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【発明の名称】 植物転倒防止装置
【発明者】 【氏名】山川 務

【要約】 【課題】植物の転倒を防止するためのネットの張設作業を容易にすることができると共に、効果的な散水、防除作業をすることができる植物転倒防止装置を提供すること。

【解決手段】植物の転倒を防止するためのネット4は、枠体6によって自立して立設可能にされた複数本の支柱3に囲まれた所定範囲内に張設される。支柱3にはネット4を支持するために、支柱3に沿って移動可能なネット支持金物10が挿嵌されており、ネット4の端部はネット支持金物10に掛止されている。ネットの張設高さは、このネット支持金物10を支柱3に沿って移動させることによっ調節される。また、苗に対して下方から上方に向かって水や消毒液を散布するノズル27が支柱3の下方に配設された流入管7に装着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地表から上方に向かって成長する植物が転倒することを防止するために、その植物が挿通された状態で、その植物の周りを囲うための網目を有するネットを備えた植物転倒防止装置において、前記ネットを所定範囲において張設するために、地表面側を一端として前記ネットを囲うように点在して立設される複数本の支柱と、その複数本の支柱を自立して立設させるために、各支柱の他端と連結された連結部を有する枠体とを備えていることを特徴とする植物転倒防止装置。
【請求項2】 前記支柱の一端に敷設され、前記支柱を地表面において支持するために平板状に形成されたベースプレートと、そのベースプレートの地表面に当接する一面から地中に向かって尖端状に連設され、地中に埋設される埋設部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の植物転倒防止装置。
【請求項3】 前記ベースプレートの他面から立設され、外周面にネジが刻設された螺杆と、その螺杆に螺着するように内周部にネジが刻設されると共に、前記支柱の一端を着座させる着座部を有する筒状体と、その筒状体の外周面から突設され、前記筒状体を回動させる外力を加えるための操作ハンドルとを備えていることを特徴とする請求項2に記載の植物転倒防止装置。
【請求項4】 前記支柱に沿って移動可能に挿嵌され、前記ネットを支持すると共に、前記ネットの張設高さを調節する支持金物を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の植物転倒防止装置。
【請求項5】 前記枠体と支柱とを連結する連結部は、前記支柱の他端を支点として前記支柱を回転可能に支持するために、前記枠体と支柱とに挿嵌される支持軸を介して連結されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の植物転倒防止装置。
【請求項6】 前記枠体と支柱とを連結する連結部は、前記枠体に支柱を着脱自在に挿嵌させる挿嵌部材によって連結されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の植物転倒防止装置。
【請求項7】 前記枠体または支柱の少なくとも一方は、分離可能に連結された少なくとも2以上の部材によって構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の植物転倒防止装置。
【請求項8】 前記複数の支柱のうち、少なくとも2本以上の支柱の一端側に横架され、前記植物に供給する液体が流入する流入管と、その流入管の途中に配設され、流入管を通過する液体を前記植物に向かって噴射するノズルとを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の植物転倒防止装置。
