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【発明の名称】 蚊を誘引するための微生物媒介方法およびその装置
【発明者】 【氏名】ハオ−ヤン リン

【要約】 【課題】蚊用餌を発生させるとともに、ヒトの表面温度および匂いに似たものを発生させるための装置および方法を提供する。

【解決手段】微生物の培養および餌の蒸発のための適当な熱勾配を発生させるため、制御された加熱アッセンブリーが使用される。蚊用餌の解放を促進するために餌解放ユニットが使用される。この餌は少なくとも酵母発酵物と微生物培養物とを含む。この餌は人体に無毒であり、発酵および分解からの天然生成物による蚊誘引物を発生させる。本発明の装置は、蚊を捕捉するための上部仕切り室と、餌および加熱アッセンブリーとを収容する底部仕切り室とを少なくとも有する。この装置は、誘引された蚊を破壊するための感電死用グリッドと、殺虫用ウェブと組み合わせることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 屋内外で使用可能な蚊捕捉用携帯用蚊制御システムであって、複数のチャンネルを含み、該チャンネルが蚊を導入、捕捉させるため内側に開口するようにした上部仕切り室と;底部仕切り室と;該上部仕切り室と底部仕切り室とを接続するための蝶ネジ式容器であって、少なくとも上部蝶ネジと、下部蝶ネジと、該上部蝶ネジと、下部蝶ネジとの間に設けられたグリッドとを具備してなるものと;第1のボトルを保持する第1の固定具であって、該第1のボトルが少なくとも第1の蚊用餌を収容し、該第1の蚊用餌が少なくとも酵母発酵物を含むものと;第2のボトルを保持する第2の固定具であって、該第2のボトルが少なくとも第2の蚊用餌を収容し、該第2の蚊用餌が少なくとも微生物培養物を含むものと;該微生物培養物および酵母発酵物のため熱を発生させるための制御可能な加熱手段と;該第1の蚊用餌および第2の蚊用餌の解放を助けるための餌解放ユニットであってスプレーノズルと、ポンプとを有するものと;を具備してなるシステム。
【請求項2】 蚊を捕捉することにより蚊を制御するための方法であって、該方法が:少なくとも蚊を導入させる手段と、蚊を捕捉するための手段とを具備する蚊用トラップを提供すること;蚊を誘引するための蚊用餌であって、少なくとも酵母発酵物と微生物培養物とを含むものを用意すること;該蚊用トラップ内に該蚊用餌を収容し、該蚊用餌により誘引された蚊が該蚊用トラップにより捕捉されるようにすること;該蚊用餌の解放を促進するための餌解放手段であって、該蚊用餌の拡散を促進するため空気を吹き付けるようにしたものを提供すること;該蚊用餌を培養するための熱を提供し、熱により蚊用餌からの匂いの発散を助け、該熱が体温に似せた物で、蚊の誘引要素として作用するようにすること;を具備してなる方法。
【請求項3】 蚊を誘引するための方法であって、該方法が:蚊を誘引するための蚊用餌であって、少なくとも酵母発酵物と微生物培養物とを含むものを用意すること;酵母発酵物と微生物培養物とを培養するとともに、該蚊用餌を蒸発させ蚊誘引物を放出させる熱を提供することであって、該蚊誘引物が酵母発酵物とヒトに似せた微生物培養物とからの匂いの組み合わせを少なくとも含み、該熱が体温に似せた物で、蚊の誘引要素として作用するようにすること;該蚊用餌の解放を促進するための餌解放手段であって、該蚊用餌の拡散を促進するため空気を吹き付けるようにしたものを提供すること;を具備してなる方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は昆虫制御のための手段に関する。特に、本発明は蚊を制御、破壊するための、微生物媒介による蚊誘引方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ヒトの歴史において昆虫の制御について大きな要望があった。蚊のような有害な昆虫を制御し、マラリア、黄熱病などの病気の拡散を防止する必要がある。世界中の公の健康施設において、蚊に関係する病気を除去するための強力な努力がなされてきたが、蚊の駆除の困難性から、その努力は全体として成功していない。蚊に関係する病気を除去するための他に、蚊を駆除する他の理由は、蚊による噛みつきによる害をなくすことである。従って、活動的な蚊を誘引し、捕捉し、破壊させることを含む、効果的な蚊の制御手段について長年に亘る要望があった。
