。また、食品以外の用途としては、特開平7−166200号公報にポリリジンを配合するトイレ用の洗浄剤が記載されている。しかしながら、殺菌剤としてエタノールを多量に配合することは、防火上好ましくなく、より安全で優れた殺菌効果を有し、且つ使い勝手のよい殺菌剤が望まれている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、キッチンテーブル、シンク、壁、床、家具、電化製品等の住居内の硬質表面、特にキッチンテーブルや冷蔵庫の内外などの、食器や調理器具以外で食物が直接接触する可能性がある表面に対して、安全で優れた殺菌効果を示し、且つ使い勝手のよい殺菌剤組成物を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ポリリジン〔以下、(a)成分という〕0.0001〜1質量%、(b)植物精油〔以下、(b)成分という〕0.0001〜1質量%、(c)有機溶媒〔以下、(c)成分という〕0.1〜18質量%及び(d)水80〜99質量%〔以下、(d)成分という〕を含有する殺菌剤組成物を提供するものである。 【0007】また、本発明は、(a)ポリリジン0.0001〜1質量%、(b1)チモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール、1.8−シネオール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、アネトール、メントール、メントン、カルボン、カンファー及びリモネンから選ばれる1種以上の化合物〔以下、(b1)成分という〕0.0001〜1質量%、(c)有機溶媒0.1〜18質量%並びに(d)水80〜99質量%を含有する殺菌剤組成物を提供するものである。 【0008】また、本発明は、上記(a)〜(d)成分を含有し、界面活性剤の含有量が0.1質量%以下である殺菌剤組成物を、手動式スプレーヤー等の非エアゾール式噴霧器を備えた容器に充填してなる容器入り殺菌剤を提供するものである。 【0009】また、本発明は、上記(a)〜(d)成分を含有し、且つ界面活性剤の含有量が0.1質量%以下である殺菌剤組成物を用いて、硬質表面を殺菌する方法を提供するものである。 【0010】本発明において、殺菌とは広義的な意味を指し、細菌を死滅させることのほか、細菌の繁殖を抑制することを含む。 【0011】 【発明の実施の形態】<(a)成分>本発明に使用される(a)成分のポリリジンは殺菌成分であり、α−ポリリジン、ε−ポリリジンのいずれも使用することができるが、本発明では安全性の面からε−ポリリジンを使用することが好ましい。上記ポリリジンはストレプトマイセス(Streptomyces)属の微生物を培養することによって得られ、人体にとって必須アミノ酸であるリジンが縮合してできたポリペプチドである。ポリリジンとしては、遊離状のもの、無機酸塩、有機酸塩のいずれも使用することができ、また、取り扱いを容易にするために賦形剤や増量剤で加工されたものを使用することもできる。 【0012】本発明者は、汚れの存在する硬質表面において、ふき取りによる除菌を効率的に行うためには、1)配合液が被洗浄表面に適度に濡れ広がること2)ふき取りの際に汚れを含んだ配合液の残留量を最小にすることにより、菌の栄養となる汚れの残留を減らし、菌の繁殖を抑制すること3)ふき取り後に除菌に十分な量の抗菌剤が残留することが重要なことを見いだした。また、これらの要求要素を満たすためには、硬質表面に吸着可能で、かつ、吸着により硬質表面を適度に疎水化することが有効であることを見いだした。この見地から、ポリリジンを配合した本発明の殺菌剤組成物が有効であることを見いだした。 【0013】ポリリジンを含有することにより、本発明の組成物を被処理表面に散布すると、該表面に対し適度な濡れ性を付与し、散布した該表面の均一な殺菌を可能とする。組成物散布後、ポリリジンが被処理表面に吸着することにより該表面が適度な撥水性に変化し、該表面で組成物中の水が弾かれる程度の適度な撥水性となり、ふき取り時には汚れを含んだ水が容易にふき取り材に移行し、ふき取り後に該表面に残留する汚れを含んだ水の残留が少なくなる。さらに、本発明の組成物が該表面に与える疎水性が過度でないため、少量ではあっても殺菌には充分な量の組成物が残留する。以上、ポリリジンを含有する本発明の組成物は、ふき取りによる除菌において必要となる相反する要求特性も満たすことにより、顕著な効果を示すことを見いだした。 【0014】また、本発明の組成物において、ポリリジンの抗菌性能をさらに高める剤としては、1)ポリリジンの有する被処理表面への適度な疎水化能力への影響が少ないこと2)ポリリジンの抗菌性に影響しないこと等の特性が必要である。この特性を有する基剤として、特定の植物精油、およびその成分が有効であることを見いだした。これらの剤とポリリジンを組み合わせることにより、ポリリジンの上記特徴を損なうことなく、さらに高い除菌性能を付与できることを見いだした。 