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【発明の名称】 獣類の捕獲装置
【発明者】 【氏名】川添 忠満

【要約】 【課題】本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、簡易なしかも頑丈な構成として、工具を使用せずに、簡単に取り付けることができ、オプションとして販売して、一般の檻に容易に取り付けることができ、しかも大型獣類の捕獲にも耐え、長期に渡って利用可能な獣類の捕獲装置を提供する。

【解決手段】獣類の進入口を備えた檻1と、垂直落下して進入口を閉鎖する扉3と、檻内に備えられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部4と、傾動部に係合して他端が扉に伸長し、扉を垂直落下可能に掛止するリンク5,6,7,8とを有した獣類の捕獲装置であって、獣類が檻1に進入して傾動部4に接触すると、その傾動に伴ってリンクを引っ張り、リンク先端の扉3の掛止が解除され、扉3が落下して進入口を閉鎖する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 獣類の進入口を備えた檻と、垂直落下して進入口を閉鎖する扉と、檻内に備えられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部と、傾動部に係合して他端が扉に伸長し、扉を垂直落下可能に掛止するリンクとを有した獣類の捕獲装置であって、獣類が檻に進入して傾動部に接触すると、その傾動に伴ってリンクを引っ張り、リンク先端の扉の掛止が解除され、扉が落下して進入口を閉鎖することを特徴とする獣類の捕獲装置。
【請求項2】 獣類の進入口を両側に備えた檻と、垂直落下して進入口の閉鎖を行なう扉と、檻内に備えられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部と、傾動部に係合して、他端が檻の進入口上端に水平突設し、その突設部分に扉を載せて扉を垂直落下可能に保持する左右のリンクとを有した獣類の捕獲装置であって、前記傾動部は檻の中央部分に吊り下げた状態で配置され、獣類が檻に進入して傾動部に接触すると、その傾動に伴って左右のリンクが引っ張られ、リンク先端の扉の掛止が外れ、扉が落下して進入口を閉鎖することを特徴とする獣類の捕獲装置。
【請求項3】 獣類の進入口を両側に備えた檻と、リンク後端に掛止されて進入口上に垂直落下可能に保持された扉と、檻の中央部分に吊り下げられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部と、傾動部に係合するリンクを有した獣類の捕獲装置であって、前記傾動部は檻の内部に吊り下げられる垂下部と、檻の上に突設されるロッドを有し、垂下部とロッドに先端のフックを係合させて上下2本のリンクを左右に伸長し、そして上下2本のリンクを後端部分で接合して一本化し、一本化したリンクのさらに後端を檻の天井の端に水平に突設し、その突設部分に左右の扉を載せて垂直落下可能に保持し、傾動部が傾くとその傾きに連動して下リンクうち左右いずれか及び上リンクのうち左右いずれかが引っ張られ、その引っ張りによって、左右両側の扉の突設部分がスライド退行し、扉が垂直落下することを特徴とする獣類の捕獲装置。
【請求項4】 前記扉は進入口の両側に垂直に突設したガイドに遊嵌して上下にスライドし、前記ガイド及び扉は檻本体と着脱自在として搬送時の嵩張りを解消し、さらに、檻上端の鉄筋と、扉の水平鉄筋との間隔を開けて、扉落下時の指の挟み込みを防止し、また、扉の下部には靴の挟み込みを防止する間隔が開けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の獣類の捕獲装置。
【請求項5】 前記傾動部の垂下部の途中を屈曲させて垂下させ、その下端に踏み板を配置し、屈曲させることによって踏み板を踏むと傾動部が傾動する構成とし、この傾動部を取り替えできるように装備し、状況に応じて踏み込み式に交換可能であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の獣類の捕獲装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は猪等の獣類の捕獲装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に猪、鹿、猿、熊等の獣類を捕獲する装置としては、檻の一端に進入口を備え、内部に獣類が進入したのを検知して扉を落下・閉鎖し、捕獲する構成の檻が知られている。