| 【発明の名称】 |
動物用保育ケース |
| 【発明者】 |
【氏名】萩原 實
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| 【要約】 |
【課題】保育される動物が細菌による感染症に罹るのを防止するとともに、適正な温度で保育できる保育ケースを提供する。
【解決手段】表面に光触媒層を形成した内側パネルを内部空間に臨むように配するとともに、底部のパネルの下側に保温用の面状発熱体を配する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】中に動物を入れて保育する保育ケースにおいて、内部空間に臨む内側パネルの表面に光触媒層を形成したことを特徴とする動物用保育ケース。 【請求項2】前記内側パネルが鋼板から構成されるとともに、その表面に焼付けまたは焼成によって光触媒層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動物用保育ケース。 【請求項3】光触媒層が酸化チタンであって、発生される活性酸素によって抗菌作用または殺菌作用を発現することを特徴とする請求項1に記載の動物用保育ケース。 【請求項4】内部空間に臨む内側パネルの内の底部のパネルの下側に保温用の面状発熱体を配することを特徴とする請求項1に記載の動物用保育ケース。 【請求項5】前記面状発熱体がグラファイトシートであることを特徴とする請求項4に記載の動物用保育ケース。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は動物用保育ケースに係り、とくに中に動物を入れて保育する動物用保育ケースに関する。 【0002】 【従来の技術】猫や犬等のペット、あるいは家畜が子供を産んだ場合には、母親である動物と一緒に生活するのが好ましいが、場合によっては母親から離して子供を保育しなければならない場合がある。ここで動物の子供は、生まれてから約6カ月の間は母親から受継いだ免疫性を有しているが、その期間を過ぎると免疫性を失う。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従ってとくに免疫性を失った後に劣悪な環境下で保育を行なうと、細菌による感染症に罹って病気になったり、ひどい場合には死ぬことになる。ところが動物の子供については、糞尿や人工乳、あるいは餌等によって保育環境が汚染される環境にある。従ってとくに免疫性を失うときに十分に清潔な環境を提供することができないという問題があった。 【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、動物のとくに子供を清潔な環境下で保育することが可能な動物用保育ケースを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願の主要な発明は、中に動物を入れて保育する保育ケースにおいて、内部空間に臨む内側パネルの表面に光触媒層を形成したことを特徴とする動物用保育ケースに関する。ここで前記内側パネルが鋼板から構成されるとともに、その表面に焼付けまたは焼成によって光触媒層が形成されることが好適である。また光触媒層が酸化チタンであって、発生される活性酸素によって抗菌作用または殺菌作用を発現させることが好ましい。さらに内部空間に臨む内側パネルの内の底部のパネルの下側に保温用の面状発熱体を配することが好ましい。そしてこのような面状発熱体はグラファイトシートであることが好ましい。 【0006】動物用保育ケースの内側パネルの表面に光触媒層を形成すると、この光触媒層が有する殺菌および抗菌作用によって、細菌の発生や増殖を抑えることができる。また光触媒層の防臭効果によって防臭性を保持し、さらには化学物質分解性能や大気浄化および水質浄化の性質を利用して、保育ケースの内側を清潔な環境下に維持することが可能になる。また底部のパネルの下側に面状発熱体を配するとともに、この面状発熱体によって保育ケースの内部を保温することが可能になる。 【0007】 【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の一実施の形態の動物用保育ケースの全体の外観を示すものであって、この動物用保育ケースはほぼ直方体状をなし、上部が開口した箱状に形成されている。すなわちこの保育ケースは扉を兼ねる前面板41と、左側側板42と、右側側板43と、背面板44とによって4辺が構成される。また底部側には底面板45が設けられており、もその中に動物の子供を入れて保育するようになっている。 【0008】前面板41の底部は底面板45の前端部に回動自在に連結されるとともに、前面板41の両側にシム付きのファスナテープ47が取付けられている。このファスナテープ47と左右両側板42、43の前面側の縁の部分に取付けられているシム付きファスナテープ48との間をスライダ49が移動することによって、前面板41の左右両端が左右両側板42、43の前端部に開閉自在に連結されることになる。 【0009】図1は前面板41を閉じてファスナテープ47、48をスライダ49で結合した状態を示している。