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【発明の名称】 たばこ葉の収穫時の異物混入防止具並びにたばこの栽培方法
【発明者】 【氏名】渡邉 忠信

【要約】 【課題】高温障害防止や防草効果を保持するとともに、たばこ葉の収穫時に、異物が混入するのを確実に防止するたばこ葉の収穫時の異物混入防止具並びにたばこの栽培方法を提供する。

【解決手段】たばこ100の茎102の根元周辺のマルチシート110部分の上面を覆う板状の被覆部材10を有し、被覆部材10は、たばこの茎102を貫通状に通す貫通部12と、一端側が貫通部12に連通するとともに他端側が被覆部材10の外縁に連続して外部からの挿入動作で貫通部12の貫通位置に装着させる挿入路手段14と、を有する。たばこ100がある程度成長した際に、被覆部材10をたばこの茎102に外部からの挿入動作でその貫通位置に装着する。収穫時には、たばこの茎102の根元周辺の畝上面を被覆部材10で被覆させた状態で下位層葉からたばこ葉106の収穫を行わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マルチシートが上面側に張られ、成長に伴って畝の土に近接した側のたばこの下位層葉から順次に収穫を行うたばこ葉の収穫時の異物混入防止具であり、たばこの茎の根元周辺のマルチシート部分の上面を覆う板状の被覆部材を有し、被覆部材は、たばこの茎を貫通状に通す貫通部と、一端側が貫通部に連通するとともに他端側が被覆部材の外縁に連続して外部からの挿入動作で貫通部の貫通位置に装着させる挿入路手段と、を有し、被覆部材を貫通位置に装着して、たばこの茎の根元周辺の畝上面を被覆部材で被覆させた状態で下位層葉からのたばこ葉の収穫を行わせることを特徴とするたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項2】 挿入路手段は、貫通部と被覆部材の外縁とを連通させる挿入溝からなる請求項1記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項3】 挿入路手段は、貫通部から被覆部材の外縁に向けて連続して切り込まれ常時は切り口面を密着状に閉止させて貫通部での貫通状態でたばこの茎部分に被覆部材を係着させる切り込みからなり、被覆部材の挿入時に切り込みを広げて被覆部材を挿入させるとともに、貫通部の貫通位置に装着した際に切り口面の密着閉止状態に復帰させる請求項1記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項4】 貫通部は、たばこの茎部分を通す貫通孔からなる請求項1ないし3のいずれかに記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項5】 貫通部は、たばこの茎部分の貫通位置に設けられ該貫通位置を中心として放射状に設けられた複数の押し立て用切り込みを含み、切り込み片を押し立て状態で貫通孔を形成させつつ被覆部材をたばこの茎部分に装着させる請求項1ないし3のいずれかに記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項6】 被覆部材は、自己分解性のシート部材からなる請求項1ないし5のいずれかに記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項7】 被覆部材の外縁部の上面側への反りを防止する反り防止用屈曲部が形成された請求項1ないし6のいずれかに記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項8】 被覆部材は、畝の長手方向に長く形成されてたばこの離隔定植位置の複数のたばこの茎部分に同時に装着し得る複数の貫通部とそれに連係する挿入路手段とをそれぞれ有する請求項1ないし7のいずれかに記載のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具。
