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【発明の名称】 暗渠排水装置
【発明者】 【氏名】小野寺 恒雄

【氏名】藤森 新作

【氏名】伊藤 重幸

【氏名】山里 健

【要約】 【課題】パイプ内での酸化鉄の発生を抑制して排水機能の長期安定化を図れるとともに、地下潅漑に必要な水位調節機能や水田として使用するときの高水位の維持も可能な暗渠排水装置を提供する。

【解決手段】圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプを介して排水する暗渠排水装置において、前記排水パイプ18の経路中に下方に屈曲した水溜トラップ24を設け、該水溜トラップに貯留した水によって排水パイプ内の空気の流通を防止する。また、水溜トラップの一端開口を排水桝23内に上方を向けて開口させ、該開口に鉛直方向の水位調節パイプ25を着脱可能に装着して地下水位の調節と排水とを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプを介して排水する暗渠排水装置において、前記排水パイプの経路中に下方に屈曲した水溜トラップを設け、該水溜トラップに貯留した水によって排水パイプ内の空気の流通を防止したことを特徴とする暗渠排水装置。
【請求項2】 前記水溜トラップの近傍に、開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の暗渠排水装置。
【請求項3】 前記水溜トラップの一端を弁箱内で上方に向けて開口させるとともに、該開口を開閉する弁体を前記弁箱内に上下動可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の暗渠排水装置。
【請求項4】 圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプ及び該排水パイプの経路中に設けた排水桝を介して排水する暗渠排水装置において、前記排水パイプの経路中に下方に屈曲した水溜トラップを設け、該水溜トラップに貯留した水によって排水パイプ内の空気の流通を防止するとともに、該水溜トラップの一端開口を前記排水桝内に上方を向けて開口させ、該開口に鉛直方向の水位調節パイプを着脱可能に装着したことを特徴とする暗渠排水装置。
【請求項5】 前記水位調節パイプは、パイプ上部に形成した通水部の位置を上下方向に調節可能に形成されていることを特徴とする請求項4記載の暗渠排水装置。
【請求項6】 圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプ及び該排水パイプの経路中に設けた排水桝を介して排水する暗渠排水装置において、前記排水桝の流入口を上方に向けて開口させ、該開口に鉛直方向の水位調節パイプを着脱可能に装着するとともに、該水位調節パイプの上部通水口を、空気弁を備えた密閉蓋で閉塞可能に形成したことを特徴とする暗渠排水装置。
【請求項7】 前記水位調節パイプは、異なる長さのパイプを前記開口に装着して水位調節を行うことを特徴とする請求項6記載の暗渠排水装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗渠排水装置に関し、詳しくは、稲作時の田面水位の調節及び畑作時の地下水位の調節を行うための地下潅漑に使用される暗渠排水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地下潅漑は、畑作時の圃場の地下水位を調節して毛管現象により水分を補給するものであって、地下水位を作物に適した水位に調節することによって収穫量の向上等の効果を得ることができる。この地下潅漑には、圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに余剰の地下水を流入させて非通水性の排水パイプから排水路に排出する暗渠排水装置が設置されており、用水の供給も暗渠排水パイプを利用して行うのが一般的である。このような暗渠排水装置での排水状態の制御には、開閉弁に相当する水閘が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の水閘は、止水時には弁を閉じ、排水時には弁を開くという構造であり、排水時の開弁状態では、暗渠排水パイプや排水パイプが末端の排水口を介して大気に開放された状態になってしまうため、パイプ内の空気の流入、流出が発生する。