| 【発明の名称】 |
糖分の高いもやしおよびその栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】下川原 博史 【住所又は居所】岩手県岩手郡雫石町大字長山第13地割字林ノ沢111の1 太子食品工業株式会社内
【氏名】櫻田 勇輔 【住所又は居所】岩手県岩手郡雫石町大字長山第13地割字林ノ沢111の1 太子食品工業株式会社内
【氏名】出河 秀幸 【住所又は居所】青森県十和田市大字相坂字下前川原25番地の1 太子食品工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】糖含有量が高く、かつ品質が良好な美味しいもやし並びにその栽培方法を提供する。
【解決手段】栽培容器内で種子を発芽させてもやしを栽培する方法において、栽培室または栽培容器を密閉して栽培環境の酸素濃度を5〜15体積%に調節して栽培することにより、従来のもやしより糖含有量が1.2〜2倍以上である2.7〜5.0重量%有するもやしを得ることができる。酸素濃度は、栽培2〜5日目を5〜10体積%、栽培6〜9日目を10〜15体積%に調節して栽培するとより効果的である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糖含有量が2.7〜5.0重量%有することを特徴とするもやし。 【請求項2】 栽培容器内で種子を発芽させてもやしを栽培する方法において、栽培環境の酸素濃度を5〜15体積%に調節して栽培することを特徴とするもやしの栽培方法。 【請求項3】 前記栽培容器を密閉して栽培容器内の酸素濃度を5〜15体積%に調節して栽培する請求項2に記載のもやしの栽培方法。 【請求項4】 栽培2〜5日目を酸素濃度5〜10体積%、栽培6〜9日目を酸素濃度10〜15体積%に調節して栽培する請求項2または3に記載のもやしの栽培方法。 【請求項5】 酸素濃度を栽培環境内の空気を窒素ガスまたは炭酸ガスにより置換することにより調整する請求項2〜4のいずれかに記載のもやしの栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規なもやし及びその栽培方法に係わり、さらに詳しくは、糖含有量が高く、かつ品質が良好な美味しいもやしおよびその栽培方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のもやしの一般的な栽培方法は、例えば高さ1.2m×縦1.9m×横2.1m程度の上広がりの四角の開放型の栽培容器を用い、この栽培容器内に多量の種子を入れる。栽培容器は温度調節可能な暗室である栽培室に複数台入り、栽培容器の上から適時散水して種子を発芽させてもやしを成長させるようにしている。栽培2日目からもやしの茎の肥大を促すために栽培室にエチレンガスを導入して7日〜10日間栽培する。もやしは安価であり、手軽な生鮮野菜として中華料理、野菜炒め、肉料理、野菜サラダ等、一般家庭料理や業務用に広く利用されている。野菜もその栽培方法により栄養成分や呈味性に違いがあるが、もやしにおいて呈味性に着目した栽培方法は提案されていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題を解決し、糖含有量が高く、かつ品質が良好な美味しいもやし並びにその栽培方法を提供することを技術的課題とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、もやしの栽培過程で栽培環境における酸素濃度を空気よりも低くなるように調節することにより従来のもやしよりも一段と糖含有量が多く、品質が良好で美味しくなることを見出して本発明に到達したものである。即ち、本発明のもやしは、糖含有量が2.7〜5.0重量%有することを特徴とするものであり、従来のもやしよりも糖含有量が約1.2〜2倍高い。そしてそのもやしを得るための本発明のもやし栽培方法は、栽培容器内で種子を発芽させてもやしを栽培する方法において、栽培環境の酸素濃度を5〜15体積%に調節して栽培すること特徴とするものである。栽培環境の酸素濃度の調節は、栽培室内全体又は栽培容器内を密閉して、雰囲気内の空気を窒素ガス又は炭酸ガスにより置換することにより、適宜できる。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細な説明をする。本発明でいう「もやし」とは、豆類、穀類、野菜等の種子に適度の水分を与え、暗所で発芽させた若芽の総称である。本発明は、特に、緑豆、ブラックマッペ、大豆等を原料としたもやしの栽培方法に好ましく用いられる。 【0006】本発明において、栽培工程における栽培環境の酸素濃度は、5〜15体積%(以下、単に%で表す)である。酸素濃度が5%未満では、成長が阻害され、もやしとして十分育たない。また、15%を超えると、効果が認められない。