| 【発明の名称】 |
間伐材取替式海中林魚礁 |
| 【発明者】 |
【氏名】金田 吉弘 【住所又は居所】島根県隠岐郡西郷町大字港町字大津の二13番地4株式会社金田建設内
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| 【要約】 |
【課題】各種魚介類の生息・繁殖に適した人工魚礁を提供する。
【解決手段】コンクリート及び/又は鉄鋼で枠状に形成された土台部7から複数本の柱部8を立設した基枠部2と、土台部7上に格子状に組み立てられた複数本の間伐材13aからなる格子部3と、土台部7の底面側に格子状に組み立てられた複数本の間伐材13bを取り付けてなる上げ底部4と、格子部3上に載置された捨石14を取り囲む柵状の収納枠5とを備え、柱部8に海藻6を移植するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート及び/又は鉄鋼で枠状に形成された土台部上に複数本の間伐材を格子状に組み立てた格子部を設けると共に、前記格子部上に捨石を載置し、前記捨石を柵状の収納枠で取り囲んでなることを特徴とする間伐材取替式海中林魚礁。 【請求項2】 前記土台部から複数本の柱部を立設した基枠部を備え、前記柱部の内側に前記格子部を配置したことを特徴とする請求項1に記載の間伐材取替式海中林魚礁。 【請求項3】 前記基枠部から1又は複数本の柱部を立設した基枠部を備え、前記柱部に海藻を移植するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の間伐材取替式海中林魚礁。 【請求項4】 前記土台部の底面側に格子状の上げ底部を取り付けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の間伐材取替式海中林魚礁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、海底に沈設して魚介類の生息場となる魚礁に関し、より詳しくは間伐材を利用して構成された間伐材取替式海中林魚礁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】我国の近海領域においては、地球温暖化、環境破壊等の影響で海中環境が悪化し、魚介類の生息地が減少している。そこで、魚介類の生息・繁殖に適するように海中環境を改善する試みが各地で行なわれており、その一つとして魚介類の生息場となる人工魚礁を海底に沈設している。 【0003】従来の人工魚礁として、間伐材を有効利用したものが提案されている。間伐は、山林の手入れの一つで、林木の一部を伐採して立木密度を疎にし、有望な樹木の発育を助けるために行なわれている。しかし、間伐材の多くは建築資材としての商品価値が低いため、その有効利用の途が様々な分野で検討されている。そこで、従来では間伐材を井桁状に組み立てた礁本体に海藻種苗を移植すると共に、その内部に捨石を収納した人工魚礁が提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の人工魚礁は、間伐材がフナクイムシなどに食い荒らされるために寿命が短いという問題があった。すなわち、海藻が成長して胞子を周囲に散乱させる前に前記礁本体が倒壊し、藻場が形成されないおそれがあった。 【0005】本発明はかかる課題に鑑み創案するに至ったものであって、その目的は、間伐材が倒壊しても藻場の形成が可能で、かつ、各種魚介類の生息・繁殖に適した人工魚礁を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る間伐材取替式海中林魚礁は、コンクリート及び/又は鉄鋼で枠状に形成された土台部上に複数本の間伐材を格子状に組み立てた格子部を設けると共に、前記格子部上に捨石を載置し、前記捨石を柵状の収納枠で取り囲んでなることを特徴とする。すなわち、本発明は、繰り返し使用可能な土台部及び収納枠と、使い捨ての間伐材及び捨石とで構成され、数年間海底に沈設すると、前記間伐材が腐食して前記格子部が崩壊するから、前記間伐材及び/又は前記捨石による天然の魚礁が形成されると共に、前記土台部及び前記収納枠を引揚げて、再度間伐材取替式海中林魚礁を構築すれば、その構築費用が廉価になり、しかも間伐材の有効利用を図ることができる。 