このようにパイプ内に空気が流入すると、地下水中に含まれている鉄分が空気中の酸素と反応して酸化鉄を生成し、この酸化鉄がパイプ内に付着してつまりの発生原因となり、排水機能の低下を招くという問題があった。さらに、暗渠排水における疎水材として籾殻を使用している場合は、空気との接触によって籾殻が早期に腐食し、疎水材の通水性が低下して排水機能が損なわれるという問題もある。また、従来の水閘は、排水経路の開閉のみを目的としているため、水位調節を行う機能が無く、そのままでは地下潅漑に利用することができなかった。
【0004】そこで本発明は、パイプ内での酸化鉄の発生を抑制して排水機能の長期安定化を図れるとともに、地下潅漑に必要な水位調節機能や水田として使用するときの高水位の維持も可能な暗渠排水装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の暗渠排水装置は、第1の構成として、圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプを介して排水する暗渠排水装置において、前記排水パイプの経路中に下方に屈曲した水溜トラップを設け、該水溜トラップに貯留した水によって排水パイプ内の空気の流通を防止したことを特徴とし、さらに、前記水溜トラップの近傍に開閉弁を設けたこと、前記水溜トラップの一端を弁箱内で上方に向けて開口させるとともに該開口を開閉する弁体を前記弁箱内に上下動可能に設けたことを特徴としている。
【0006】本発明の暗渠排水装置における第2の構成は、圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプ及び該排水パイプの経路中に設けた排水桝を介して排水する暗渠排水装置において、前記排水パイプの経路中に下方に屈曲した水溜トラップを設け、該水溜トラップに貯留した水によって排水パイプ内の空気の流通を防止するとともに、該水溜トラップの一端開口を前記排水桝内に上方を向けて開口させ、該開口に鉛直方向の水位調節パイプを着脱可能に装着したことを特徴とし、特に、前記水位調節パイプは、パイプ上部に形成した通水部の位置を上下方向に調節可能に形成されていることを特徴としている。
【0007】本発明の暗渠排水装置における第3の構成は、圃場の地中に埋設した通水性の暗渠排水パイプに流入した地下水を非通水性の排水パイプ及び該排水パイプの経路中に設けた排水桝を介して排水する暗渠排水装置において、前記排水桝の流入口を上方に向けて開口させ、該開口に鉛直方向の水位調節パイプを着脱可能に装着するとともに、該水位調節パイプの上部通水口を、空気弁を備えた密閉蓋で閉塞可能に形成したことを特徴とし、前記水位調節パイプは、異なる長さのパイプを前記開口に装着して水位調節を行うことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の暗渠排水装置の第1形態例を示すもので、図1は縦断面図、図2は要部の縦断面図、図3は本発明を適用した圃場(水田)の一例を示す概略平面図である。
【0009】まず、図3に示すように、圃場である水田10の内部は、短手方向に延びる畦畔11によって複数の耕作区12に区分されており、水田10の両側縁には、その長手方向に沿って農道13がそれぞれ設けられている。各農道13には、給水路14及び排水路15がそれぞれ設けられている。この給水路14及び排水路15は、状況に応じて開放型の水路で形成してもよく、パイプラインで形成することもできる。また、必ずしも農道13に沿って設ける必要はなく、必要に応じて畦畔11に沿って設けたり、その他の箇所に設けるようにしてもよい。
【0010】さらに、各耕作区12の地下には、有孔管からなる通水性の暗渠排水パイプ16が複数本埋設されており、この暗渠排水パイプ16の上流側が前記給水路14に接続した給水装置17に接続している。そして、この暗渠排水パイプ16の下流側は、非通水性の排水パイプ18に合流し、水位設定装置19を介して前記排水路15に接続している。なお、給水路14や排水路15の設置場所によっては、給水装置17と水位設定装置19とを耕作区12の一辺に隣接させて、あるいは一体的に形成して設置することもできる。また、暗渠排水パイプ16は、耕作区12の状況に応じて一つの耕作区内に適当な本数を埋設することができ、各暗渠排水パイプ16の上流側を全て給水装置17に接続しなくてもよい。さらに、給水装置17には、暗渠排水パイプ16に空気やゴミ類が侵入しない構造のものを用いることが好ましく、また、耕作区内の水位を調節する水位調節機能を有する給水装置も使用できる。
