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【発明の名称】 泥土または廃土からなる団粒土およびその製造法
【発明者】 【氏名】長尾 修治
【住所又は居所】大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日立造船株式会社内

【氏名】池本 昇
【住所又は居所】大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日立造船株式会社内

【氏名】坂元 貴仁
【住所又は居所】大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日立造船株式会社内

【氏名】田辺 浩司
【住所又は居所】東京都中央区湊3丁目3番2号 王子緑化株式会社内

【氏名】土屋 光晴
【住所又は居所】東京都中央区湊3丁目3番2号 王子緑化株式会社内

【要約】 【課題】単粒構造であるシルトまたは粘土状の廃土または泥土から団粒構造の土を得るものであり、また機械システム並びにその運転操作方法により団粒土を製造する方法を提供する。

【解決手段】団粒土の製造方法は、微細土壌粒子を50vol%以上含有する泥土または廃土を第一混合機2 に団粒土の原土として投入した後、該原土にその水分率が30〜65vol%となるように水分を添加し、混練する一次工程と、得られた混練物に団粒化剤(材)を添加し、団粒構造を強固にする場合にはさらに固化剤を添加し、微細な土粒子間の架橋反応を発現する二次工程と、得られた反応生成物を第二混合機8 へ送り、これに容積比で水分率が20〜45%になるように水分調整材を添加し、土壌結合による土壌の粒径調整を行う三次工程からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シルトまたは粘土等微細土壌粒子を容積比で50%以上含有する泥土または廃土を第一混合機に団粒土の原土として投入した後、該原土にその水分率が容積比で30%〜65%となるように水分を添加し、混練する一次工程と、得られた混練物に団粒化剤(材)を添加し、団粒構造を強固にする場合にはさらに固化剤を添加し、微細な土粒子間の架橋反応を発現する二次工程と、得られた反応生成物を第二混合機へ送り、これに容積比で水分率が20〜45%になるように水分調整材を添加し、土壌結合による土壌の粒径調整を行う三次工程からなる団粒土の製造方法。
【請求項2】 各工程で混合機の回転数を制御することにより、団粒土の粒径を調整する請求項1記載の団粒土の製造方法。
【請求項3】 請求項1または2記載の方法で得られた団粒土を乾燥する乾燥団粒土の製造方法。
【請求項4】 請求項1、2または3記載の方法に用いられる団粒土の製造装置であって、第一混合機および/または第二混合機の回転数を制御することで、団粒土の粒径を調整できる団粒土の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砕石場から排出される脱水ケーキ、ダム・河川・湖沼・溜池等の堆積泥土あるいは沖縄県赤土砂(南方系赤黄色土)等の泥土または廃土にその水分率が一定範囲になるように水分を添加し、混練する一次工程と、これに団粒化剤(材)を添加し、団粒構造を強固にする場合にはさらに固化剤を添加し、微細な土粒子間の架橋反応を発現する二次工程と、得られた反応物に水分調整材を添加し、土壌結合による土壌の粒径調整を行う三次工程を経て製造される団粒土に関する。この団粒土は、例えば、法面緑化基盤材、植生土の充填材、育苗用培土材、園芸用土あるいは畑地の表土等の緑化資材に有効利用される。
【0002】
【従来の技術】微細な土粒子からなる土壌、例えば、岩石を砕いて生成する際の副産物である、砕石場の脱水ケーキは、現在その処分に苦慮しているのが実状である。脱水ケーキの大部分は未処理のまま砕石場内に蓄積するか、最終処分されている。また、脱水ケーキの一部は、乾燥機で乾燥することにより水分を低減した後、砕石増量材や、用土、埋戻し土等に、さらにはこれを焼成することにより、路床、路盤材に有効利用されている。しかし、この場合、乾燥および焼成の設備費および燃料費を必要とする等ランニングコストが高くつく上に、製品の引取価格は安いという問題がある。
【0003】微細な土粒子である土壌を改良する方法は、有機質または無機質の土壌改良材を、その土壌に鋤き込むことで改良する技術、或いは特開平11−256154号に記載されているように、土壌構造を単粒構造から団粒構造へと改良する技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を解決するため、単粒構造であるシルトまたは粘土状の廃土または泥土から団粒構造の土を得るものであり、また機械システム並びにその運転操作方法により団粒土を製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による団粒土の製造方法では、まず、シルトまたは粘土等の微細土壌粒子を容積比で50%以上含有する泥土または廃土に、水分率が30%〜65%となるように、特に、耐水性に優れた団粒土を製造するには水分率が50%〜65%となるように、水分添加量を加減して、攪拌する。これに土粒子を相互に結合させる団粒化剤(例えば植物性増粘多糖類)を混練し、さらに水分調整材を添加することにより水分率を20%〜45%に調整する。