【請求項9】 たばこの栽培方法であって、マルチシートが上面側に張られた畝に定植されてある程度成長したたばこの茎部分に外部からの挿入動作でその中央位置の貫通部に装着させる被覆部材を用意し、被覆部材をたばこの茎への貫通位置に装着し、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆部材で被覆させる工程と、収穫時には、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆部材で被覆させた状態でその上方側の下位層葉からたばこ葉の収穫を行なう工程と、を含むたばこの栽培方法。
【請求項10】 たばこ葉を収穫した後に、畝の長さ方向に向けてマルチシートの略中央位置を被覆部材とともに両断し、その両断されたマルチシートをそれぞれ取り外す工程を含む請求項9記載のたばこの栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たばこ葉の収穫時の異物混入防止具並びにたばこの栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のたばこの栽培の方法は、畝を形成し、例えば、ビニル等の合成樹脂からなるマルチシートを畝の上面側を覆うように張り、たばこ苗を畝の長手方向に沿って互いにある程度離隔させた位置に並べて定植していく。定植する際には、マルチシートに孔をあけながら同位置の畝に穴を掘ってたばこ苗を植えていく。そして、たばこが、例えば、20〜30cm程度に成長した頃に、穴を埋めるようにたばこの根の辺りにその周辺の土をかけて土寄せを行う。たばこは下位層の葉から順次上位層の葉に向けて収穫に適した状態に熟成するものであり、成長して、例えば、葉長30〜75cmとなったときに下部側のたばこ葉から手で一枚ずつ収穫される。そして、全てのたばこの葉を収穫し終えたらマルチシートを取り除くものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マルチシートに苗植え用の孔を形成する際には、例えば、機械等でマルチシートに切り込みを入れたり、マルチシートを突き破るようにして孔を形成するので、縁がきれいに切り取られた孔を形成することは困難であり、孔の縁のビニルがささくれ状あるいは短冊状に分断されてしまうものであった。そして、下部側に位置するたばこ葉は地面に近接しているので、マルチシートの孔の縁に残ったビニル破片がたばこの下部側の葉に当接し、手でたばこ葉を収穫する際にその破片も一緒にちぎってしまい、ビニル断片がそのまま収穫したたばこ葉にまぎれ込む場合があった。ビニル等はセンサ等による検出が非常に困難であるので、人間の手作業でビニル等の異物を除去しなければならず、多くの労力が必要であるとともに小さい破片まで完全に取り除くことが難しく、異物が混入したまま出荷してしまう恐れがあった。また、マルチシートを被せたまま土寄せを行うので、土寄せの際にマルチシートが破れて畝の土表面が露出し、その露出した部分に雑草が育っていた。そして、雑草が下部側のたばこ葉に近接し、手でたばこ葉を収穫する際に雑草の葉や茎等も一緒にちぎってしまい、その雑草片が収穫したたばこ葉に混入する恐れがあった。雑草もセンサによる検出が非常に困難であり、前記したビニル破片等の異物と同様の問題が生じるとともに除草作業が必要であり、多くの労力が必要であった。また、全てのたばこの葉を収穫した後マルチシートを取り外す際に、たばこの茎に沿ってマルチシート全体を、例えば、100cm程度に成長したたばこの高さ以上に持ち上げて引き抜いていたので、持ち上げる際にマルチシートがたばこの茎等に引掛かって破け、その破片が畑に残る恐れがあった。ビニル等は自然には分解されないので、畑に長期間残り畑の環境を悪化させるとともに、次に栽培するたばこの収穫時にその残った破片が混入する恐れがあった。また、マルチシートをたばこの先端より高く持ち上げる作業は煩雑で多くの労力が必要であり効率が悪いものであった。さらに、例えば、夏季等の日差しが強い時期に、たばこの根元付近に太陽光が当ることによって土の温度が例えば、50〜60℃に上昇し、高温で根が腐れる等の高温障害が発生していた。