| 【発明の名称】 |
持続性錠剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】野村 修一
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| 【要約】 |
【課題】台所用流し台、風呂場、洗面台などの排水口や男子用小便器に使用する際に、必要最小限の塩素ガスを徐放させることによって安全性を高め、金属に対する腐食を低減し、除菌、消臭及びヌメリ防止等の効果を長期に渡って発揮する持続性に優れた錠剤組成物を提供する。
【解決手段】ペルオキシ一硫酸カリウム・硫酸水素カリウム・硫酸カリウムの複塩化合物と、塩化物として塩化ナトリウム及び塩化カリウムから選ばれる1種または2種および、常温で固体の有機酸として安息香酸、フマル酸、サリチル酸およびアジピン酸から選ばれる1種または2種以上の化合物を混合し、打錠成形する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 必須成分として、活性酸素を含有するペルオキシ一硫酸カリウム・硫酸水素カリウム・硫酸カリウムの複塩化合物、塩化物および有機酸(但し、コハク酸を除く)を含有し、これらを混合して錠剤としたことを特徴とする持続性錠剤組成物。 【請求項2】 塩化物が塩化ナトリウムおよび塩化カリウムから選ばれる1種または2種である請求項1に記載の錠剤組成物。 【請求項3】 有機酸が常温で固体である安息香酸、フマル酸、サリチル酸およびアジピン酸から選ばれる1種または2種以上の化合物である請求項1または請求項2に記載の錠剤組成物。 【請求項4】 ペルオキシ一硫酸カリウム・硫酸水素カリウム・硫酸カリウムの複塩化合物の配合割合が5〜30重量%、塩化物の配合割合が1〜5重量%および有機酸の配合割合が60〜90重量%である請求項1、2または3に記載の錠剤組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、台所用流し台、風呂場、洗面台などの排水口、男子用小便器内に設置して、除菌、消臭あるいはヌメリ防止などに有用な塩素を長期間に渡って徐放しうる安全性に優れた持続性錠剤組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】活性塩素を含有する化合物である塩素化イソシアヌル酸は、プール水、排水などの殺菌消毒に使用されており、なかでも溶解度の低いトリクロロイソシアヌル酸は台所用流し台における排水口のヌメリ取り剤として用いられている(例えば特開平8−231314号公報)。しかしながらトリクロロイソシアヌル酸を有効成分とする錠剤は、金属に対する腐食と副生するクロラミン系ガスによる刺激臭が発生するという問題点が指摘されており、また誤って酸性の洗浄剤などと接触すると多量の塩素ガスを発生する危険性を有するものである。このような不都合を回避するため、非塩素系であるイソチアゾリン系薬剤を用いた排水口のヌメリ取り装置が提案されている(特開2000―144840号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、台所用流し台、風呂場、洗面台などの排水口や男子用小便器に使用する際に、必要最小限の塩素ガスを徐放させることによって安全性を高め、金属に対する腐食を低減し、除菌、消臭及びヌメリ防止等の効果を長期間に渡って発揮する持続性に優れた錠剤組成物を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者はこのような事情に鑑み鋭意研究を行った結果、ペルオキシ一硫酸カリウム・硫酸水素カリウム・硫酸カリウムの複塩化合物と、塩化物として塩化ナトリウムおよび塩化カリウムから選ばれる1種または2種および、常温で固体の有機酸として安息香酸、フマル酸、サリチル酸およびアジピン酸から選ばれる1種または2種以上の化合物を混合し、打錠成形することにより所期の目的を達成した。 【0005】 【作用】ペルオキシ一硫酸カリウム・硫酸水素カリウム・硫酸カリウムの複塩化合物(化学式:2KHSO5・KHSO4・K2SO4、以下オキソン一過硫酸化合物という)は、塩素陰イオンを酸化して次亜塩素酸イオンまたは塩素を生成させることが知られている(デュポン社技術資料より)。この化合物と塩化物を常温で固体の水に難溶性である有機酸中に均一に分散し打錠することで、誤って酸性の洗浄剤などと接触しても高濃度の塩素ガスを発生することがなく、金属腐食および臭気を低減しうる微量の塩素ガスを発生し、除菌、消臭、ヌメリ防止などの効果と使用の長期化を図ることができた。 