【0015】ポリリジンを含有しない場合、殺菌性のみならず、拭き取りにおいても汚れを含む水分が残留しやすくなり、処理面の外観が劣るとともに、処理後時間がたった場合の抗菌剤の作用を著しく減じる。 【0016】本発明の殺菌剤組成物は、(a)成分のポリリジンを、殺菌力の点から、0.0001〜1質量%、良好な拭き取り性を得る点から、好ましくは0.0005〜0.05質量%、含有する。 【0017】<(b)成分>(b)成分の植物精油は、殺菌作用を示すものが多いが、本発明では、アニス油、オリガナム(オレガノ)油、オレンジ油、レモン油、ライム油、グレープフルーツ油、マンダリン油、シトロネラ油、カシア油、カモミル油、カラシ油、ガーリック(ニンニク)油、キャラウェイ(ヒメウイキョウ)油、クミン、クローブ、コリアンダー、シナモン油、スペアミント油、セージ油、セージクラリー油、ゼラニウム油、タイム油、バジル油、ハッカ油、バーチ(シラカンバ)油、パルマローザ油、ヒバ油、ヒノキ油、ピメント(オールスパイス)、ベイ油、ペチグレン油、ペパーミント油、ベルガモット油、ネロリ油、ユーカリ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ローズマリー油、ローレル、ワサビ油などが好ましく、これらは単独あるいは混合物で使用される。本発明で用いられる植物精油成分には、チモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール、1.8−シネオール、リナロール、アネトール、メントール、メントン、カルボン、カンファー、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、シトロネラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコールを含有する植物精油を用いることが好ましく、これらは単独あるいは混合物で使用される。 【0018】また本発明では、植物精油が含有する成分である、(b1)成分のチモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール、1.8−シネオール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、アネトール、メントール、メントン、カルボン、カンファー及びリモネン、より好ましくはチモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール及び1.8−シネオール、更に好ましくはチモール、ゲラニオール、シトラール及び1.8−シネオールから選ばれる化合物の1種以上を用いることもできる。 【0019】本発明では、上記(b)成分の植物精油と(b1)の化合物とを併用することもできる。 【0020】本発明の殺菌剤組成物は、殺菌性の点より(b)及び/又は(b1)を、0.0001〜1質量%、好ましくは0.0001〜0.5質量%含有し、拭き取り性の点より、好ましくは0.0001〜0.1質量%含有する。 【0021】<(c)成分>本発明の組成物は、上記植物精油の可溶化と硬質表面の乾燥を促進させる目的でさらに(c)成分として有機溶媒を含有する。このような有機溶媒としては、水と共沸混合物を形成し得る沸点が100℃以下のものが好ましく、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等を挙げることができ、特にエタノールが好ましい。(c)成分の有機溶媒は、乾燥速度、拭き取り性、及び安全性から考えて、殺菌剤組成物中に0.1〜18質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。なお、エタノールを使用する場合は、変性エタノールを使用することができ、変性エタノールとしては8−アセチル化蔗糖変性エタノール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル変性エタノール、フレバー変性エタノールが挙げられる。 【0022】また、本発明において、優れた液体安定性を得るためには、組成物中の(c)成分に対する(b)成分及び/又は(b1)成分の割合(質量比)は、[(b)成分及び/又は(b1)成分]/(c)成分として1/50以下、好ましくは1/100以下である。 【0023】<その他の成分>本発明の殺菌剤組成物は、さらに殺菌性を向上させるため、あるいは、(b)成分を組成物中で安定に分散させるために、界面活性剤を少量含有してもよい。 【0024】界面活性剤の具体例としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤又は陽イオン界面活性剤を挙げることできる。 