【0011】図1に示すように、前記水位設定装置19は、畦畔11や農道13に埋設された状態で設置されるものであって、底部及び側方にパイプ接続部21,22を有する筒状の排水桝23と、該排水桝23の上流側で前記排水パイプ18を下方に屈曲させた形状の水溜トラップ24と、排水桝23内に設置される水位調節パイプ25とを有している。水溜トラップ24の上流側の排水パイプ18aと、前記パイプ接続部22に接続した排水桝下流側の排水パイプ18bとは、両者の軸線が略一致するような状態で設置されており、排水時に暗渠排水パイプ16内に流入した地下水を水溜トラップ24及び排水桝23を介して確実に排出できるような水勾配を有している。
【0012】水溜トラップ24は、上流側の排水パイプ18aの端部に、下向きに屈曲する第1エルボ26aと、該第1エルボ26aから水平方向に屈曲する第2エルボ26bと、該第2エルボ26bから上方に屈曲する第3エルボ26cを組み付けたものであって、最後の第3エルボ26cの上向き開口が前記排水桝23のパイプ接続部21に接続されて上方に向けて開口した状態となっている。また、第2エルボ26b及び第3エルボ26cの水平部分は排水パイプ18よりも十分に下方に位置するように設定されており、排水パイプ18内に水が存在しないときでも、この第2エルボ26b及び第3エルボ26cの水平部分に十分な水が貯留され、両エルボ26b、26cの上部に空気が流通する空間が生じないように形成されている。
【0013】前記水位調節パイプ25は、その下端部がリング状のシール材27を介して前記第3エルボ26cの上向き開口内に水密状態で嵌入する形状のパイプからなるものであって、上部には着脱操作用の把手28が設けられている。この水位調節パイプ25は、耕作区12の水位に応じて適当な長さのパイプを選択使用するものであり、パイプ上端に開口した上部通水口29の高さ位置によって耕作区12の水位を調節する。
【0014】すなわち、上部通水口29の位置が耕作面30から50cm下方に位置する長さの水位調節パイプ25を使用することにより、降雨等によって耕作区12内の地下水位が上昇したときには、暗渠排水パイプ16内に流入した余剰の地下水が、排水パイプ18から前記水溜トラップ24を経て第3エルボ26cから水位調節パイプ25内を上昇し、上部通水口29を越えて排水桝23内に溢流し、排水桝下流側の排水パイプ18bを流れて排水口18cから排水路15に排出され、これによって耕作区12内の地下水位が設定水位まで低下する。また、耕作区12内の地下水位が低いときには、水位調節パイプ25内の水が上部通水口29を越えて排出されることがなく、前記給水装置17から暗渠排水パイプ16に供給される用水によって耕作区12内の地下水位が耕作面30から50cm下方に維持される。
【0015】さらに、水位調節パイプ25を第3エルボ26cの上向き開口から抜き取ると、第3エルボ26cの上向き開口から直接排水桝23内に水が流入して下流側排水パイプ18bから排出され、従来の水閘を開いたときと同じ状態となって耕作区12からの排水作業を従来通り行うことができる。そして、水位調節パイプ25を抜き取った排水時には、前記水溜トラップ24の内部に水が残留して貯留された状態になるので、この貯留水によってトラップ前後における空気の流通が遮断され、排水状態を継続しても空気が排水口18cから暗渠排水パイプ16方向に流入することを防止できる。したがって、暗渠排水パイプ16内での酸化鉄の発生や籾殻の腐食を防止することができ、長期間にわたって安定した排水機能を維持することができる。
【0016】なお、排水桝23の上部内周に水位調節パイプ25の把手28を引っ掛けておく吊具等を設けておき、水位調節パイプ25を第3エルボ26cから抜き取ったときに、この吊具等に引っ掛けておくことにより、水位調節パイプ25を排水桝23から取り出すことなく、排水桝23内に収納したままで排水状態とすることができる。