【0003】メスの蚊はヒト宿主を求め、卵のため血を食事として得る。この宿主を特徴づける化学物質の組み合わせを介して蚊は宿主を見つけ出す。ヒト宿主から発生する揮発性物質が蚊の誘引物と考えられている。この揮発性物質は300−400種の化合物を含み、皮膚腺の分泌物又は皮膚ミクロフローラ、又はその双方から発散するものである。蚊はその嗅覚機構により90メートルもの遠い距離から、この誘引物質を検知することができる。
【0004】従来の制御方法は、化学的手段により蚊の集団を全体として攻撃したり、蚊の発生源を除去することでしかなかった。これらの方法は、面倒であり、労力を要し、毒性の化学薬品の危険量により、環境が破壊されることもしばしばある。その他の試みとして、蚊用トラップを作ることがなされている。蚊をトラップにより捕捉するため、光、暖気、炭酸ガス、オクテノール、水蒸気、乳酸が誘引物質として使用されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、バクテリア分解物および酵母発酵物を誘引物質として使用し、血を食事とするメスの蚊並びに宿主を求めない蚊をそれぞれ制御する方法を提供するものである。本発明では、特に効果的な誘引を達成するため、熱と擬似的誘引物質との組み合わせを使用する。更に、本発明では、誘引物質解放機構が組み合わせて用いられ、この誘引物質解放機構は蚊用餌を周囲に拡散させることを促進する。更に、本発明は蚊を制御し、捕捉後に蚊を破壊するための蚊の捕捉方法を提供するものである。
【0006】本発明の他の目的は、蚊用餌を発生させると共に、人体の表面温度および匂いに似せたものを発生させる方法および装置を提供することである。微生物の培養および餌の蒸発のための適当な熱勾配を発生させるため、制御された加熱アッセンブリーが使用される。この餌の放出は、餌放出ユニットにより更に促進することができる。この餌は少なくとも酵母発酵物と微生物培養物とを含む。この餌は人体に無毒であり、発酵および分解からの天然生成物による蚊誘引物を発生させる。本発明は、誘引された蚊を破壊するための感電死用グリッドと、殺虫用ウェブと組み合わせることができる。
【0007】ここに、具体的又は広範に記載したように、本発明は、屋内外で使用可能な蚊捕捉用携帯用蚊制御システムを提供するものであって、このシステムは、複数のチャンネルを含み、該チャンネルが蚊を導入、捕捉させるため内側に開口するようにした上部仕切り室と;底部仕切り室と;該上部仕切り室と底部仕切り室とを接続するための蝶ネジ式容器とを具備してなる。この蝶ネジ式容器は、少なくとも上部蝶ネジと、下部蝶ネジと、該上部蝶ネジと、下部蝶ネジとの間に設けられたグリッドとを具備してなる。この蚊制御システムは更に、少なくとも酵母発酵物を収容した第1のボトルを保持する第1の固定具と、少なくとも微生物培養物を収容した第2のボトルを保持する第2の固定具と、該微生物培養物および酵母発酵物のため熱を発生させるための制御可能な加熱手段とを具備してなる。
【0008】ここに、具体的又は広範に記載したように、本発明は、周囲への餌の解放を促進するための餌解放ユニットを含む。この餌解放ユニットは、餌を周囲に細かな液滴(霧)として拡散させるスプレー機構を利用するものである。従って、餌の或る空間における拡散速度および蒸発速度が増加し、蚊用餌の効率を高め、蚊を誘引する有効距離を増大させる。この餌解放ユニットは、スプレーノズルと、ポンプとを有する。スプレーノズルは、内部チューブと、外部チューブとを有する。外部チューブはサイホンのように作用し、液体をスプレーノズルの外から吸引し、スプレーノズルの上部に液体を上昇させる。ポンプによって空気又はガスが外部チューブ内に導入され、内部チューブの頂部孔から高速で噴射される。従って、液状の餌は細かな液滴(霧)として拡散され、それにより餌の拡散および蒸発が促進される。なお、以上および以下の記載は、単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲をより詳細に説明するためのものである。
