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【発明の名称】 ハナビラタケの栽培方法
【発明者】 【氏名】木田 三郎
【住所又は居所】長野県中野市大字江部350番地 長野木田工業株式会社内

【要約】 【課題】ハナビラタケの栽培方法を得る。

【解決手段】きのこ栽培瓶の瓶口12底部に形成された菌床30を押圧して、その菌床30を培地20に確実に着床させる。次いで、その菌床30にハナビラタケとは異種のきのこの菌糸を振りかける。次いで、その瓶口12の上端開口部を第1及び第2のキャップ50、60で覆って、きのこ栽培瓶10の内外に適度な量の空気の流通を確保しつつ、培地20及び菌床30の乾燥を防ぎながら、異種のきのこの菌糸を振りかけた菌床30からハナビラタケの子実体70を発芽させて、その子実体を瓶口12内側で生長させる。その後、第2のキャップ60を取り除いて、第1のキャップの天井壁中央の穴54を通して、ハナビラタケの子実体70を、きのこ栽培瓶10の上方に収穫するまでに大きく生育する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次のa〜dのステップを含むことを特徴とするハナビラタケの栽培方法。
a.きのこ栽培瓶に充填された培地に、ハナビラタケの菌糸を培養して、その菌糸を熟成させた後、そのきのこ栽培瓶の瓶口底部の前記培地部分に形成されたハナビラタケの子実体を発芽させる菌床の表面を押圧して、該菌床を前記培地部分に確実に着床させるステップ。
b.前記培地部分に確実に着床させた菌床に、ハナビラタケとは異種のきのこの菌糸を振りかけた後、前記きのこ栽培瓶の瓶口の上端開口部を、その天井壁のほぼ中央に瓶口の内径よりも小径のハナビラタケの子実体を通り抜けさせる穴を持つ第1のキャップにより覆うと共に、該第1のキャップの上方周囲をその第1のキャップの天井壁の上方に空間をあけて第2のキャップにより覆って、前記きのこ栽培瓶の内側空間と第1及び第2のキャップの外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、前記きのこ栽培瓶に充填された培地及び菌床の乾燥を防ぎながら、前記異種のきのこの菌糸を振りかけた菌床から、その異種のきのこの菌糸とハナビラタケの菌糸との間に働く拮抗作用を利用して、ハナビラタケの子実体を早期に発芽させるステップ。
c.前記第1及び第2のキャップにより瓶口の上端開口部を覆ったきのこ栽培瓶の瓶口底部の菌床から発芽させたハナビラタケの子実体を、きのこ栽培瓶の瓶口内側を第1のキャップの天井壁近くまで、又はその天井壁の穴を通り抜けさせて、第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させるステップ。
d.前記第1のキャップの天井壁近くまで、又は第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させたハナビラタケの子実体の上方を覆う前記第2のキャップを、第1のキャップの上方から取り除いて、その第1のキャップの天井壁近くまで、又はその第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長したハナビラタケの子実体を、第1のキャップの天井壁の穴を通り抜けさせて、第1のキャップの上方に収穫するまでに大きく生育するステップ。
【請求項2】 前記aのステップにおいて、前記きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成されたハナビラタケの子実体を発芽させる菌床の表面を押圧するのに代えて、その培地部分に形成された菌床上に存在する培地への着床が不安定な種菌を含む菌床部分を菌掻きして、その培地部分に培地に確実に着床した菌床を残すことを特徴とする請求項1記載のハナビラタケの栽培方法。
【請求項3】 前記bのステップにおいて、前記培地部分に確実に着床させた菌床に、ハナビラタケとは異種のきのこの菌糸を振りかけるのに代えて、PHが3.0〜4.5の弱酸性水溶液を振りかけて、その菌床を刺激して活性化させ、その菌床からハナビラタケの子実体を早期に発芽させることを特徴とする請求項1又は2記載のハナビラタケの栽培方法。
