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【発明の名称】 衛生害虫忌避装置
【発明者】 【氏名】山冨 光代
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】河瀬 茂樹
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】ゴキブリなどの衛生害虫の外部からの侵入と家具背面、下部での掃除しにくい場所での営巣、繁殖を絶つ。

【解決手段】冷蔵庫などの電化製品やシステムキッチン、食器棚などの家具下部に配設した超低硬度エラストマー2の永久粘着性により、外部からのゴキブリなどの衛生害虫の侵入を防ぎ、また発泡性エラストマー5を配設することにより、室内壁と家具との隙間を無くし、隙間に侵入したとしても発泡性エラストマー表面のランダム網目構造により衛生害虫が歩行しにくい状況のため、部屋内の衛生害虫の営巣を妨げ、繁殖を防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室内用電化製品、家具等の被衛生害虫忌避体と、その下部周囲に配される超低硬度エラストマーからなる衛生害虫忌避装置。
【請求項2】 超低硬度エラストマーはポリウレタン系エラストマーである請求項1に記載の衛生害虫忌避装置。
【請求項3】 超低硬度エラストマーはシリコーン系エラストマーである請求項1に記載の衛生害虫忌避装置。
【請求項4】 超低硬度エラストマーに抗菌剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生害虫忌避装置。
【請求項5】 室内用電化製品、家具等の被衛生害虫忌避体と、そのの背面部、側面部、あるいは下部の少なくとも一面に配される発泡性エラストマーからなる衛生害虫忌避装置。
【請求項6】 発泡性エラストマーはポリウレタン系エラストマーである請求項1に記載の衛生害虫忌避装置。
【請求項7】 発泡性エラストマーはポリオレフィン系エラストマーである請求項1に記載の衛生害虫忌避装置。
【請求項8】 発泡性エラストマーに抗菌剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生害虫忌避装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫などの電化製品やシステムキッチン、食器棚等の被衛生害虫忌避体と、その周辺に出現するゴキブリなどの衛生害虫を浸入防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般家庭の居住空間で、初夏に入った頃から、ゴキブリをはじめとした不快衛生害虫が出現し、特に台所、食堂、居間などは、衛生害虫の餌や水があることから頻繁に出現し、および適度な温湿度を好んで衛生害虫が営巣しやすいとされている。最近の住居形態は高気密性住居へと変化したことにより、新築の間では出現しにくいが、いったん侵入し、営巣すると逆に急激に繁殖し、数を増加することがある。地域的にも変化があり、以前は北海道にゴキブリはいないとされていたが、最近では、暖房が行き届いた都市部を中心に繁殖が確認されている。
【0003】中でもゴキブリは、サルモネラ菌などの病原菌を手足、糞などに有しており、住空間に繁殖することは不衛生で、かつ生活者に不快感を与えており、各家庭で専用殺虫薬剤スプレーや、捕虫器、ホウ酸を用いた据え置き式の忌避薬剤などで対応に工夫しているが、いったん発生すると、そのような殺虫方法では繁殖数に追いつかず、全体数の減少には至らない。またゴキブリは排水管周りの隙間から外部からも侵入し、システムキッチン、家具などの裏側に営巣し、繁殖する。
【0004】また特開昭61−172510号公報に挙げられるようなシステムキッチンに取り付けるタイプの電気除虫器があるが、配線構造が複雑なため、商品コストが高く、また接触した際の電気刺激によって忌避効果を得られるため、キャビネット庫内への侵入は抑えるが、空間全体の繁殖数の減少にはつながらない。
【0005】本発明は、ゴキブリなどの衛生害虫の外部からの侵入と家具背面、下部での掃除しにくい場所での営巣、繁殖を絶つため、忌避薬剤噴霧による衛生害虫の忌避効果を有する衛生害虫忌避装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決するために、本発明は、室内用電化製品、家具等の被衛生害虫忌避体と、その下部周囲に配する超低硬度エラストマーあるいは発泡性エラストマーからなるものである。
