| 【発明の名称】 |
取水装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野寺 恒雄
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| 【要約】 |
【課題】パイプラインへのゴミ類の侵入だけでなく、空気の流入や土砂の流入も防止することができ、しかも、維持管理がほとんど不要で、長期にわたって安定した取水、給水を行うことができる取水装置を提供する。
【解決手段】給水路を流れる用水を圃場に敷設したパイプラインに供給するための取水装置であって、前記給水路からの用水が流入する用水流入部19を備えた取水桝20の内部に取水パイプ21を水平方向に設置するとともに、該取水パイプ21の下部周面に最大開口寸法が50mm以下、好ましくは30mm以下の取水孔28を複数形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給水路を流れる用水を圃場に敷設したパイプラインに供給するための取水装置であって、前記給水路からの用水が流入する用水流入部を備えた取水桝の内部に取水パイプを水平方向に設置するとともに、該取水パイプの下部周面に最大開口寸法が50mm以下の取水孔を複数形成したことを特徴とする取水装置。 【請求項2】 前記取水パイプの上部に空気弁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の取水装置。 【請求項3】 給水路を流れる用水を圃場に敷設したパイプラインに供給するための取水装置であって、前記給水路からの用水が流入する用水流入部を有する取水桝の内部に取水パイプを鉛直方向に設置するとともに、該取水パイプの周面に最大開口寸法が50mm以下の取水孔を複数形成したことを特徴とする取水装置。 【請求項4】 前記取水パイプは、前記取水枡の底部に上方を向いて開口した給水口に着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項3記載の取水装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、取水装置に関し、詳しくは、水田等に敷設された用水供給用パイプラインや地下灌漑における暗渠通水パイプに給水路からの用水を取水して供給するために用いる取水装置に関する。 【0002】 【従来の技術】水田等に用水を供給する手段として、近年は、従来の開水路に代えて地中に埋設したパイプラインを使用する例が多くなってきている。また、畑作においても、圃場の地下に暗渠通水パイプを埋設して地下水位を作物に適した水位に調節する地下潅漑が広く行われつつある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前述のようなパイプラインや暗渠通水パイプに幹線給水路等から用水を供給する際、取水時に用水と共に草や木切れ、プラスチックゴミ、空き缶、空き瓶等のゴミ類が侵入すると、パイプラインや暗渠通水パイプが閉塞したり、弁等の操作に支障を来したりする。このため、従来は、給水路に除塵機を設けてゴミ類を除去するようにしているが、除塵機を設置すると、その設置費用だけでなく、運転や保守にも多くの費用や人手を要するという問題がある。 【0004】さらに、パイプ内に空気が流入すると、地下水中に含まれている鉄分が空気中の酸素と反応して酸化鉄を生成し、この酸化鉄がパイプや弁に付着してつまりの発生原因となる。また、暗渠排水における疎水材として籾殻を使用している場合は、パイプライン内に侵入した空気との接触によって籾殻が早期に腐食し、疎水材の通水性が低下して排水機能が損なわれるという問題もある。 【0005】そこで本発明は、パイプラインへのゴミ類の侵入だけでなく、空気の流入や土砂の流入も防止することができ、しかも、維持管理がほとんど不要で、長期にわたって安定した取水、給水性能を得ることができる取水装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の取水装置は、給水路を流れる用水を圃場に敷設したパイプラインに供給するための取水装置であって、前記給水路からの用水が流入する用水流入部を備えた取水桝の内部に取水パイプを水平方向に設置するとともに、該取水パイプの下部周面に最大開口寸法が50mm以下、好ましくは30mm以下の取水孔を複数形成したことを特徴とし、さらに、前記取水パイプの上部に空気弁が設けられていることを特徴としている。 【0007】また、本発明の取水装置は、第2の構成として、前記給水路からの用水が流入する用水流入部を有する取水桝の内部に取水パイプを鉛直方向に設置するとともに、該取水パイプの周面に最大開口寸法が50mm以下、好ましくは30mm以下の取水孔を複数形成したことを特徴し、さらに、前記取水パイプを、前記取水枡の底部に上方を向いて開口した給水口に着脱可能に装着したことを特徴としている。 