【請求項4】 前記第2のキャップに、光透過性部材から形成されたキャップを用いる請求項1、2又は3記載のハナビラタケの栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、未だ広く栽培されていないハナビラタケの栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハナビラタケは、現状においては、図6に示したような、ポリプロピレン製の広口のきのこ栽培瓶10に充填された培地20を用いて、人工栽培されている。培地20には、おが屑又はコーンコブ(トウモロコシの芯を細かく砕いたもの)等を用いて形成されたものが、用いられる。ハナビラタケの人工栽培においては、上記のきのこ栽培瓶10に充填された培地20にハナビラタケの菌糸を培養して、その菌糸を熟成させている。次いで、そのきのこ栽培瓶の広口の瓶口12底部の培地部分22に形成されたハナビラタケの菌床30から、ハナビラタケの子実体70を発芽させている。そして、そのハナビラタケの子実体70を、きのこ栽培瓶の瓶口12内側を通して、きのこ栽培瓶10の上方に収穫するまでに大きく生育している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のようにして、ハナビラタケを人工栽培した場合には、そのきのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成されたハナビラタケの菌床30が、その培地部分22に確実に着床しておらずに、その培地部分22に剥離し易い不安定な状態で着床しているために、そのハナビラタケの子実体70の根元部を支持する菌床30が、きのこ栽培瓶10の上方に大きく生長するハナビラタケの重力を受けて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分22から容易に剥離してしまった。そして、その生育中のハナビラタケの子実体70が、培地20から水分や栄養分を十分に吸収できなくなって、その生長が止まったり、枯れたりしてしまった。また、図7に示したように、ハナビラタケの子実体70がきのこ栽培瓶の瓶口12内側の一方に片寄って生長し、そのハナビラタケの傘部72などがきのこ栽培瓶10外側の一方に片寄って垂れ下がった状態となると、そのハナビラタケの子実体70が、ハナビラタケの重力を受けて、その根元部を支持する上記の菌床30から剥がれ落ちる等してしまった。そして、軟弱なハナビラタケの傘部72などが破壊されて、その商品価値が失われてしまった。さらに、他の種類のきのこに比べて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分22に形成された菌床30からハナビラタケの子実体70を発芽させるのには、多大な時間が掛かった。それと共に、その菌床30から常に良好なハナビラタケの子実体70を安定させて発芽させることができなかった。
【0004】本発明は、このような課題を解消可能な、ハナビラタケの栽培方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の第1のハナビラタケの栽培方法は、次のa〜dのステップを含むことを特徴としている。
a.きのこ栽培瓶に充填された培地に、ハナビラタケの菌糸を培養して、その菌糸を熟成させた後、そのきのこ栽培瓶の瓶口底部の前記培地部分に形成されたハナビラタケの子実体を発芽させる菌床の表面を押圧して、該菌床を前記培地部分に確実に着床させるステップ。
b.前記培地部分に確実に着床させた菌床に、ハナビラタケとは異種のきのこの菌糸を振りかけた後、前記きのこ栽培瓶の瓶口の上端開口部を、その天井壁のほぼ中央に瓶口の内径よりも小径のハナビラタケの子実体を通り抜けさせる穴を持つ第1のキャップにより覆うと共に、該第1のキャップの上方周囲をその第1のキャップの天井壁の上方に空間をあけて第2のキャップにより覆って、前記きのこ栽培瓶の内側空間と第1及び第2のキャップの外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、前記きのこ栽培瓶に充填された培地及び菌床の乾燥を防ぎながら、前記異種のきのこの菌糸を振りかけた菌床から、その異種のきのこの菌糸とハナビラタケの菌糸との間に働く拮抗作用を利用して、ハナビラタケの子実体を早期に発芽させるステップ。
c.前記第1及び第2のキャップにより瓶口の上端開口部を覆ったきのこ栽培瓶の瓶口底部の菌床から発芽させたハナビラタケの子実体を、きのこ栽培瓶の瓶口内側を第1のキャップの天井壁近くまで、又はその天井壁の穴を通り抜けさせて、第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させるステップ。
d.前記第1のキャップの天井壁近くまで、又は第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させたハナビラタケの子実体の上方を覆う前記第2のキャップを、第1のキャップの上方から取り除いて、その第1のキャップの天井壁近くまで、又はその第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長したハナビラタケの子実体を、第1のキャップの天井壁の穴を通り抜けさせて、第1のキャップの上方に収穫するまでに大きく生育するステップ。
