| 【発明の名称】 |
植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システム |
| 【発明者】 |
【氏名】杉本 英夫 【住所又は居所】東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会社大林組技術研究所内
【氏名】光本 純 【住所又は居所】東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社大林組東京本社内
【氏名】伊藤 不二夫 【住所又は居所】東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社大林組東京本社内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射することで前記処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成してなることを特徴とする植栽用改良土。 【請求項2】 建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射し、前記処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成することを特徴とする植栽用改良土の製造方法。 【請求項3】 建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土が搬送開始位置にて投下されるベルトコンベヤと、該ベルトコンベヤの搬送途中に配置され前記処理土にドライアイス粒体を噴射して該処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成して植栽用改良土を製造するように構成されたブラスト装置とからなることを特徴とする植栽用改良土の製造システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、緑化を行う際に使用される植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムに関する。 【0002】 【従来の技術】SMW(ソイルセメント柱列壁)工法や、地中連続壁工法、シールド工法といった泥水工法においては、建設泥土が多量に発生する。また、水質汚染を防止するため、その原因となるヘドロ層を浚渫によって除去することがあるが、かかる浚渫工事においても浚渫泥土が多量に発生する。 【0003】このような発生土は、従来であれば脱水、pH処理といった処理を経た後、産業廃棄物として処分されることが多かったが、資源の有効利用や環境保護あるいは処分コストの低減といった観点から言えば、できるだけ再利用されることが望ましい。 【0004】このような背景の下、最近では、発生土にセメント系材料または石灰系材料を添加混合して強度を改善し、かかる処理土を盛土材、法面形成材、遮水壁の構築材あるいは裏込め等の空洞充填材として有効利用されることが多くなってきた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる処理土が使用された箇所では、セメント系材料や石灰系材料が添加されている関係上、アルカリ性が強くて植物の生育に適さない環境となり、緑化することが非常に困難となるという問題を生じていた。 【0006】なお、どうしても緑化が必要な場合には、健全な良質土を客土するか、硫酸、硫酸第一鉄、イオウ華といった薬剤を添加して中和する等の方法が考えられなくもないが、前者の方法ではコストがかかりすぎるという問題が生じ、後者の方法では、薬剤が危険物であるので取り扱いに十分な配慮が必要になるとともに作業にあたっては有資格者が必要となるという新たな問題が生じる。また、後者の方法では、適量を添加することが難しく、ややもすれば過剰添加となって酸性地盤になってしまうことも少なくなかった。 【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、セメント系材料や石灰系材料が添加された処理土であっても低コストかつ安全確実に緑化を行うことが可能な植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る植栽用改良土は請求項1に記載したように、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射することで前記処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成してなるものである。 【0009】また、本発明に係る植栽用改良土の製造方法は請求項2に記載したように、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射し、前記処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成するものである。 【0010】また、本発明にかかる植栽用改良土の製造システムは請求項3に記載したように、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土が搬送開始位置にて投下されるベルトコンベヤと、該ベルトコンベヤの搬送途中に配置され前記処理土にドライアイス粒体を噴射して該処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成して植栽用改良土を製造するように構成されたブラスト装置とからなるものである。 【0011】本発明に係る植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムにおいては、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射し、前記処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成する。 【0012】ここで、処理土は、原材料が廃泥であるため、もともと含水比が高く、その土粒子や土塊表面には多くの表面水が付着している。 