これにより、たばこ葉の品質が低下したり、たばこ自体が枯れることで収穫量が低下する等の問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温障害防止や防草効果を保持してたばこ葉の品質や収穫量を保持し得ると同時に、たばこの茎に簡単に装着させて、たばこ葉の特に下位層側の葉を収穫する際にマルチシートの破片や雑草片等の異物が混入するのを確実に防止するたばこ葉の収穫時の異物混入防止具並びにたばこの栽培方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、マルチシート110が上面側に張られ、成長に伴って畝112の土に近接した側のたばこの下位層葉(104)から順次に収穫を行うたばこ葉104の収穫時の異物混入防止具であり、たばこの茎102の根元周辺のマルチシート部分の上面を覆う板状の被覆部材10を有し、被覆部材10は、たばこの茎102を貫通状に通す貫通部12と、一端側が貫通部12に連通するとともに他端側が被覆部材10の外縁に連続して外部からの挿入動作で貫通部12の貫通位置に装着させる挿入路手段14と、を有し、被覆部材10を貫通位置に装着して、たばこの茎102の根元周辺の畝112上面を被覆部材10で被覆させた状態で下位層葉からのたばこ葉104の収穫を行わせることを特徴とするたばこ葉の収穫時の異物混入防止具から構成される。
【0006】また、挿入路手段14は、貫通部12と被覆部材10の外縁とを連通させる挿入溝32からなることとしてもよい。
【0007】また、挿入路手段14は、貫通部12から被覆部材10の外縁に向けて連続して切り込まれ常時は切り口面を密着状に閉止させて貫通部12での貫通状態でたばこの茎102部分に被覆部材10を係着させる切り込み22からなり、被覆部材10の挿入時に切り込みを広げて被覆部材10を挿入させるとともに、貫通部12の貫通位置に装着した際に切り口面の密着閉止状態に復帰させることとしてもよい。
【0008】また、貫通部12は、たばこの茎102部分を通す貫通孔20からなることとしてもよい。
【0009】また、貫通部12は、たばこの茎102部分の貫通位置に設けられ該貫通位置を中心として放射状に設けられた複数の押し立て用切り込み28を含み、切り込み片30を押し立て状態で貫通孔を形成させつつ被覆部材10をたばこの茎部分に装着させることとしてもよい。
【0010】また、被覆部材10は、自己分解性のシート部材からなることとしてもよい。
【0011】また、被覆部材10の外縁部の上面側への反りを防止する反り防止用屈曲部18が形成されたこととしてもよい。
【0012】また、被覆部材10は、畝の長手方向に長く形成されてたばこの離隔定植位置の複数のたばこの茎部分に同時に装着し得る複数の貫通部12とそれに連係する挿入路手段14とをそれぞれ有することとしてもよい。
【0013】さらに、本発明は、たばこの栽培方法であって、マルチシートが上面側に張られた畝に定植されてある程度成長したたばこの茎部分に外部からの挿入動作でその中央位置の貫通部に装着させる被覆部材を用意し、被覆部材をたばこの茎への貫通位置に装着し、たばこの茎102の根元周辺の畝上面のマルチシート110を被覆部材10で被覆させる工程と、収穫時には、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆部材で被覆させた状態でその上方側の下位層葉からたばこ葉104の収穫を行なう工程と、を含むたばこの栽培方法から構成される。
【0014】また、たばこ葉を収穫した後に、畝の長さ方向に向けてマルチシート110の略中央位置を被覆部材10とともに両断し、その両断されたマルチシート110をそれぞれ取り外す工程を含むこととしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具の第1の実施形態を示しており、本発明の本発明のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具(以下、「異物混入防止具」という)は、この実施形態において、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシート部分を覆う板状の被覆部材と、被覆部材に設けられたたばこの茎を貫通状に通す貫通部と、一端側が貫通部に連通するともに他端側が被覆部材の外縁に連続して外部からの挿入動作で貫通部の貫通位置に装着させる挿入路手段と、を有し,ある程度成長したたばこの茎に被覆部材を装着してたばこの茎の根元周辺の畝上面を被覆させて、たばこ葉の収穫を行わせるものである。そして、高温障害の防止や雑草が生えるの防止し得るとともにたばこ葉を収穫する際にたばこ葉に異物が混入するのを防止する。
