| 【発明の名称】 |
緑化支援装置およびこの装置の使用状態監視システム |
| 【発明者】 |
【氏名】杉野 慶一
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| 【要約】 |
【課題】屋上緑化物の育成、維持に適した水を、コスト安く供給する緑化支援装置を提供する。
【解決手段】建物の屋上または周囲に設置された緑化領域20と、上記緑化領域20に配置された散水手段30と、上記散水手段30と管路およびポンプを介して接続された貯水手段40と、上記貯水手段40の水が循環させられる第1の水質改善手段70と、を備え、上記貯水手段40には、水道水、雨水および/または上記建物からの特定排水が引き込まれるように構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建物の屋上または周囲に設置された緑化領域と、上記緑化領域に配置された散水手段と、上記散水手段と管路およびポンプを介して接続された貯水手段と、上記貯水手段の水が循環させられる第1の水質改善手段と、を備え、上記貯水手段には、水道水、雨水および/または上記建物からの特定排水が引き込まれるように構成されていることを特徴とする、緑化支援装置。 【請求項2】 上記特定排水は、クーリングタワーのブロー水排水、浴槽排水、またはプール排水を含む、請求項1に記載の緑化支援装置。 【請求項3】 上記特定排水は、第2の水質改善手段による水質改善処理を受けた上で上記貯水手段に引き込まれる、請求項1または2に記載の緑化支援装置。 【請求項4】 上記貯水手段は、貯水槽、上記緑化領域ないしはその周辺に形成された人工の池または川、ないしはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の緑化支援装置。 【請求項5】 上記水質改善手段は、複数の磁石が、水流と交差する磁力線が形成されるように配置された磁気式の水質改善手段である、請求項1ないし4のいずれかに記載の緑化支援装置。 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の緑化支援装置における上記貯水手段と上記散水手段とをつなぐ管路には、流量検出手段が設けられているとともに、この流量検出手段によって取得されたデータは、通信回線を介して管理センターに送信されるようになっていることを特徴とする、緑化支援装置の使用状態監視システム。 【請求項7】 上記管理センターは、上記データに基づき、課金処理を行う、請求項6に記載の緑化支援装置の監視システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する分野】本願発明は、緑化支援装置に関し、より詳しくは、ビル屋上等に設置された樹木や芝生等の緑化物の育成および維持をコスト安く支援するための装置に関する。 【0002】 【発明の背景】都市部のヒートアイランド現象の緩和、あるいは、CO2の排出量の低減に資するための手段の一つとして、ビル屋上等の緑化が推奨されている。緑化物は、夏季においては、ビル屋上の表面温度を30℃程度に抑制し、冷房に要するエネルギを節減することができ、また、冬季においては、ビル屋上からの放射冷却を抑制し、暖房に要するエネルギを節減することができる。こうして節減されるエネルギは、都市部全体としては膨大なものとなり、結果的に、ヒートアイランド現象の緩和や排出CO2の低減につながる。また、緑化物それ自体も、微量ではあるがCO2を吸収してO2を排出する。 【0003】ところで、上記のような屋上の緑化物の育成および維持には、大量の水を要する。水道水をこのような屋上緑化物の育成および維持に充てることは、コストの問題の他、夏季における水不足の問題を惹起させることは明白である。 【0004】従来、雨水を溜めておいてこれを上記の緑化物の育成、維持に利用することも行われているが、都市部においては、雨水中の酸度が高い場合があり、このような雨水をそのまま利用することは、必ずしも緑化物にとって好ましいとはいえず、また、配管が短期のうちに腐食してしまうという問題も生じる。 【0005】また、冷房用のクーリングタワーを循環するブロー水は、配管等の錆やスケールの発生を抑制するための薬注が行われており、緑化物の育成、維持のための水としては不適であり、従来は、廃棄するしかなかった。 【0006】結局、ビル屋上等の緑化は、植物の育成、維持に適した水を、水道水源を無駄にすることなく、いかにコスト安く供給できるかという問題が根本的に解消されない限り、大規模エリアでの効果的な実現は、困難であることが判る。 【0007】本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであり、上記した従来の問題を解消し、屋上緑化物の育成、維持に適した水を、コスト安く供給する緑化支援装置の提供をその課題としている。 【0008】 【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を採用した。 【0009】すなわち、本願発明の第1の側面によって提供される緑化支援装置は、建物の屋上または周囲に設置された緑化領域と、上記緑化領域に配置された散水手段と、上記散水手段と管路およびポンプを介して接続された貯水手段と、上記貯水手段の水が循環させられる第1の水質改善手段と、を備え、上記貯水手段には、水道水、雨水および/または上記建物からの特定排水が引き込まれるように構成されていることを特徴としている。 【0010】好ましい実施の形態において、上記特定排水は、クーリングタワーのブロー水排水、浴槽排水、またはプール排水等を用いることができる。 【0011】好ましい実施の形態においてはまた、上記特定排水は、第2の水質改善手段による水質改善処理を受けた上で上記貯水手段に引き込まれるようにすることができる。 