【0006】また、本発明の第2のハナビラタケの栽培方法は、本発明の第1又は第3のハナビラタケの栽培方法を用いたハナビラタケの栽培方法であって、そのaのステップにおいて、前記きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成されたハナビラタケの子実体を発芽させる菌床の表面を押圧するのに代えて、その培地部分に形成された菌床上に存在する培地への着床が不安定な種菌を含む菌床部分を菌掻きして、その培地部分に培地に確実に着床した菌床を残すことを特徴としている。
【0007】また、本発明の第3のハナビラタケの栽培方法は、本発明の第1又は第2のハナビラタケの栽培方法を用いたハナビラタケの栽培方法であって、そのbのステップにおいて、前記培地部分に確実に着床させた菌床に、ハナビラタケとは異種のきのこの菌糸を振りかけるのに代えて、PHが3.0〜4.5の弱酸性水溶液を振りかけて、その菌床を刺激して活性化させ、その菌床からハナビラタケの子実体を早期に発芽させることを特徴としている。
【0008】この第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法の作用を説明すると、第1又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのaのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成されたハナビラタケの子実体を発芽させる菌床の表面を押圧して、その菌床を培地から容易に剥離せぬように確実に着床させることができる。そして、その培地部分に確実に着床した菌床からハナビラタケの子実体を発芽させて大きく生長させることことができる。そして、そのきのこ栽培瓶の上方に大きく生長するハナビラタケの重力を受けて、そのハナビラタケの子実体の根元部を支持する菌床が、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分から容易に剥離してしまうのを、防ぐことができる。それに対して、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのaのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成された菌床上に存在する培地への着床が不安定な種菌を含む菌床部分を菌掻きして、そのきのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に培地に確実に着床した菌床を残すことができる。そして、その培地に確実に着床した菌床からハナビラタケの子実体を発芽させて大きく生長させることことができる。そして、そのきのこ栽培瓶の上方に大きく生長するハナビラタケの重力を受けて、そのハナビラタケの子実体の根元部を支持する菌床が、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分から容易に剥離してしまうのを、防ぐことができる。
【0009】次いで、第1又は第2のハナビラタケの栽培方法においては、そのbのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成された菌床からハナビラタケの子実体を発芽させる際に、そのハナビラタケの菌床に振りかけた異種のきのこの菌糸とハナビラタケの菌糸との間に働く拮抗作用を利用して、その菌床から常に良好なハナビラタケの子実体を安定させて早期に発芽させることができる。それに対して、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのbのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成された菌床からハナビラタケの子実体を発芽させる際に、その培地に弱酸性水溶液を振りかけて、その菌床を刺激して活性化させることができる。そして、その活性化させた菌床から、常に良好なハナビラタケの子実体を安定させて早期に発芽させることができる。
【0010】また、第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのbのステップにおいて、その異種のきのこの菌糸又は弱酸性水溶液を振りかけた菌床からハナビラタケの子実体を発芽させる際に、きのこ栽培瓶の瓶口の上端開口部を、その天井壁のほぼ中央にハナビラタケの子実体を通り抜けさせる穴を持つ第1のキャップにより覆うことができる。それと共に、その第1のキャップの上方周囲を、その第1のキャップの天井壁の上方に空間をあけて、第2のキャップにより覆うことができる。そして、きのこ栽培瓶の内側空間と第1及び第2のキャップの外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保して、ハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶の内側空間が、酸欠状態となったり、ハナビラタケの菌糸が発生させるガスがきのこ栽培瓶の内側空間に充満したりして、ハナビラタケ栽培に悪影響が出るのを、防ぐことができる。それと共に、きのこ栽培瓶内側からその瓶口を通して大量の水分が外気中に放散して、きのこ栽培瓶内側の培地及び菌床が過度に乾燥するのを、防ぐことができる。そして、きのこ栽培瓶内側のハナビラタケの菌糸が弱体化するのを、防ぐことができる。