【請求項9】 前記枠体または支柱には、本装置を吊り下げるための吊り下げ手段と連結するための連結部材が配設されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の植物転倒防止装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、地表から上方に向かって成長する植物をネットの網目に挿通した状態にして、その植物が転倒することを防止するための植物転倒防止装置に関し、特に、そのネットの張設作業を容易にすることができると共に、効果的な散水、防除作業をすることができる植物転倒防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来より、上方に向かって成長する植物については、その植物をネットの網目に挿通した状態にして、その植物の周りをネット網目によって囲うことにより植物が転倒するのを防止する方法が用いられている。ここで、図8を参考に、上方に向かって成長する植物として電照菊を例に挙げ、電照菊の栽培過程における前記ネットの張設作業について説明する。尚、電照菊は、一般にビニールハウス内で栽培され、夜間にビニールハウスの天井から吊るされた電灯をつけて日照時間を伸ばし、花に錯覚をおこさせて開花を人為的に調整しながら栽培されるものである。
【0003】電照菊の栽培過程においては、まず、ハウス内に電照菊の苗を植えるための苗床を作成する。苗床が作成されると、図8(a)に示すように、規則的に並んで形成された複数の網目50aを有するネット50を苗床に敷き、そのネット50の四隅に杭51を打ち込む。苗床にネット50が敷かれると、そのネット50の網目50a内に苗を植えていく。こうして、苗が網目50aを通って上方に向かって成長してくると、図8(b)に示すように、杭51の他に杭52をネット50を囲うように更に打ち込んでいく。ネット50を囲うように杭51,52が立設されると、その杭51,52に苗床に敷かれたネット50を紐等によって括りつけ、成長した苗の高さに対して、適度な高さまでネット50を上方に向けて平行移動させる。よって、成長した苗はネット50の網目50aに周囲を囲われた状態になり、ネット50の網目50aによって周囲を囲われ、転倒しないように支持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述した方法では、苗の転倒を防止するためのネット50を張設するために複数本の杭51,52を地中に打ち込まなければならない。この杭打ち作業は、ハンマーや手動の杭打機等を使って杭51,52を地中に約1m程度打ち込んでいくため、作業員にとって重筋作業であり、特に、杭打機を用いた場合には、排ガスによる喘息や、振動による白労病等を引き起こし、人体へ悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0005】また、苗の成長過程においては散水作業や、防虫駆除のための防除作業が必要になってくる。従来においては、ビニールハウス内の上方に設置されたノズルから下方の苗に向かって、水や消毒液を散布していた。しかしながら、かかる方法では葉の裏側に水や消毒液が行き届かず効果的な散水、防除作業ができないという問題点があった。
【0006】本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、植物の転倒を防止するためのネットの張設作業を容易にできると共に、効果的な散水、防除作業をすることができる植物転倒防止装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の植物転倒防止装置は、地表から上方に向かって成長する植物が転倒することを防止するために、その植物が挿通された状態で、その植物の周りを囲うための網目を有するネットを備え、前記ネットを所定範囲において張設するために、地表面側を一端として前記ネットを囲うように点在して立設される複数本の支柱と、その複数本の支柱を自立して立設させるために、各支柱の他端と連結された連結部を有する枠体とを備えている。
【0008】この請求項1記載の植物転倒防止装置によれば、植物の転倒を防止するための網目を有するネットは、地表面側を一端として、そのネットを囲うように立設される複数本の支柱によって所定範囲において張設される。この複数の支柱の各他端には枠体が連結されているため、複数本の支柱は互いに支持し合って自立して立設する。
【0009】請求項2記載の植物転倒防止装置は、請求項1記載の植物転倒防止装置において、前記支柱の一端に敷設され、前記支柱を地表面において支持するために平板状に形成されたベースプレートと、そのベースプレートの地表面に当接する一面から地中に向かって尖端状に連設され、地中に埋設される埋設部とを備えている。
【0010】請求項2記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1記載の植物転倒防止装置と同様に作用する上、自立して立設される複数本の支柱は、地中に埋設される埋設部と地表面に載置されるベースプレートとによって支持される。
