| 【発明の名称】 |
農業用ハウスバンド |
| 【発明者】 |
【氏名】森下 真吾 【住所又は居所】岡山県倉敷市水島中通1丁目4番地 萩原工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】農業用ハウスに張設するポリオレフィン製フィルムを摩擦によってフィルムを損傷させないように押さえるバンドであって、かつ機械的強度、透光性、耐候性にすぐれた農業用ハウスバンドを提供すること。
【解決手段】直鎖状低密度ポリエチレン70〜90重量%、高密度ポリエチレン10〜30重量%からなる組成物を用いてインフレーション法により成形された管状フィルムを内部ブロッキングせしめて一体化し、かつ延伸倍率3〜5倍で延伸した厚みが40〜100μm、幅40〜100mmのテープであって、透光率が70%以上である農業用ハウスバンドである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直鎖状低密度ポリエチレン70〜90重量%、高密度ポリエチレン10〜30重量%からなる組成物を用いてインフレーション法により成形された管状フィルムを内部ブロッキングせしめて一体化し、かつ延伸倍率3〜5倍で延伸した厚みが40〜100μm、幅40〜100mmのテープであって、透光率が70%以上である農業用ハウスバンド。 【請求項2】 前記直鎖状低密度ポリエチレンがメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・αーオレフィン共重合体である請求項1に記載の農業用ハウスバンド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、農業用ハウスに張設するポリオレフィン製フィルムを押さえるためのハウスバンドに関する。 【0002】 【従来技術】従来、農業用ハウスの被覆フィルムとしては塩化ビニル製フィルム(農ビ)が多用され、フィルムが吹き飛ばされないように押さえるハウスバンドとしては、両端部に繊維やワイヤなどで補強しポリエチレンなどで被覆した幅が10〜20mm程度の黒色バンドが多用されていた。 【0003】しかしながら、近年脱塩化ビニルの傾向が強まり塩化ビニル製フィルムに代替してポリオレフィン製フィルムが使用され始めている。このとき、ハウスバンドとして上述の黒色バンドを用いると、ポリオレフィン製フィルムは塩化ビニル製フィルムに比較して耐摩耗性が弱いので、繊維補強部などの硬質部分を有し、かつ狭い幅の黒色バンドがポリオレフィン製フィルムと当接して擦れると、バンドの角部の硬質部分との当接個所に応力が集中してポリオレフィン製フィルムが容易に破損してしまうという問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、農業用ハウスに張設するポリオレフィン製フィルムを摩擦によってフィルムを損傷させないように押さえるバンドであって、かつ機械的強度、透光性、耐候性にすぐれた農業用ハウスバンドを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するためになされたもので、直鎖状低密度ポリエチレン70〜90重量%、高密度ポリエチレン10〜30重量%からなる組成物を用いてインフレーション法により成形された管状フィルムを内部ブロッキングせしめて一体化し、かつ延伸倍率3〜5倍で延伸した厚みが40〜100μm、幅40〜100mmのテープであって、透光率が70%以上である農業用ハウスバンドを提供して、上記課題を解消するものである。 【0006】また、前記直鎖状低密度ポリエチレンがメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・αーオレフィン共重合体であるのが良好である。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に使用される直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPE)とは、密度が0.910〜0.930g/cm3が好ましく、公知のチーグラー触媒等を用いて中低圧法で製造される直鎖状低密度ポリエチレン、またはメタロセン触媒を用いて製造されるエチレン・αーオレフィン共重合体(以下、MeLLDPE)などが包含される。これらのうちでは、MeLLDPEが機械的特性にすぐれ、低融点でブロッキングを発生しやすいなどの点から好適に用いられる。LLDPEのメルトフローレート(以下、MFR)は0.1〜30g/10minが好ましく、1〜10g/10minがより好ましい。 【0008】本発明に使用される高密度ポリエチレン(以下、HDPE)とは、密度が0.945〜0.960g/cm3が好ましく、公知のチーグラー触媒等を用いて中低圧法で製造される。HDPEのメルトフローレート(以下、MFR)は0.1〜30g/10minが好ましく、1〜10g/10minがより好ましい。 【0009】LLDPEとHDPEの配合割合は、LLDPEが70〜90重量%、HDPEが10〜30重量%で、好ましくはLLDPEが75〜85重量%、HDPEが15〜25重量%である。HDPEの割合が10重量%未満では、延伸効果上がらず引張強度が不十分で農業用ハウスに張設されたフィルムを押さえるというハウスバンドの目的の達成が困難となり、30重量%を超えると透光率が低下するとともに、縦裂けし易くなり好ましくない。 【0010】本発明において、上記LLDPE及びHDPEからなる組成物を用いて、インフレーション法によりテープを成形するものである。インフレーションフィルム成形法は、溶融状態にある上記組成物を環状押出ダイスの環状押出スリットから管状体に押出し、その管状体の内部には環状押出ダイスのエア注入口から高圧エアを注入して所定のブローアップ比で膨張させてバブルを形成し、バブルの外部から冷却エアを吹き付けてバブルを冷却固化させ、ニップロールでニップして連続的に巻取り管状フィルムからなるテープを最初に形成する。 【0011】前記管状フィルムには、内部に高圧エアを注入して所定のブローアップ比で膨張させて横方向へ延伸しつつ薄肉化するとともに、巻取り方向へも延伸しつつ薄肉化する。このとき、延伸倍率として3〜5倍で延伸することが肝要である。延伸倍率が3倍未満では樹脂組成物の延伸効果、特にHDPEの延伸効果が上がらず引張強度が不十分となり好ましくなく、5倍を超えると高密度ポリエチレンの結晶化が促進されて透光性が低下するので好ましくない。 