【0011】次いで、第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのcのステップにおいて、その第1及び第2のキャップにより瓶口の上端開口部を覆ったきのこ栽培瓶の瓶口底部の菌床から発芽させたハナビラタケの子実体を、上記のようにして、きのこ栽培瓶の内側空間と第1及び第2のキャップの外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、きのこ栽培瓶内側の培地及び菌床が乾燥するのを防ぎながら、きのこ栽培瓶の瓶口内側を第1のキャップの天井壁近くまで生長させることができる。又はそのハナビラタケの子実体を、上記のようにして、きのこ栽培瓶の内側空間と第1及び第2のキャップの外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、きのこ栽培瓶内側の培地及び菌床が乾燥するのを防ぎながら、きのこ栽培瓶の瓶口内側を、第1のキャップの天井壁の穴を通り抜けさせて、その天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させることができる。
【0012】その後、第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのdのステップにおいて、その第1のキャップの天井壁近くまで、又はその第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させたハナビラタケの子実体の上方を覆う第2のキャップを、第1のキャップの上方から取り除くことができる。そして、その第1のキャップの天井壁近くまで、又はその第1のキャップの天井壁上方の第2のキャップにより囲まれた内側空間まで生長させたハナビラタケの子実体を、第2のキャップに邪魔されることなく、第1のキャップの天井壁の穴を通り抜けさせて、第1のキャップの上方に収穫するまでに大きく生育できる。その際には、そのきのこ栽培瓶の瓶口内側を生長するハナビラタケの子実体を、きのこ栽培瓶の瓶口の上端開口部を覆う第1のキャップのほぼ中央に設けられた瓶口の内径よりも小径の穴を通り抜けさせて、きのこ栽培瓶の上方に大きく生育するために、そのきのこ栽培瓶の上方に大きく生育させるハナビラタケの子実体を、きのこ栽培瓶の瓶口内側のほぼ中央に強制的に寄せて生育できる。そして、そのハナビラタケの子実体が、きのこ栽培瓶の瓶口内側の一方に片寄って生長するのを、防ぐことができる。そして、その一方に片寄って生長したハナビラタケの傘部が、きのこ栽培瓶外側の一方に片寄って垂れ下がった状態となって、そのハナビラタケの子実体が、ハナビラタケの重力を受けて、その根元部を支持する菌床から剥がれ落ちる等するのを、防ぐことができる。
【0013】本発明の第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、前記第2のキャップに、光透過性部材から形成されたキャップを用いると良い。そして、本発明の第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法のbないしcのステップにおいて、その透明部材から形成された第2のキャップの周壁を通して、その第2のキャップで覆われた第1のキャップの天井壁上方の内側空間で生育中のハナビラタケの子実体に、光が満遍なく当るようにすると良い。又は、その第1及び第2のキャップで瓶口の上端開口部が覆われたきのこ栽培瓶の瓶口内側で栽培中のきのこの子実体に、第2のキャップの透明部材からなる周壁と第1のキャップの天井壁の穴とを通して、光が満遍なく当るようにすると良い。そして、その光により、ハナビラタケの子実体の良好な生長を促したり、そのハナビラタケの子実体の生長を速めたりできるようにすると良い。
【0014】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は本発明の第1のハナビラタケの栽培方法の好適な実施の形態を示し、図1ないし図3はその説明図である。以下に、この第1のハナビラタケの栽培方法を説明する。