これに対して図2はスライダ49を下に移動させてファスナテープ47、48を分離し、これによって前面板41を開くようにした状態を示している。 【0010】図3はこのような動物用保育ケースの内部の構造を断面で示したものであって、前面板41、左右両側板42、43、背面版44は何れも内側パネル10とキャンバス11とから構成されている。すなわちキャンバス11の内側に内側パネル10を接合するとともに、この内側パネル10の上縁をキャンパス11の上端から外側に折返して折返し部分12を形成した構造になっている。ここで内側パネル10が後述する鋼板によって構成される。 【0011】底面板45を構成する内側パネル10の下面にはキャンバスが取付けられず、その代りに図4Aに示す面状発熱体30が取付けられるとともに、この面状発熱体30の下側にはさらに底板52が装着されるようになっている。そして上記底面板45を構成する内側パネル10の上側に保温用布51が敷設される。 【0012】図4Bは底部の面状発熱体30の取付け構造の変形例を示しており、ここでは面状発熱体30と底面板45を構成する内側パネル10との間に蓄熱材層55を介在させるようにしており、これによって面状発熱体30からの熱をまんべんなくしかも緩やかに底面板45の上側の保温用布51に伝えるようにしている。 【0013】図5および図6はこのような保育ケースの内側パネル10の構造を示すものであって、ここでは鋼板15が素材として用いられるとともに、鋼板15の上下面にはそれぞれ化学処理層16、17が形成される。そして化学処理層16、17の外表面上にエポキシ樹脂層18、19が形成される。そして上側のエポキシ樹脂層19の表面に光触媒層20が形成される。 【0014】図7はこのような内側パネル10の製造プロセスを示しており、鋼板15に前処理を施して化学処理層16、17を形成する。そしてこの後に下側の化学処理層17の下面にエポキシ樹脂層19を下塗りして形成し、このエポキシ樹脂を焼成する。さらに反対側の化学処理層16の表面にはエポキシ樹脂18を上塗りして焼付けする。そしてこの後に上側のエポキシ樹脂層18の表面に光触媒層20を塗布して焼付けを行なう。 【0015】ここで鋼板15の厚さとしては0.5〜5mm程度の厚さの鋼板が用いられてよい。なお鋼板としては亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板が好適に用いられる。また鋼板に代えてアルミニウム合金板を使用することもできる。エポキシ樹脂層18、19は約30〜100μmの厚さに塗布されることが好適である。また外表面上の酸化チタンの光触媒層20の厚さは10〜50μmの範囲内が好ましい。 【0016】図8および図9は別の内側パネルを示しており、ここでは鋼板15の上下面にそれぞれニッケル処理による前処理層24、25を形成するとともに、上側の前処理層24の上側に上引き層26を、下側の前処理層25の下側に下引き層27を形成する。そして上側の上引き層26の上側に光触媒層20を形成している。ここで鋼板15としてはホーロー用鋼板が用いられ、前処理層24、25はニッケル処理によって形成される。 【0017】図10はこのようなルーフパネル10の製造プロセスを示しており、鋼板15の上下面にそれぞれ前処理層24、25を形成し、さらに前処理層25の下側に下引き層27を形成して焼成する。この後に上引き層26を形成して焼成し、その上側に光触媒層20を形成して焼成する。これによってホーロー鋼板が得られる。 【0018】ここで鋼板15の厚さとしては0.5〜3.0mmの厚さであることが好適である。また表面の下引き、すなわちホーローの膜厚は50〜300μmの厚さとすることが好ましい。また上側の上引き層26の表面にはその上に酸化チタン被膜20が形成される。酸化チタン被膜20と上引き層26の厚さの合計は60〜400μmの厚さとすることが好適である。これに対して下側のホーロー膜厚、すなわち下引き層27は50〜300μmの範囲内であってよい。 【0019】次に上記ルーフパネル10の下側に取付けられる面状発熱体11について説明する。図11に示すように面状発熱体11はグラファイトシートを用いるものである。すなわち天然鱗状黒鉛等の原料を浮遊選鉱し、さらに薬品処理を行なった後に濃硫酸と酸化剤との混酸によって酸処理を行なう。そしてこの後に膨張化処理を行なう。膨張化処理は炉内においてバーナで高温急加熱を行なうことにより達成される。そしてこの後にロール圧延を行なって成形する。これによってシート状のグラファイトシートが得られる。 【0020】このようなグラファイトシートを所定の形状、例えば図11に示すような形状に打抜く。そしてこのシート30の一端には直接電極33を形成するとともに、反対側の端部には配線パターン32を介して電極34を接続する。そしてこのような電極33、34を設けたグラファイトシートを図12に示すように上下一対の耐熱性樹脂フィルム35によって挟着して包む。なお周縁部からグラファイトシート31が露出しないようにする。 