これらの檻は、動物が進入して踏み板を踏み落とすことによって扉を閉鎖する構成のもの、動物が内部の掛止物に引っ掛かり、引っ掛かりによって扉を閉鎖する構成のもの等があり、バネ、その他の機構によって自動的に扉が閉鎖する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の捕獲装置は機構が複雑であったり、また、小動物を対象とするため、猪、熊等の大型獣類を捕獲した際には中で暴れるため、装置が壊れて再利用できないという問題があった。また、構造によっては、動物が警戒して捕獲の確実性が低い場合もあり、バネ仕掛け等の複雑な機構を備えたものは風雨にさらされて耐用性に欠けるという問題があった。本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、簡易なしかも頑丈な構成として、大型獣類の捕獲にも耐え、長期に渡って利用可能な獣類の捕獲装置を提供することにある。さらに、工具を使用せずに、簡単に取り付けることができ、オプションとして販売して、一般の檻に容易に取り付けることができる獣類の捕獲装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するための手段として本発明請求項1記載の獣類の捕獲装置では、獣類の進入口を備えた檻と、垂直落下して進入口を閉鎖する扉と、檻内に備えられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部と、傾動部に係合して他端が扉に伸長し、扉を垂直落下可能に掛止するリンクとを有した獣類の捕獲装置であって、獣類が檻に進入して傾動部に接触すると、その傾動に伴ってリンクを引っ張り、リンク先端の扉の掛止が解除され、扉が落下して進入口を閉鎖する構成とした。
【0005】請求項2記載の獣類の捕獲装置では、獣類の進入口を両側に備えた檻と、垂直落下して進入口の閉鎖を行なう扉と、檻内に備えられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部と、傾動部に係合して、他端が檻の進入口上端に水平突設し、その突設部分に扉を載せて扉を垂直落下可能に保持する左右のリンクとを有した獣類の捕獲装置であって、前記傾動部は檻の中央部分に吊り下げた状態で配置され、獣類が檻に進入して傾動部に接触すると、その傾動に伴って左右のリンクが引っ張られ、リンク先端の扉の掛止が外れ、扉が落下して進入口を閉鎖する構成とした。
【0006】請求項3記載の獣類の捕獲装置では、獣類の進入口を両側に備えた檻と、リンク後端に掛止されて進入口上に垂直落下可能に保持された扉と、檻の中央部分に吊り下げられて進入した獣類との接触によって傾動する傾動部と、傾動部に係合するリンクを有した獣類の捕獲装置であって、前記傾動部は檻の内部に吊り下げられる垂下部と、檻の上に突設されるロッドを有し、垂下部とロッドに先端のフックを係合させて上下2本のリンクを左右に伸長し、そして上下2本のリンクを後端部分で接合して一本化し、一本化したリンクのさらに後端を檻の天井の端に水平に突設し、その突設部分に左右の扉を載せて垂直落下可能に保持し、傾動部が傾くとその傾きに連動して下リンクうち左右いずれか及び上リンクのうち左右いずれかが引っ張られ、その引っ張りによって、左右両側の扉の突設部分がスライド退行し、扉が垂直落下する構成とした。
【0007】請求項4記載の獣類の捕獲装置では、請求項1、2又は3記載の獣類の捕獲装置において、前記扉は進入口の両側に垂直に突設したガイドに遊嵌して上下にスライドし、前記ガイド及び扉は檻本体と着脱自在として搬送時の嵩張りを解消し、さらに、檻上端の鉄筋と、扉の水平鉄筋との間隔を開けて、扉落下時の指の挟み込みを防止し、また、扉の下部には靴の挟み込みを防止する間隔が開けられている。
【0008】請求項5記載の獣類の捕獲装置では、請求項1、2、3又は4記載の獣類の捕獲装置において、前記傾動部の垂下部の途中を屈曲させて垂下させ、その下端に踏み板を配置し、屈曲させることによって踏み板を踏むと傾動部が傾動する構成とし、この傾動部を取り替えできるように装備し、状況に応じて踏み込み式に交換可能とした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本発明の一実施の形態にかかる獣類の捕獲装置は、図1に示すように鉄筋を縦横に網目状に掛け渡して構成した檻1と、檻1の左右に配置された獣類の進入口2と、進入口2を閉鎖する扉3と、檻本体の中央部分に吊り下げられた傾動部4と、その傾動部4に連結されたリンク5,6,7,8を主要な構成とし、餌につられて檻内に進入した獣類が傾動部に接触して傾動させ、リンク5,6,7,8が引っ張られ両側の扉3が落下して檻に獣類を閉じ込める構成となっている。前記檻1は猪等の大型獣類を捕獲できる頑丈な鉄筋によって構成され、幅700〜1000mm、高さ700〜1000mm、長さ1400〜2000mm程度の大きさとなっている。檻1の形状は角筒状の直状に形成され両側に進入口2と扉3を備えている。また、檻1は搬送時の便宜を考え、組み立て可能として搬送時には分解して搬送できるようにしても良い。