【0015】この第1のハナビラタケの栽培方法においては、そのaのステップにおいて、図1に示したように、ポリプロピレン製の広口のきのこ栽培瓶10に充填された培地20に、ハナビラタケの菌糸を培養して、その菌糸を熟成させている。その際には、気温が22〜23℃で湿度が約60〜70%の気象条件下に置かれた培養室等にハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10を収容している。また、その際には、蛍光灯等の光を、ハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10に、その上方から余り多く当てないようにしている。その後、そのきのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成されたハナビラタケの子実体70を発芽させる菌床30の表面を、ヘラ等により、菌床30を傷めぬように、軽い力で押圧している。そして、その菌床30を上記の培地部分22に容易に剥離せぬように確実に着床させている。
【0016】次いで、そのbのステップにおいて、図1に示したように、上記の培地部分22に確実に着床させた菌床30に、ハナビラタケとは異種の例えばヒラタケ等のきのこの菌糸40を振りかけている。その後、図2に示したように、きのこ栽培瓶の瓶口12の上端開口部を、その天井壁52のほぼ中央に瓶口12の内径よりも小径のハナビラタケの子実体70を通り抜けさせる穴54を持つ第1のキャップ50により覆っている。それと共に、その第1のキャップ50の上方周囲を、その第1のキャップの天井壁52の上方に空間56をあけて、第2のキャップ60により覆っている。第2のキャップ60は、その内側に逆深皿状をした大きな空間56を持った形状をしていて、第1のキャップ50の上方周囲を連続して覆うことができる構造をしている。そして、きのこ栽培瓶10の内側空間と第1及び第2のキャップ50、60の外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、きのこ栽培瓶10内側の培地20及び菌床30の乾燥を防ぎながら、上記の異種のきのこの菌糸40を振りかけた菌床30から、その異種のきのこの菌糸40とハナビラタケの菌糸との間に働く拮抗作用を利用して、ハナビラタケの子実体70を早期に発芽させている。その際には、気温が22〜23℃で湿度が約80〜95%の気象条件下に置かれた芽出し室等にハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10を収容している。また、その際には、蛍光灯等の光を、ハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10に、その上方から十分に当てている。そして、ハナビラタケの子実体70の早期の発芽を促している。ここで、上記のように、きのこ栽培瓶10の内側空間と第1及び第2のキャップ50、60の外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保するためには、きのこ栽培瓶の瓶口12の上端周縁に空気流通用の凹凸を人為的に無理に付けたり、第1のキャップ50と第2のキャップ60との一方の接触箇所に空気流通用の凹凸を人為的に無理に付けたりする必要はなく、その瓶口12の上端周縁にポリプロピレン製のきのこ栽培瓶10を一体形成する際に自然形成される空気流通用のある程度の凹凸や、そのプラスチック等からなる第1のキャップ50や第2のキャップ60を一体形成する際にその第1のキャップ50と第2のキャップ60との一方の接触箇所に自然形成される空気流通用のある程度の凹凸があれば良い。
【0017】次いで、そのcのステップにおいては、図2に示したように、上記の第1及び第2のキャップ50、60により瓶口12の上端開口部を覆ったきのこ栽培瓶の瓶口12底部の菌床30から発芽させたハナビラタケの子実体70を、きのこ栽培瓶の瓶口12内側を、第1のキャップの天井壁52近くまで、又はその天井壁の穴54を通り抜けさせて、第1のキャップの天井壁52上方の第2のキャップ60により囲まれた内側空間56まで生長させている。その際には、気温が22〜23℃で湿度が約80〜95%の気象条件下に置かれた芽出し室等にハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10を収容している。また、その際には、蛍光灯等の光を、ハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10に、その上方から十分に当てている。そして、ハナビラタケの子実体70の早期の生長を促している。