【0007】また、本発明は、前記土台部から複数本の柱部を立設した基枠部を備え、前記柱部の内側に前記格子部を配置したことを特徴とする。すなわち、間伐材取替式海中林魚礁を構築するに際し、前記格子部を前記柱部の内側に配置することにより、前記格子部が崩れ難くなる。換言すると、前記格子部が間伐材を格子状に積み上げたものであっても崩れ難くなる。 【0008】また、本発明は、前記土台部から1又は複数本の柱部を立設した基枠部を備え、前記柱部に海藻を移植するようにしたことを特徴とする。すなわち、何時崩壊するか分からない格子部に海藻を移植するよりも、コンクリート及び/又は鉄鋼で堅固に構成された柱部に移植した方が海藻の胞子を周囲に散乱させ易くなる。 【0009】また、本発明は、前記土台部の底面側に格子状の上げ底部を取り付けたことを特徴とする。すなわち、コンクリート及び/又は鉄鋼で構成された重量の重い基枠部を、そのまま海底面に沈設すると、海砂利が基枠部内外に堆積し、基枠部の引揚げ作業が困難になる。そこで、基枠部の底面側に格子状の上げ底部を取り付けると、海流の影響で海砂利が堆積し難くなる。なお、上げ底部としては、間伐材で構成したものでもよいし、コンクリート又は鉄鋼で基枠部から脱着自在に構成したものでもよい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明に係る間伐材取替式海中林魚礁(以下、単に魚礁1と称する。)の一実施形態について説明する。 【0011】図1は本発明の魚礁1を例示しており、同図において、2は基枠部、3は格子部、4は上げ底部、5は収納枠、6は海藻(一部にのみ符号を付す。)である。 【0012】基枠部2は、鉄鋼(丸鋼、溝形鋼、H形鋼、鋼管など)、コンクリート、鉄筋コンクリート又は鉄筋鉄骨コンクリートなどで形成され、例えば図2のように、矩形平面枠状に形成された土台部7の四隅から柱部8を立設したものでよい。 【0013】なお、土台部7としては、矩形平面枠状以外でもよく、例えば円環状、多角平面枠状又は立体枠状(立体格子を含む)などでもよい。また、土台部7が平面枠状に形成されている場合、魚礁1の内外の往来性を向上すべく、図3(A)のように、その側面部から窓孔にかけて貫通孔9を形成してもよい。さらに、土台部7の上面部には、格子部3を安定に載置できるように、間伐材13aが嵌合可能な嵌合溝10を形成してもよい。 【0014】また、柱部8は、横断平面形状が円形状や多角形状など種々の形状でよく、さらに、その側面部には、図3(A)のように、螺旋状の溝11を形成しておいてもよい。すなわち、螺旋状の溝11は、図3(B)のように、海藻6の幼体又は成体が付着したロープ12を柱8に巻回するに際し、ロープ12を嵌め込むためのもので、これにより、ロープ12の露出部位と柱部8の表面とのレベル差が縮まり、海藻6が柱部8に根付きやすくなる。 【0015】なお、基枠部2を構成するコンクリートとしては、海中での耐久性が高く、アルカリ性のアクが殆ど放出されない新素材コンクリート(例えば、中国電力株式会社製「NAクリート」(ネオアッシュクリート))を用いると良い。また、基枠部2は、軽量化を図るべく、土台部7及び柱部8を中空状に形成してもよい。さらに、基枠部2には、沈設時又は引揚げ時にフック(図示略)を引っ掛けるための係止部(図示略)を土台部7及び/又は柱部8に設けてもよい。 【0016】格子部3は、図1のように、所定本数(例えば5本)の間伐材13aを柱部8間に所定間隔で配列し、それと直交方向に所定本数(例えば5本)の間伐材13aを所定間隔で載置し、複数段(例えば6段)に積み重ねて格子状にしたものである。すなわち、格子部3は、間伐材13aの配列数に応じて適当な大きさの間隙を形成可能になっている。 【0017】なお、格子部3は、基枠部2の平面形状に対応して適宜間伐材13aの積み上げ方を変更してもよいし、金具又はロープ(いずれも図示略)などを用いて間伐材13a同士を固定してもよい。 【0018】上げ底部4は、図1のように、間伐材13bを縦横に積み重ねると共に、金具又はロープ(いずれも図示略)で基枠部2の底面側に取り付けたものであって、基枠部2が海底面下に沈下するのを防止するために設けられている。すなわち、基枠部2を直接海底面に載置すると、海流の影響で海砂利が魚礁1の内外に堆積し、基枠部2が経年と共に徐々に沈下するおそれがある。これに対し、上げ底部4を設けた場合は、魚礁1の内外の通水性が向上し、海砂利が堆積し難くなる。 