【0010】前記傾動部4は檻の天井の水平鉄筋9に掛止するフック10と、そのフック10に固定されて吊り下げられる垂下部11と、フック10及び垂下部11に固定されて檻1の上に垂直に突設されるロッド12によって構成されている。垂下部11は鉄筋を縦横に掛け渡した平板状の部材であり、進入した獣類が奥へ進む際に接触してフック10を支点として傾動する構成である。この垂下部11の大きさ・形状は捕獲する獣類の大きさ、設置場所、その他状況に応じて任意に設定する。フック10は逆U字(鈎状)に形成され、檻の横幅に合わせて、4カ所配置され、フック10を水平鉄筋9に掛止すると檻1内で傾動部4が前後に傾動できるようになる。また、垂下部11の上部延長線上にはロッド12が突設され、上方に20cm程度突設し、ロッド12の水平材にリンク7,8が係合している。そして、垂下部11が左に傾くとロッド12は右に傾き、垂下部11が右に傾くとロッド12は左に傾く構成となっている。この傾動部4は着脱自在であり、一般的な檻であって、天井に水平鉄筋があるものであれば取り付け可能である。
【0011】前記リンク5,6,7,8は傾動部4の傾動を伝達する細い棒状の鋼材であり、先端はくの字型あるいはU字型に屈曲したフック13が傾動体4に係合し、後端は扉へ延びて扉3を垂直落下可能に保持(掛止)している。この後端は檻の天井に掛止した金具14a(図2参照)に挿通して突設されている。垂下部11にはリンク先端のフック13が係合されて左右に伸び、リンク5,6後端が檻の進入口2に水平に僅かに突設している。そして、その突設部分14に左右の扉3の下端が載せられて垂直落下可能に保持されている。また、ロッド12にはリンク7,8先端のフック13が係合されて左右に伸び、その後端は下側のリンク5,6との係合部16に挿通して接合されて一本化されている。この係合部16は孔16aを有し、この孔16aにリンク後端を上から挿通して接合している。そして、この接合によってリンクは一本化されるのであるが、扉3の落下と共に接合が外れても捕獲の目的は達することができる。
【0012】リンク5,6,7,8の先端はくの字型に形成さているので、傾動部の引っ張り方向の傾動を伝達できるようになっている。しかし、引っ張り方向とは逆の押し出し方向の力が働いた場合にはフック13と傾動部4の係合がずれ、力を逃がすように作用する。すなわち、傾動部が傾くとその傾きに連動して下リンク5、6のうち左右いずれか及び上リンク7,8のうち左右いずれかが引っ張られ、その引っ張りによって、左右両側の扉の突設部分14がスライド退行し、上の扉3が垂直落下する構成となっている。
【0013】前記扉は檻3の左右の開口を閉鎖するものであり、突設部分14に保持(掛止)されて、進入口2の上で待機し、傾動部4及びリンク5,6,7,8に連動して垂直に落下して、進入口2を閉鎖するものである。この扉3は檻1と同様に鉄筋を縦横に掛け渡して形成したものであり、かなりの重量を有し、自重により垂直落下する。檻1の進入口2には左右両側に幅5cmの垂直材17が固定され、垂直材の外側はガイド18となっている。扉はこの進入口の両側に垂直に突設したガイド18に遊嵌して上下にスライドするように構成されている。また、このガイド18は檻1本体から幅5cmを開けて固定されている、この幅が設けらていることにより、檻1上端の鉄筋と、扉3の水平鉄筋との間隔が開けられ、扉落下時の指の挟み込みが防止されている。また、扉の下部分は最下端から7cm開けて、足、靴の挟み込みが防止されてる。また、垂直材17は檻1本体と金具、針金等で着脱自在となり、搬送時には分解して搬送できるようになっている。この垂直材17は内部で動物が暴れた際にも衝撃に耐えうるように強固な部材で構成されている。このように、垂直材17(扉部分)が着脱自在であるので、一般的な檻にこの扉を装着して、その他の傾動部、リンク等をセットすることができ、汎用性のある構成となっている。
