| 【発明の名称】 |
植物栽培用培地 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡本 裕行 【住所又は居所】茨城県守谷市緑1−1−21 アサヒビール株式会社未来技術研究所内
【氏名】土屋 智子 【住所又は居所】茨城県守谷市緑1−1−21 アサヒビール株式会社未来技術研究所内
【氏名】石田 清治 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本石町4−4−20 新日本空調株式会社内
【氏名】井上 雅夫 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本石町4−4−20 新日本空調株式会社内
【氏名】山崎 秀一 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本石町4−4−20 新日本空調株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物を植物栽培培地として利用する技術を開発し、植物栽培において安全に使用でき、環境への負荷も低く、同時に、あらゆる植物の栽培に適用可能な植物栽培培地を提供することを目的とする。
【解決手段】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物を含む植物栽培用培地。有機性廃棄物は好ましくはビール粕、ウイスキー粕、麦根、製麦粕、酒粕、醤油粕、おから、ふすま、コーヒー粕、茶粕、リンゴ粕、ホップ粕、酵母、残飯、梅種残渣のいずれか一種以上である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物からなる植物栽培用培地。 【請求項2】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物を主成分として含む植物栽培用培地。 【請求項3】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物が粉状である請求項1または2記載の植物栽培用培地。 【請求項4】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物が粒状である請求項1または2記載の植物栽培用培地。 【請求項5】食品製造物にて発生する有機性廃棄物がビール粕、ウイスキー粕、麦根、製麦粕、酒粕、醤油粕、おから、ふすま、コーヒー粕、茶粕、リンゴ粕、ホップ粕、酵母、残飯、梅種残渣のいずれか一種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物栽培用培地。 【請求項6】副成分として食品製造物にて発生する有機性廃棄物あるいはロックウール、砂、土、セラミックボール、ヤシガラ、バーク、ピートモス、水苔、パーライト、バーミキュライト、無機質肥料、有機質肥料のうち、一種以上が含まれる請求項2〜5のいずれか1項に記載の植物栽培用培地。 【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6記載の養液栽培用または水耕栽培用培地。 【請求項8】請求項1、2、3、4、5または6記載の土壌栽培用培地。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、野菜、果物、穀類、根菜類、花卉類、園芸植物、観葉植物等の栽培の際に用いる植物栽培用の培地に関するものである。本発明における培地とは、植物栽培時における肥料、植物の支持体、植え込み材、栽培床、保水剤、透水剤、土壌、土壌改良剤等、栽培全般に関わるものをいう。 【0002】 【従来の技術】種々の炭化可能な原料を炭化処理して得られる炭化物を土壌改良材などに用いることは本願前公知であるが、該炭化物単独で植物栽培用培地としての使用例、該炭化物の養液栽用培地、水耕栽培用培地としての使用例、炭化物と土壌混合物の植物栽培用培地としての使用例は見当たらない。また、食品や飲料等の製造工程から生じるビール粕等の植物由来の廃棄物を炭化処理して再利用することは、最近知られるようになった(例えば、特許文献1−3参照)。しかしながら、これら公報のうち2つは、炭化処理して得られた炭化物が土壌改良材として利用することができる旨の記載があるのみであり、また残り1つの公報(特許文献3)にも炭化処理により得られた炭化物をそのまま植物土壌に混ぜて使用することのみ記載されているものの該炭化物を単独で植物栽培用培地としての使用例、該炭化物を粉砕後土壌と混合した培地としての使用例は見当たらない。