【0009】
【発明の実施の形態】添付の図面は発明をより分かりやすくするためのものであり、明細書の一部を構成する。図1は、本発明の好ましい1例に係わる装置を示す模式図である。図2Aは、本発明の好ましい1例に係わる装置の斜視図まであり、図2Bは、図2Aの装置の要部分解斜視図である。また、図3は、本発明の好ましい他の例に係わる装置における餌放出ユニットを示す模式図である。
【0010】ヒトの汗に存在するコリネバクテリアは、チーズおよび足の匂いとして放出するメタンチオールを発生させることが知られている。これら微生物は呼吸からのヒトの匂いを生成させる原因となっていると思われる。ヒト宿主において揮発性誘引物質を生成するのに関与する直接的微生物についての証拠が、汗の培養により誘引物質が高められることから実証されている。従って、これらの微生物を識別することは有益であり、ヒトの匂いに似せるためにこれらの微生物が、吸血蚊を誘引する手段として使用される。
【0011】オスの蚊にとって、ネクターは唯一の食料であり、多くの種類のメスの蚊は血を食する前に、糖質ミールを取る。宿主を探す過程において、糖はエネルギー源を思われ、エネルギー保存における最初の違いは、宿主の揮発性物質への応答にも影響を与える。炭酸ガスが蚊の種類に関係なく誘引物質であることが、投与量依存応答において報告されている。本発明においては、蚊誘引物質は、ヒト宿主の揮発性物質に似せたヒト匂いシミュレータと、糖源と、炭酸ガス供給源とを含む。ヒト匂いシミュレータは特定のバクテリア分解物により供給され、定常的に増大する炭酸ガス濃度および匂いをつけた糖ミールは培養基として用いる果汁を用い酵母の発酵によって供給することができる。
【0012】
【実施例】以下のようにして、蚊に対し幾つかの実験を行った。
蚊: Aedes aegypti を23ないし25℃に保持し、相対湿度60−80%、12時間の明るい場所/12時間の暗い場所の条件下で検査を行った。成虫を30センチ立方のガーゼで覆われた籠の中に収容し、10%(v/v)糖溶液で飼育した。生物検定において、4−8日齢のメスの蚊で血を与えていないものを、2ポート嗅覚計内に開放させた。この嗅覚計はフライトチャンバー(1.6m x 0.6m x 0.6m)からなり、その中に蚊を解放させた。部屋からの空気は炭によりろ過させ、2個の蒸留水ボトル、2ポート体(直径が5センチ、30センチ互いに離間させたもの)の1つを介して通過させ、ついで、上記フライトチャンバーに導入させた。匂い源は上記ポートに配置指せ、その温度を循環水システムによって30℃に維持させた。一方、室温は23−25℃に維持させた。生体検定の観察時間は、蚊の放出後15分で行った。嗅覚計の全ての部分を一連のテスト相互間において、75%アルコールで洗浄し、強風を20分間吹き付けた。更に、未知の源からの偏った直接的応答の影響を打ち消すため、各テストの後、処置および対照の位置をポート間で交互させた。
【0013】(バクテリア)2種のコリネバクテリア、Brevibacterium epidermidis (BE)およびB. linens (BL)の菌株をDeutsche Sammlung von Mikrooranismen およびZellkulturen GmbH,Braunschweig,ドイツ国、Food Industry Research & Development Institute, Hsinchu, 台湾から入手し、生体検定に使用した。バクテリアは3つの異なる培基:TSB, MB, NBで培養させた。この3種の培基の成分は、TSB(トリプトン15g+ソイトン5g+NaCl5g/L;pH=7.3);MB(ミルク粉50g+ペプトン2.5g+NaCl5g/L;pH=7.2);NB(ペプトン5g+牛肉抽出物1.5g+イースト抽出物1.5g+NaCl5g/L;pH=7.4)であった。これらは30℃、200rpmで2日間攪拌した。蚊誘引の最も効率化のため、バクテリアおよび培基の異なる組み合わせを検査するため、異なる組み合わせからの2日齢バクテリア培基の4mLを臭覚計でテストした。
