| 【発明の名称】 |
農薬散布方法および農薬散布装置付き播種作業機ならびに農薬散布装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 義輝 【住所又は居所】新潟県燕市物流センター2丁目29番地 北越物産株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】育苗箱への播種作業において農薬を育苗箱に好適かつ能率よく散布することができる農薬散布方法を提供する。
【解決手段】育苗箱搬送装置10の搬送径路に沿って、少なくとも播種装置50と覆土装置60を配備するとともに、覆土装置60の後方近接箇所に、ホッパ71に貯留した薬効長期持続型の粒状農薬nを繰出して搬送径路上を移動する育苗箱1内に連続散布する農薬散布装置70を配備し、農薬散布装置70から繰出された農薬nを、播種装置50および覆土装置60を通過して搬送されてくる育苗箱1内に連続散布する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農薬散布装置から繰出された薬効長期持続型の粒状農薬を、播種装置および覆土装置を通過して搬送されてくる育苗箱内に連続散布することを特徴とする農薬散布方法。 【請求項2】 前記農薬散布装置から繰出された農薬を覆土装置から繰出された覆土に混入しながら、搬送される播種処理済みの育苗箱内に連続散布することを特徴とする請求項1記載の農薬散布方法。 【請求項3】 農薬散布装置から繰出された薬効長期持続型の粒状農薬を、床土充填装置から繰出された床土に混入しながら、搬送されてくる育苗箱内に連続散布することを特徴とする農薬散布方法。 【請求項4】 育苗箱搬送装置の搬送径路に沿って、少なくとも播種装置と覆土装置を配備するとともに、前記覆土装置の後方近接箇所に、ホッパに貯留した薬効長期持続型の粒状農薬を繰出して搬送径路上を移動する育苗箱内に連続散布する農薬散布装置を配備してあることを特徴とする農薬散布装置付き播種作業機。 【請求項5】 前記覆土装置の覆土送出部位を後ろ向きに設けるとともに、前記農薬散布装置の農薬送出部位を覆土装置の前記覆土送出部位に対向するよう前向きに設けてある請求項4記載の農薬散布装置付き播種作業機。 【請求項6】 前記農薬散布装置の少なくとも農薬送出部位を前後に位置調節可能に構成してある請求項5記載の農薬散布装置付き播種作業機。 【請求項7】 播種装置と覆土装置と農薬散布装置の停止タイミングを同調させるよう構成してある請求項4〜6のいずれか一項に記載の農薬散布装置付き播種作業機。 【請求項8】 育苗箱を載置搬送する育苗箱搬送装置の搬送径路に沿って少なくとも播種装置と覆土装置を配備してなる播種作業機における覆土装置後方に配備されるとともに、前記育苗箱搬送装置を跨いで床面上に自立する脚部を備えてあることを特徴とする農薬散布装置。 【請求項9】 前記脚部に、前記育苗箱搬送装置に側方から接当作用するクランプボルトを備えてある請求項8記載の農薬散布装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として稲作に利用される農薬散布技術に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、稲作用の農薬として、田植え前の苗に散布するだけで本田での病害虫防除効果を長期間に亘って発揮する薬効長期持続型の粒状農薬が開発されており、この農薬を利用して農薬散布作業の省力化を図るための手段が種々研究開発されている。 【0003】薬効長期持続型の農薬には、播種処理時に育苗箱内に散布施用するものや、田植えの数日前から田植え当日の間に生育した苗の床土部に散布施用するもの、等がある。そして、播種処理時に育苗箱内に散布施用する手段としては、次のような形態のものが実施されている。 ■播種作業機に供給される床土に予め農薬を混合しておいて、農薬入りの床土を育苗箱に充填した後に播種処理する。 ■播種作業機を用いて連続播種処理を行う際に、播種直前あるいは播種直後に農薬を散布する。 