【0011】請求項3記載の植物転倒防止装置は、請求項2に記載の植物転倒防止装置において、前記ベースプレートの他面から立設され、外周面にネジが刻設された螺杆と、その螺杆に螺着するように内周部にネジが刻設されると共に、前記支柱の一端を着座させる着座部を有する筒状体と、その筒状体の外周面から突設され、前記筒状体を回動させる外力を加えるための操作ハンドルとを備えている。
【0012】請求項3記載の植物転倒防止装置によれば、請求項2に記載の植物転倒防止装置と同様に作用する上、ベースプレートから立設する螺杆に螺着している筒状体の着座部に、支柱の一端を着座させ、筒状体から突出した操作ハンドルに外力を加えると、筒状体は螺杆に沿って上下に移動する。その筒状体の上下移動に伴い、筒状体の着座部に着座している支柱も上下に移動する。
【0013】請求項4記載の植物転倒防止装置は、請求項1から3のいずれかに記載の植物転倒防止装置において、前記支柱に沿って移動可能に挿嵌され、前記ネットを支持すると共に、前記ネットの張設高さを調節する支持金物を備えている。
【0014】請求項5記載の植物転倒防止装置は、請求項1から4のいずれかに記載の植物転倒防止装置において、前記枠体と支柱とを連結する連結部は、前記支柱の他端を支点として前記支柱を回転可能に支持するために、前記枠体と支柱とに挿嵌される支持軸を介して連結されている。
【0015】請求項6記載の植物転倒防止装置は、請求項1から4のいずれかに記載の植物転倒防止装置において、前記枠体と支柱とを連結する連結部は、前記枠体に支柱を着脱自在に挿嵌させる挿嵌部材によって連結されている。
【0016】請求項7記載の植物転倒防止装置は、請求項1から6のいずれかに記載の植物転倒防止装置において、前記枠体または支柱の少なくとも一方は、分離可能に連結された少なくとも2以上の部材によって構成されている。
【0017】請求項8記載の植物転倒防止装置は、請求項1から7のいずれかに記載の植物転倒防止装置において、前記複数の支柱のうち、少なくとも2本以上の支柱の一端側に横架され、前記植物に供給する液体が流入する流入管と、その流入管の途中に配設され、流入管を通過する液体を前記植物に向かって噴射するノズルとを備えている。
【0018】請求項8記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の植物転倒防止装置と同様に作用する上、少なくとも2本以上の支柱の下方に横架された流入管に流入された液体は、その流入管の途中に配設されたノズルから、植物に向かって噴射される。
【0019】請求項9記載の植物転倒防止装置は、請求項1から8のいずれかに記載の植物転倒防止装置において、前記枠体または支柱には、本装置を吊り下げるための吊り下げ手段と連結するための連結部材が配設されている。
【0020】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である植物転倒防止装置1を示した斜視図である。植物転倒防止装置1は、地表面から上方に向かって成長する植物をネット4の網目4aに挿通した状態にして、その植物の周りを網目4aで囲うことによって植物が転倒するのを防止するための装置である。尚、本実施例においては、地表面から上方に向かって成長する植物として電照菊を例に挙げて説明するが、地表面から上方に向かって成長する植物としは電照菊に限定されるものではなく、チューリップやガーベラ等であっても良い。
【0021】この植物転倒防止装置1は、地表面側を一端としてネット4を囲うように点在して立設される4本の支柱3と、4本の各支柱3の他端と連結部5において連結された枠体6と、4本の支柱3のうち長手方向において対峙する2本の支柱3に横架された流入管7と、4本の支柱3に囲まれて張設されるネット4とによってに構成されている。
【0022】支柱3は、ネット4を所定範囲において張設するためのものである。チタン金属製であって中空円筒状に形成されている。支柱4には一端から他端に向かって順番に足場部材8と、流入管固定金物9と、ネット支持金物10とが配設されており、他端の連結部5において枠体6と連結されている。尚、支柱3は、チタン金属製に限られるものではなくステンレス、アルミ等で構成しても良く、また、ポリカーボネイト、ポリアミド等の硬質の合成樹脂で構成しても良い。