【0016】この実施形態において、図2、図3に示すように、栽培植物としてのたばこ100は、略半円筒状に土が盛り上げられ、その上面にマルチシート110が張られた畝112に植えられる。たばこは、畝の長手方向に沿って、例えば、42cm程度に離隔させながら直列状に並べて植えられる。図2では、たばこ100が、例えば、30cm程度成長した際の茎の根元付近の一部分の断面図を示している。マルチシート110は、例えば、ビニル等で形成されており、1つの畝112の上面に張られ、その裾側に土をかぶせて固定されている。マルチシート110は、たばこ100の定植位置に対応して孔が形成されており、その孔の縁114は、例えば、ささくれ状に形成されている。マルチシート110の孔の近傍には、例えば、土寄せ等の際に形成された破け箇所116が形成され、畝の土表面が露出している。一方、たばこ100は、その茎102を畝112の盛り上がり頂上付近からマルチシート110の孔を通って、上方向に略垂直に伸びており、その茎の根元付近の太さは、例えば、1〜1.5cm程度で苗床から移植して畝に定植後1ヶ月程度経過して、3〜5cm程度に成長している。下位層側のたばこ葉104は、茎102の根元の土際に近接して生えはじめ、次第に上方に向けて成長しつつ、上位層側に葉をつけて、順次、下位層側から上位層側の葉について摘み取りに適するように成熟する。
【0017】この実施形態において、異物混入防止具は、図1、図2に示すように、たばこ100の茎102の根元付近に装着される被覆部材10と、被覆部材10に設けられたばこの茎を貫通状に通す貫通部12と、被覆部材10の外部からの挿入動作でたばこの茎112を貫通部12に装着させる挿入路手段14と、を有している。
【0018】被覆部材10は、この実施形態において、図1に示すように、例えば、厚さ5mm程度の一枚のダンボール紙板からなり、平面視略矩形状に形成されている。被覆部材10は、ダンボール紙板の他に、例えば、厚紙や木製の薄板、生分解性プラスチック、その他任意の自己分解性のシート部材から形成されると好適である。なお、被覆部材は、プラスチック等の比較的硬質の合成樹脂から形成されていても良い。図1において、被覆部材10は、少なくともたばこの茎に装着した際に、たばこの茎の根元周辺のマルチシート部分を覆い得る大きさで設けられており、例えば、横の長さが約40cm、縦の長さが約30cm程度の矩形形状で設けられている。好適には、マルチシートの破け箇所116から露出している土表面部分も被覆させるようにするとよい。被覆部材10の4つの隅部は、それぞれ角が直線状に斜めに切り落とされている。
【0019】この実施形態において、図2に示すように、被覆部材10は、その外縁の左右両端側がそれぞれ下側に屈曲されており、反り防止用の屈曲部18が形成されている。屈曲部18は、図1に示すように、例えば、被覆部材の対向短辺側から10cm程度内側に離隔した位置に設けられた2本の平行な直線状の屈曲線16に沿って左右外部端側を下方側に向けて屈曲されている。屈曲部18は、畝112の大きさに対応して任意位置に形成される。屈曲部18は、図2において、被覆部材の直状の中央部分に対して、例えば、約150度程度の鈍角状の角度で屈曲されており、被覆部材10が茎102に装着された際に、被覆部材10の下面側が畝の上面に略沿うように設けられる。屈曲部18は、例えば、ダンボール紙板からなる被覆部材が一端雨等で濡れた後、乾燥する際に、被覆部材の外縁部が上面側へ反るのを防止し、被覆部材の畝上面の被覆状態を維持し得る。
【0020】貫通部12は、たばこの茎を貫通させて被覆部材をたばこの茎の貫通位置に装着させる貫通部分である。この実施形態において、貫通部12は、図1、図2に示すように、被覆部材10の略中央を垂直に貫通した1個の円形状の貫通孔20から形成されている。貫通孔20は、少なくともたばこの茎102の成長を阻害しないように茎102を通し得る程度の大きさでかつ被覆部材10がマルチシート110の孔の縁114を覆い得る程度の大きさで設けられており、例えば、貫通孔の直径が約5cm程度の大きさで設けられている。この貫通孔20をたばこの茎の貫通位置として茎を貫通させて被覆部材10がたばこの茎に装着される。なお、貫通孔20の形状は、円状のものに限らず、三角形や、四角形、それ以上の多角形、またはその他任意の形状でもよい。