【0014】表1に示すように、これら3種の培基のいずれにおいても、殆どの菌株は成長した。しかし、BE9585菌株は成長せず、誘引作用が認められなかった。これらの内、BE9586菌株のみが、これら全ての培基で誘引作用が認められ、NB培基で培養されたものが最大の誘引率を示した。一般に、加熱手段を設けない場合は、誘引作用は30%を超えることはなかった。
【0015】表1.成虫メス蚊を誘引するバクテリア培基
: 蚊誘引の程度、百分率でほぼ測定された。
“−”は誘引を示さないもの、“+”=10%、“++”=20%、“+++”=30%。
:入手不能【0016】NB培基で生育されたBE9586菌株の吸引作用を更に特定するため、バクテリア培養物を遠心分離し、上澄み液を臭覚計で検査した。表2に示すように、成虫メス蚊の86.7%ものものがバクテリア培養物上澄み液に誘引された。この誘引率はNB培基単独よりも約20%高く、匂い源なしのブランク溶液のものよりも25%高かった。これはバクテリア培養物の分解により放出された揮発成分が成虫メス蚊をとりわけ誘引し得ることを示している。この検査において、加熱自体は61.7%の誘引を示し、これは先の非加熱匂い源のものよりも高かった。更に、加熱装置は、バクテリア分解物の良好な蒸発に寄与するものである。
【0017】
表2.バクテリア培養物上澄み液に誘引された蚊の誘引率(臭覚計で測定)
上澄み液 肉汁 ブランク 86.7±4.2 67.5±4.2 61.7±11.8:10,000xg、10分間の遠心分離で収集されたバクテリア培養物上澄み液。
:バクテリアを成長させるための培基。
:匂い源を臭覚計のポートに置かない。
:誘引された成虫メス蚊の数/30x100%。
この検査においては3回の繰り返しが行われた。各繰り返しにおいて、30匹の蚊の新規なバッチがフライトチャンバーに放たれた。
【0018】図1は本発明の好ましい1例に係わる装置を示す模式図である。図1において、装置100は上部仕切り室102と、底部仕切り室104に分割され、蝶ネジ容器106により接続されている。シールド108が上部仕切り室102の頂部に支持手段、例えば延長壁部を備えた支持ストックにより接続され、蚊を通過チャンネルに導くようにしている。シールド108は、約1−2センチ離して上部仕切り室102から分離されている。シールド108の下において、上部仕切り室102の頂部は複数の通過チャンネル110を含み、これらは上部仕切り室102の内部空間に向けて開放されている。この通過チャンネル110は蚊が通過可能な大きさの開口部を有するが、入ってくる蚊が逃げないように内側に開口している。上部仕切り室102を蝶ネジ容器106に嵌入させたのち、第1のボトル120が上部仕切り室102の内部および蝶ネジ容器106のグリッド112上に配置される。この第1のボトル120は、少なくとも匂いシミュレータと、炭酸ガス供給用の供給源ならびに糖源とを有する。好ましくは、このヒト匂いシミュレータと、炭酸ガス供給源は培地を備えた酵母の発酵により提供される。この培地は糖源として役立つ果汁であってもよい。
【0019】図1を参照すると、底部仕切り室104は、時間制御手段と、温度制御手段とを少なくとも備えた適当な加熱アッセンブリー114を含む。この時間制御手段は、使用者のスケジュールに基づく適用時間をセットアップする。温度制御手段は、特定の温度(セットアップ温度)まで加熱し、その温度に維持させるもので、例えば、少なくとも1つの金属ヒータ116を有する。この金属ヒータ116はロジック回路により制御される。調整可能な加熱アッセンブリー114は使用者のセットアップにより制御され、バクテリアの培養およびバクテリア分解物の蒸発のための規則的な熱勾配を発生させる。第2のボトル122が底部仕切り室104の内部および底部に配置される。この第2のボトル122は、宿主匂いシミュレータ、例えばバクテリア分解物を有する。