また、成形装置にて製造した該成形炭化物(特許文献2参照)を適度な大きさに破砕もしくは粉砕したものを土壌と混合した培地としての使用例は見当たらない。 【0003】らん、しのぶ、観音竹等の園芸植物の栽培においては、その植え込み培地として水苔や砂利等が使用されてきた。また、最近観賞用苔を木炭培地に生育させる例も見受けられる。あるいは、養液栽培、水耕栽培と呼ばれる青果、野菜、果物の栽培方法においてはロックウールや砂等が栽培培地として利用されてきた。 【0004】水苔はわが国においてほとんど採取地が無く中国やニュージーランドよりの輸入に頼っているが、水苔の生育域には野生種のらん等も存在することが多く、採取の影響でらんの野生種の絶滅が危惧されている。更に、水苔は腐りやすく必ずしも最適の植え込み材とは言えず、水苔に代わるより好適な植え込み培地が望まれている。また、木炭は水に触れるとその水はアルカリ性に変える働きがあり、植物生育には不向きである場合が多いといえる。ロックウールは根が内部に張り詰めるために2年程度で交換する必要が生じるが、無機物のため現在有効な処分方法がなく、田に漉き込む等の方法が取られているが、これにも限界がある。このように植物用培地としては、安全に使用でき、環境への負荷を考慮した培地が求められている。 【0005】このような培地としては、植物の養液栽培栽培用基材、植物の根腐れ防止剤として、椰子の果肉を繊維の配列方向とほぼ直角に押圧した後、蒸し焼きにしてなる軽量炭化物チップが開示されている(特許文献4参照)。また、野菜の葉、茎、皮、または根等の農業廃棄物の炭化物を含む植物栽培培地およびそれを充填した花類、野菜類、果物物の養液栽培容器が開示されている(特許文献5参照)。本願出願人は、特願2001−29910にて炭化可能な原料、特にビール粕を炭化することにより得られる炭化物からなる、園芸植物、特にらんの植え込み材および該植え込み材に植えられた園芸植物の入った園芸栽培用容器をすでに開示した。さらに、ビール粕炭化物と土壌を混合した植物栽培用培地としてマリーゴールドの栽培例の記載がある(特許文献1参照)。しかしながら、植物栽培用培地中の水分保持量、通気量等の適性が植物により異なる、また、植物によっては生育段階に応じて水分保持量、通気量等がことなるため、あらゆる植物の栽培には適さない。 【0006】 【特許文献1】特開1996−9954号公報【特許文献2】特開2000−33496号公報【特許文献3】特開2000−44950号公報【特許文献4】特開1998−167712号公報【特許文献5】特開2001−45894号公報【0007】 【発明が解決しようとする課題】食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物を植物栽培培地として利用する技術を開発し、植物栽培において安全に使用でき、環境への負荷も低く、同時に、あらゆる植物の栽培に適用可能な植物栽培培地を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究した結果、ロックウール、水苔に代わり、食品製造にて発生する有機性廃棄物、特にビール粕の炭化物を植え込み材、養液栽培用培地、土壌培地等の植物栽培用培地に使用すると顕著な効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。 【0009】即ち、前記課題は、次の1)から8)の発明により解決される。 1)食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物からなる植物培養用培地。 2)食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物を主成分として含む植物培養用培地。 3)食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物が粉状である1)または2)記載の植物培養用培地。 4)食品製造にて発生する有機性廃棄物の炭化物が粒状である1)または2)記載の植物培養用培地。 5)食品製造物にて発生する有機性廃棄物がビール粕、ウイスキー粕、麦根、製麦粕、酒粕、醤油粕、おから、ふすま、コーヒー粕、茶粕、リンゴ粕、ホップ粕、酵母、残飯、梅種残渣のいずれか一種以上である1)、2)、3)または4)記載の植物栽培用培地。 6)副成分としてロックウール、砂、土、セラミックボール、ヤシガラ、バーク、ピートモス、水苔、パーライト、バーミキュライト、無機質肥料、有機質肥料のうち、一種以上が含まれる2)、3)、4)または5)記載の植物栽培用培地。 7)1)、2)、3)、4)、5)または6)記載の養液栽培用および水耕栽培用培地。 