【0007】本発明によると、冷蔵庫などの電化製品やシステムキッチン、食器棚などの家具下部に配設した超低硬度エラストマーの永久粘着性により、外部からのゴキブリなどの衛生害虫の侵入を防ぎ、また発泡性エラストマーを配設することにより、室内壁と家具との隙間を無くし、隙間に侵入したとしても発泡性エラストマー表面のランダム網目構造により衛生害虫が歩行しにくい状況のため、部屋内の衛生害虫の営巣を妨げ、繁殖を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、室内用電化製品、家具等の被衛生害虫忌避体と、その下部周囲に配される超低硬度エラストマーからなるもので、超低硬度エラストマーの永久粘着性により、外部からのゴキブリなどの衛生害虫の侵入を防ぐ。
【0009】請求項2に記載の発明は、超低硬度エラストマーはポリウレタン系エラストマーであることを特徴としたもので、安価で加工しやすい。
【0010】請求項3に記載の発明は、超低硬度エラストマーはシリコーン系エラストマーであることを特徴としたもので、耐久性に優れている。
【0011】請求項4に記載の発明は、超低硬度エラストマーに抗菌剤が添加されていることを特徴としたもので、湿度の高い環境でも衛生面に優れた装置を提供することができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、室内用電化製品、家具等の被衛生害虫忌避体と、その背面部、側面部、あるいは下部の少なくとも一面に配される、発泡性エラストマーからなるもので、室内壁と家具との隙間を無くし、隙間に侵入したとしても発泡性エラストマー表面のランダム網目構造により衛生害虫が歩行しにくい状況のため、部屋内の衛生害虫の営巣を妨げ、繁殖を防止することができる。
【0013】請求項6に記載の発明は、発泡性エラストマーはポリウレタン系エラストマーであることを特徴としたもので、安価で加工しやすい。
【0014】請求項7に記載の発明は、発泡性エラストマーはポリオレフィン系エラストマーであることを特徴としたもので、安価で加工しやすい。
【0015】請求項8に記載の発明は、発泡性エラストマーに抗菌剤が添加されていることを特徴としたもので、湿度の高い環境でも衛生面に優れた装置を提供することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0017】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例におけるシステムキッチン用の衛生害虫忌避装置の断面図である。図1において、システムキッチンけ込み部1に超低硬度エラストマー2を配設した。本実施例では超低硬度エラストマーに、ポリウレタン系を使用した。け込み部内のキャビネット底板と排水管の境界部3にリング形状の超低硬度エラストマー4を配設した。システムキッチン背面部および側面部にシート形状の発泡性エラストマー5を接着した。
【0018】図2は本発明の第1の実施例におけるシステムキッチンけ込み部の断面図である。図2に示すシステムキッチンけ込み部1に、衛生害虫忌避装置の超低硬度エラストマー2は床面に密着するように接着した。け込み部の板材を切りかき、超低硬度エラストマー2は切りかいた部分の高さプラス2〜5mmの形状とすると、多少の床の傾きを無視することができ、床面との密着性は良好であり、今回は3mmプラスした形状を用いた。
【0019】図3は本発明の第1の実施例におけるシステムキッチン背面部の断面図である。図3に示すシステムキッチン背面部6にシート形状の発泡性エラストマー5を接着した。本実施例では発泡性エラストマーにポリウレタン系を使用した。同様にシステムキッチン側面部にもシート形状の発泡性エラストマーを接着した。なお、システムキッチンを設置する室内壁面に同様のシート形状の発泡性エラストマーを接着すると、さらに侵入忌避効果は向上する。