【0018】その後、そのdのステップにおいては、図3に示したように、その第1のキャップの天井壁52近くまで、又はその第1のキャップの天井壁52上方の第2のキャップ60により囲まれた内側空間56まで生長させたハナビラタケの子実体70の上方を覆う第2のキャップ60を、第1のキャップ50の上方から取り除いている。そして、その第1のキャップの天井壁52近くまで、又はその第1のキャップの天井壁52上方の第2のキャップ60により囲まれた内側空間56まで生長したハナビラタケの子実体70を、第1のキャップの天井壁の穴54を通り抜けさせて、第1のキャップ50の上方に収穫するまでに大きく生育している。その際には、気温が22〜23℃で湿度が約70〜95%の気象条件下に置かれた生育室等にハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10を収容している。また、その際には、蛍光灯等の光を、ハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10に、その上方から十分に当てている。そして、ハナビラタケの子実体70の早期の生長を促している。
【0019】本発明の第1のハナビラタケの栽培方法は、以上のa〜dのステップからなっている。
【0020】図4は本発明の第2のハナビラタケの栽培方法の好適な実施の形態を示し、図4はその説明図である。以下に、この第2のハナビラタケの栽培方法を説明する。
【0021】この第2のハナビラタケの栽培方法では、前述の第1のハナビラタケの栽培方法又は後述の第3のハナビラタケの栽培方法のaのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成されたハナビラタケの子実体70を発芽させる菌床30の表面を押圧するのに代えて、その培地部分22に形成された菌床30上に存在する培地20への着床が不安定な種菌を含む菌床部分32を、ヘラ90等を用いて菌掻きして、その菌床30上から除去している。そして、そのきのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に、培地20に確実に着床した菌床30を残している。この第2のハナビラタケの栽培方法のそれ以外の部分は、前述の第1のハナビラタケの栽培方法又は後述の第3のハナビラタケの栽培方法と同様な方法を用いている。
【0022】図5は本発明の第3のハナビラタケの栽培方法の好適な実施の形態を示し、図5はその説明図である。以下に、この第3のハナビラタケの栽培方法を説明する。
【0023】この第3のハナビラタケの栽培方法では、上述の第1又は第2のハナビラタケの栽培方法のbのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に確実に着床させた菌床30又はその培地部分22に残した培地20に確実に着床した菌床30に、ハナビラタケの菌糸とは異種のきのこの菌糸を振りかけるのに代えて、PHが3.0〜4.5の弱酸性水溶液80を振りかけている。そして、その菌床30を刺激して活性化させ、その菌床30からハナビラタケの子実体70を早期に発芽させている。ここで、きのこの菌床に弱酸性水溶液を振りかけると、その菌床が刺激されて活性化し、その菌床から元気なきのこの子実体が早期に発芽することは、発明者が行った実験により確認されている。この第3のハナビラタケの栽培方法のそれ以外の部分は、上述の第1又は第2のハナビラタケの栽培方法と同様な方法を用いている。
【0024】次に、この第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法の作用を説明する。第1又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのaのステップにおいて、きのこ栽培瓶10に充填されて、ハナビラタケの菌糸が培養されて、その菌糸が熟成された培地20の、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成されたハナビラタケの子実体70を発芽させる菌床30の表面を押圧して、その菌床30を培地20から容易に剥離せぬように確実に着床させることができる。そして、そのハナビラタケの子実体70の根元部を支持する菌床30が、きのこ栽培瓶10の上方に大きく生長するハナビラタケの重力を受けて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22から容易に剥離してしまうのを、防ぐことができる。そして、その栽培中のハナビラタケが培地20から水分や栄養分を吸収できなくなって、その生長が止まったり、枯れたりするのを、防ぐことができる。それに対して、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのaのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成された菌床30上に存在する培地20への着床が不安定な種菌を含む菌床部分32を菌掻きして、その培地部分22に培地20に確実に着床した菌床30を残すことができる。そして、その培地20に確実に着床した菌床30からハナビラタケの子実体70を発芽させることができる。そして、そのハナビラタケの子実体70の根元部を支持する菌床30が、きのこ栽培瓶10の上方に大きく生長するハナビラタケの重力を受けて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22から容易に剥離してしまうのを、防ぐことができる。