【0017】一方、耕作区12を水田として利用するときなど、暗渠排水パイプ16からの排水を必要としないときには、前記水位調節パイプ25としてできるだけ長いパイプを使用するとともに、上部通水口29を密閉蓋31で密閉することによって水位設定装置19からの用水の流出を防止する。このように密閉蓋31で水位調節パイプ25を密閉した状態では、耕作区12への用水の供給に伴って水位調節パイプ25内にも水が流入し、水位調節パイプ25内の空気を圧縮して水位調節パイプ25に上向きの力が作用する。この上向きの力が水位調節パイプ25とシール材27との抵抗を上回ると、水位調節パイプ25が外れて用水が排水桝23から流出してしまう。
【0018】このため、上部通水口29を密閉する密閉蓋31には、水位調節パイプ25内の空気を排出して水を流出させない空気弁32を備えたものを使用し、内圧上昇を抑えて水位調節パイプ25の抜けを防止する。なお、密閉蓋31を上部通水口29に固定する手段は任意であり、弾性部材による嵌め込みやねじ込み等を利用することができる。
【0019】本形態例に示す空気弁32は、図2に示すように、密閉蓋31に設けた排気口33内に上下動可能に挿入された軸部材34と、該軸部材34の上部に設けられた落下防止部材35と、軸部材34の下部に設けられたフロート部材36と、該フロート部材36の上部に設けられて前記排気口33を閉塞可能なシール材37とで形成されている。
【0020】この空気弁32は、水位調節パイプ25内に水が無い状態では、フロート部材36等の自重によってシール材37が排気口33から離れた開弁位置に下降しており、排気口33を通って空気が流通可能な状態となっている。したがって、水位調節パイプ25内に水が流入すると、水位の上昇に伴って水位調節パイプ25内の空気が排気口33から外部に排出され、水位調節パイプ25内の圧力上昇を防止する。そして、水面がフロート部材36に達すると、下方のみが開口したフロート部材36内に空気が閉じこめられて浮力が発生し、水面の上昇によってフロート部材36等が上昇し、シール材37が密閉蓋31の下面に水圧及び浮力で圧着して排気口33を閉塞した状態になり、パイプ内からの空気及び水の排出を停止する。
【0021】これにより、水位調節パイプ25の上端よりも田面水位38が高くなっても、水位調節パイプ25及び密閉蓋31に加わる上向きの力を小さくすることができ、シール材27から水位調節パイプ25が抜け出たり、密閉蓋31が嵌め込み式の場合であっても上部通水口29から密閉蓋31が外れることを防止できる。
【0022】なお、このような水田として使用する際に、第3エルボ26cの上向き開口を栓状の弁体で閉塞することもできる。しかし、この場合は、耕作区12からの水圧が弁体に直接的に作用するので、第3エルボ26cの上向き開口と弁体とにネジ等の固着手段を設ける必要があり、開閉操作に手間が掛かるという問題がある。また、水位調節パイプ25として短いパイプを用いて上部通水口を密閉したときも同様である。
【0023】さらに、耕作区12内の田面水位38に対応した長さのパイプを使用し、水位調節パイプ25の上部通水口29を田面水位38と同じ高さ以上にしておくことによって用水の流出を防止することもできる。但し、この場合は、排水桝23を設置した農道13や畦畔11の上面高さと田面水位38との関係によって、水位調節パイプ25の上端と排水桝19の蓋39との間隔が狭くなって水位調節パイプ25に把手28を設けられなくなったり、排水時に抜き取った水位調節パイプ25を排水桝23内に収納しておくことができなくなるという問題がある。
【0024】このように、本形態例に示す排水装置は、排水桝23内の水位調節パイプ25として耕作区12の地下水位に対応した長さのパイプを用いることにより、耕作区12の地下水位を栽培する作物に適した高さ(深さ)に調節することができる。また、排水時に水閘に相当する水位調節パイプ25を引き抜いて暗渠排水パイプ16から排水パイプ18の排水口18cに向けて排水するときでも、水溜トラップ24に貯留される水によって排水口18cから暗渠排水パイプ方向に空気が流入することを阻止できるので、地下水中に含まれる鉄分が空気中の酸素と反応して酸化鉄が生成することを防止でき、また、疎水材として使用した籾殻が酸素との接触によって腐食が進行することも防止できるから、暗渠排水装置における排水機能の長期安定化を図れる。