培地で特定の微生物(バクテリア)を培養することにより、代謝生成物が発生し、培地を分解し、バクテリア分解物を生成させる。好ましくは、先に使用されたコリネバクテリア菌株および培養条件が用いられる。例えば、NB(ペプトン5g+牛肉抽出物1.5g+イースト抽出物1.5g+NaCl5g/L;pH=7.4)で生育されたBE9586菌株がバクテリア分解物を生成させるのに使用される。ヒータ116は底部仕切り室104の内側および第2のボトル122の上に設けられ、底部仕切り室104を加熱し、第2のボトル122内の微生物培養のための熱を供給する。逆漏斗118が用いられ、ヒータ116により供給された熱を底部仕切り室104内に集め、上部仕切り室102に熱を移動させ、酵母発酵のための熱を供給する。その結果、2つの仕切り室に2つの異なる熱領域が形成される。上部仕切り室102および底部仕切り室104の熱領域はそれぞれ約30℃および37℃であることが好ましい。この2つの仕切り室の熱領域の維持により、微生物の培養およびバクテリア培地で生成する誘引物質の発生のための熱が供給される。更に、この熱領域の維持は体温に似せさせ、蚊を誘引するための誘引媒体として作用する。
【0020】蚊、Aedes aegypti種に対し匂いシミュレータと組み合わせたときの熱の作用の実験によれば、熱の蒸発と併用されたバクテリア分解物により蚊の60%を誘引することができ、これは酵母の発酵により60分間で誘引された蚊の44%よりも大きいものであった。更に、バクテリアの分解、酵母の発酵、熱の蒸発の組み合わせにより相乗効果が生じ、臭覚計での12時間の培養により捕捉された蚊は85%に達した。バクテリア分解物を蚊の餌として或る時間、使用したところ、他の餌の場合と比較して、より多くの蚊を誘引することができたが、これは蚊の宿主探求行動における匂いの圧倒的影響によるものと思われる。
【0021】図2Aは本発明の好ましい1例に係わる装置の斜視図;図2Bは図2Aの装置の要部分解斜視図であり、図2Bは図2Aの装置の要部分解斜視図である。図2Aを参照すると、装置200には上部仕切り室202と、底部仕切り室204とが設けられ、蝶ネジ容器206により接続されている。図2Bを参照すると、装置200が部分的に分解した斜視図として示され、装置の詳細が図示されている。第1のボトル220はグリッド固定具224の上に装着されている。蝶ネジ容器206は、上部蝶ネジ部226と、底部蝶ネジ部228とを具備し、上部仕切り室202および底部仕切り室204をそれぞれ嵌合させると共に、上部蝶ネジ部226と、底部蝶ネジ部228との間にグリッド212を嵌合させている。第1のO−リング230と第2のO−リング232が、上部仕切り室202と、底部仕切り室204とを蝶ネジ容器でそれぞれシールするのに用いられている。グリッド固定具224はグリッド212上に配置され、上部仕切り室202を蝶ネジ容器206と嵌合させたのち、第1のボトル220が上部仕切り室202内に配置されるようになっている。なお、収集ウェブ234をグリッド固定具224とグリッド212との間に配置させ、死んだ蚊を収集するようにしてもよい。この収集ウェブ234は粘着物質を含んでもよく、これにより蚊又は殺虫剤を捕捉し、蚊を死亡させることもできる。更に、電気的グリッドを上部仕切り室202に設け、蚊を殺すようにしてもよい。
【0022】図2Bを参照すると、底部仕切り室は、着脱可能なアンダーキャリッジ238を備えたボトル固定具236を含んでいてもよい。第2のボトル222はボトル固定具236内に固定されている。着脱可能なアンダーキャリッジ238はボトル固定具236から取外すことができ、第2のボトル222を際充填したり、洗浄したりすることができる。ヒータ216および逆漏斗218はボトル固定具236の上に配置される。逆漏斗218はグリッド212の中央に面して狭い開口部を有し、底部仕切り室204に面して広い開口部を有する。それにより、チャンバーからあつめられた熱をグリッド212を介して上部仕切り室202に移動させることができる。