【0023】足場部材8は、支柱3の一端に着脱自在に装着され、支柱3を安定して支持すると共に、支柱3の高さを調節するためのものである。この足場部材8と後述する流入管固定金物9とについては図2を参照して説明する。図2は足場部材8と流入管固定金物9とを示した拡大斜視図である。足場部材8は地表面に載置されるベースプレート11と、そのベースプレート11の地表面に当接する一面11aから地中に向かって連設され、地中に埋設される埋設部12と、ベースプレート11の他面11bから立設され、外周面に雄ネジが刻設された螺杆13と、その螺杆13に螺着するように内周部に雌ネジが刻設された筒状体14と、筒状体14の外周面から突設された操作ハンドル15とから構成されている。
【0024】ベースプレート11は、支柱3を地表面において支持するためのものである。平面視矩形状の平板状に形成されており、一面11aが地表面に当設するように載置される。よって、支柱3の圧力を分散して支持でき、本装置1を安定して設置することができる。ベースプレート11の一面11aから連設された埋設部12は、ベースプレート11と同様に支柱3を支持するためのものである。地中に向かって尖端状に形成されており、地中へ埋設する際の抵抗が軽減されるように形成されている。この埋設部12を地中に埋設することによって、一層、本装置1を安定して設置することができる。また、地表面に載置されるベースプレート11によって地中に埋設される部分が制限されているので、埋設部12が必要以上に地中に埋設されることはない。
【0025】一方、ベースプレート11の他面11bから立設した螺杆13と、その螺杆13に螺着した筒状体14と、操作ハンドル15とは、支柱3の高さを調節するためのものである。筒状体14の上面には、支柱3の一端を着座させる着座部14aが形成されており、中空円筒状に形成された支柱3の一端は着座部14aに着座する。着座部14aに支柱3の一端が着座した状態で、筒状体14の外周面から突出した操作ハンドル15に外力を加えると、螺杆13に螺着した筒状体14は螺杆13に沿って上方向または下方向に移動する。その筒状体14の上下移動に伴い、筒状体14の着座部14aに着座している支柱3も上方向または下方向に移動することになる。
【0026】よって、本装置1を傾斜した地表面に設置した場合であったも、操作ハンドル15を回転させ、支柱3の高さを調節することによって、傾斜した地表面であっても本装置1を水平な状態で設置することができる。
【0027】足場部材8の上方に配置された流入管固定金物9は、後述する流入管7を支柱3の下方において固定するためのものである。流入固定金物9は各支柱3の下方に固着されており、長手方向に並ぶ2つの流入管固定金物9が、それぞれ流入管7の一端と他端とをそれぞれ固定する。
【0028】流入管固定金物9は、図2に示すように、支柱3に溶接される立壁16aおよびその立壁16bの下端から水平方向に突出した底壁16bを有する第1L型金具16と、その第1L型金具16の底壁16bの端部に連結ピン17によって回動可能に結合され、第1L型金具16と略同様の形状を有し、第1L型金具16との間に流入管7を挟み込む第2L型金具18とによって構成されている。また、第1L型金具16の上端にはナット19が螺着されたボルト20が回動可能に結合されており、第2L型金具18の上端には、そのボルト20と嵌合する嵌合溝21が形成されている。
【0029】流入管7の一端と他端とは、支柱3の長手方向に並ぶ2つの流入管固定金物9の底壁16bに、それぞれ載置される。載置された流入管7を覆うように第2L型金具18を回動させると共に、第1L型金具16に結合されたボルト20を第2L型金具18の嵌合溝21に挿嵌する。その状態でボルト20に螺着されたナット19を締結することにより流入管7を固止する。
【0030】尚、この流入固定金物9は流入管7を支持できれば良く、上述した構成に限定されるものではない。例えば、フック状、アーチ状に形成された支持金物を支柱3の下方に固着しても良い。また、流入管固定金物9は支柱3に必ず固着される必要はなく、流入管固定金物9は支柱3に着脱自在に装着されるものであっても良い。
【0031】流入管固定金物9の上方に配置されたネット支持金物10は、ネット4を支持すると共に、ネット4の張設高さを苗の成長に応じて調節するためのものであり、各支柱3に沿って移動可能に挿嵌されている。ネット支持金物10については、図3を参照して詳細に説明する。図3はネット支持金物10を示した拡大図である。ネット支持金物10は、支柱3に沿って移動可能に挿嵌された移動体21と、その移動体21の側壁に螺着され、その端部において支柱3と接触して移動体21を支柱3に固定する蝶ネジ22と、その蝶ネジ22が螺着された側面の反対側にネット4の一端を掛止するU型フック23とによって構成されている。