【0008】 【発明の実施の形態】図1乃至図3は、本発明の取水装置の第1形態例を示すもので、図1は断面正面図、図2は断面側面図、図3は一部切欠平面図、図4は本発明の取水装置を適用可能な圃場(水田)の一例を示す概略平面図である。 【0009】まず、図4に示すように、圃場である水田10の内部は、短手方向に延びる畦畔11によって複数の耕作区12に区分されており、水田10の両側縁には、その長手方向に沿って農道13がそれぞれ設けられている。各農道13には、幹線給水路に接続した給水路14及び幹線排水路に接続した排水路15がそれぞれ設けられている。この給水路14及び排水路15は、必ずしも農道13に沿って設ける必要はなく、必要に応じて畦畔11に沿って設けたり、その他の箇所に設けるようにしてもよい。 【0010】さらに、各耕作区12の地下には、有孔管からなる暗渠通水パイプ16が複数本埋設されており、この暗渠通水パイプ16の上流側がパイプライン22を介して前記給水路14に設けられた取水装置17に接続し、下流側が排水装置18を介して前記排水路15に接続している。なお、給水路14や排水路15の設置場所によっては、取水装置17と排水装置18とを耕作区12の一辺に隣接させて、あるいは一体的に形成して設置することもできる。また、暗渠通水パイプ16は、耕作区12の状況に応じて一つの耕作区内に適当な本数を埋設することができ、各暗渠通水パイプ16の上流側を全て取水装置17に接続しなくてもよい。さらに、排水装置18には、暗渠通水パイプ16に空気が侵入しない構造のものを用いることが好ましく、また、単純な水閘であってもよく、耕作区内の水位を調節する水位調節機能を有する排水装置も使用できる。 【0011】前記取水装置17は、給水路14からの用水が流入する用水流入部19を備えた取水枡20の内部に取水パイプ21を設置し、この取水パイプ21で取水した用水を前記パイプライン22を介して暗渠通水パイプ16に供給するように形成されている。また、取水枡20には、該取水枡20内に流入した土砂やゴミ類を排出するための排泥弁23が設けられている。 【0012】図1乃至図3に示す取水装置の取水枡20は、四角形の箱状に形成した枡本体の側壁上部に前記用水流入部19と、余剰の用水を下流側に流出させるための用水流出部24と、浮きゴミを排出するための溢流堰25とを設けるとともに、枡底部に前記排泥弁23を備えた排泥パイプ26を設けたものであって、前記溢流堰25からの排水パイプ27は、排泥パイプ26における排泥弁23の下流側に接続されている。 【0013】前記取水パイプ21は、取水枡20の上下方向中間部乃至上部に水平方向に設けられるものであって、一端は閉塞され、他端が前記パイプライン22の立上がり管に接続している。そして、取水パイプ21の下部周面には、取水枡20内の用水を取水パイプ21内に取入れ、パイプライン22を介して暗渠通水パイプ16に供給するための取水孔28が複数設けられている。 【0014】この取水パイプ21の口径は任意であるが、パイプライン22を形成するパイプと同程度のものを使用すればよい。また、取水パイプ21は、通常のパイプに取水孔28を穿孔して形成することもでき、有孔管における不要部分の孔を塞いで形成することもできる・取水枡20内における取水パイプ21の設置高さは、水面からの空気の吸込みや浮きゴミの吸込みを防止でき、かつ、枡底部に堆積する土砂の吸込みを防止できる位置に設定すればよく、したがって、取水枡20の深さも、これらの条件を満たせるように考慮すべきである。一般的には、パイプ上面と水面との距離を150〜250mm、パイプ下面と枡底面との距離を400〜600mmの範囲内に設定することが好ましい。 【0015】前記取水孔28は、用水中に含まれる前記ゴミ類が取水パイプ21内に流入しないような大きさで、かつ、目詰まりしにくい大きさに形成されるものであって、取水孔28の最大開口寸法は、通常、50mm以下、好ましくは30mm以下が適当である。この取水孔28を小さく形成することによってゴミ類の流入をより確実に阻止することができるが、小さくし過ぎると、取水量が不足するだけでなく、目詰まりが発生しやすくなるという問題が発生する。 【0016】また、取水孔28の設置数は、各孔の大きさや取水量に応じて設定されるものであって、合計開口面積及び各取水孔28における流速に基づいて算出すればよい。すなわち、取水孔28における流速が高くなるとゴミ類等を吸い込んだりする可能性が高くなるため、例えば、各取水孔28における流速を毎秒0.3m以下に設定し、この流速以下で設定された流量を取入れることができるように、取水孔28の大きさや設置数を設定すればよい。 