また、苗の床土部に散布施用するものとしては、田植え当日に、田植機の苗のせ台に載置した苗の上から農薬を散布するもの(例えば、実公平7−18249号公報、特開2001−275423号公報参照)が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】農薬を混合した床土を育苗箱に充填して播種を行う■の形態では、前もって床土への農薬攪拌混入作業を必要とするものであるが、近年では、袋詰めした床土や床土代替え資材(紙系、木質系、発砲樹脂系、など)を購入して使用することが多くなっており、かつ、販売されるこれらの床材には予め肥料分が添加されていて、農家が肥料混入処理を要することなく手軽に使用できるようになっており、このように省力化が望まれる昨今では、わざわざ農薬攪拌混入作業を必要とするこの農薬散布形態は普及しにくいものである。 【0005】また、播種直前あるいは播種直後に農薬を散布する■の形態では、播種作業機における床土充填装置と播種装置の間、あるいは、播種装置と覆土装置との間に、農薬散布装置を配備する必要があるが、既存の播種作業機にはこのような配列に農薬散布装置を配備するスペースはなく、農薬散布用に新たに設計・ 製造した播種作業機の購入が必要となるものであり、農家にとっての経済的負担が大きくなる。 【0006】また、田植え作業を行いながら苗のせ台上の苗に農薬を散布する形態では、機体後部の苗植付け装置に農薬散布装置を取付ける関係で、苗植付け装置全体の重量が重くなり、機体の前後重量バランスに影響を及ぼす。また、本田での散布作業となるので、風の強い時や雨の時には適切な農薬散布が困難となるものであった。 【0007】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、育苗箱への播種作業において農薬を育苗箱に好適かつ能率よく散布することができる農薬散布方法、および、これを利用した農薬散布装置付き播種作業機ならびに農薬散布装置を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために以下のようにした。 【0009】〔請求項1に係る発明の特徴および作用効果〕 【0010】請求項1に係る発明の農薬散布方法は、農薬散布装置から繰出された薬効長期持続型の粒状農薬を、播種装置および覆土装置を通過して搬送されてくる育苗箱内に連続散布することを特徴とする。 【0011】これによると、播種作業の最終行程において農薬が覆土に混入して散布、あるいは、覆土表面に散布されることになり、種子に直接に接触することがほとんどなく、発芽時に種子の芽や根が薬害を受けるおそれがない。特に、この主の農薬は本田での生育期間まで薬効が持続されるように、硬くて溶けにくいものに形成されているので、たとえ出芽する際に農薬に接触することがあったとしても、播種から3日程度しか経過していない時点では農薬は未だ十分溶けておらず、幼芽が薬害を受けるおそれはない。そして、農薬が十分溶けた頃はすでに苗は十分生育していて薬害の心配は全くないのである。 【0012】また、ここで用いる農薬散布装置は覆土装置の後方に配備するので、既存の播種作業機における育苗箱搬送装置の後端付近の空きスペースに配備することが可能である。 【0013】従って、請求項1に係る発明の農薬散布方法によれば、既存の播種作業機の後部空きスペースに農薬散布装置を配備するだけで、播種作業と一連に農薬散布を行うことができるものとなり、農薬散布装置を準備するだけの最小限度の経済的負担で育苗前の農薬散布処理を能率よく行うことが可能となった。しかも、散布された農薬は、覆土に混入されて散布されるか、覆土の表面に散布されることになるので、種子に農薬が直接に触れるおそれが極めて少なく、薬害の影響を受けない効果的な農薬散布が可能となるのである。 【0014】〔請求項2に係る発明の特徴および作用効果〕 【0015】請求項2に係る発明の農薬散布方法は、請求項1の発明において、前記農薬散布装置から繰出された農薬を覆土装置から繰出された覆土に混入しながら、搬送される播種処理済みの育苗箱内に連続散布することを特徴とする。 