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【発明の名称】 真菌臭の消臭剤及びその消臭方法、真菌の発育抑制剤及びその発育抑制方法並びに防虫剤及び防虫方法
【発明者】 【氏名】大竹 龍三郎

【氏名】大竹 浩之

【氏名】大竹 敬二

【要約】 【課題】多量に散布することなく、安全性を有する真菌臭の消臭剤及びその消臭方法、真菌の発育抑制剤及びその発育抑制方法並びに防虫剤及び防虫方法を提供することである。

【解決手段】界面活性剤を有効成分とする真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 界面活性剤を有効成分とする真菌の消臭剤。
【請求項2】 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の真菌の消臭剤。
【請求項3】 前記陰イオン界面活性剤は、硫酸エステル型、スルホン酸型又は燐酸エステルであることを特徴とする請求項2記載の真菌の消臭剤。
【請求項4】 前記非イオン界面活性剤は、エーテル型、エステル型、エーテルエステル型又はアルカノールアミド型であることを特徴とする請求項2記載の真菌の消臭剤。
【請求項5】 前記界面活性剤が揮発性を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の真菌の消臭剤。
【請求項6】 界面活性剤を気散させることにより、真菌臭を消臭する真菌臭の消臭方法。
【請求項7】 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項6記載の真菌臭の消臭方法。
【請求項8】 前記陰イオン界面活性剤は、硫酸エステル型、スルホン酸型又は燐酸エステルであることを特徴とする請求項7記載の真菌臭の消臭方法。
【請求項9】 前記非イオン界面活性剤は、エーテル型、エステル型、エーテルエステル型又はアルカノールアミド型であることを特徴とする請求項7記載の真菌臭の消臭方法。
【請求項10】 前記界面活性剤を常温で気散させることを特徴とする請求項6乃至9いずれか記載の真菌臭の消臭方法。
【請求項11】 界面活性剤を有効成分とする真菌の発育抑制剤。
【請求項12】 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項11記載の真菌の発育抑制剤。
【請求項13】 前記界面活性剤が揮発性を有することを特徴とする請求項11又は12記載の真菌の発育抑制剤。
【請求項14】 界面活性剤を気散させることにより、真菌の発育を抑制する真菌の発育抑制方法。
【請求項15】 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項14記載の真菌の発育抑制方法。
【請求項16】 界面活性剤を有効成分とする防虫剤。
【請求項17】 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項16記載の防虫剤。
【請求項18】 前記界面活性剤が揮発性を有することを特徴とする請求項16又は17記載の防虫剤。
【請求項19】 界面活性剤を気散させることにより防虫を行う防虫方法。
【請求項20】 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項19記載の防虫方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台所流し台下、物入れ、洗面台下、押入れ、地下室、納戸、下駄箱、浴室などの壁、床面、床下などで発生するカビ臭など真菌臭を消臭する真菌臭の消臭剤及びその消臭方法、カビなど真菌の発育抑制剤及びその発育抑制方法、並びに防虫剤及び防虫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高湿多湿の我が国においては、生活空間においてカビなど真菌の繁殖しやすい風土であり、カビによる異臭の発生が問題となっている。また、近年マンション等密閉度の高い住居の増加によって、その問題が単に梅雨時だけではなく通年の問題となっている。特に、物入れ、洗面台下、押入れ、地下室、納戸、下駄箱などの壁、床面がその発生源である。
【0003】カビの異臭は、2−メチルイソボルネオール(検知閾値0.03ppb)やジェオスミン(検知閾値0.2ppb)等が原因であり、それぞれ閾値が非常に低い中性のアルコール物質である。これらの臭気を消臭する方法としては、一般の中和・付加反応に基づく消臭剤(カルボキシル基、アミノ基を有する化合物、ポリフェノール、共役2重結合を有する化合物等)を用いる方法が考えられるが、カビ臭物質の構造が中性のアルコール物質であるため実効が期待できない。
【0004】上記消臭剤を大過剰用いる事も考えられるが、消臭剤の溶媒が水の場合には、噴きかけられた水によってより湿度が上昇しさらにカビが生育してしまうおそれがあり、また有機溶媒の場合には、壁面や収納物等に変色のおそれが生じる。活性炭などを用いて物理的に吸着させる方法もあるが、これも閾値の低い臭気を感覚的に低減させるためには、大量の空気を吸引・循環させる必要があり、機器が大型化しランニングコストやフィルター交換等の多大な費用が必要とされる。
【0005】また、生育しているカビを市販の合成防カビ剤(BIOZOL3−メチル−4−イソプロピルフェノール,PCMX)を用いて抗菌する方法もあるが、これも防カビ剤を多量に散布する必要があり、同様に溶媒により湿度上昇や変色の心配がある。強力な抗カビ剤でもある次亜塩素酸、イソシアヌル酸ナトリウムに至っては、散布時の吸引等、安全性の問題もあり好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、多量に散布することなく、安全性を有するカビ臭など真菌臭の消臭剤及びその消臭方法を提供することを第1の目的とする。
【0007】また、カビなど真菌の発育抑制剤についても同様の問題があることから、本発明は、多量に散布することなく、安全性を有するカビなどの真菌の発育抑制剤及びその発育抑制方法を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の第1の目的を達成するため、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤がカビ臭など真菌臭を消臭するのに有用であることを見出した。すなわち、本発明は、界面活性剤を有効成分とする真菌臭の消臭剤であり、また界面活性剤を気散させることにより、真菌臭を消臭する真菌臭の消臭方法である。