【0017】さらに、取水孔28の形状は、通常は円形であるが、長円系やスリット状に形成することもでき、取水パイプ21の長さ方向や周方向において各取水孔28の形状や大きさを異なるものとしてもよい。また、取水孔28は、空気の吸込みや浮きゴミの吸込みを避けるため、中心より下方の周面に設けるべきであるが、取水枡20内の水面からの距離によっては、上部周面に設けてもよい。 【0018】また、取水パイプ21の長さは、取水量等の条件に応じて設定することができるが、口径に対して長くなり過ぎると、先端部分の取水孔28からの取水が困難になるので、このような場合は、適当な長さの取水パイプ21を複数本並列に設けるようにすればよい。 【0019】さらに、取水パイプ21内に空気が溜まることを防止するため、取水パイプ21の上面に空気弁を設けたり、空気抜きを設けておくことが好ましい。なお、空気弁は、各種管路に設けられている通常の自動作動型の空気弁を用いることができる。 【0020】取水装置17をこのように形成することにより、パイプライン22や暗渠通水パイプ16に向けてゴミ類や土砂だけでなく、空気が流入することを防止できるので、パイプライン22や暗渠通水パイプ16が閉塞したり、弁等の操作に支障を来したりすることがなくなり、酸化鉄の発生や疎水材の腐食も抑制することができる。 【0021】図5は、本発明の取水装置の第2形態例を示す縦断面図である。なお、前記第1形態例と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。 【0022】この取水装置50は、軸線を鉛直方向に向けた筒体からなる取水枡51の内部に、周面に複数個の取水孔52を形成した取水パイプ53を同心状に設置し、該取水パイプ53の下端を前記パイプライン22の末端に装着したものである。 【0023】この取水パイプ53は、上端開口が水面より上方に突出する長さ(高さ)を有するパイプからなるもので、周面に形成された取水孔52は、前記第1形態例の取水孔28と同じような条件で、その大きさや設置数が設定され、さらに、取水パイプ最下部の取水孔52は、取水枡52の底部より十分に高い位置に設けるようにしている。 【0024】このように形成した取水装置50においても、給水路14から用水流入部19を介して取水枡51内に流入した用水中のゴミ類を取水孔52によって分離し、また、土砂は枡底部に沈殿させることによって分離し、しかも、空気の侵入も防止しながら、安定した状態でパイプライン22に用水を供給することができる。 【0025】また、パイプライン22の末端を取水枡52の底部で上方に向けて開口させ、この開口部に取水パイプ53を着脱可能に装着しておき、必要に応じて取水パイプ53を開口部から取り外すことにより、パイプライン22や暗渠通水パイプ16に大量の用水を一度に流入させることができるので、これらのパイプ内に堆積した土砂等を排出する掃流操作を行うことができる。さらに、用水流入部19に遮断弁54を設けるとともに、取水枡52の上部開口を蓋55で密封することにより、取水時や掃流時以外にパイプライン内への空気の流通を防止できる。 【0026】なお、取水桝20,51を給水路14の途中に設けて給水路を用水流入部と兼用させることができる。さらに、前記各形態例では、給水路が開水路の場合で説明したが、給水路がパイプラインの場合であっても、前記取水装置を設けることにより、給水用パイプライン内を流れる用水中のゴミ類や土砂を確実に分離することができる。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の取水装置によれば、パイプラインへのゴミ類や土砂、空気の流入を防止することができ、しかも、維持管理がほとんど不要で、長期にわたって安定した取水、給水を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596029085 【氏名又は名称】株式会社パディ研究所 【識別番号】303001759 【氏名又は名称】株式会社協栄産業
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| 【出願日】 |
平成14年4月3日(2002.4.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086210 【弁理士】 【氏名又は名称】木戸 一彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−289732(P2003−289732A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月14日(2003.10.14) |
| 【出願番号】 |
特願2002−101842(P2002−101842) |
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