8)1)、2)、3)、4)、5)または6)記載の土壌栽培用培地。 以下、本発明について詳しく説明する。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の植物栽培用培地および植物栽培用培地の主成分となる炭化物の原料である有機性廃棄物としては、食品や飲料等の製造工程で排出されるビール粕、酒粕、麦根、製麦粕、醤油粕、おから、ふすま、茶粕、コーヒー粕、リンゴ粕、ホップ粕、酵母、残飯、梅種残渣等があげられるが、これらに限られるものではない。中でも炭化処理に関する研究が進んでいるビール粕が望ましい。 【0011】このような廃棄物の炭化処理方法としては、前記特許文献3、特許文献4等に記載された方法をはじめとして多数の方法が知られている。特に、本願出願人の出願に係る前記特許文献4には、ビール粕を原料とする炭化処理工程の工夫により均質化された炭化物が得られ、ビール粕を棒状等の適当な形状に成形した後、高温(例えば750〜850℃)で焼成すれば、硬度および精錬度が備長炭並みで粉の発生が少ない白炭を得ることができ、更に、通常の炭に比べて灰分量(特にP、Mg)や窒素量の多い炭化物が得られることも記載されている。 【0012】そこで、上記従来技術を利用して原料を粒状、棒状等の適当な形状に成形した後、炭化処理をすれば、目的とする炭化物を得ることが出来る。得られた炭化物から適当な大きさのものを選択する、もしくは炭化物を破砕、粉砕し篩い分けすることにより、植物の種類、植物の生育段階および植物栽培容器の種類に適合した大きさの植物培養用培地となる。例えば、5から30mm程度に砕いて用いれば、水苔と同等の通気性や保水性を有すると共に、水苔のように腐食性のない優れた培地成分となる。 【0013】また、粉状、細粒状で得られた炭化物はそのまま植物栽培用培地として使用できる。更に、粉状、細粉状で得られた炭化物や成形物を粉砕した炭化物を公知の造粒手段を用いて成形することにより、粒の大きさがそろい、植物の種類、植物の生育段階および植物栽培容器の種類にこだわらない植物培養用培地が得られる。更に、上記ビール粕成形白炭を植物培養用培地に用いれば、通常の炭化物における効果のほかに、ミネラル供給源としての肥料効果も期待でき、更に黒炭や活性炭を使ったときのように酷く手が汚れることもない。 【0014】尚、本発明で用いる炭化物は通常次のような物性値を有するものである。 比表面積:0.2〜2000m2/g硬度 :1〜20(木炭硬時計による測定値、20が上限) 密度 :0.1〜2.0g/m3【0015】また、上記ビール粕成形炭は、概ね次のような物性値を有する。 比表面積:1〜20m2/g硬度 :10〜20(木炭硬時計による測定値、20が上限) 密度 :1.8〜2.0g/m3ここで、比表面積はN2ガス吸着−BET法、NOVA1000(Quantchrome)で測定し、硬度は、三浦式木炭硬度計で測定し、密度はHeガス比較式法1000型(東京サイエンス社製)で測定したものである。 【0016】本発明の植物栽培用培地は上記粒状、粉状の炭化物のみであってもよいし、栽培する植物の種類によっては炭化物のみの場合より、保水性を向上させる必要があることから、上記粒状、粉状炭化物を主成分として、原料である有機性廃棄物そのものあるいはロックウール、砂、土、セラミックボール、ヤシガラ、バーク、ピートモス、水苔のうち一種以上を好ましくはロックウール、土、砂を副成分として混合してもよい。 【0017】特に、本発明の植物栽培用培地は、「らん科植物」等の園芸植物の植え込み材や花卉類、野菜や果物等の青果類の養液栽培、水耕栽培、土壌栽培に適する。栽培される植物は、らん、ベゴニア、チューリップ、バラ等の花卉類、トマト、きゅうり、ナス、大根、にんじん、ほうれん草、パセリ等の野菜類、メロン、イチゴ、ウリ、ウメ等の果物類等、その種類は制限されない。養液栽培の方法は培地を充填する容器と該容器に養液を供給路と排水路を備えた装置を用いて、養液を供給できれば、その方法には特に制限はない。 【0018】 【発明の効果】本発明によれば、通気性や保水性は水苔と同等であり、かつ、水苔のように腐食せず、更には生育力の高い園芸植物用植え込み材を提供できる。また、該植え込み材を入れた園芸栽培用容器で育成された生育の良い園芸植物を提供できる。更に、本発明の植物栽培用培地を花卉類、青果類の養液栽培に用いることにより、従来のロックウールや水苔を使った培地の場合に比べて、植物の生育が優れ、品質の優れた野菜や果実を得ることができる。同様に、本発明の植物栽培用培地を花卉類、青果類の土壌栽培に用いた際にも植物の生育が優れ、品質の優れた野菜や果実を得ることができる。