【0009】本発明に係る真菌臭の消臭剤及びその消臭方法は、界面活性剤を気散させて効率的に真菌臭の消臭を行うことができるので、多量に消臭剤を散布することはない。また、界面活性剤は、安全であるので、通常の家庭などでも問題なく使用することができる。
【0010】また、第2の目的を達成するため、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤がカビなど真菌の発育を抑制するのに有用であることを見出した。すなわち、本発明は、界面活性剤を有効成分とする真菌の発育抑制であり、また界面活性剤を気散させることにより、真菌の発育を抑制する真菌の発育抑制方法である。
【0011】本発明に係る真菌の発育抑制剤及びその発育抑制方法は、界面活性剤を気散させて効率的に真菌の発育抑制を行うことができるので、多量に発育抑制剤を散布することはない。また、界面活性剤は、安全であるので、通常の家庭などでも問題なく使用することができる。
【0012】さらに、本発明者は、第1及び第2の目的を達成するための研究の際に、界面活性剤が防虫効果を有することを見出した。すなわち、本発明は、界面活性剤を有効成分とする防虫剤である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る真菌臭の消臭剤及び消臭方法、真菌の発育抑制剤及び発育抑制方法並びに防虫剤及び防虫方法において、前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤であることが好ましい。
【0014】前記陰イオン界面活性剤は、硫酸エステル型、スルホン酸型又は燐酸エステルであることが好ましく、例えば硫酸エステル型陰イオン界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などがあり、スルホン酸型陰イオン界面活性剤としては、スルホコハク酸アルキル2ナトリウムなどがあり、燐酸エステル陰イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル(アリル)燐酸エステルなどがある。
【0015】また、前記非イオン界面活性剤は、エーテル型、エステル型、エーテルエステル型、アルカノールアミド型であることが好ましく、例えばエーテル型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体及びポリオキシプロピレングリセリルエーテルなどがあり、エステル型非イオン界面活性剤としては、グリセロールボレイト脂肪酸エステルなどがあり、エーテルエステル型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステルがあり、アルカノールアミド型非イオン界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドがある。
【0016】本発明に係る真菌臭の消臭剤及び消臭方法、真菌の発育抑制剤及び発育抑制方法並びに防虫剤及び防虫方法において、前記界面活性剤は、2種以上を組み合わせて使用しても良く、特に硫酸エステル型陰イオン界面活性剤に非イオン界面活性剤を組み合わせたもの、さらに両性イオン界面活性剤を組み合わせたものなどが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩にアルキルアミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド及びアルキルベタインを組み合わせたもの、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩にアルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及び脂肪酸メチルグルカミドを組み合わせたものなどが良い。
【0017】本発明に係る真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤において、前記界面活性剤が揮発性を有することが好ましく、ゲル状、粉末状、固形状、液状、シート状など様々な態様で提供可能である。このように本発明に係る真菌臭の消臭剤及び真菌の発育抑制剤において、揮発性を有する界面活性剤を利用することにより、例えば本発明に係る真菌臭の消臭剤及び真菌の発育抑制剤を台所などに放置しておくだけで、又は大気の移動で、界面活性剤は、大気中に気散して真菌臭を消臭し、真菌の発育を中止又は抑制することができる。よって、本発明に係る真菌臭の消臭方法、真菌の発育抑制方法及び防虫方法においては、前記界面活性剤を常温で気散させることが好ましい。
【0018】また、本発明に係る真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤において、前記界面活性剤が加熱することにより気散するものでも良く、本発明に係る真菌臭の消臭方法及び真菌の発育抑制方法においては、前記界面活性剤を加熱することにより気散させても良い。
【0019】本発明に係る真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤において、前記界面活性剤の含有率は、10〜100%であることが好ましく、特に40〜60%であることが好ましい。また、本発明に係る真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤は、コップ、瓶など上方が開口された容器又は皿に収容され、その容器を台所の流し台の下、浴室などに置かれる。上方が開口された容器又は皿に収容された本発明に係る真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤は、常温で気散して、容器の開口部から大気中に上昇し、真菌臭を消臭し、真菌の発育を抑制し、さらに防虫を行う。また、本発明に係る真菌臭の消臭剤、真菌の発育抑制剤及び防虫剤は、ろ紙などシート状の紙又は布に湿らせて、そのシート状の紙又は布を押入れの中若しくは靴の中に敷いたり、又はカーテンと一緒に吊すことによって、利用することもできる。
【0020】
【実施例】次に、本発明に係る真菌臭の消臭剤及び真菌の発育抑制剤の実施例として、カビ臭の消臭剤及びカビの発育抑制剤について説明する。表1に示す界面活性剤と溶媒として水を1:1の割合で混合して実施例1乃至14に係る界面活性剤を作った。
【0021】
【表1】