【0012】好ましい実施の形態においてはさらに、上記貯水手段は、貯水槽、上記緑化領域ないしはその周辺に形成された人工の池または川、ないしはこれらの組み合わせとすることができる。 【0013】好ましい実施の形態においてはまた、上記水質改善手段は、複数の磁石が、水流と交差する磁力線が形成されるように配置された磁気式の水質改善手段が採用される。 【0014】本願発明の第2の側面によって提供される緑化支援装置の使用状態監視システムは、上記第1の側面に係る緑化支援装置における上記貯水手段と上記散水手段とをつなぐ管路に、流量検出手段が設けられているとともに、この流量検出手段によって取得されたデータは、通信回線を介して管理センターに送信されるようになっていることを特徴とする。 【0015】好ましい実施の形態においてはさらに、上記管理センターは、上記データに基づき、課金処理を行うことができる。 【0016】緑化領域は、たとえば、建物の屋上や周囲のオープンスペースに芝生や樹木等の植物を植えつけることによって形成することができる。散水手段は、このような緑化領域に、貯水手段に溜められた水を散水する。貯水手段は、上記のように、貯水槽のほか、緑化領域に形成された人工の池や川、あるいはこれらの組み合わせによって形成される。貯水手段には、建物の屋上やオープンスペースに降った雨水が、好ましくは、ストレーナ等を通って流入するようにしておくほか、たとえば、当該建物のクーリングタワーのブロー水排水、浴槽排水、あるいはプール排水等の特定排水が引き込まれるようにされる。貯水手段の水は、水質改善手段を循環させられることにより、植物の育成に適し、また、配管に錆やスケールの発生しにくい水質に改善される。 【0017】したがって、本願発明によれば、雨水の他、従来廃棄していた建物の特定排水を利用し、これらを植物の育成に適した水質に改善して緑化領域に散布することができるので、緑化領域の維持に必要な水のコストを著しく低減することができる。また、水質改善されていることから、錆やスケールによって配管が短期間に腐食劣化するといったことも抑制され、装置の維持管理も低コストで行える。 【0018】本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。 【0020】たとえば、都市型の総合病院では、多くの浴室のほか、リハビリテーションの目的のためにプール施設が備えられている場合もある。また、当然に冷暖房設備も装備され、屋上等には、クーリングタワーが設置される。従来、浴室における浴槽の排水は、いわゆる生活排水と同様に下水に流され、プール水については、カルキ抜き剤が投入されていることから、また、クーリングタワーのブロー水の排水については、錆やスケール防止のための薬剤が濃縮された形になることから、いずれも下水に廃棄されていた。 【0021】本願発明は、上記のような建物施設において生じる浴槽排水、プール排水、あるいはブロー水排水、あるいは雨水等を、植物に対して無害化して屋上等の緑化のための植物の育成・維持に利用しようとするものである。 【0022】図1および図2は、本願発明の緑化支援装置10の概念図である。図1に示されるように、建物の屋上等には、植採を施し、あるいは芝生を植える等して形成される緑化領域20が設けられる。もちろんこのような緑化領域20は、建物の屋上のほか、建物に近接した周囲領域に設けられていてもよい。また、このような緑化領域には、人工の池や川41が設けられることもある。 【0023】上記のような緑化領域20には、たとえば散水スプリンクラ等の散水手段30が適当数配置される。このような散水手段30は、図2に示されるように、管路31を介して当該建物の適所、たとえば、建物自体の地下、あるいは建物の周囲の地下に設置された貯水槽40に連絡している。このような管路31の途中には、揚水ポンプ32が介装されており、貯水槽40の水を汲み上げて上記散水手段30から緑化領域20に散水することができるようになっている。図示は省略するが、もちろん、揚水ポンプ32によって汲み上げた水をいったん屋上の高架水槽に溜め、重力落下によって散水手段30から散水するようにしてもよい。また、人工の池や川の水としては、好ましくは、上記貯水槽40の水を汲み上げた水が用いられる。 【0024】貯水槽40には、当該建物に降った雨水が好ましくはストレーナを通した上で集められ、配管42を介して引き込まれる。この場合、配管42には、2方切り換え弁(図示略)を設け、雨水を選択的に貯水槽40に引き込むようにしておくことが望ましい。雨量が多い場合には外部に排水して、貯水槽40があふれることを防止するためである。 【0025】貯水槽40にはまた、プール排水60および浴槽排水50がそれぞれ配管61,51を介して引き込まれる。この場合にも、配管61,51には、2方切り換え弁61a,51aを設け、プール排水60および浴槽排水50を選択的に貯水槽40に引き込むようにしておくことが望ましい。 【0026】貯水槽40にはさらに、クーリングタワー65のブロー水排水が配管66を介して引き込まれる。この場合にも、配管66には、2方切り換え弁66aを設け、ブロー水排水を選択的に貯水槽40に引き込むようにしておくことが望ましい。 【0027】貯水槽40に隣接して、貯水槽40の水が循環する水質改善手段70が設けられる。すなわち、貯水槽40から取り出した水を再び貯水槽40に戻す循環管路43が設けられ、この循環管路43の途中に、水質改善ユニット71と、ポンプ75が設けられる。 【0028】水質改善ユニット71としては、たとえば、図3に示すような磁気式の水質改善ユニットが好適である。この水質改善ユニット71は、短管状のケーシング72と、このケーシング72内に収容された複数の磁石73とを備えている。複数の磁石73は、とたえば棒状の金属に着磁した永久磁石であり、図示しない適当な支持部材によって支持されている。