【0021】挿入路手段14は、外部からの挿入動作によりたばこの茎を貫通部の貫通位置に装着させる挿入路手段である。この実施形態において、挿入路手段14は、図1に示すように、被覆部材10を直線状に切り込んで設けられた切り込み22から形成されている。切り込み22は、図1において、貫通孔20から被覆部材10の外縁に向けて一直線に切り込まれている。切り込み22は、鋭利な刃物等で貫通孔20と連通しつつ被覆部材の外縁に向けて連続して切り込まれており、その切り口面を互いに密着させている。切り込み22は、被覆部材10の切り込み22の両側部分を切り込み脚部24a、24bとして二股状に上半部を左右に2分割している。被覆部材10をたばこの茎に装着させる際には、切り込み脚部24a、24bを被覆部材に対して垂直方向に互いに離隔するよう逆方向に力を加えて湾曲させ切り込みを広げて切り口面を離隔させて挿入路となる間隙を形成させる。その間隙を介して被覆部材10をたばこの茎に対して挿入動作し、たばこの茎を貫通孔20に配置させる。そして、茎102を貫通孔20に配置させた際には、切り込み脚部24a、24bを復帰させ、切り口面を密着状閉止状態に復帰して装着される。したがって、被覆部材10は、常にたばこの茎102が貫通孔20を貫通した状態で茎への係着状態が維持される。なお、切り込み20は、直線状のものに限らず、のこぎり刃状や波形あるいはその他任意形状でもよい。挿入路手段14は、切り込み22に限らず、例えば、貫通部と被覆部材の外縁とを連通させる挿入溝でもよい。挿入溝の溝幅は、装着時の離脱防止のため茎径よりも狭く設けると好適であるが、茎径よりも広く設けても良い。また、挿入溝の形状は直線状や波形状或はその他任意形状でも良い。また、図1に示すように、切り込み22の被覆部材外縁側は、略V字状に切り欠きされて挿入口部26が設けられており、挿入路手段にたばこの茎を挿入しやすくさせている。
【0022】図2に示すように、異物混入防止具は、例えば、土寄せ後でたばこの高さが約30cm程度、茎の太さが約3〜5cm程度に成長した際に、たばこの茎に装着される。上記したように、装着させる際には、挿入路手段である切り込みを広げて外部から畝の長手方向に沿った方向に向けて被覆部材を挿入動作し、たばこの茎を貫通孔に配置させて切り口面を密着閉止させて装着させ、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシート部分を被覆させる。その際、マルチシートの孔の縁が貫通孔から上面側に突出しないようにし、被覆部材の下側に位置させるとよい。そして、図3に示すように、たばこの高さが約100cm程度に成長した際に、異物混入防止具を装着したまま下位層葉から手で収穫する。これにより、被覆部材でマルチシートの孔の縁を覆っているので、下位層葉を収穫する際にマルチシートの孔の縁等を葉とともにちぎることもなく収穫したたばこ葉にビニル破片等の異物が混入するのを確実に防止できる。さらに、被覆部材がマルチシートの破れ箇所から露出した土表面も覆うので、雑草が生えるのを防止する。また、被覆部材が茎の根元周辺の被覆しているので、茎の根元周辺の畝に太陽光が当たることがなく高温障害を防止し、立ち枯れ等を防止する。そして、たばこ葉の品質を維持し、収穫量も維持し得る。
【0023】図4は、被覆部材10の他の実施形態の構成を示しており、上記実施形態と同一部材には同一符号を付しその詳細な説明を省略する。図4では、被覆部材10は、平面視横長略矩形状で、4つの隅部は略直角に形成されている。図4において、被覆部材10は、屈曲部18を有しておらず、断面視略直線状態でたばこの茎に装着されてマルチシート上面側を覆う。また、挿入路手段14は、貫通孔22と被覆部材の外縁とを連通させる挿入溝32から形成されている。図4において、挿入溝32は、少なくとも貫通孔20の直径よりも狭い幅で直線状に形成されている。これにより、被覆部材の装着時に、たばこの茎が貫通孔から離脱するのを防止する。また、溝幅は、茎径よりも広くてもよい。
【0024】また、図5は、被覆部材10の種々の構成を示している。図5(a)に示すように、平面視円形状に形成されていてもよく、長丸や楕円形状でも良い。また、切り込み22の被覆部材10の外部側に設けられた挿入口26は、例えば、半円形状でもよく、その他任意形状でもよい。また、図5(b)、(c)に示すように、被覆部材10は、三角形、五角形状に形成されていても良く、また、それ以上の多角形状でも良い。また、それぞれの角が面取りされていても良い。また、図5(d)に示すように、被覆部材10は、略十字状に形成されていても良く、その他任意形状で形成されていても良い。また、被覆部材の左右端側を畝の形状に対応させて屈曲させて、反り防止用屈曲部を設けることとしても良い。また、挿入路手段は、切り込み22に限らず挿入溝32からなることとしても良い。