【0021】上記のような面状発熱体30を図12に示すようにそのままの状態で底面板45を構成する内側パネル10の下面に直接取付けるようにしてもよいが、このような面状発熱体30を例えば図13Aに示すようなセラミックボード57上に装着し、このセラミックボード57によって面状発熱体30を底板52の上部に配置することも可能である。あるいはまた図13に示すように偏平なトレイ状をなすエポキシ樹脂から成る樹脂ケース58の内部に上記面状発熱体30を収納してもよい。 【0022】図12に示すような面状発熱体30をそのままの状態、あるいはまた図13Aあるいは図13Bに示すような支持体によって支持された面状発熱体30を底面板45を構成する内側パネル10の下面に図3および図4に示すように配置する。これによってこの保育ケースの内部の保温を行なうことが可能になり、動物を適正な温度の下において保育できるようになる。 【0023】このように本実施の形態の保育ケースは、その前面板41、左右両側板42、43、背面版44、および底面板45の内側パネル10が何れも酸化チタンから成る触媒層20を表面に備えている。このような光触媒層20は電子と正孔を生じ、空気中の酸素と電子が水と正孔にそれぞれ反応する。そして酸化チタンの表面にスーパオキサイドイオンと水酸基ラジカルの2種類の活性酸素を発生させる。このような活性酸素によって殺菌作用、抗菌作用、防臭作用、大気浄化および水質浄化作用を発現する。 【0024】とくに光触媒の殺菌作用、抗菌作用、および防虫作用によって、この保育ケースの内部を清潔な状態に保持するとともに、雑菌の発生増殖を防ぐことが可能になり、これによって保育される動物が病気にかかり難くなる。また光触媒がセルフクリーニング機能を有しているために、内側パネル10の内表面が汚れ難くなるとともに、汚れも簡単に除去することが可能になる。 【0025】また底面板45の下側に配されている面状発熱体30の電極33、34間に電圧を印加すると、グラファイトシート31内を電流が流れ、ジュール熱によって発熱する。従ってこのような熱を利用してこの保育ケースの内部を保温できるようになる。ここでとくに図4Bに示すように面状発熱体30と底面板45の内側パネル10との間に蓄熱材層55を介装すると、熱の伝わり方が温和になってしかもまんべんなく保温することができ、動物に対して快適な環境を作出すことができる。 【0026】底面板45の上に配される保温用布51は抗菌効果を有する洗濯可能な布である。すなわち塩化ベンザルコニウム、ヘキサメチレンビグアミド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアミド塩酸塩、有機シリコン系第四級アンモニウム塩、金属化合物等の抗菌剤を繊維の表面にある感応基に反応させて固定するか、抗菌剤と反応性樹脂を混合し、繊維表面に加熱硬化により樹脂加工するか、抗菌剤を紡糸液に含ませ、紡糸後熱処理して固定するようにした繊維から成る布を用いる。 【0027】従ってこのような保温用布51もまた抗菌効果を発現することになり、これによって保育される動物を細菌や微生物あるいはカビから守ることができる。しかも汚損した場合には保温用布51を別の布と交換するとともに、洗濯して繰返し使用することができる。 【0028】このような保育ケースは、犬、猫、等のペットの子供の保育に好適である。あるいはまた家畜の子供を母体から離した状態で保育するのに好適である。とくに出生後約6カ月を経過して免疫を失う時期に細菌症にかからないで保育することが可能な保育ケースになる。 【0029】 【発明の効果】本願の主要な発明は、中に動物を入れて保育する保育ケースにおいて、内部空間に臨む内側パネルの表面に光触媒層を形成したものである。 【0030】従ってこのような動物用保育ケースによれば、光触媒層が有する殺菌作用および抗菌作用を利用して細菌の発生や増殖を抑え、保育される動物を細菌から保護することが可能になる。 【0031】内部空間に臨む内側パネルの内の底部のパネルの下側に保温用の面状発熱体を配するようにした構成によれば、上記面状発熱体によって保育ケースの内部を保温することが可能にり、適正な温度で動物を保育できるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000206174 【氏名又は名称】大成ラミネーター株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078145 【弁理士】 【氏名又は名称】松村 修
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| 【公開番号】 |
特開2003−204728(P2003−204728A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月22日(2003.7.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−6565(P2002−6565) |
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