【0006】 【発明の実施の形態】オキソン一過硫酸化合物の配合割合は5〜30重量%が好ましい。5重量%より少ない場合はヌメリ防止、除菌効果が不十分であり、30重量%を超えて配合した場合には錠剤の使用期間が短くなり経済性の点で好ましくない。 【0007】塩化物としては、水に溶けて塩素陰イオンを発生するものであれば、どのような化合物でも使用することができるが、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムが適しており、他の塩化物、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどは吸湿性があり好ましくない。また、これら塩化物の配合割合は1〜5重量%にすべきであり、1重量%より少ない場合は塩素の発生量が十分でなく、また5重量%を超えると、塩素の発生量が過剰になり本発明の用途には不適である。 【0008】本発明において使用する常温で固体の有機酸としては、適宜な溶解性と打錠成形性を有するものが好ましい。代表的な有機酸として安息香酸、フマル酸、サリチル酸およびアジピン酸が挙げられ、これらから選ばれる1種または2種以上を使用することができる。また、これら有機酸の配合割合は60〜90重量%が好ましく、60重量%より少ない場合は、錠剤の溶解速度が速く経済性に問題があり、90重量%より多い場合には、有効成分であるオキソン一過硫酸化合物および塩化物の含有割合が低下する。 【0009】錠剤の成形に当たっては、滑沢剤として知られているタルク、ステアリン酸アルカリ土類金属塩、また溶解度の調整および結合剤として、固体状の脂肪酸アルカノールアミドなどを添加することができる。 【0010】 【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例および比較例で使用した原料ならびに評価試験方法は次のとおりである。 【0011】〔原料〕 ・オキソン一過硫酸化合物(商品名:オキソン、デュポン社製) ・塩化ナトリウム(試薬、和光純薬工業社製) ・塩化カリウム(試薬、和光純薬工業社製) ・安息香酸(伏見製薬所社製) ・フマル酸(武田薬品工業社製) ・サリチル酸(吉冨ファインケミカル社製) ・アジピン酸(関東電化工業社製) ・コハク酸(武田薬品工業社製) ・タルク(日本タルク工業社製) ・脂肪酸アルカノールアミド(商品名:プロファンSME、三洋化成工業社製) 【0012】[注水試験]上面および下面に直径3mmの孔を各3ヶ所設けた直径40mmの樹脂製アプリケーターに、錠剤を1錠(直径35mm、質量30g)入れてアプリケーター上部から10Lの水を1分間に渡って注ぎ、この操作を1時間毎に繰り返して、錠剤の質量が5.0gになるまでの注水回数を測定した。この注水回数が多い程、長期間に渡って効果を持続させることが可能となる。 【0013】[ヌメリ防止試験]食堂流し台の排水口における籠型ストレーナー内に、注水試験に用いたものと同一の錠剤入りアプリケーターを設置し、1ヶ月経過後における前記ストレーナー内部の様子を目視により観察し、3段階(1:ヌメリあり、2:良、3:優)の評価を行った。 【0014】[塩素ガス発生試験]この試験は、水に触れて湿潤した状態にある錠剤の安定性を評価するものである。内容積3Lのガラスビーカーに水3mlを入れ、該ビーカー底部よりやや上方の水に触れない位置に、注水試験に用いたものと同一の湿潤錠剤(直径35mm)入りアプリケーターを設置し、ビーカーの開口部をポリエチシートで緩く覆った。このものを室温にて20時間静置後、マグネチックスターラーを用いて内部の雰囲気を均一にした後、検知管を使用して内部の塩素ガス濃度を測定した。また、流水を用いて質量を15gまで溶解減量させて使用中を想定した錠剤についても、塩素ガス発生試験を実施した。 【0015】[酸性洗浄剤接触試験]この試験は、錠剤を酸性の洗浄剤に接触させた場合の危険性を評価するものである。錠剤(直径15mm、重さ3g)を容積10mLのビーカーに10%塩酸水溶液3mLと共に入れ、該ビーカーを容積20Lの内部空間部が攪拌できる装置を備えた容器内に置いた。5分間経過後、検知管で内部の塩素ガス濃度を測定した。 【0016】[次亜塩素酸ナトリウム系洗浄剤接触試験]この試験は、錠剤をアルカリ性である次亜塩素酸ナトリウム系洗浄剤に接触させた場合の危険性を評価するものである。