また、本発明の植物栽培用培地の主成分である炭化物の原料である有機性廃棄物の炭化物は食品製造にて無尽蔵に発生するものであり、適切な炭化処理をすればその生産の際の環境への負荷が無く、該炭化物が不要となれば土壌改良材として使用すればよく、廃棄の際の環境への負荷がない。そして、該炭化物は植物由来のミネラルが豊富で、植物栽培において補助的な養分補給の役割を担う事ができ、食品由来であるので安全性が高い。更に、通気性、保水性に優れ、水を弱アルカリ性あるいは中性に保つことができるので、植物の生育に理想的な環境を与える。環境破壊が懸念されるロックウールや水苔の全部または一部を該炭化物に代替する事により、その使用量を削減することができる。 【0019】 【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。 【0020】実施例1上部の直径75mm、高さ75mm程度の市販の園芸栽培用植木鉢を用意し、植え込み材として、前記特許文献2に記載の方法で得られたビール粕成形白炭〔比表面積、硬度20、密度1.85g/cm3、ミネラル含有量は図1参照、なお、比表面積、硬度、密度は、前述の手段で測定した値であり、ミネラル含有量は、試料炭を湿式分解後、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES法)により定量した値である。〕を10〜20mmの大きさに砕いて用い、該成形白炭に「Phalaenopsis(こちょうらん)」の根を絡ませて植えた。この「こちょうらん」を、その栽培の定法に従って育成した結果を図2の下部に示す。栽培条件の概要は、温度:18〜25℃、相対湿度:50〜80%、日射量:3〜4万ルックスである。 【0021】比較例1植え込み材を成形白炭から水苔に代えた点以外は実施例1と同様にして「こちょうらん」を植え、実施例1と同じ環境条件で育成した結果を図2の上部に示す。 図2から、水苔よりも成形白炭の方の生育状態が優れていることは明らかである。 【0022】実施例2前記特許文献2に記載の方法で得られたビール粕成形白炭〔比表面積、硬度20、密度1.85g/cm3〕を10〜20mmの大きさに砕いたものとロックウールとの混合物(重量比で成形白炭:ロックウール=60:40)を栽培培地とし、イチゴの養液栽培を行った。その結果、同時に栽培培地をロックウール100%にして行った場合に比べて、品質の優れたイチゴを収穫することができた。 【0023】実施例3前記特許文献2に記載の方法で得られたビール粕成形白炭〔比表面積、硬度20、密度1.85g/cm3〕を1〜20mmの大きさに砕いたものとロックウールとの混合物(重量比で成形白炭:ロックウール=60:40)を栽培培地とし、トマトの養液栽培を行った。その結果、同時に栽培培地をロックウール100%にして行った場合に比べて、品質の優れたトマトを収穫することができた。 【0024】実施例4前記特許文献2に記載の方法で得られたビール粕成形白炭〔比表面積、硬度20、密度1.85g/cm3〕を20mm程度に粗粉砕したものと土壌の混合物(重量比で成形白炭:土壌=20:80)を栽培培地とし、ウメの土壌栽培を行った。その結果、同時に栽培培地を土壌100%にして行った場合に比べて、幹の成長が優れていた(図3)。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000055 【氏名又は名称】アサヒビール株式会社 【住所又は居所】東京都中央区京橋3丁目7番1号 【識別番号】390018474 【氏名又は名称】新日本空調株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本石町4丁目4番20号 三井第二別館
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| 【出願日】 |
平成15年1月8日(2003.1.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083714 【弁理士】 【氏名又は名称】舟橋 榮子
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| 【公開番号】 |
特開2003−325044(P2003−325044A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2003−1996(P2003−1996) |
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