【0013】そのため、従来の方法において処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成させるには、処理土を処理用地に拡げた上、大気中の二酸化炭素を表面水に溶け込ませた上、処理土内のカルシウムと反応させる必要があるが、大気中の二酸化炭素は表面水にゆっくりと溶け込むため、溶け込んだ二酸化炭素が土粒子又は土塊表面において処理土中のカルシウムと反応するには時間を要し、結果として、処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜が形成されるには非常に長い時間がかかっていた。 【0014】それに対し、上述したように処理土にドライアイス粒体を噴射すると、処理土の土粒子または土塊の表面に付着している水は、ドライアイス粒体による冷却作用によっていったん凍結し、その後、大気温度、例えば20゜Cであれば、該大気温度との温度差ΔTが実質的に零の状態から20゜以上の温度差にまで拡大し、かかる温度差の拡大に伴って温度ポテンシャルによる蒸気圧が大きくなり、凍結した表面水は、溶解過程を経てすみやかに蒸発するとともに、その溶解過程で生じた水、ドライアイス粒体による高濃度の二酸化炭素及び処理土内のカルシウムとが反応し、処理土の土粒子または土塊の表面には炭酸カルシウム被膜が形成される。 【0015】ここで、かかる凍結、溶解、蒸発及び被膜形成という一連の反応は瞬間的に進行するため、従来のように処理土を処理用地上に拡げて大気中の二酸化炭素による自然処理を行うよりも、炭酸カルシウム被膜の形成をはるかに短時間に終了させることが可能となる。 【0016】そして、土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜がいったん形成された後は、処理土中のアルカリ成分は、該炭酸カルシウム被膜によって土粒子又は土塊の内部に閉じ込められ、外部への溶出が抑制される。そして、その結果として、pHや電気伝導度(EC)が植物の生育に適した値に低下することとなり、かくして、本発明に係る植栽用改良土を緑化や農地化に用いることが可能となる。なお、本発明に係る植栽用改良土の利用形態は任意であり、盛土材、法面形成材、埋立材、埋戻し材、客土材、土壌改良材等として用いることが考えられる。 【0017】また、本来であれば、産業廃棄物として処分しなければならない廃泥を有効利用することが可能となり、資材のリサイクル及び廃棄物の減容化に大いに寄与するとともに、一時的な固定形態にすぎないドライアイスを炭酸カルシウム被膜という形態に転換することによって、二酸化炭素を長期的に固定することが可能となり、地球環境保全の観点で二酸化炭素削減ひいては地球温暖化の防止にも寄与する。 【0018】建設泥土、浚渫泥土等の廃泥とは、建築土木現場において含水比が高いためにそのままでは運搬等の取り扱いができず、固化材を添加する必要があるものをすべて包含するものであり、建設泥土の具体例としては、SMW工法で発生した残土、連続地中壁工法やシールド工法といった泥水工法で発生する劣化泥水などが該当する。また、その他の廃泥には、下水道汚泥等も含まれる。 【0019】ドライアイス粒体は、上述した作用が生じる限り、その大きさや形状は問わない。例えば、米粒大のものやペレット状のものを噴射するようにしてもかまわないし、粒径が小さな粒子状のもの、特に、微粒体に成形されたものを噴霧するようにしてもかまわない。なお、本発明では、噴霧という用語を噴射の下位概念として用いるものとする。 【0020】植栽用改良土は、公園、ゴルフ場、造成地、法面、河川堤防等に植栽を施して緑化を行うために用いてもよいし、畑や水田の農地化のために用いてもよい。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。 【0022】図1は、本実施形態に係る植栽用改良土を示した概念図である。同図でわかるように、本実施形態に係る植栽用改良土1は、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射することにより、該処理土の土粒子又は土塊2の表面に炭酸カルシウム被膜3を形成してなる。 【0023】本実施形態に係る植栽用改良土1を製造するには、まず、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土を準備する必要があるが、かかる処理土は、例えば、地中連続壁を構築する際に生じた劣化泥水を、サイクロン、スクリューデカンタ、フィルタープレス等で機械脱水して脱水ケーキとし、これを処理土とすることができる。なお、固化材についてはセメントを採用し、該セメントを例えばフィルタープレスで加圧脱水する前に予め添加しておけばよい。 【0024】図2は、本実施形態に係る植栽用改良土の製造システム21を示した全体図である。同図に示すように、植栽用改良土の製造システム21は、処理土4が搬送開始位置にて投下されるベルトコンベヤ11と、該ベルトコンベヤの搬送途中に配置されたブラスト装置12とからなり、該ブラスト装置は、処理土4にドライアイス粒体13を噴射して該処理土の土粒子又は土塊2の表面に炭酸カルシウム被膜3を形成して植栽用改良土1を製造するようになっている。 【0025】ブラスト装置12は、ドライアイス粒体13を噴射可能であればどのような装置でもよく、例えばコーティング材、接着剤、塗料その他の付着物の除去を用途とした公知のブラスト装置から適宜選択すればよい。但し、公知のブラスト装置は、付着物を除去することが目的であるという関係上、例えばペレット状のドライアイスをブラスト材として一定の速度で噴射しあるいは吹き付けるようになっているが、本実施形態では、ドライアイス粒体13の噴射にあたって特段の噴射速度や吹付け速度は不要であり、単に、処理土4に向けて噴射ないしは吹付けを行うことができれば足りる。 【0026】かかる製造システム21を用いて植栽用改良土1を製造するには、まず、上述のように準備された処理土4をベルトコンベヤ11の搬送開始位置に順次投下する。処理土4を投下するにあたっては、予め振動篩等でその土塊を砕き、できるだけ細かい土粒子にしておくのが望ましい。 【0027】次に、ベルトコンベヤ11で同図矢印方向に処理土4を移動し、次いで、ベルトコンベヤ11の上方に配置されたブラスト装置12からドライアイス粒体13を処理土4に向けて噴射する。 