【0019】収納枠5は、柵状の枠体であって、格子部3の上部に載置され、その枠内に捨石14を収納可能になっている。なお、収納枠5としては、捨石14を収納可能で、かつ、所定の強度及び耐久性があればよく、例えば材質(例えば鉄鋼製、コンクリート製、樹脂製など)、網目の形状又は大きさなどに関しては適宜変更可能である。 【0020】本発明の魚礁1は、上記の如く、コンクリート及び/又は鉄鋼で枠状に形成された土台部7から複数本の柱部8を立設した基枠部2と、土台部7上に格子状に組み立てられた複数本の間伐材13aからなる格子部3と、土台部7の底面側に格子状に組み立てられた複数本の間伐材13bを取り付けてなる上げ底部4と、格子部3上に載置された捨石14を取り囲む柵状の収納枠5とを備え、柱部8に海藻6を移植するようにした。 【0021】すなわち、基枠部2の柱部8に海藻6の幼体又は成体を移植すると、所定期間(例えば1〜2年程度)経過後には、海藻6の胞子が散乱し、格子部3、上げ底部4、土台部7及び捨石14や、魚礁1の周囲に海藻6が根付き、藻場が形成される。さらに、所定期間(例えば3〜5年程度)が経過すると、間伐材13a,13bがフナクイムシなどに食い荒らされ、格子部3及び/又は上げ底部4が倒壊し、海藻6が付着した捨石14が基枠部2の窓孔内外に落下する。すなわち、本発明の魚礁1は、魚礁としての機能が低下しても海藻6が付着した捨石14を海底に残すことが可能であるから、海中環境を向上させることができる。 【0022】また、魚礁1の機能が低下した段階で、基枠部2及び/又は収納枠5を引揚げ、当該基枠部2及び/又は収納枠5を用いて、再度、魚礁1を構築して沈設することにより、図4のように、藻場の造成領域の拡張を容易に行なえる。すなわち、基枠部2及び収納枠5は、繰り返し使用することができるから、魚礁1の再構築を低コストで行なえ、しかも間伐材13a,13bの消費拡大が期待できる。 【0023】また、本発明は、間伐材13a,13bをフナクイムシなどの食料とすることで、その繁殖を促進しているので、フナクイムシなどを捕食する魚介類の蝟集効果を向上させることができる。さらに、間伐材13a,13bは、倒壊しても海中で生分解されて、含有ミネラルが海中に放出されるから、海中環境を向上させることができる。 【0024】以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、収納枠5を基枠部2の柱部8の外側又は内側若しくは窓孔から立設すると共に、収納枠5の下部を間伐材13aの径より大径の網目状に形成し、かつ、上部を捨石14の径よりも小径の網目状に形成してもよい。すなわち、収納枠5の下部では、間伐材13aを所定の網目に挿し込んで支持し、上部では間伐材13aの上に捨石14を載置する。これにより、間伐材13aが倒壊しても捨石14が基枠部2の窓孔に落ち込むから、基枠部2の引揚げが容易になり、しかも基枠部2の引揚げ後には海藻が付着した捨石14が一群で残るから、魚礁として機能を維持させることが可能になる。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、間伐材の有効利用が可能で、魚礁としての機能が低下しても海中環境を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500157332 【氏名又は名称】株式会社 金田建設 【住所又は居所】島根県隠岐郡西郷町大字港町字大津の二・13番地4
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| 【出願日】 |
平成14年2月1日(2002.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064584 【弁理士】 【氏名又は名称】江原 省吾 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−225033(P2003−225033A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−25720(P2002−25720) |
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