【0022】実施例1乃至14に係るカビ臭の消臭剤及カビの発育抑制剤それぞれを上方が開口された容器に3ml入れて、これら容器をそれぞれ湿度80%以上温度36℃のカビが繁殖している収納庫に入れて5日間放置した。5日後の収納庫の臭いについて表2に示した。
【0023】
【表2】

【0024】次に、同様に容器に3ml入れた実施例1乃至14に係るカビ臭の消臭剤及びカビの発育抑制剤それぞれを湿度40〜60%、温度25℃前後のカビが繁殖している収納庫に入れて3日間放置した。3日後の収納庫の臭いについて表3に示した。
【0025】
【表3】

【0026】表2及び表3から明らかなように実施例1乃至14に係るカビ臭の消臭剤及びカビの発育抑制剤は、多量に散布しなくても効率的にカビ臭の消臭を行うことができ、カビの発育を抑制することが分かる。
【0027】また、これら実施例1乃至14に係るカビ臭の消臭剤それぞれについて、台所の流しの下に3〜5日間おいたところ、同様にカビ臭を消臭する効果及びカビの発育抑制する効果を得ることができた。このことから、実施例1乃至14に係るカビ臭の消臭剤及びカビの発育抑制剤は、実用的に使用することができることが分かる。また、この場合、台所の流しの下に虫が寄り付かなかったことから、防虫効果もあることが確認でき、実施例1乃至14に係るカビの消臭剤及びカビの発育抑制剤が防虫剤として機能することが分かった。
【0028】次に、2種以上の界面活性剤を混合したものカビ臭の消臭剤及びカビの発育抑制剤の実施例について説明する。実施例15として、P&Gの商品名「ジョイ」(界面活性剤(43%):アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアミンオキシド、脂肪酸メチルグルカミド)を使用し、実施例16として、花王(株)の商品名「モア」(界面活性剤(48):アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)、アルキルアミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルベタイン)を使用した。
【0029】これら実施例15及び16に係るカビ臭の消臭剤及びカビの発育抑制剤について、実施例1乃至14と同様の実験を行ったところ、いずれも無臭でカビの発育阻止という結果を得ることができた。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、多量に散布することなく、安全性を有する真菌臭の消臭剤及びその消臭方法、真菌の発育抑制剤及びその発育抑制方法並びに防虫剤及び防虫方法を提供することができる。
【0031】また、本発明に係る真菌臭の消臭剤及び消臭方法、並びに真菌の発育抑制剤及び発育抑制方法によれば、例えば本発明に係る真菌臭の消臭剤及び真菌の発育抑制剤3ml前後を小口が開いた小さな容器に入れて置くだけで真菌臭を長期間消臭することができ、また真菌の発育を抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】595004713
【氏名又は名称】大竹 敬二
【出願日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【代理人】 【識別番号】100064539
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 登志男 (外1名)
【公開番号】 特開2003−2802(P2003−2802A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−351487(P2001−351487)