【0006】本発明による団粒土の製造方法では、シルトまたは粘土状の泥土または廃土の水分率が容積比で30%未満の場合は30%〜65%となるように水分添加量を加減し、団粒構造を強固にする場合、即ち団粒構造の耐久性、耐水性等を増加する固化剤(例えば高分子系アクリル樹脂)を添加する。
【0007】得られた団粒土を更に乾燥機において、水分率が容積比で5%〜20%に乾燥させた団粒土は、乾燥させない団粒土よりも耐久性、耐水性に優れた団粒土である。
【0008】本発明による団粒土の製造方法では、シルトまたは粘土状の粒子が容積比で50%以上含有する泥土または廃土に、第一混合機内で原土の含水率が、30%〜65%になるように水分を添加する。また、更に架橋剤を添加して微細土粒子間の架橋反応を発現させ団粒構造を強固にする場合は、固化剤を添加し、全体を撹拌下に混合する。架橋反応が完結した後、水分率が20%〜45%になるように水分調整剤を添加し、更に全体を第二混合機で攪拌下に混合し、造粒する。第一混合機および第二混合機の攪拌羽根または解砕羽根の回転数を制御することで団粒土の粒径を調整することが可能である。
【0009】本発明による団粒土を製造するには、連続式製造法とバッチ式製造法があり、また製品の用途に合わせてそれぞれ1段階方式と2段階方式が採用される。
【0010】大量の団粒土を製造するには、連続製造方式が好ましい。特に製造した団粒土の利用先において、育苗用培土、園芸用土等の団粒土に均一な粒径や強度等が要求される場合、下記のような2段階方式が採用される。
【0011】すなわち、この方式では、第一混合機において原料である微粒子で構成された泥土または廃土の水分率が30%〜65%程度になるように水分添加量を加減し、団粒化剤(材)を添加し、微細な土と粒子間の架橋反応を発現した後に、必要に応じ固化剤を添加し、次いで得られた混合物に水分調整材を加え、全体を第二混合機で混合し造粒し、含水率20%〜45%の団粒土を得る。原料である泥土または廃土の含水率が高い場合(40%〜65%)には、水分調整材を第二混合機ではなく第一混合機に供給する。
【0012】同一混合機内で団粒化する場合は、原土に架橋反応させた後、水分調整材を添加し攪拌混合し余剰水分を吸収させる時間差方式(同一混合機の2工程で添加、攪拌する方式)が採用される。
【0013】バッチ式製造法の場合は、連続式製造法に比べ、団粒土製造量は少ないが、原料泥土と団粒化剤(材)等の添加剤の混合が非常に精度良く行われる。この場合も製品の用途に合わせて以下のような方式が採用される。
【0014】団粒土にある程度均一な粒径や強度が要求される場合、添加剤の投入時間を2段階に分ける。まず、バッチ式混合機に原料である泥土または廃土、架橋剤、必要に応じて固化剤および/または水を添加し、全体を混合(予練り)する。泥土または廃土と添加剤が十分に架橋反応した後、さらに水分調整材を投入し、全体を混合(整粒)し、団粒土を製造する。
【0015】第一混合機および第二混合機の形式は、連続式製造法およびバッチ式製造法ともに下記のものが使用される。すなわち、第一混合機としては通常のコンクリートミキサー、2軸スクリュー式混練機、2軸パドル式混練機、攪拌機能と解砕機能を合わせ持つミキサが使用でき、第二混合機としては攪拌機能と解砕機能を合わせ持つミキサが使用できる。ただし、1段階方式の場合は第二混合機のみが使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0017】実施例1原料である泥土または廃土の含水率が低い場合(例えば10%ないし30%)、図1のフローにしたがって団粒土を製造する。
【0018】図1において、原料であるシルトまたは粘土状の泥土または廃土を原料供給機(1) によりコンベア(10)を介して第一混合機(2) に供給し、原料である泥土の水分率が容積比で30%〜65%程度になるように水タンク(4) よりポンプ(5) 等によって水分を添加し、1分間程度攪拌下に混合する。その後、同混合機(2) に架橋剤供給機(3) より団粒化材(剤)を泥土固形分に対して1〜3vol %定量投入し、全体を2〜3分程度攪拌下に混合し、団粒化材(剤)による原料泥土の微細な土粒子の架橋反応を十分促進させる。原料泥土の含水率が低く、原料泥土と団粒化材(剤)が十分混合しない場合には、水タンク(4) よりポンプ(5) 等によって第一混合機(2) へ水を加えて泥土の含水率を上げる。また、製造する団粒土にある程度の強度(耐久性・耐水性等)が求められる場合は、固化剤タンク(6)よりポンプ(7) 等によって第一混合機(2) へ固化剤(液体)を供給する。第一混合機(2) で架橋反応が十分に行われると、団粒土の耐水性等が向上し、降雨等による土粒子の流出が抑制されたり、耕うん機等の機械加工に対する耐久性能(強度 その後、得られた混合物を撹拌式混合造粒機として機能する第二混合機(8)へ投入する。第一混合機(2) から第二混合機(8) への連絡は通常ベルトコンベヤ(9) 等のコンベヤで行われるが、第一混合機(2) の出口と第二混合機(8) の投入口をシュート等で直接連結する場合もある。第二混合機(8) へは水分調整材供給機(11)から、湿気を避けるために室内に保管され、かつ事前に人力もしくは解砕機にてほぐされた水分調整材を、原料泥土の水分に対して35〜60vol %程度定量供給し、全体を1〜2分程度攪拌下に混合する。これにより含水率20〜45%、粒子径(団粒径)数mm〜10mm程度の団粒土が比較的短時間に製造できる。第二混合機(8) ではさらに、水分調整材の供給量および滞留時間を調整することにより、各々の利用先の用途に合った粒土・強度の団粒土の製造が可能である。