【0016】これによると、覆土装置から繰出されて流動している覆土にぶつかる時の衝撃で農薬が拡散されやすく、特別複雑な拡散機構を要することなく簡単に農薬を育苗箱内に均一に散布することができる。 【0017】〔請求項3に係る発明の特徴および作用効果〕 【0018】請求項3に係る発明の農薬散布方法は、農薬散布装置から繰出された薬効長期持続型の粒状農薬を、床土充填装置から繰出された床土に混入しながら、搬送されてくる育苗箱内に連続散布することを特徴とする。 【0019】これによると、床土充填装置から繰出されて流動している床土にぶつかる時の衝撃で農薬が拡散されやすく、農薬を均一に混合した床土を育苗箱内に充填することができる。その結果、予め床土に農薬を攪拌混合するような予備作業を必要とすることなく、床土充填行程で簡単に床土に農薬を均一混合することができ、作業能率の向上に有効となる。 【0020】〔請求項4に係る発明の特徴および作用効果〕 【0021】請求項4に係る発明の農薬散布装置付き播種作業機は、育苗箱を載置搬送する搬送径路に沿って、少なくとも播種装置と覆土装置を配備するとともに、前記覆土装置の後方近接箇所に、ホッパに貯留した薬効長期持続型の粒状農薬を繰出して搬送径路上を移動する育苗箱内に連続散布する農薬散布装置を配備してあることを特徴とする。 【0022】この構成によると、播種直前あるいは播種直後に農薬を散布する形態の播種作業機のように、床土充填装置と播種装置の間、あるいは、播種装置と覆土装置との間に農薬散布装置を配備する必要がなく、既存の播種作業機における覆土装置の後方にある少しの空きスペースを利用して農薬散布装置を設置すればよい。従って、大幅な改造や設計変更を要することなく育苗前の農薬散布処理を能率よく行うことが可能な農薬散布装置付き播種作業機を安価に構成することができる。 【0023】〔請求項5に係る発明の特徴および作用効果〕 【0024】請求項5に係る発明の農薬散布装置付き播種作業機は、請求項4の発明において、前記覆土装置の覆土送出部位を後ろ向きに設けるとともに、前記農薬散布装置の農薬送出部位を覆土装置の前記覆土送出部位に対向するよう前向きに設けてあるものである。 【0025】この構成によると、覆土装置から繰出された覆土の流れに対して対向するように農薬が混入されるので、覆土にぶつかる時の衝撃で農薬が一層拡散されやすいものとなり、一層均一な農薬散布を行うことが可能となる。 【0026】〔請求項6に係る発明の特徴および作用効果〕 【0027】請求項6に係る発明の農薬散布装置付き播種作業機は、請求項5の発明において、前記農薬散布装置の少なくとも農薬送出部位を前後に位置調節可能に構成してあるものである。 【0028】この構成によると、農薬送出部位を前方に移動させて覆土送出部位に近づけると、流下する覆土に農薬を混入させながら散布する状態となり、逆に、農薬送出部位を後方に移動させて覆土送出部位から遠ざけると、育苗箱に播かれた覆土の表面に農薬を散布する状態となり、これら両散布状態を使い分けることが可能となる。 【0029】従って、請求項6に係る発明によれば、種子の種類や農薬の種類、その他の条件に応じて好適な農薬散布形態を行うことができる。 【0030】〔請求項7に係る発明の特徴および作用効果〕 【0031】請求項7に係る発明の農薬散布装置付き播種作業機は、請求項4〜6のいずれか一項の発明において、播種装置と覆土装置と農薬散布装置の停止タイミングを同調させるよう構成してあるものである。 【0032】この構成によると、播種装置での種子の繰出しおよび覆土装置での覆土の繰出しが停止すれば薬剤散布での農薬繰出しも停止されることになり、高価な農薬が無駄に繰出されてしまうことがなくなる。 【0033】〔請求項8に係る発明の特徴および作用効果〕 【0034】請求項8に係る発明の農薬散布装置は、育苗箱を載置搬送する育苗箱搬送装置の搬送径路に沿って少なくとも播種装置と覆土装置を配備してなる播種作業機における覆土装置後方に配備されるとともに、前記育苗箱搬送装置を跨いで床面上に自立する脚部を備えてあることを特徴とする。 【0035】この構成によると、農薬散布装置を育苗箱搬送装置の上に取り付け固定するような改造は不要であるとともに、育苗箱搬送装置の横幅寸法が多少異なっていても配備することができる。