【0020】以上のけ込み下部に衛生害虫忌避装置を配設したシステムキッチンを試験用チャンバー内に設置した。システムキッチン下部に排水溝を設け、排水管を接続した。排水溝へはチャンバーからゴキブリが侵入可能となるようにした。比較試験として、同様の試験用チャンバーにシステムキッチンを設置した。け込み部内に乾燥飼料と水を入れた皿をおき、試験用チャンバー内にクロゴキブリを30匹放ち、24時間後のクロゴキブリのチャンバー内生息位置と数を確認した。この試験結果を(表1)に示す。
【0021】
【表1】

【0022】本発明の超低硬度エラストマーの粘着性により、け込み内部に侵入することは不可能であり、また外部排水溝からの侵入も、排水管との隙間を超低硬度エラストマーで塞ぐことにより、外部のわずかな隙間から、ゴキブリが侵入することを防いだ。システムキッチン背面部および側面部にシート形状の発泡性エラストマー7を接着することにより、ゴキブリの手足が発泡性のランダム網目構造表面にひっかかり、侵入しても営巣することを困難にしている。
【0023】なお、本実施例では、超低硬度エラストマーとしてポリウレタン系を用いたが、シリコーン系超低硬度エラストマーを用いても同様の忌避効果が得られ、かつ、洗剤など薬品耐久性に優れている。また、発泡性エラストマーとしてポリウレタン系を用いたが、オレフィン系発泡性エラストマーを用いても同様の忌避効果が得られる。なお、発泡性エラストマーはシート形状に限定するものでなく、テープ状に背面部および側面部周囲を隙間無く接着しても同様の効果が得られる。また、け込み部の形状は、本実施例の形状に限定するものではない。
【0024】図4は本発明の第1の実施例におけるシステムキッチンけ込み部の断面図である。本実施例では、け込み部を切りかいて、超低硬度エラストマーを接着したが、床面にけ込み部7と組合わさる形状のレール8を敷き、間に超低硬度エラストマー9に挟むことにより、さらに忌避効果を高め、床面の傾きにも影響を受けることなく、システムキッチンの荷重に対する強度を維持することができる。
【0025】(実施例2)図5は本発明の第2の実施例における超低硬度エラストマーの断面図である。図5に示す超低硬度エラストマー10に硝酸銀11を添加し、抗菌性を付与したものを用いた。本実施例では、超低硬度エラストマーとしてポリウレタン系を用いた。
【0026】図6は本発明の第2の実施例における発泡性ポリウレタン系エラストマーの断面図である。図6に示す発泡性ポリウレタン系エラストマー12に10、10’−オキシビスフェノキサアルシン13を添加し、抗菌性を付与したものを用いた。本実施例では、発泡性エラストマーとしてポリウレタン系を用いた。
【0027】なお、使用できる無機抗菌剤として、硫酸銀、塩化銀など、銀、銅、亜鉛、あるいはスズを担持したゼオライトやシリカゲルなどがあげれられるが、これらに限定するものではない。また有機系抗菌剤としては、10、10’−オキシビスフェノキサアルシンなどフェニルエーテル誘導体、シクロフルアニドなどN−ハロアルキルチオ系化合物、2−(4−チザゾリル)ベンズイミダゾール(以下TBZと略称する)などイミダゾール誘導体、2、3、5、6テトラコロル−4−(メチルスルホリル)ピリジンなど第4級アンモニウム塩などがあげられるが、これらに限定するものではない。
【0028】実施例1で使用した衛生害虫忌避装置の超低硬度エラストマーおよび発泡性エラストマーに抗菌性を付与した以外は実施例1と同様にして、試験用チャンバー内にシステムキッチンを設置し、クロゴキブリを30匹放ち、24時間後の超低硬度エラストマーおよび発泡性エラストマーの表面をサンプリングし、24時間後の培養試験の結果を(表2)に示す。
【0029】
【表2】

【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜8に記載の発明によれば、超低硬度エラストマーの永久粘着性により、外部からのゴキブリなどの衛生害虫の侵入を防ぎ、また発泡性エラストマーを配設することにより、室内壁と被衛生害虫忌避体との隙間を無くし、隙間に侵入したとしても発泡性エラストマー表面のランダム網目構造により衛生害虫が歩行しにくい状況のため、部屋内の衛生害虫の営巣を妨げ、繁殖を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−164250(P2003−164250A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−365845(P2001−365845)