【0025】さらに、図6には、貫通部12の他の実施形態を示している。図6(a)に示すように、被覆部材10は、上記実施形態同様にダンボール紙板からなり、平面視略矩形状に形成されている。被覆部材10の略中央には、1個の貫通部12が設けられている。貫通部12には、その中心から外側に向けて略米印状に放射状に切り込まれた押し立て用の切り込み28が形成されており、その切り込み28により形成された8個の三角形状の切り込み片30を有している。押し立て用切り込み28は、その切り込みを挿入路手段である切り込み22と直線状に連通させている。また、切り込み片30は、底辺側が被覆部材10の内縁側と一体化しており、その底辺側を屈曲して切り込み片を押し立てて貫通孔を形成する。切り込み片30は、被覆部材のダンボール紙板から形成されているので、押し立てた状態から手を離すとその頂点側を中心に向けて倒伏するように強く復帰する。図6(b)に示すように、被覆部材をたばこの茎に装着させる際には、切り込み片30をその底辺側から屈曲し、上側に押し立てて茎102を貫通し得る貫通孔を形成して貫通位置としてたばこの茎を貫通させ、切り込み片30の復帰力により切り込み片30が茎に略密着して装着される。これにより、装着した際に、例えば、風等により被覆部材が移動して、茎や葉を傷つけるのを防止する。なお、放射状の切り込みによって形成する切り込み片の個数は任意でよい。被覆部材は、この実施形態ではダンボール紙板としたが、それに限らず、例えば、プラスチック板等のある程度の可撓性と自己復帰力を有した素材を選択することにより、単に被覆部材に切り込みをいれるだけで、切り込み片を押し立てながらたばこの茎を貫通させて、切り込み片をたばこの茎に係着させた状態で装着させることができる。
【0026】また、1個の被覆部材10に上記したような貫通部及び挿入路手段を複数個設けた構成としても良い。例えば、図7に示すように、被覆部材10は、畝の長手方向に沿うように横長く設けられている。図7において、被覆部材10は、3個の貫通部を有しており、それぞれの貫通部に連係する挿入路手段が設けられている。貫通部は、貫通孔20から形成されており、定植されたたばこの間隔に対応して離隔した位置に直線状に配置されている。また、挿入路手段は、それぞれの貫通孔20から被覆部材の外縁上辺側に向けて縦方向に切り込まれた直線状の切り込み22から形成されている。畝に定植されている複数のたばこの茎に同時に装着し得る。貫通部と挿入路手段は、3個に限らず、2個または3個以上の任意個数設けてもよい。また、反り防止用屈曲部が設けられていても良い。
【0027】次に、図8、図9をも参照しつつたばこの栽培方法の実施の形態について説明する。図8は、たばこの栽培方法の概略のフローチャートを示している。この実施形態において、たばこの栽培方法は、例えば、図1に示した被覆部材10を用意する。例えば、ハウス内等で種まきし、約3〜4週間後、株分けしてハウス内の苗床に仮植する。たばこ100が、例えば、10〜15cm程度の高さに成長した際に、図9(a)に示すように、マルチシート110が上面に張られた畝112に定植する。そして、図9(b)に示すように、たばこが、例えば、20〜30cm程度の高さに成長した際に土寄せを行う。その後、図9(c)、図10に示すように、たばこの高さが、例えば、30cm程度になった際に、挿入路手段を介してたばこの茎に対して横方向から被覆部材を挿入動作して被覆部材10をたばこの茎102への貫通位置に装着し、被覆部材をたばこの茎の根元周辺のマルチシートの上面側に載置状に配置して畝上面を被覆する。その際、マルチシートの孔の縁114が貫通部を介して上面側に突出しないように被覆部材の下に配置させる。そして、図9(d)に示すように、被覆部材を装着した状態で、たばこ100が成長して、例えば、100cm程度に成長した頃に、たばこ葉104が下位層葉から上位層側に向けて収穫に適するように熟成していくにつれて、順次、たばこ葉104を手で収穫していく。これにより、たばこの成長期間中及びたばこ葉の収穫期間中に茎の根元周辺のマルチシートを覆うので、茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆し、高温障害防止や防草効果を維持しつつたばこ葉の収穫時の異物混入を防止できる。