従って、すでに保有している各社の播種作業機を農薬散布装置付き播種作業機として使用することができ、農家の経済的負担を軽減する上で有効となる。また、覆土装置に対する農薬散布装置の設置位置が制約されないので、農薬散布位置を任意に設定することができ、覆土に農薬を混入させながらの散布形態や、育苗箱に播かれた覆土の表面への農薬散布形態を使い分けることが可能となる。 【0036】〔請求項9に係る発明の特徴および作用効果〕 【0037】請求項9に係る発明の農薬散布装置は、請求項8の発明において、前記脚部に、前記育苗箱搬送装置に側方から接当作用するクランプボルトを備えてあるものである。 【0038】上記構成によると、育苗箱搬送装置を跨いだ各脚部のクランプボルトで育苗箱搬送装置を挟持することで、農薬散布装置を育苗箱搬送装置に対して位置固定することができるとともに、育苗箱搬送装置の両側のクランプボルトを進退調節することで、農薬散布装置を育苗箱搬送装置に対して横幅方向に位置調節することができ、育苗箱搬送装置の横幅寸法の違う場合でも、適正な位置に農薬散布装置を設置して所望の農薬散布を好適に行うことができる。 【0039】 【発明の実施の形態】図1に、本発明の請求項1および2に係る農薬散布方法を実施するよう構成した第1例の農薬散布装置付き播種作業機の全体側面が示されている。この農薬散布装置付き播種作業機は、前後に長い育苗箱搬送装置10の搬送径路に沿って、床土充填装置20、床土均平装置30、灌水装置40、播種装置50、、および、覆土装置60をこの順に配備して構成された既存の播種作業機(図12参照)の後部に農薬散布装置70を付設して構成されたものであり、育苗箱搬送装置10の始端部(図中の左端部)から供給された育苗箱1を前方(図中の右方)に搬送しながら、床土充填処理、播種処理、覆土処理、および、農薬散布処理を施して育苗箱搬送装置10の終端部(図中の右端部)に送り出すように構成されている。 【0040】育苗箱搬送装置10は、床面上に据付られた前後に長い搬送フレーム11の内側に、左右一対の搬送ベルト12を水平に巻き掛けてモータ駆動するよう構成されるとともに、フレーム11の後端からフリーコンベア状の補助フレーム13を延出して構成されている。そして、モータ駆動速度を調整して育苗箱搬送速度を任意に調整することができるとともに、搬送経路の終端側には育苗箱1の存否を検知する接触式のセンサSが配備されており、設定された時間以上に育苗箱1が存在していることをセンサSが検知すると、処理済み育苗箱が滞留しているものと判断してと自動的にモータ駆動が停止され、滞留が解除されると搬送が再開されるようになっている。また、育苗箱搬送装置10の駆動および停止に同調して床土充填装置20、床土均平装置30、灌水装置40、播種装置50、および、覆土装置60が駆動および停止されるようになっている。 【0041】また、床土充填装置20は、ホッパ21に貯留した床土Tを幅広の繰出しベルト22によって定量づつ繰出して育苗箱1内に所定厚さに充填するよう構成され、床土均平装置30は、箱内に充填された床土表面を回転ブラシで均して余剰の床土を箱外に掃き出し、必要に応じて床土表面を鎮圧ローラで鎮圧するよう構成されている。また、灌水装置40は、均平化された床土上に水(または消毒液などの薬液を混ぜた水)を散布して床土Tを十分に湿潤化する。また、播種装置50は、ホッパ51に貯留した種子(種籾)mを繰出しローラ52によって所定量づつ繰出して、床土Tの表面に所定の密度でバラ播き散布する。さらに、覆土装置60は、ホッパ61に貯留した覆土tを幅広の繰出しベルト62によって定量づつ繰出して、播かれた種子mを薄く覆うよう構成されている。 【0042】農薬散布装置70は、既存の播種作業機における育苗箱搬送装置10の後部に存在する空きスペースに付設されており、この農薬散布装置70の詳細な構成が図2および図3に示されている。すなわち、農薬散布装置70は、ホッパ71に貯留した粉粒状の農薬nを溝付きの繰出しローラ72によって定量づつ繰出し、案内シュート73を介して育苗箱1内に流下送出するよう構成されている。