【0032】ネット4の一端はU型フック23に掛止され、ネット4は支柱3が立設された範囲内に張設される。苗の成長に伴い適度な位置において苗を支持するために、張設したネット4を上方に移動する場合には、移動体21に螺着して、その端部において支柱3と接触している蝶ネジ22を支柱3から解離して、適度な位置まで移動体21を移動させる。この位置において蝶ネジ22を締結して、その端部を支柱3に接触させて、移動体21を支柱3に固定する。このような操作を各支柱3に挿嵌されたネット支持金物10において行い、ネット4の張設高さを調節する。よって、従来のようにネット4の一端と支柱とを紐で掛止して、ネット4の高さを調節する度に、その紐を結び直す必要はなく、ネット4の高さ調節を容易に行えることができる。
【0033】ネット支持金物10の上方における支柱3の他端は、枠体6と連結されている。枠体6は、支柱3を自立して立設させるためのものである。チタン金属製の平板によって略矩形状に形成されている。矩形状に形成された四隅部には、支柱3の他端と連結するための連結部5が形成されている。
【0034】この連結部5の詳細について、図4を参照して説明する。図4(a)は図1における連結部5を矢印A方向から示した拡大図であり、図4(b)は図1における連結部5を矢印B方向から示した拡大図である。図4に示すように連結部5は、支柱3の他端を挟み込むために、枠体6の四隅から垂下された一対の羽出しプレート25,25と、その羽出しプレートに挟まれた支柱3の他端を支点として支柱3を回動可能にするために、羽出しプレート25,25と、支柱3の他端とに挿嵌された支持軸25とによって構成されている。
【0035】よって、支柱3は支持軸25に軸止された支柱3の他端を支点として矢印C方向に回動でき、本装置1を収納する場合には、高さ方向に立設されている支柱3を折りたたみ2次元的な状態で本装置1を収納することができる。
【0036】次に、図5を参照して上述した連結部5に関する第2実施例ついて説明する。図5は連結部5の第2実施例を示した分解斜視図である。この第2実施例における連結部5は、挿嵌部材26によって枠体6と支柱3とを連結するものである。尚、この第2実施例においては、枠体6は分離、連結可能な2つの部材6aと6bとによって構成されている。挿嵌部材26は、長手方向の枠体部材6aを挿嵌する挿嵌孔26aと、長手方向と直交する辺を構成する枠体部材6cを挿嵌する挿嵌孔26bと、支柱3を挿嵌する26cとの3つの挿嵌孔を備えている。
【0037】この3つの挿嵌孔26a、26b、26cに枠体6a、6cの端部と支柱3の端部とを挿嵌させ枠体6と支柱3とを連結する。このように連結部5をはめ込み式に構成すれば、本装置1を収納する場合には、再度、枠体6と支柱3とを分離でき、コンパクトに収納することができる。
【0038】上述した支柱3の下方に固着された流入管固定金物9に固定される流入管7は、苗に供給される水や消毒液等の液体を流入するためのものである。この流入管7は中空円筒状に形成されており、その一端には、かかる液体を供給するために供給ホース29を介して供給ポンプ28が接続されている。また、流入管7の途中には、苗に対して液体を放射線状に噴射する複数個のノズル27が適度な間隔をあけて配設されている。
【0039】供給ポンプ28から供給される液体は、供給ホース29を介して流入管7に供給される。流入管7に液体が供給されるとノズル27から苗に向かって放射線状に液体が噴射される。この流入管7は支柱3の下方に配設されているので、ノズルから噴射される液体は、苗の下方から上方に向かって噴射される。よって、葉の裏側にも液体を噴射でき、効果的な散水、防除作業をすることができる。
【0040】次に、植物転倒防止装置1の使用方法について説明する。この植物転倒防止装置1は、ビニールハウス内に複数台並べて設置され使用されるものである。本装置1を設置する前に、ビニールハウス内において苗を植え付ける所定範囲を耕し苗床を作成する。作成された苗床にネット4を敷設し、ネット4の網目4a内に苗を植え付けてゆく。