【0028】下位側のたばこ葉の収穫を開始してから約3ヶ月程度経過して上位側のたばこ葉まですべて収穫した後には、マルチシート110を切断して取り外す工程を行う。図10に示すように、被覆部材10をたばこの茎に装着した状態で、例えば、後部側に円盤状のカッタ120を備えたトラクタ等を畝112をまたぐようにそのタイヤ122を畝の間に配置させつつカッタ120をそれぞれの畝の中央に配置させる。なお、またがせる畝数は1条でも2条以上でもよい。そして、トラクタ等を図10上、左側に走行させながら円盤状のカッタ120によって、被覆部材10をマルチシート110とともにその略中央、すなわち、被覆部材10の貫通孔20及びマルチシートの孔の位置を直線状に切断して両断する。両断した後には、中央から両断されたマルチシート110のみを例えば、それぞれ横方向に引っ張るだけで畝から離脱させることができる。これにより、マルチシートの取り外しが簡単かつ確実にでき、マルチシートの破片が畑に残らないとともに取り外し作業の労力が軽減される。また、被覆部材は両断されることによって茎から離脱される。被覆部材が、例えば、ダンボール板等の自己分解性シート部材から形成されていると、そのまま畑に放置しておいても自然に分解される。
【0029】本発明のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具並びにたばこの栽培方法は、上記した実施形態に限るものでなく特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において任意の改変を加えても良い。例えば、被覆部材の形状や、大きさ厚さ等は、任意に設定される。また、被覆部材は、複数個のシート部材を組み合わせてたばこの茎に装着させることとしても良い。また、貫通部は、例えば、U字状の切れ込みを有し、その切れ込み片を押し立てて貫通孔を形成した状態で被覆部材をたばこの茎部分に装着させることとしてもよく、その他任意構成としても良い。
【0030】
【発明の効果】上記したように本発明のたばこ葉の収穫時の異物混入防止具によれば、マルチシートが上面側に張られ、成長に伴って畝の土に近接した側のたばこの下位層葉から順次に収穫を行うたばこ葉の収穫時の異物混入防止具であり、たばこの茎の根元周辺のマルチシート部分の上面を覆う板状の被覆部材を有し、被覆部材は、たばこの茎を貫通状に通す貫通部と、一端側が貫通部に連通するとともに他端側が被覆部材の外縁に連続して外部からの挿入動作で貫通部の貫通位置に装着させる挿入路手段と、を有し、被覆部材を貫通位置に装着して、たばこの茎の根元周辺の畝上面を被覆部材で被覆させた状態で下位層葉からのたばこ葉の収穫を行わせる構成であるから、■たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシート部分を覆うので、たばこ葉を収穫する際にマルチシートの孔の縁等をたばこ葉とを一緒にちぎることがなく、収穫したたばこ葉にマルチシートの破片等の異物が混入するのを確実に防止する、と同時に、■マルチシートの破れ箇所を被覆して雑草が生えるのを防止し、さらに、■たばこの茎の根元周辺の畝に当たる太陽光を遮るので高温障害、たち枯れを防止する。そして、■たばこ葉の品質を保持し、■収穫量を保持する。さらに、■異物混入防止具は簡単な構造なので、製造コストが低廉であり、■挿入路手段を介してたばこの茎に簡単に装着ができる、等の上記効果を同時に奏し得る。
【0031】また、挿入路手段は、貫通部と被覆部材の外縁とを連通させる挿入溝からなる構成とすることにより、挿入溝を介して簡単にたばこの茎を貫通部の貫通位置に配置されるように被覆部材を挿入して装着させることができ、少ない労力で被覆部材を装着できる。
【0032】また、挿入路手段は、貫通部から被覆部材の外縁に向けて連続して切り込まれ常時は切り口面を密着状に閉止させて貫通部での貫通状態でたばこの茎部分に被覆部材を係着させる切り込みからなり、被覆部材の挿入時に切り込みを広げて被覆部材を挿入させるとともに、貫通部の貫通位置に装着した際に切り口面の密着閉止状態に復帰させる構成とすることにより、簡単な構成で、簡単に被覆部材をたばこの茎に装着させることができるとともに装着後に切り口面を密着閉止状態に復帰させて被覆部材のたばこの茎に対する装着状態を維持し被覆部材がたばこの茎から離脱するのを確実に防止できる。