【0025】陰イオン界面活性剤としては、特開平9−310091号公報、第8頁段落0045〜第9頁段落0054に記載のものを使用することができ、このうちアルキル鎖の炭素数が8〜22、好ましくは10〜18のものが挙げられ、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステル、エチレンオキサイド(以下、EOと表記する)の平均付加モル数が1〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、EOの平均付加モル数が1〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸及びEOの平均付加モル数が1〜10のポリオキシエチレンアルキルアミドエーテルカルボン酸、脂肪酸並びにそれらのカリウム、ナトリウム、マグネシウム及びアルカノールアミン塩を挙げることができる。 【0026】非イオン界面活性剤としては、特開平9−310091号公報、第6頁段落0028〜第8頁段落0043に記載のものを挙げることができ、このうちアルキル鎖の炭素数が8〜22、好ましくは10〜18であってEOの平均付加モル数が1〜30モル、特には4〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテル、EOの平均付加モル数が1〜30モル、好ましくは1〜20及びプロピレンオキサイド(以下、POと表記する)の平均付加モル数が1〜10、特には1〜5のポリオキシエチレンオキシプロピレンアルキルエーテル、平均炭素数が8〜22、特には10〜18の脂肪酸アルカノールアミド及びそのEO(もしくはPO)を平均1〜3付加したもの、並びにアルキル鎖の炭素数が8〜22、特には10〜18であって糖の平均縮合度が1.0〜10、特には1.0〜2.0のアルキルポリグリコシドを挙げることができる。また、炭素数8〜22、特には10〜18の脂肪酸、及び炭素数2〜10の炭化水素基と2〜8個のヒドロキシ基を有する多価アルコールとのエステル化合物も用いることができ、具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを好ましい化合物として例示できる。 【0027】両性界面活性剤としては、特開平9−310091号公報、第6頁段落0023〜0027に記載のものを挙げることができ、このうち、アルキル基の炭素数が8〜22のものが挙げられ、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン(N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン)、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン(N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン)、アルキル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン(N−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン)、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−プロピルスルホベタイン((N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン)、ラウリル−N,N−ジメチル−ヒドロキシプロピルスルホベタイン(N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン)、及びアルキルアミンオキサイド等を挙げることができる。これらの中でも、洗浄力の点で、これらの中でも、洗浄力の点で、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン(N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン)、ミリスチン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン(N−ミリスチロイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン)、コカミドアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン(N−やし組成アルカノイルアミノプロピル−N,Nジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン)、ラウリル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン(N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン)、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルベタイン(N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン)、及びアミド結合を有してもよい炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有し且つ炭素数2以下のアルキル基を2つ有するアルキルアミンオキサイドが好ましい。 