【0041】苗が所定の高さまで成長すると、苗床に敷設したネット4の四隅に足場部材8を載置し、足場部材8に螺着されている筒状体14の着座部14aに、予め組み立てられた支柱3の一端を着座させる。この状態で地表面の傾斜により本装置1が傾斜しているようであれば、操作ハンドル15を回動して、本装置1が水平に設置されるように各支柱3の高さを調節する。
【0042】本装置1を設置した後は、地表面に敷設されたネット4の端部を支柱3に挿嵌されたネット支持金物10のU型フック23に掛止して、ネット4を支柱3が立設された範囲内に張設する。苗が更に成長した場合には、適度な位置において苗を支持するために、ネット支持金物10を支柱3に沿って上方に移動させる。尚、苗が成長する間の散水作業や防除作業は、支柱3に取り付けられた流入管7のノズル27から、水や消毒液を噴射して適宜行われる。
【0043】こうして、ネット4の網目4aによって周囲を支持され、転倒することなく成長した苗は、下方から切断されてネット4の網目4aから引き抜かれる。本装置1を収納する場合には、ネット4、流入管7、足場部材8を支柱3から取り外し、最後に支柱3を支柱3の他端を支点として折りたたみ、コンパクトな状態となって収納される。
【0044】以上説明したように、本実施例の植物転倒防止装置1によれば、苗の転倒を防止するためのネット4を張設する場合に、従来のように複数本の杭を地中に打ち込む必要はない。ネット4を張設する支柱3を立設するには、足場部材8を地中に載置してゆき、その足場部材8に、枠体6によって自立して立設可能に構成された支柱3を着座させれば良い。よって、杭打ち作業を省略でき、杭打ち作業によって作業員が喘息や白労病等を引き起こす心配はなく、容易に苗の転倒を防止するためのネット4を張設することができる。
【0045】以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0046】例えば、上記実施例の植物転倒防止装置1では、本装置1の収納方法として、折りたたむ場合と、分割する場合とについて説明した。しかしながら、本装置1の収納方法としては、かかる収納方法には限定されることない。例えば、本装置1をビニールハウス内に吊り下げるように収納しても良い。例えば、枠体6に吊り下げ手段としてのロープを括り付け、ビニールハウス内の天井面設けた滑車を介して、枠体6に括りつけたロープを引き本装置1を吊り上げて、本装置1をビニールハウス内の上方において収納するようにしても良い。また、支柱3や枠体6にロープを括りつけるための金物(連結部材)を予め固着させておけば、ロープの取り付け作業が容易になる。
【0047】また、上記実施例の植物転倒防止装置1では、支柱3または枠体6は1の部材である場合と、分離可能な2以上の部材である場合とについて説明した。しかしながら、支柱3または枠体6を伸縮可能に構成しても良い。例えば、支柱3または枠体6を構成する部材を径の異なる2本以上の中空円筒状に構成し、径の大きい1の部材に、径の小さい他の部材を収納するように構成しても良い。かかる場合にもコンパクトに本装置1を収納することができる。
【0048】また、上記実施例の植物転倒防止装置1では、ネット4を支持するためのネット支持金物10を蝶ネジ22によって固定、移動させる場合について説明した。しかしながら、このネット支持金物10を固定、移動させるための手段としては、蝶ネジ23に限定されるものではない。例えば、予め支柱3に沿って複数の孔を穿設しておき、苗の成長に対応した位置の孔まで移動体21を移動させ、支柱3に穿設された孔と、移動体21に穿設された孔とを合致させ、その合致した孔に固定棒を挿嵌して、移動体21を固定するようにしても良い。
【0049】また、上記実施例においては、ネット4を張設するために、ネット4の端部をネット支持金物10のU字型フック23に掛止する場合につてい説明した。しかしながら、ネット4が大きく、ネット4の端部を掛止するだけでは、ネット4を張設できない場合には、ネットの周囲に棒状体を編み込んで、その棒状体を支柱に挿嵌されたネット支持金物10に掛止するように構成しても良い。
【0050】
【発明の効果】 請求項1記載の植物転倒防止装置によれば、植物の転倒を防止するための網目を有するネットは、地表面側を一端として、そのネットを囲うように立設される複数本の支柱によって所定範囲において張設される。この複数の支柱の各他端には枠体が連結されているため、複数本の支柱は互いに支持し合って自立して立設する。よって、従来のようにネットを張設するために複数本の杭を地中に打ち込む必要はない。従って、ネットを張設するための杭打ち作業を省略でき、杭打ち作業による人体への悪影響を防止することができるという効果がある。