【0025】次いで、第1又は第2のハナビラタケの栽培方法においては、そのbのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成された菌床30からハナビラタケの子実体70を発芽させる際に、そのハナビラタケの菌床30に振りかけた異種のきのこの菌糸40とハナビラタケの菌糸との間に働く拮抗作用を利用して、その菌床30から常に良好なハナビラタケの子実体70を安定させて早期に発芽させることができる。それに対して、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのbのステップにおいて、きのこ栽培瓶の瓶口12底部の培地部分22に形成された菌床30からハナビラタケの子実体70を発芽させる際に、その菌床30に弱酸性水溶液を振りかけて、その菌床30を活性化させることができる。そして、その活性化させた菌床30から、常に良好なハナビラタケの子実体70を安定させて早期に発芽させることができる。
【0026】また、第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのbのステップにおいて、その異種のきのこの菌糸40又は弱酸性水溶液を振りかけた菌床30からハナビラタケの子実体70を発芽させる際に、きのこ栽培瓶の瓶口12の上端開口部を、その天井壁52のほぼ中央にハナビラタケの子実体を通り抜けさせる穴54を持つ第1のキャップ50により覆うことができる。それと共に、その第1のキャップ50の上方を、その第1のキャップの天井壁52の上方に空間56をあけて、第2のキャップ60により覆うことができる。そして、きのこ栽培瓶10の内側空間と第1及び第2のキャップ50、60の外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保して、ハナビラタケを栽培中のきのこ栽培瓶10の内側空間が、酸欠状態となったり、ハナビラタケの菌糸が発生させるガスがきのこ栽培瓶10の内側空間に充満したりして、ハナビラタケ栽培に悪影響が出るのを、防ぐことができる。それと共に、きのこ栽培瓶10内側からその瓶口12を通して大量の水分が外気中に放散して、きのこ栽培瓶10内側の培地20及び菌床30が過度に乾燥するのを、防ぐことができる。そして、きのこ栽培瓶10内側のハナビラタケの菌糸が弱体化するのを、防ぐことができる。そして、ハナビラタケの栽培に悪影響が出るのを、防ぐことができる。
【0027】次いで、第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのcのステップにおいて、その第1及び第2のキャップ50、60により瓶口12の上端開口部を覆ったきのこ栽培瓶の瓶口12底部の菌床30から発芽させたハナビラタケの子実体70を、上記のようにして、きのこ栽培瓶10の内側空間と第1及び第2のキャップ50、60の外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、きのこ栽培瓶10内側の培地20及び菌床30が乾燥するのを防ぎながら、きのこ栽培瓶の瓶口12内側を第1のキャップの天井壁52近くまで生長させることができる。又はそのハナビラタケの子実体70を、上記のようにして、きのこ栽培瓶10の内側空間と第1及び第2のキャップ50、60の外側空間との間に適度な量の空気の流通を確保しつつ、きのこ栽培瓶10内側の培地20及び菌床30が乾燥するのを防ぎながら、きのこ栽培瓶の瓶口12内側を、第1のキャップの天井壁の穴54を通り抜けさせて、その天井壁52上方の第2のキャップ60により囲まれた内側空間56まで生長させることができる。
【0028】その後、第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、そのdのステップにおいて、その第1のキャップの天井壁52近くまで、又は第1のキャップの天井壁52上方の第2のキャップ60により囲まれた内側空間56まで生長させたハナビラタケの子実体70の上方を覆う第2のキャップ60を、第1のキャップ50の上方から取り除くことができる。そして、その第1のキャップの天井壁52近くまで、又はその第1のキャップの天井壁52上方の第2のキャップ60により囲まれた内側空間56まで生長させたハナビラタケの子実体70を、第2のキャップ60に邪魔されることなく、第1のキャップの天井壁の穴54を通り抜けさせて、第1のキャップ50の上方に収穫するまでに大きく生育できる。