【0025】なお、本形態例では、水位調節パイプ25における上部通水口29の高さを調節する手段として、異なる長さの水位調節パイプ25を着脱交換する例を挙げたが、他の手段を採用することもできる。例えば、水位調節パイプ25を複数のパイプを着脱可能に連結させておき、水位に応じていくつかのパイプを適宜着脱するようにしてもよい。また、水位調節パイプ25として二重筒を使用し、内筒又は外筒の一方、例えば外筒の下端を第3エルボ26cの上向き開口に嵌め込み、他方の内筒を外筒に対して水密状態で上下にスライド可能に形成することにより、内筒上端の上部通水口の高さを調節するようにしてもよい。さらに、上下方向に伸縮可能な蛇腹部材を設置し、この蛇腹部材を伸縮させることによって上部通水口の高さを調節するようにしてもよい。
【0026】図4は、本発明の暗渠排水装置の第2形態例を示す概略縦断面図であって、耕作区12の地中に埋設した暗渠排水パイプに流入した地下水を排出する排水パイプ18の経路中に、下方に屈曲した水溜トラップ24のみを設けた例を示している。なお、前記第1形態例に記載した暗渠排水装置の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】本形態例に示すように、排水パイプ18の経路中に水溜トラップ24を設けることにより、前述のように、水溜トラップ24に貯留した水によって排水パイプ18内の空気の流通を防止することができるので、排水時に水閘や弁を開放した状態でも排水口から暗渠排水パイプ方向に空気が流入することを阻止でき、酸化鉄の生成や籾殻の腐食を防止して暗渠排水装置における排水機能の長期安定化を図れる。なお、排水の制御は、従来と同様の水閘で行ってもよく、別途水位調節装置を設置するようにしてもよい。
【0028】図5は、本発明の暗渠排水装置の第3形態例を示す概略縦断面図であって、水溜トラップ24の近傍にスライド式の開閉弁41を設けた例を示している。この開閉弁41は、弁箱42内に開口した排水パイプ18の端部開口43を閉塞可能な弁体44を上下動可能に設け、操作棒45で弁体44を上下動させることによって排水経路を開閉するように形成されている。
【0029】図6は、本発明の暗渠排水装置の第4形態例を示す概略縦断面図であって、水溜トラップ24と開閉弁とを一体化した例を示している。この開閉弁51は、水溜トラップ24の一端開口52を弁箱53内に上方に向けて開口させるとともに、該弁箱53内に前記開口52を開閉する弁体54を上下動可能に設け、操作棒55で弁体54を上下動させることによって排水経路を開閉するように形成されている。
【0030】図7は、本発明の暗渠排水装置の第5形態例を示す概略縦断面図であって、水位設定装置19の下流側に水溜トラップ24を配置した例を示している。すなわち、耕作区12の地下水は、暗渠排水パイプ16から排水パイプ18を通って排水桝23内に流入し、余剰の地下水は、水位調節パイプ25の上部通水口29を越えてパイプ内に溢流した後、水溜トラップ24を通って排出されることになる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の暗渠排水装置によれば、まず、排水パイプの経路中に水溜トラップを設けたことにより、暗渠排水経路中での酸化鉄の生成や籾殻の腐食を防止できるので、長期にわたって安定した排水機能を得ることができる。また、水位調節機能を設けることにより、地下潅漑における地下水位を作物生育に適した水位に容易かつ確実に調節することができる。さらに、圃場を水田として利用するときなど、水位調節パイプの上部通水口よりも高位置に水位を設定する場合に、上部通水口を空気弁を備えた密閉蓋で閉塞することにより、水位調節パイプを排水桝内に設置したままの状態で排水機能を停止することができる。
【出願人】 【識別番号】301035976
【氏名又は名称】独立行政法人農業工学研究所
【識別番号】596029085
【氏名又は名称】株式会社パディ研究所
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【識別番号】000006172
【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社
【出願日】 平成14年4月3日(2002.4.3)
【代理人】 【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
【公開番号】 特開2003−289733(P2003−289733A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−101700(P2002−101700)