錠剤(直径15mm、重さ3g)を容積10mLのビーカーに1%の水酸化ナトリウムと5%の次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液3mLと共に入れ、該ビーカーを容積20Lの内部空間部が攪拌できる装置を備えた容器内に置いた。5分間経過後、検知管で内部の塩素ガス濃度を測定した。 【0017】[金属腐食試験]3Lビーカーに100mLの水を入れ、中央に水面より高い台を設け、この上に4cm×4cm×厚さ0.2cmのSUS18−8ステンレス、SUS430ステンレスおよび真鍮製のテストピース、下端が水に接触しテストピースを覆うガーゼおよび水濡れした錠剤(直径35mm)を順番に重ね、開口部はそのままで試験を開始した。5日経過後のテストピースの質量減少量を求め、次式により減少率を算出して、金属に対する腐食性の評価指標とした。 減少率=質量減少量(g)/(表面積(m2)×5日) 【0018】〔実施例1〜8〕表1に示した配合割合に従って原料薬剤を均一に混合し、この混合物30gを直径35mmの臼杵を用いて面圧0.8t/cm2で圧縮し、厚さ32〜34mmの錠剤を調製した。これらの錠剤を用いて、注水試験、ヌメリ防止試験、塩素ガス発生試験を行った。同様にして、表1に示した配合にしたがって、直径15mmの臼杵を使用して直径15mm、質量3g、厚さ10〜12mmの錠剤を調製した。これらの錠剤を用いて、酸性洗浄剤接触試験、次亜塩素酸ナトリウム系洗浄剤接触試験を行った。これらの試験結果は、表1に示したとおりであった。また実施例2、5および8については、前記直径35mmの錠剤を使用して金属腐食試験を行った。 【0019】〔比較例1〜6〕表1に示した配合割合に従って、実施例1〜8と同様にして直径35mm、質量30gの錠剤を調製した。これらの錠剤を用いて、注水試験、ヌメリ防止試験、塩素ガス発生試験を行った。なお比較例1の錠剤については、室内に放置しているだけの状態においても塩素ガスの発生が認められた。これらの試験結果は、表1に示したとおりであった。 【0020】〔比較例7〜9〕トリクロロイソシアヌル酸とほう酸を配合した排水口のヌメリ防止錠剤として、実施例と同様にして表1に示す配合割合で、直径15mmの錠剤を調製した。これらの錠剤を用いて酸性洗浄剤接触試験および次亜塩素酸ナトリウム系洗浄剤接触試験を実施した。また比較例7〜8については、実施例と同様にして表1に示す配合割合で直径35mmの錠剤を調製し、金属腐食試験を行った。これらの結果は表1示したとおりであった。 【0021】 【表1】
【0022】表1に示した実施例の試験結果によれば、本発明の錠剤は、水と接触し適量の塩素ガスを放出することでヌメリ防止効果を長期間に渡って発揮し、金属腐食性を抑え、且つ誤って酸性洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウム系洗浄剤と接触しても塩素ガスの発生が少なく安全性が高いことが認められた。なお、比較例1はヌメリ防止効果はあるものの、錠剤保存中に塩素ガスが発生し製品として不適当であった。比較例2、5、6は、溶解性が高く従って発生する塩素ガス濃度が高くなった。また、1ヶ月間のヌメリ防止試験終了後には錠剤が溶解して無くなっており、目的とする長期間の使用に耐えないものであった。比較例3、4は塩素ガス濃度が低くヌメリ防止効果を十分に発揮できなかった。 【0023】 【発明の効果】本発明の錠剤組成物は、オキソン一過硫酸化合物と塩化物イオンを含む化合物との反応により、錠剤表面で適量の塩素ガスを徐放するため、台所用流し台、風呂場、洗面台の排水口や男子用小便器などで使用する際に、安全で且つ長期間に渡って除菌、消臭あるいはヌメリ防止の効果を発揮することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000180302 【氏名又は名称】四国化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月20日(2001.6.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−2803(P2003−2803A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月8日(2003.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−185818(P2001−185818) |
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