【0012】上記ブローアップ工程において、ブローアップと同時に外部からは冷却エアで冷却されてフロストラインが形成され、冷却固化されてバブル(すなわちフィルム)の厚みも固定化される。冷却固化されたバブルはニップロールでニップされて連続的に巻取られる。このニップロールでニップされて、管状フィルムはブロッキングにより一体化して巻取られ、1枚のテープに形成される。ブロッキングを強力に発現させ、表裏面のフィルムが一体化して剥離しないようにするためには、冷却エアによる冷却を弱くしてバブルの温度が低下し過ぎないようにし、ニップロールのニップ圧を高くするなどしてブロッキング度を上げてやるのが好ましい。 【0013】上記のようにして形成されるテープの厚みは、40〜100μmが好ましく、50〜80μmがより好ましい。テープ厚みが40μm未満では、ハウスバンドとしての強力が不十分で、100μmを超えると透光性が低下するうえに、柔軟性を失い取扱い性が劣り好ましくない。 【0014】ハウスバンドは、幅40〜100mmで使用されるが、環状押出ダイスのサイズとブローアップ比を調節することにより管状フィルムをそのまま巻取りテープとするのが好ましいが、ブローアップ比を大きくとり所定幅に細断して使用してもよい。いずれにしても、管状フィルムはブロッキングを発現させて上下のフィルムがハウスバンドとして使用時に剥離せずに使用できることが肝要である。 【0015】上記テープは、JISL1055に基づき測定した透光率が70%以上であることが重要である。透光率が70%未満では、ハウス内の植物の生育性を低下させるので好ましくない。 【0016】上記ハウスバンドには、耐候性を向上させるためにヒンダードアミン系光安定剤または紫外線吸収剤を配合するのが好ましい。 【0017】上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールとコハク酸ジエチルの重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサンと2,4-ジクロロ-6-第3オクチルアミノ-s-トリアジンの重縮合物等が挙げられる。光安定剤の配合割合は前記組成物に対して0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。 【0018】上記紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5′-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-(2′-ヒドロキシ -5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2′-メチレンビス(4-t-オクチル-6-ベンゾトリアゾル)フェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3′-5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3-5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の配合割合は前記組成物に対して0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。 【0019】本発明に用いられるポリオレフィンには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤を配合してもよい。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のハウスバンドは、特定の樹脂組成物からなり、特定の加工法で得られるテープであって、農業用ハウスを被覆するポリオレフィン製フィルムを押さえるハウスバンドとして使用され、ハウスバンドとして必要な強度を備えているとともに、ポリオレフィン製フィルムに擦れてフィルムを破損させることが少なくなり、かつ透光性にすぐれ、透光性の低下による植物の生育性の低下を招致することのないという実用的効果にすぐれたものである。 【0021】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。 実施例1:メタロセン触媒によるエチレン・αーオレフィン共重合体(MFR=4.0g/10min、密度=0.910g/cm3、Tm=104℃、Mw/Mn=2.5)80重量%、及び高密度ポリエチレン(MFR=2.0g/10min、密度=0.958g/cm3)20重量%にヒンダードアミン系光安定剤(商品名:キマソーブ944)0.3重量%を配合した組成物を用いて、インフレーションフィルム成形法により管状フィルムを形成し、延伸倍率4倍で延伸し、管状フィルムにブロッキングを発現させて一体化して巻取り、テープを得た。得られたテープは、管状フィルムからなるテープ厚み60μm、テープ幅50mm、JISL1055に基づき測定した透光率は82%であった。このテープを、図1に示すように、農業用ハウス1に被覆するポリオレフィン製フィルム3の押さえ用に使用したところ、管状フィルムのブロッキングが強力に発現して剥離することなく、引張強度、透光性、耐候性にすぐれ、ハウスバンド4として好適に使用することができた。 【0022】比較例1:実施例1に用いたメタロセン触媒によるエチレン・αーオレフィン共重合体100重量%を用いてテープを形成した他は実施例1と同様に行った。得られたテープは引張強度が不十分で、ハウスバンドとして好ましくなかった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000234122 【氏名又は名称】萩原工業株式会社 【住所又は居所】岡山県倉敷市水島中通1丁目4番地
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| 【出願日】 |
平成14年4月4日(2002.4.4) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−289725(P2003−289725A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月14日(2003.10.14) |
| 【出願番号】 |
特願2002−101955(P2002−101955) |
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