【0028】このようにすると、処理土4は、原材料が廃泥であるため、もともと含水比が高く、その土粒子や土塊2の表面には多くの表面水が付着しているが、上述したように処理土4にドライアイス粒体13を噴射すると、処理土4の土粒子または土塊2の表面に付着している水は、ドライアイス粒体13による冷却作用によっていったん凍結し、その後、大気温度、例えば20゜Cであれば、該大気温度との温度差ΔTが実質的に零の状態から20゜以上の温度差にまで拡大し、かかる温度差の拡大に伴って温度ポテンシャルによる蒸気圧が大きくなり、凍結した表面水は、溶解過程を経てすみやかに蒸発するとともに、その溶解過程で生じた水、ドライアイス粒体13による高濃度の二酸化炭素及び処理土4内のカルシウムとが反応し、処理土4の土粒子または土塊2の表面には炭酸カルシウム被膜3が形成される。 【0029】ここで、かかる凍結、溶解、蒸発及び被膜形成という一連の反応は瞬間的に進行し、炭酸カルシウム被膜3の形成は短時間で終了する。 【0030】なお、かかる炭酸カルシウム被膜3の形成プロセスにおいては、上述したドライアイス粒体13による水分蒸発作用及び本来の中和作用により、含水比及びpHが高い処理土4は、含水比が低下して速やかに乾燥するとともに、pHも低下して中和される。 【0031】ブラスト装置12を用いてドライアイス粒体13を噴射するにあたっては、該ドライアイス粒体が処理土4に均一かつ確実に噴射されるよう、噴射位置においては同図に示すように処理土4が所定の厚み以下でベルトコンベヤ11上に載置されているのが望ましい。また、ベルトコンベヤ11に沿ってブラスト装置12を複数台設置しておくことも考えられる。 【0032】ブラスト装置12からドライアイス粒体13を処理土4に向けて噴射したならば、これを植栽用改良土1としてベルトコンベヤ11の搬送終了位置にて回収し、かかる植栽用改良土1を盛土材、法面形成材、埋立材、埋戻し材、客土材、土壌改良材等の形態で緑化あるいは農地化のための土として利用する。 【0033】以上説明したように、本実施形態に係る植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムによれば、セメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土4にドライアイス粒体13を噴射するようにしたので、従来のように処理土4を処理用地上に拡げて大気中の二酸化炭素による自然処理を行うよりも、炭酸カルシウム被膜3の形成をはるかに短時間に終了させることが可能となるとともに、ブラスト装置12によるドライアイス粒体13の噴射作業ができるスペースがあれば足り、従来では不可欠であった広い処理用地も不要となる。 【0034】そして、土粒子又は土塊2の表面に炭酸カルシウム被膜3がいったん形成された後は、処理土4中に残留しているアルカリ成分は、該炭酸カルシウム被膜によって土粒子又は土塊2の内部に閉じ込められ、外部への溶出が抑制される。 【0035】そのため、pHや電気伝導度(EC)が植物の生育に適した値に低下することとなり、かくして本実施形態に係る植栽用改良土1を緑化や農地化に用いることが可能となるとともに、上述したように含水比も低下しているため、運搬等の取り扱いも容易に行うことができる。 【0036】また、本来であれば、産業廃棄物として処分しなければならない廃泥を有効利用することが可能となり、資材のリサイクル及び廃棄物の減容化に大いに寄与するとともに、一時的な固定形態にすぎないドライアイスを炭酸カルシウム被膜3という形態に転換することによって、二酸化炭素を長期的に固定することが可能となり、地球環境保全の観点で二酸化炭素削減ひいては地球温暖化の防止にも寄与する。 【0037】また、本実施形態に係る植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムによれば、炭酸カルシウム被膜3の形成プロセスにおいて、ドライアイス粒体13による水分蒸発作用及び本来の中和作用により、含水比及びpHが高い処理土4の含水比を低下させて速やかに乾燥させるとともに、pHを低下させることも可能となる。 【0038】本実施形態では、ベルトコンベヤ11の上方にブラスト装置12を配置してなる処理システムを用いて処理土4の土粒子又は土塊2の表面に炭酸カルシウム被膜3を形成するようにしたが、かかる処理システムを使用する代わりに、処理土4を処理領域に敷き拡げ、該処理土に向けて作業員による手作業でドライアイス粒体を噴射するようにしてもかまわない。 【0039】 【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る植栽用改良土及びその製造方法並びにその製造システムによれば、建設泥土、浚渫泥土等の廃泥にセメント系材料又は石灰系材料を主成分とする固化材が添加されてなる処理土にドライアイス粒体を噴射することで前記処理土の土粒子又は土塊の表面に炭酸カルシウム被膜を形成するようにしたので、pHや電気伝導度(EC)が植物の生育に適した値に低下した植栽用改良土を、従来のように処理用地上に拡げて大気中の二酸化炭素による自然処理を行うよりもはるかに短時間に製造することが可能となる。 【0040】また、本来であれば、産業廃棄物として処分しなければならない廃泥を有効利用することが可能となり、資材のリサイクル及び廃棄物の減容化に大いに寄与するとともに、一時的な固定形態にすぎないドライアイスを炭酸カルシウム被膜という形態に転換することによって、二酸化炭素を長期的に固定することが可能となり、地球環境保全の観点で二酸化炭素削減ひいては地球温暖化の防止にも寄与する。 【0041】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組 【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜東4番33号
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| 【出願日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099704 【弁理士】 【氏名又は名称】久寶 聡博
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| 【公開番号】 |
特開2003−325043(P2003−325043A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−135260(P2002−135260) |
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