複数の磁石73どうしの間には、ケーシング72の軸方向に延びた複数の流路74が形成されている。複数の磁石73はまた、互いに異なる磁極が流路74を挟んで対面するように配列されている。これにより、各流路74には、水の流れと交差する方向の磁力線をもつ磁界が形成されることになる。 【0029】貯水槽40内の水は、上記のような水質改善ユニット71を循環させられることにより、水質が改善されるが、その水質改善機構の概要は、次のとおりである。 【0030】上記の永久磁石による強磁界中を水およびその懸濁成分が通過するとき、ローレンツ力が生じ、各種イオン、電子、微粒子などが励起され、水自体も影響を受ける。こうしてスケール分の沈殿化、弱アルカリ化が促進される。また、水はクラスターの微細化とされる効果で浸透圧の増大、脱気作用の増大が生まれ、配管内のスケールの軟化、剥離が行われる。 【0031】このような作用により、上記の貯水槽40に引き込まれた雨水、浴槽排水、プール排水あるいはブロー水排水は、その他の引き込み水とあわせて水質改善される。この場合、浴槽50、プール60、あるいはクーリングタワー65において、個別に上記のような水質改善ユニット71を介装した循環管路を設け、浴槽水、プール水あるはブロー水を個別に水質改善するようにしておけば、上記貯水槽40に付設された水質改善ユニット71の負担が小さくなるし、浴槽50、プール60あるいはクーリングタワー65から貯水槽までの配管51,61,66の腐食劣化を抑制することができるので好都合である。 【0032】揚水ポンプ32を起動すると、上記の貯水槽40中の水質改善された水が、管路31を通って汲み上げられ、散水手段30から緑化領域20に散布される。必要に応じて、人工の池あるい川にこの水質改善された水が補給される。これにより、水道水に頼ることなく、緑化領域20の育成および維持が可能となる。また、この緑化支援装置の各所の管路は、錆やスケールによって劣化することが少なくなる。 【0033】上記したように、貯水槽で水質改善された水は、植物に無害であるだけではなく、上記したように浸透圧が高められており、植物の根から吸収されやすい。このように、上記したような磁気式の水質改善ユニット71で水質改善された水は、植物の育成を促進する効果があることも、実験によって確認されている。 【0034】なお、建物の屋上には、たとえば、自然エネルギを利用したソーラー発電装置、あるいは風力発電装置を設置し、このような発電装置によって得られた電力を上記の水質改善手段70や揚水ポンプ32の電源として利用すると、CO2排出の削減に役立つ。 【0035】なお、実施形態では、貯水槽40から散水手段30に至る管路31に、流量検出手段33を設けるとともに、この流量検出手段33によって得られたデータを通信網90を介して送出する送信手段34が付設されている。図4に示されるように、このようなデータは、たとえば、各地域において複数設置されたこの種の緑化支援装置10を統合管理する管理センター80が受信する。このようにしておくことにより、たとえば、各緑化支援装置10における貯水槽40中の水質改善された水の使用量を監視することができる。また、管理センター80に、この緑化支援装置10の使用料請求機能を付与することもできる。たとえば、緑化支援装置10における水の使用量を1カ月ごとに集計し、所定の料金表を参照して、1カ月の使用量に見合った料金を記載した請求書を自動発生させる。 【0036】このようにすれば、緑化支援装置10の設置にあたって、初期コストを0にしつつも、水質改善された水の使用量に応じて料金徴収するようにすることにより、装置提供者にとって、装置の設置並びに管理サービスの対価を無理なく徴収することができるし、ユーザにとっても、初期コストが不要となるので、この緑化支援装置10を導入しやすい。このことは、結果的に、都市部の緑化推進の原動力となりうる。 【0037】もちろん、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載した事項の範囲内での変更は、すべて本願発明の範囲に含まれる。 【0038】貯水手段としては、実施形態では、貯水槽を用いたが、これに加えて、建物の周囲に配置した人工の池や川を貯水手段として用いることもできる。また、水質改善手段としては、上記のような磁気式のものに限らず、遠赤外線を放射するなどのセラミックやトルマリン等の鉱石を充填した通水ユニットに循環透水するようにしたものであってもよい。さらには、特定排水としては、上記したように、雨水、プール排水、浴槽排水、ブロー水排水のいずれを採用してもよいし、また、これらに限定されるものでもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500256923 【氏名又は名称】杉野 慶一
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| 【出願日】 |
平成14年4月16日(2002.4.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086380 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 稔 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−304736(P2003−304736A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月28日(2003.10.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−113225(P2002−113225) |
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