ここで、1箱当たりの農薬散布量は50g程度の少量であるので、繰出し精度を高めるために前記繰出しローラ72は小幅に構成されている。また、小幅で繰出された農薬nを育苗箱1の横幅全体に散布するために、前記案内シュート73は先広がり形状に形成されるとともに、図4に示すように、案内シュート73の流下案内面は中央部が若干上方に膨らんだ湾曲形状に形成されている。また、繰出しローラ72を駆動するモータ74は、その回転速度を調整することで繰出し量を任意に加減することができるとともに、モータ制御装置が前記センサSにも接続されており、育苗箱搬送装置10をはじめとする他の諸装置の駆動および停止に同調して駆動および停止するようになっている。 【0043】そして、この農薬散布装置70の農薬送出部位は前向きに設けられて、覆土装置60の後ろ向き覆土送出部位に対向して接近するるよう配置されており、覆土装置60から繰出されて落下している覆土tに農薬nを混入しながら、搬送される播種処理済みの育苗箱内に連続散布するようになっている。この場合、流下している覆土に農薬nを逆方向から混入することで、ぶつかり衝撃によって農薬nの拡散が促進され、育苗箱内での農薬散布が均一に行われる。 【0044】播種作業機から取出された育苗箱1は、図5に示すように、所定厚さの床土Tの表面に播かれた種子mが、農薬nを混入した適度の厚さの覆土tで覆われた状態となり、図6(イ)に示すように、播種処理済みの育苗箱1群を平面状に並べて樹脂フィルムや寒冷紗などの保温材Fで覆って発芽させる平床出芽形態、あるいは、図6(ロ)に示すように、播種処理済みの育苗箱1を多数段に積み重ねて発芽させる積み重ね発芽形態、等の形態による出芽行程、その後の緑化行程、硬化行程を経てマット苗に生育され、田植機に装填されて本田に植付けられることになる。なお、上記出芽行程において、覆土表面は育苗箱1の上端縁より低く設定され、平床出芽形態では覆土表面と保温材Fとの間、あるいは、積み重ね発芽形態では上層の育苗箱1の底との間に隙間が形成されるので、箱内の農薬nが保温材Fや上層の育苗箱1に付着して無駄になるようなことはない。 【0045】ここで、図3中に示すように、育苗箱搬送装置10の搬送フレーム11には、農薬散布装置取付け用のボルト孔14が前後複数組設けられて、使用するボルト孔14を選択することで覆土装置60に対して農薬散布装置70を前後に位置調節することが可能となっている。これによると、覆土装置60の後ろ向き覆土送出部位に対して農薬散布装置70の前向き農薬送出部位を前後に位置変更することができ、例えば、農薬散布装置70を後方にずらすことで、図7および図8に示すように、育苗箱1に供給された覆土tの表面に農薬nを散布して、農薬nを種子mに直接接触させない状態で散布することもできる。なお、このように覆土tの表面に農薬nを散布するに当たり、農薬nは育苗箱1の移動方向と逆向きに送出されて覆土上に落下するので、覆土tの表面に着地した際の農薬nの飛びはねが促進され、農薬nの拡散が効果的に行われる。なお、前後複数組のボルト孔14に代えて前後長孔を設け、農薬散布装置70を所定範囲に亘って無段階に前後位置調節してボルト連結することも可能である。 【0046】覆土装置60の後ろ向き覆土送出部位に対して農薬散布装置70の前向き農薬送出部位を前後に位置変更する手段としては、上記のように農薬散布装置70全体を前後に位置調節する他に、例えば、図9に示すように、案内シュート73に取付けた延長シュート75の進退調節によって、農薬nを覆土tに混入しながら散布する形態と、育苗箱1に供給された覆土tの表面に農薬nを散布する形態を使い分けることが可能となる。 【0047】図10および図11に、本発明の請求項8および9に係る農薬散布装置を装備した第2例の播種作業機が示されている。この例における主要部には第1例と同様に、覆土装置60までを備えた既存の播種作業機が利用されているが、ここで用いる農薬散布装置70には4本の脚部76が備えられていて、育苗箱搬送装置10を跨いで床面上に自立できるよう構成されている。従って、農家が所有する既存の播種作業機における後部に農薬散布装置70を配備するだけで、第1例で説明したのと同等の農薬散布処理を行うことができるのである。 