酸素濃度の調整期間は、栽培工程の全期間あるいは特に成長の大きい一部の期間に行うことが好ましい。また、酸素濃度の調整期間の酸素濃度は、必ずしも一定である必要はなく、例えば、栽培2〜5日目を酸素濃度5〜10%、栽培6〜9日目を酸素濃度10〜15%にと成長に応じて調節するようにするのが好ましい。 【0007】酸素濃度の調整方法は、栽培室全体を調整する方法、栽培容器を密閉して栽培容器内を調整する方法があるが、調整方法については特に限定しない。本発明の方法で栽培し得られたもやしは、糖含有量が増加し、歯ごたえが良くみずみずしいシャキシャキとした食感で甘味がある優れた品質のものとなる。 【0008】 【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明する。 実施例1緑豆1kgを40℃の温水に5時間浸漬し、発芽処理した。栽培容器は上面が解放状態で、底面には水抜き用の穴を有し、上面の密閉用の蓋は、散水用のノズル、酸素導入用のノズルおよび窒素ガス導入用のノズルを有している。上記の栽培容器に浸漬後の緑豆を入れ上面に蓋をして容器を密閉し、酸素濃度を試験区1は4%、試験区2は5%、試験区3は10%、試験区4は15%、試験区5は18%に酸素及び窒素ガスを用いて調整しながら、6時間毎に散水を行い、20℃で9日間栽培した。また、比較例として、上面に蓋をすることなく酸素濃度は調整せず同様に栽培した。比較区の栽培室の酸素濃度は19〜20%であった。試験区1の酸素濃度4%では、発芽しても成長できず、正常なもやしとはならなかった。 【0009】上記により、栽培したもやしについて、試験区1の酸素濃度4%を除くもやしについて、糖質含量の測定、及び官能評価を行った。官能評価は、10名の官能検査員により5点法で行った。評価は甘味、食感、総合の3項目について対照品と比較することにより行い、甘味については評価点が5点を強い、4点をやや強い、3点を同じ、2点をやや弱い、1点を弱いとして評価した。食感については、5点を良い、4点をやや良い、3点を同じ、2点をやや悪い、1点を悪いとして評価した。糖質含量の測定結果を表1に、官能評価結果を表2に示す。 【0010】この結果、酸素濃度を5〜15%に調整した試験区3〜5が、糖質含量が増加し、官能評価も高かった。糖質は特に試験区3及び試験区4では約2倍に増加した。この2試験区のもやしは歯ごたえが良くみずみずしいシャキシャキとした食感で甘味のあるとの評価が特に高かった。また、商品価値を損なうほどではないが、酸素濃度が低いほどもやしは太く、短い傾向があった。 【0011】 【表1】
【0012】 【表2】
【0013】実施例2実施例1の発芽処理および栽培方法において、窒素ガスの代わりに炭酸ガスを用いて、栽培2日目から5日目を酸素濃度5%、10%、15%とし、6日目から9日目の酸素濃度をそれぞれ5%、10%、15%とした表3に示す実施例2−1〜5の組み合わせによりもやしを栽培した。比較例は、前記比較例1−1と同様に栽培した。これらの栽培法により得られた各もやしの糖質含量、もやしの長さ及び太さの測定結果を表3に示す。また、官能評価の結果を表4に示す。その結果、表3及び表4から明らかなように、実施例はいずれも糖質含量が比較例のもやし、即ち従来の栽培法により栽培したもやしよりも多かった。特に試験区3〜6(実施例2−2〜6)において官能評価が高かった。 【0014】 【表3】
【0015】 【表4】
【0016】 【発明の効果】以上のように、本発明のもやし栽培法によれば、従来のもやしに比べて糖含有量が高く、歯ごたえが良くみずみずしいシャキシャキとした食感で甘味のある美味しいもやしを生産し提供することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591009004 【氏名又は名称】太子食品工業株式会社 【住所又は居所】青森県三戸郡三戸町大字川守田字沖中68番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月8日(2002.5.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092200 【弁理士】 【氏名又は名称】大城 重信 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−325040(P2003−325040A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月18日(2003.11.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−132701(P2002−132701) |
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