【0051】請求項2記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、自立して立設される複数本の支柱は、地中に埋設される埋設部と地表面に載置されるベースプレートとによって支持される。よって、自立して立設している支柱を一層安定して立設させることができるという効果がある。また、ベースプレートは地表面に載置されるので、埋設部が必要以上に埋設されるのを防止することができるという効果がある。
【0052】請求項3記載の植物転倒防止装置によれば、請求項2に記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、ベースプレートから立設する螺杆に螺着している筒状体の着座部に、支柱の一端を着座させ、筒状体から突出した操作ハンドルに外力を加えると、筒状体は螺杆に沿って上下に移動する。その筒状体の上下移動に伴い、筒状体の着座部に着座している支柱も上下に移動する。よって、支柱の高さを調節することができる。従って、例えば、傾斜のある苗床に本装置を設置した場合であっても、支柱の高さを調節することによって本装置を水平に設置することができるという効果がある。
【0053】請求項4記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、支柱に沿って移動可能に挿嵌され、ネットを支持すると共に、ネットの張設高さを調節する支持金物を備えている。よって、植物の成長に応じて、張設したネットの高さを容易に調節することができるという効果がある。
【0054】請求項5記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、枠体と支柱とを連結する連結部は、支柱の他端を支点として前記支柱を回転可能に支持するために、枠体と支柱とに挿嵌される支持軸を介して連結されている。よって、支柱を回動させ、支柱を折りたたむことができ、本装置を省スペースで収納することができるという効果がある。
【0055】請求項6記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、枠体と支柱とを連結する連結部は、枠体に支柱を着脱自在に挿嵌させる挿嵌部材によって連結されている。よって、支柱と枠体とを分離して収納でき、本装置を省スペースで収納することができるという効果がる。
【0056】請求項7記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、枠体または支柱の少なくとも一方は、分離可能に連結された少なくとも2以上の部材によって構成されている。よって、一層省スペースで本装置を収納することができるという効果がある。
【0057】請求項8記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、少なくとも2本以上の支柱の一端側に横架された流入管に流入された液体は、その流入管の途中に配設されたノズルから植物に向かって噴射される。よって、植物の下方から上方に向けて液体を噴射することができる。従って、葉の裏側にも液体が行き届き、効果的な防除作業や散水作業を行うことができるという効果がある。
【0058】請求項9記載の植物転倒防止装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の植物転倒防止装置の奏する効果に加え、枠体または支柱には、本装置を吊り下げるための吊り下げ手段と連結するための連結部材が配設されている。よって、例えば、ビニールハウス内に本装置を設置する場合には、連結部材と連結された吊り下げ手段によってビニールハウス内の上方から本装置を吊り下げた状態において本装置を収納することができ、収納スペースを効率的に確保することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】502125463
【氏名又は名称】山川 務
【出願日】 平成14年4月8日(2002.4.8)
【代理人】 【識別番号】100103045
【弁理士】
【氏名又は名称】兼子 直久
【公開番号】 特開2003−289724(P2003−289724A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−105069(P2002−105069)