【0048】そして、各脚部76にはノブ付きのクランプボルト77が備えられており、育苗箱搬送装置10の搬送フレーム11を左右のクランプボルト77で挟み込むことで、農薬散布装置70のがたつきを防止するとともに、育苗箱搬送装置10に対する農薬散布装置70の横方向の位置決め調節に利用することができる。 【0049】図13および図14に、本発明の請求項3に係る農薬散布方法を実施する農薬散布装置付き床土充填作業機が示されている。この農薬散布装置付き床土充填作業機は、前後に長い育苗箱搬送装置10の搬送径路に沿って、床土充填装置20、床土均平装置30を配備して構成された既存の床土充填作業機において、上記構成の床土充填装置20と床土均平装置30との間に上記構成の農薬散布装置70を付設して構成されたものであり、育苗箱搬送装置10の始端部(図中の左端部)から供給された育苗箱1を前方(図中の右方)に搬送しながら、床土充填、農薬散布処理、および、床土均平処理を施して育苗箱搬送装置10の終端部(図中の右端部)に送り出すように構成されている。 【0050】ここで、床土充填装置20は、上記したように、ホッパ21に貯留した床土Tを幅広の繰出しベルト22によって定量づつ繰出して育苗箱1内に所定厚さに充填するよう構成され、また、床土均平装置30は、箱内に充填された床土表面を回転ブラシで均して余剰の床土を箱外に掃き出し、必要に応じて床土表面を鎮圧ローラで鎮圧するよう構成されている。 【0051】農薬散布装置70は、上記したように、ホッパ71に貯留した粉粒状の農薬nを横幅に小さい溝付きの繰出しローラ72によって定量づつ繰出し、先広がり形状で中央部が若干上方に膨らんだ湾曲形状の案内シュート73を介して前方に流下送出するよう構成されている。そして、案内シュート73の先端部が床土充填装置20の後ろ向き床土送出部位に対向して接近するるよう配置されており、床土充填装置20から繰出されて落下している床土Tに農薬nを混入しながら、搬送される育苗箱1に連続流下するようになっている。この場合、流下している床土Tに農薬nを逆方向から混入することで、ぶつかり衝撃によって農薬nの拡散が促進され、図15に示すように、床土Tと農薬nとが均一に混入された状態で育苗箱1に充填される。 【0052】〔別実施形態〕 ■上記第1例および第2例の農薬散布装置付き播種作業機では、基本となる播種作業機として、空の育苗箱1を育苗箱搬送装置10の始端に供給して、床土充填処理、播種処理、および、覆土処理を一連に行う型式ものを利用している場合を例示したが、別行程で床土充填処理を行った床土入りの育苗箱1を育苗箱搬送装置10の始端に供給して播種処理、および、覆土処理を一連に行う型式のものを基本の播種作業機として、これの後部に農薬散布装置70を取付け、あるいは跨り配置して利用することもできる。 ■上記農薬散布装置付き床土充填作業機においては、床土均平装置30の後方に必要に応じて灌水装置40を配備して実施することもできる。 【0053】■本発明は、野菜や花卉の苗を育苗箱を用いて栽培する際の播種作業や床土充填作業に適用することも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000241821 【氏名又は名称】北越物産株式会社 【住所又は居所】新潟県燕市物流センター2丁目29番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月16日(2002.1.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−204750(P2003−204750A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月22日(2003.7.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−7397(P2002−7397) |
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