【0019】第二混合機(8) から出た団粒土はコンベヤ(12)によって製品ヤードへ送られる。
【0020】なお、原料である泥土または廃土の含水率が高い場合(例えば50%〜60%)は、水分調整材を第二混合機(8) ではなく、図1中に鎖線で示すように第一混合機(2) に供給する。
【0021】上記構成の団粒土製造装置において、第一混合機(2) および第二混合機(8) の回転数を制御することにより製品団粒土の粒径を調整することができる。第一混合機(2) には送り羽根(主軸)と解砕羽根(チョッパー)が装備されている。送り羽根の回転数はインバータ制御等により変化させることができ、回転数を変化させることにより泥土の第一混合機(2) 内での滞留時間および泥土と投入物(架橋剤・固定剤・水)との混合具合を調整することができる。また、解砕羽根(チョッパー)の回転数も同様にインバータ制御等により変化させることができ、これにより泥土の解砕具合(製品団粒土の粒径)の調整が可能であり、例えば解砕羽根(チョッパー)の回転数2000回/分〜2500回/分の場合、単位容積当り数mm〜10mmの粒径の製品団粒土が得られ、その回転数を約20%低減した場合、それより大きい粒径5mm〜15mmの製品団粒土が得られる。第二混合機(8) には、第一混合機(2) と同様に、インバータ制御等により回転数を変化させることができる送り羽根(主軸)と解砕羽根(チョッパー 図1に示すフローにしたがって下記の条件で団粒土を製造した。
【0022】
原料泥土 400kg/h(含水率20%、嵩比重1.1)
水 30kg/h(原料泥土の含水率を25%に調整)
団粒化材(剤) 1.1kg/h(3g/m の割合にて添加)
水分調整材 3.6kg/h(36.3L/h、嵩比重0.1、原料体積の10%の割合にて添加)
団粒土 440kg/h (かさ比0.96)、粒径数mm〜10mm程度●実施例2図2は、第二混合機の後段に前後2基の分級機(13)(14)を設置した例を示す。この場合、用途に合った付加価値の高い粒子径ごとの団粒土、例えば微粒団粒土と細粒団粒土と粗粒団粒土を取り出すことが可能になる。その他の構成は実施例1のものと同じである。
【0023】実施例3図3は、第二混合機(8) から出た団粒土をさらに乾燥工程に付す例を示す。団粒土を園芸用土に有効利用する場合は、団粒土をさらに乾燥機(26)に送り、水分を20〜30%程度に低減させることにより、良質でハンドリングの良い用土として乾燥品を得ることができる。図3中、(21)は灯油タンク、(22)はポンプユニット、(23)は熱風発生炉、(24)は風量調整ダンパ、(25)は投入コンベヤ、(27)は乾燥品ダンパ、(28)は放風ダンパ、(29)は風量調整ダンパ、(30)は冷風ダンパ、(31)はコンプレッサー、(32)は集塵機、(33)は空気輸送装置、(34)は排風機、(35)は煙突である。また、乾燥機の熱源として工場排ガスやコジェネレーション排ガス等を用いることも可能である。
【0024】実施例4図4は、図3に示す乾燥工程の最後段に前後2基の分級機(13)(14)を設置した例を示す。この場合も、用途に合った付加価値の高い粒子径ごとの団粒土、例えば微粒団粒土と細粒団粒土と粗粒団粒土を取り出すことが可能になる。その他の構成は実施例3のものと同じである。
【0025】
【発明の効果】(1)従来、大部分が最終処分されていた泥土または廃土を、法面緑化基盤材、植生土のう充填材、育苗用培土材、園芸用土あるいは畑地の表土等の緑化用資材に有効利用し、泥土または廃土のリサイクル化を推進することができる。
【0026】(2)混合機に泥土または廃土を投入した後、架橋剤と水分調整材、必要に応じて固定剤および/または水を投入して全体を混合するだけであり、乾燥・焼成工程を必要としない非加熱方式であるため、環境面およびコスト面でメリットがある。
【0027】(3)団粒土の粒子径数mm程度の粒径の土壌が比較的短時間(3〜5分)で得られる。
【出願人】 【識別番号】398073178
【氏名又は名称】王子緑化株式会社
【住所又は居所】東京都中央区湊3丁目3番2号
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89号
【出願日】 平成14年4月18日(2002.4.18)
【代理人】 【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外3名)
【公開番号】 特開2003−304739(P2003−304739A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−116018(P2002−116018)