【0023】(餌放出ユニット)本発明の他の好ましい例として、上記装置に更に、蚊用餌の放出、蒸発を促進させるための餌放出手段を含めることができる。この餌放出手段は、例えば、餌を細かな液滴として(例えば、約5−50ミクロン)周囲に拡散させるためのスプレー機構を利用するものである。それにより、或る空間での餌の拡散速度および蒸発速度が高められ、餌の効率を向上させ、蚊を誘引する有効距離を増大させる。
【0024】本発明の餌放出手段の1例として餌放出ユニットが図3に他の好ましい例として模式図で示されている。図3において、餌放出(餌スプレー)ユニット300は上記装置(図3で303として示す)の内部に、上部仕切り室の内部に、底部仕切り室の内部に、第2のボトルの内部に、あるいは上部仕切り室と底部仕切り室との間に配置される。更に、餌放出ユニット300を電気的グリッドを結合させてもよい。
【0025】餌放出ユニット300は、ステンレス鋼からなるスプレーノズル302と、小さなエアポンプ304とからなる。エアポンプ304は、エアカートリッジ又は他の同様の機能の機構で置換してもよい。スプレーノズル302は、外側チューブ306と、内側チューブ308とを具備し、これらは入れ子式になっている。
【0026】エアポンプ304は、チューブ309を介して空気をスプレーノズル302の内側チューブ308に加圧、導入するものである。外側チューブ306が蚊用餌(液状)内に挿入されるので、裂け目310が外側チューブ306の底に形成され、液状餌がサイホンの作用により、スプレーノズル302のキャップ312に達する。内側チューブ308に圧入された空気は小孔314を介して高速で噴射され、餌を非常に小さな液滴として放出させる(図3に矢線で示す)。この液滴は平均径が約5−50ミクロンであり、従って、揮発性で、拡散が容易な霧状になる。
【0027】この装置303は、餌が大きな固まりで拡散されるのを防止するための外側シェルを有する。それにより、微細な液滴のみが周囲に拡散されることになる。従って、各液滴は急速、かつ、容易に蒸発し、餌の効率を高め、蚊を誘引する有効距離を増大させる。
【0028】従って、餌放出ユニットは餌を微細な液滴として外部に拡散させるから、或る空間での餌の拡散速度および蒸発速度が高められ、蚊を誘引する有効距離を増大させ、蚊用餌の効率を最大限に向上させることができる。
【0029】蚊誘引物質と組み合わせた場合の餌放出ユニットの効果を試験するため、蚊、Aedes aegypti種に対し3.5m x3.5m x 3mの部屋で実験を行った。その結果、蚊の捕捉率が30%(餌放出ユニットを有しない場合)から、90%(餌放出ユニットを有する場合)に増大させることができた。
【0030】従って、本発明の餌放出ユニットは、蚊用餌の拡散を増大させ、蚊の誘引を向上させ、それにより蚊の捕捉率を増大させることができる。更に、上述の蚊放出手段によるスプレー機構に代えて、気泡放出機構を使用し、蚊用餌の拡散を助けるようにしてもよい。溶液を有する特定の発泡剤間の化学的反応を介して、ガス、例えば炭酸ガスなど発生させ、周囲への餌の吹き付けを生じさせるようにしてもよい。従って、餌の放出が向上し、蚊の誘引を更に強化させることができる。この気泡吹き付け機構の1つの利点は、電力を必要としないから、殺虫剤又は粘着剤との組み合わせで屋外での使用に適している。
【0031】以上、本発明の趣旨を逸脱することなく、本発明の構成に対し種々の変更、改良が可能であることは当業者に自明であろう。上記記載に鑑み、本発明はそのような変更、改良も特許請求の範囲およびその均等物に含まれる限り、本発明により包含されることを意図している。
【出願人】 【識別番号】501456375
【氏名又は名称】バイオウエア テクノロジー カンパニー,リミテッド
【出願日】 平成13年11月26日(2001.11.26)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外2名)
【公開番号】 特開2003−164246(P2003−164246A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−360083(P2001−360083)