その際には、そのきのこ栽培瓶の瓶口12内側を生長するハナビラタケの子実体70を、きのこ栽培瓶の瓶口12の上端開口部を覆う第1のキャップのほぼ中央に設けられた瓶口12の内径よりも小径の穴54を通り抜けさせて、きのこ栽培瓶10の上方に大きく生育するために、そのきのこ栽培瓶10の上方に大きく生育させるハナビラタケの子実体70を、きのこ栽培瓶の瓶口12内側のほぼ中央に強制的に寄せて生育できる。そして、そのきのこ栽培瓶10の上方に大きく生育させるハナビラタケの子実体70が、きのこ栽培瓶の瓶口12内側の一方に片寄って生長するのを、防ぐことができる。そして、その一方に片寄って生長したハナビラタケの傘部72が、きのこ栽培瓶10外側の一方に片寄って垂れ下がった状態となって、そのハナビラタケ子実体70が、ハナビラタケの重力を受けて、その根元部を支持する菌床30から剥がれ落ちる等するのを、防ぐことができる。そして、軟弱なハナビラタケの傘部72等が破壊されて、その商品価値がなくなるのを、防ぐことができる。
【0029】この第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法においては、第2のキャップ60に、光透過性部材から形成されたキャップを用いると良い。そして、上記の第1又は第2のハナビラタケの栽培方法のbないしcのステップにおいて、その透明部材から形成された第2のキャップ60の周壁を通して、その第2のキャップ60で覆われた第1のキャップの天井壁52上方の内側空間56で生育中のハナビラタケの子実体70に、光が満遍なく当るようにすると良い。又は、その第1及び第2のキャップ50、60で瓶口12の上端開口部が覆われたきのこ栽培瓶の瓶口12内側で栽培中のきのこの子実体70に、第2のキャップ60の透明部材からなる周壁と第1のキャップの天井壁の穴54とを通して、光が満遍なく当るようにすると良い。そして、その光により、ハナビラタケの子実体70の良好な生長を促したり、そのハナビラタケの子実体70の生長を速めたりできるようにすると良い。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1、第2又は第3のハナビラタケの栽培方法によれば、そのきのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成されたハナビラタケの菌床を押圧して、その菌床を培地に確実に着床させることができる。又はそのきのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に培地に確実に着床した菌床を残すことができる。そして、そのハナビラタケの子実体の根元部を支持する菌床が、きのこ栽培瓶の上方に大きく生長するハナビラタケの重力を受けて、きのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分から容易に剥離してしまうのを、防ぐことができる。そして、その栽培中のハナビラタケの子実体が、培地から水分や栄養分を十分に吸収できなくなって、その生長が止まったり、枯れたりするのを、確実に防ぐことができる。また、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、きのこ栽培瓶の上方に伸長するハナビラタケの子実体を、きのこ栽培瓶の瓶口内側のほぼ中央に寄せて生育できる。そして、そのきのこ栽培瓶の上方に伸長するハナビラタケの傘部などが、きのこ栽培瓶外側の一方に片寄って垂れ下がった状態となるのを、防ぐことができる、そして、そのハナビラタケの子実体が、ハナビラタケの重力を受けて、その根元部を支持する菌床から剥がれ落ちる等するのを、防ぐことができる。そして、軟弱なハナビラタケの傘部等が破壊されて、その商品価値が失われてしまうのを、防ぐことができる。さらに、そのきのこ栽培瓶の瓶口底部の培地部分に形成された菌床に異種のきのこの菌糸又は弱酸性水溶液を振りかけて、その菌床を刺激して活性化させることができる。そして、その菌床から、ハナビラタケの子実体を時間を掛けずに早期に発芽させることができる。それと共に、その菌床から、常に良好なハナビラタケの子実体を安定させて発芽させることができる。
【出願人】 【識別番号】391003679
【氏名又は名称】長野木田工業株式会社
【住所又は居所】長野県中野市大字江部350番地
【出願日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【代理人】 【識別番号】100086623
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 宗久
【公開番号】 特開2003−304741(P2003−304741A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−111390(P2002−111390)