【0028】陽イオン界面活性剤としては、特開平9−310091号公報、第3頁段落0012〜第5頁段落0022に記載のものを使用することができ、特に好ましくは、途中にアミドまたはエステル結合を有してもよい長鎖のアルキル鎖の炭素数が6〜24、好ましくは6〜18のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、同じくモノ長鎖アルキルモノベンジルジメチルアンモニウム塩、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、対イオンとしてはハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましい。またアミン型ならば、途中にアミドまたはエステル結合を有してもよい長鎖のアルキル鎖の炭素数が8〜24のジ長鎖アルキルモノメチルアミンの塩であり、塩酸塩、硫酸塩またはリン酸塩が好ましい。 【0029】本発明では特に、上記界面活性剤のうち、(1)炭素数10〜18の脂肪酸又はその塩、(2)炭素数10〜18の脂肪酸、及び炭素数2〜8の炭化水素基と2〜6個のヒドロキシ基を有する多価アルコールとのエステル化合物、(3)アルキル鎖の炭素数が8〜22であって糖の平均縮合度が1.0〜2.0のアルキルポリグリコシド、(4)アミド結合を有してもよい炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有し且つ炭素数2以下のアルキル基を2つ有するアルキルアミンオキサイド、並びに(5)アルキル鎖の炭素数が6〜18のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、モノ長鎖アルキルモノベンジルジメチルアンモニウム塩、またはモノアルキルトリメチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の界面活性剤を配合することが好ましく、特に(2)、(3)、及び(5)の界面活性剤が好適である。 【0030】界面活性剤、特にイオン性の界面活性剤の多量に添加することは、ポリリジンの特性を著しく阻害するために好ましくないため、少ないポリリジン濃度でより優れた効果を得るために、殺菌剤組成物中の界面活性剤の含有量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下であるが、拭き取り性の点より、最も好ましくは0.1質量%以下である。さらに、陰イオン界面活性剤は殺菌性に影響するので、陰イオン界面活性剤濃度は組成物中0.1質量%以下、より好ましく0.01質量%以下であることが最も好ましい。 【0031】本発明の殺菌剤組成物には、目的とする性能を損なわな範囲で、各種着色料、無機塩、ポリカルボン酸などのpH調節剤、植物精油以外の香料などの成分を配合することができるが、食品が直接接触するような表面の殺菌に対しては、食品添加可能な物質が好ましく、その配合量は最小限度にとどめるべきである。pH調整剤としてポリカルボン酸(コハク酸やクエン酸等)を使用する場合は、好ましくは組成物中に0.9質量%以下、より好ましくは0.01〜0.9質量%、最も好ましくは0.01〜0.5質量%含有される。 【0032】本発明の殺菌剤は、上記の必須成分と任意成分に(d)成分の水を加えて調整される。従って水は(a)成分〜(c)成分及び任意成分を加えた組成の残部であり、具体的には、組成物中80〜99質量%、好ましくは80〜98質量%、より好ましくは91〜95質量%含有される。また安全で且つ優れた殺菌性を示すために、組成物の20℃におけるpHは、好ましくは6.0〜9.0、より好ましくは6.0〜8.0である。 【0033】本発明の殺菌剤組成物の使用方法としては、■手動式スプレーヤーを用いて対象表面に直接噴霧するあるいは噴霧したのち、タオルやティッシュペーパーで拭き取る方法、■スクイズ容器から対象表面に組成物をつけてタオルやティッシュペーパーで拭き取る方法、■あらかじめタオルやティッシュペーパーに組成物を染み込ませ対象表面を拭く取る方法、等が好適である。 【0034】手動式スプレーヤーとしては手動式トリガー又は手動式ポンプが好ましく、特に手動式トリガーが好ましい。本発明の殺菌剤組成物は、これら手動式スプレーヤーを備えた容器に充填して使用されることが最も好ましい。なおスプレーヤーは、1回の噴霧で0.1〜1.5g、好ましくは0.2〜1.0g、特に好ましくは0.25〜0.8gの処理剤が噴出するものが良好である。手動式トリガーとしては一般に用いられている直圧式のほかに、実開平4−37554号公報や特開平9−122547号公報に開示されているような蓄圧式トリガーを用いることもできる。 【0035】本発明の最も好ましい態様は次の通りである。 (a)成分:ε−ポリリジン0.0001〜0.05質量%(b)成分:チモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール、1.8−シネオール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、アネトール、メントール、メントン、カルボン、カンファー及びリモネンから選ばれる1種以上の化合物、又はそれらの一種以上を含有する植物精油0.0001〜0.1質量%(c)成分:エタノール、プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種以上1〜8質量%(d)成分:水91〜98質量%を含有し、(b)成分/(c)成分が1/50以下であり、界面活性剤濃度が0.1質量%以下、その他成分の含有量が1質量%以下の殺菌剤組成物、並びに該殺菌剤組成物を手動式スプレーヤー付き容器に充填してなる容器入り殺菌剤である。 【0036】 【実施例】実施例1〜10及び比較例1〜6表1に示す組成の殺菌剤組成物を調製し、(1)殺菌力、(2)使用時の匂い及び拭き取り洗浄時の使用感、(3)貯蔵安定性について下記の方法で評価した。結果を表1に示す。 【0037】(1)殺菌力防菌防黴ハンドブック(日本防菌防黴学会編、技報堂出版)のp.686に記載されている浮遊試験法(定量的検査法)に準じて行った。すなわち、表1に示す組成物2mL中に108〜1010cfu/mLの細菌浮遊液50μLを加え、よく混合した後5分間放置した。続いて、その混合液を10μL採取して150μLのSCDLP液体培地中に加えて良く混合した後、30℃で48時間培養した。培地の混濁状況を目視判定し、以下の基準で評価した。細菌としては大腸菌と黄色ブドウ球菌の2種を用いた。 ○:大腸菌、黄色ブドウ球菌の両方とも培地が濁っていない。 △:大腸菌、黄色ブドウ球菌の両方とも培地がわずかに濁っている。 ×:大腸菌、黄色ブドウ球菌の両方とも培地が明らかに濁っている。 【0038】(2)使用時の匂い及び拭き取り洗浄時の使用感花王株式会社製かんたんマイペット用トリガーを用いて、対象表面(木製1m×1m)に5回スプレーして20cm×20cmの木綿製タオルで拭き取った時の匂い、殺菌剤組成物の濡れ広がり、拭き取り性、残留液分をそれぞれ以下の基準で評価した。 (使用時の匂い)○:微香でエタノール臭が気にならない×:エタノール臭が強く、不快(配合液の濡れ広がり)○:使用面に、均一な濡れ広がりを示す×:液が弾き、十分な濡れ広がりが得られない(配合液の拭き取り性)○:使用面の液を、十分に拭き取ることが出来る△:僅かに拭き筋が発生し、拭き取り性がやや劣る×A:乾燥が早く、拭き取り中に乾燥が進行するために十分に拭き取ることが出来ない×B:拭き筋が発生し、良好な拭き取り性が得られない(拭き取り面の残留液分)○:適量の液が均一に薄く残留し、乾燥後にべたつきを感じない△:やや液の残留量が多く、乾燥後にややべたつく×A:均一な残留が得られず、残留液が少なすぎる×B:拭き取り性が悪く、液の残留量が多すぎる【0039】(3)貯蔵安定性プラスチック共栓付きガラス瓶に充填した殺菌剤組成物を、50℃で20日間放置した後の状態を、目視で観察し、以下の条件で評価した。なお、殺菌剤組成物の調製直後の状態は、全て透明液体であった。 ○:透明液体△:僅かな濁り×:分離【0040】 【表1】
【0041】表1中の植物精油の主な抗菌活性成分は次の通りである。 ・タイム油:カルバクロール37質量%、チモール16質量%・ローズマリー油:1.8−シネオール45質量%、カンファー10質量%・ユーカリ油:1.8−シネオール81質量%、リモネン13質量%。 またε−ポリリジンは、チッソ(株)製のものを使用した。 【0042】実施例11〜18表1の実施例1の組成において、タイム油に換えて(b)成分として、チモール、ゲラニオール、ヒノキチオール、カルバクロール、シトラール、オイゲノール、テルピネン(ターピネン)−4−オール又は1.8−シネオールを、それぞれ0.005質量%配合した組成物(実施例11〜18)を調製したところ、何れも優れた殺菌効果、貯蔵安定性が得られ、更に使用時の匂い、拭き取りや洗浄時の使用感についても好適であった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
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| 【出願日】 |
平成14年2月26日(2002.2.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063897 【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 馨 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−2809(P2003−2809A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月8日(2003.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−49079(P2002−49079) |
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