【0033】また、貫通部は、たばこの茎部分を通す貫通孔からなる構成とすることにより、簡単な構成で、たばこの茎が、その成長が阻害されることなく被覆部材を貫通することができ、被覆部材のたばこの茎への装着状態が維持される。
【0034】また、貫通部は、たばこの茎部分の貫通位置に設けられ該貫通位置を中心として放射状に設けられた複数の押し立て用切り込みを含み、切り込み片を押し立て状態で貫通孔を形成させつつ被覆部材をたばこの茎部分に装着させる構成とすることにより、押し立てた切り込み片がたばこの茎部分に係着し、例えば、風等によって、被覆部材がたばこの茎に対して移動するのを防ぎ、被覆部材の畝上面の被覆状態を維持するとともに被覆部材がたばこの茎や葉を傷つけるのをを防止できるので、たばこ葉の品質や収穫量を維持できる。
【0035】また、被覆部材は、自己分解性のシート部材からなる構成とすることにより、たばこ葉の収穫後、畑に放置しておいても、風雨等にさらされて自然に分解するので、畑の環境を悪化させることがないともに被覆部材の除去作業を必要とせず、労力が軽減される。また、例えば、被覆部材をダンボール板等で形成すると軽量で可搬性がよいと同時に材料コストが低減できる。
【0036】また、被覆部材の外縁部の上面側への反りを防止する反り防止用屈曲部が形成された構成とすることにより、簡単な構成で、例えば、ダンボール板等からなる被覆部材が一端雨に濡れた後、乾燥する際に、被覆部材の外縁部の上面側へ反るのを防止でき、被覆部材がたばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆した状態を良好に維持できる。
【0037】また、被覆部材はたばこ葉の畝の長手方向に長く形成されてたばこの離隔定植位置の複数のたばこの茎部分に同時に装着し得る複数の貫通部とそれに連係する挿入路手段とをそれぞれ有する構成とすることにより、1個の被覆部材だけで複数のたばこに装着でき、広範囲の畝上面を良好に被覆できる。
【0038】さらに、たばこの栽培方法であって、マルチシートが上面側に張られた畝に定植されてある程度成長したたばこの茎部分に外部からの挿入動作でその中央位置の貫通部に装着させる被覆部材を用意し、被覆部材をたばこの茎への貫通位置に装着し、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆部材で被覆させる工程と、収穫時には、たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシートを被覆部材で被覆させた状態でその上方側の下位層葉からたばこ葉の収穫を行なう工程と、を含む構成であるから、■たばこの茎の根元周辺の畝上面のマルチシート部分を覆うので、たばこ葉を収穫する際にマルチシートの孔の縁等をたばこ葉とを一緒にちぎることがなく、収穫したたばこ葉にマルチシートの破片等の異物が混入するのを確実に防止する、と同時に、■マルチシートの破れ箇所等を被覆して雑草が生えるのを防止し、さらに、■たばこの茎の根元周辺の畝に当たる太陽光を遮るので高温障害、たち枯れを防止する。そして、■たばこ葉の品質を保持し、■収穫量を保持する、等の効果を同時に奏し得る。
【0039】また、たばこ葉を収穫した後に、畝の長さ方向に向けてマルチシートの略中央位置を被覆部材とともに両断し、その両断されたマルチシートをそれぞれ取り外す工程を含む構成とすることにより、両断されたマルチシートがたばこの茎と干渉することなく、例えば、マルチシートをそれぞれ横方向に引っ張るだけで、マルチシートの破片等が残らないように確実に取り外すことができるとともに簡単に取り外すことができ、労力が軽減される。
【出願人】 【識別番号】502116704
【氏名又は名称】渡邉 忠信
【出願日】 平成14年5月13日(2002.5.13)
【代理人】 【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
【公開番号】 特開2003−325041(P2003−325041A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−136568(P2002−136568)