【0014】次に、図3〜図5に基づいて本発明の作用について説明する。装置のセット時は図3に示すように傾動部4に左右2本合計4本のリンク5,6,7,8が連結され、リンクの後端が扉を垂直落下可能に保持している。図4に示すように図中左から猪が進入して傾動部を押すと、傾動部が傾き、リンク6,8が引っ張られる。ここでは、リンク6,8が引っ張られ、その引っ張りによって、左右両側の扉の突設部分14がスライド退行し、扉が垂直落下する。 ここで、リンク5,7は係合がずれるのみで力を逃がしている。これとは反対の進入口から猪が進入した場合には図5に示すように、傾動部4が反対に傾き、リンク5,7が引っ張られる。ここでは、リンク5,7が引っ張られ、その引っ張りによって、左右両側の扉の突設部分14がスライド退行し、扉が垂直落下する。ここで、リンク6,8は係合がずれるのみで力を逃がしている。尚、突設部分14を支えている金具14a(図2参照)はリンクのスライドと共に下に落下する構成としても良い。そして、リンクの係合部16は単にリンクを上から挿通しているだけなので、下に外れ易く、扉の落下と共に接合が外れても捕獲の目的は達することができる。
【0015】次に、図6は実施の形態2にかかる獣類の捕獲装置である。前記実施の形態1では平板状の傾動部としたが、本実施の形態は傾動部4の垂下部11を屈曲させて、段差を形成して垂下させ、その下に踏み板19を固定したものである。この傾動部4は垂下部に十数cm程度の水平材19aを固定して、その水平材19aの先の孔に遊嵌して踏み板19を垂下させている。このような屈曲した傾動部4を使用することにより、踏み板19を動物が踏み込み、それによって傾動部4が傾動して前記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。尚、踏み板19は図5では左右2本垂下させているが、一本でも実施可能である。そして、この踏み板19に幅広の踏み板20を掛け渡して検知面積を広くすることができる。
【0016】以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態においては、リンクの先端をくの字としたが、引っ張り方向の力を伝達し、その反対の押し出し方向の力を逃がすフックであれば適用可能であり、L字フックでも同一の作用効果となる。また、リンクの代わりとして、ワイヤ、ひも等の引っ張り力のみを伝達する部材を使用しても同一の作用効果となる。さらに、前記実施の形態では両側に進入口を配置した構成としたが、片側のみに進入口を配置したものであっても本発明に含まれる。この場合には檻に傾動部を吊り下げ、垂下部にリンク一本を係合させ、後端を扉の下へ伸ばして同様に使用することができる。また、前記実施の形態では左右に2本合計4本のリンクを使用する構成としたが、やや機構は複雑になるが、機構によっては左右に1一本づつ合計2本のリンクによって両側の扉を落下させることも可能である。
【0017】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項1〜3記載の獣類の捕獲装置においては、獣類が檻に進入して傾動部に接触すると、その傾動に伴ってリンクを引っ張り、リンク先端の扉の掛止が解除され、扉が落下して進入口を閉鎖する構成としたので、簡易な構造で確実に獣類を捕獲することができる。また、傾動部、リンク等の簡易な部品によって構成しているので、通常の檻に適用することができ、製造コストを低減できる。さらに、捕獲した獣類が内部で暴れることがあっても、檻が頑丈であれば、傾動部、及びロッドは簡易な構造であるので、衝撃によって曲がることがあっても回復が容易であり、長期に渡って利用可能である。
【0018】請求項4記載の獣類の捕獲装置においては、前記扉は進入口の両側に垂直に突設したガイドに遊嵌して上下にスライドする構成となっているので、重量のある扉であっても引っ掛からずにガイドに沿って確実に落下する。また、ガイド及び扉は檻本体と着脱自在となっているので、搬送時の嵩張りが解消される。さらに、檻上端の鉄筋と、扉の水平鉄筋との間隔が開けられているので、セット時の誤作動による扉落下時の指の挟み込みを防止できる。そして、扉の下部には地面との隙間が形成されるので、誤作動による靴の挟み込みを防止できる。
【0019】請求項5記載の獣類の捕獲装置においては、 前記傾動部の垂下部の途中を屈曲させて垂下させ、その下端に踏み板を配置し、屈曲させることによって踏み板を踏むと傾動部が傾動する構成とし、この傾動部を取り替えできるように装備したので、獣類の性質、設置場所等の状況に応じて踏み込み式に交換できる。
【出願人】 【識別番号】502042067
【氏名又は名称】川添 忠満
【出願日】 平成14年2月4日(2002.2.4)
【代理人】 【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道 (外3名)
【公開番号】 特開2003−225044(P2003−225044A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−26904(P2002−26904)