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【発明の名称】 刈取機のスロットル操作装置
【発明者】 【氏名】八代醍 忠雄
【住所又は居所】兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会社明石工場内

【氏名】山根 芳郎
【住所又は居所】兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会社明石工場内

【要約】 【課題】操作性の向上と作業効率の向上とを図ることができ、労力の消耗を低減することができる刈取機のスロットル操作装置を提供する。

【解決手段】長寸であり管状をなすロッド部2に、所定間隔だけ離隔して設けられた2つの第1グリップ部6a,7aのうち、基端側の第2グリップ部7aは、ロッド部2の長手方向に摺動可能として備えられている。また、前記第2グリップ部7aは、基端側にスロットルケーブル31が取り付けられ、前記第2グリップ部7aを先端側へ摺動することによりエンジン3のスロットルが開放されるようになっている。更に、前記第2グリップ部7aが摺動できる範囲は、支持ブラケットにより規制されており、また、常に基端側へ付勢されるようにスプリング75が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロッド部と、該ロッド部の基端側に設けられ、スロットルを有する原動部とを備え、前記ロッド部の先端に設けられ、前記原動部の駆動に基づいて往復動する切断刃により対象物を切断するための動力式刈取機のスロットル操作装置において、前記ロッド部の長手方向に沿って移動する移動部を備え、該移動部を移動させることにより前記スロットルを操作するようにしてあることを特徴とする刈取機のスロットル操作装置。
【請求項2】 前記移動部は、前記刈取機のグリップ部を成していることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。
【請求項3】 前記移動部は筒形状をなし、該移動部に前記ロッド部が嵌装され、前記スロットルを操作するためのスロットルケーブルの一端が前記移動部に取り付けられており、該移動部の可動範囲を規制する規制部材と、前記移動部を前記基端側へ付勢する付勢部材とを更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の刈取機のスロットル操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取機のスロットル操作装置、特に、椰子など、頭上の木の実及び枝葉等を切断して刈り取るための刈取機のスロットル操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】木の実の一種である椰子の実は、東南アジア等の地域において地上2〜3.5mの椰子の木に成っている。この実は、従来、無垢(中実)又は肉厚の丸棒からなる竿の先端に、平ノミ形状の切断刃が取り付けられた刈取道具を用い、該刈取道具を先方へ向かって突き出すことにより、椰子の実の根元を前記切断刃で切断して刈り取っていた。
【0003】しかしながら、前記刈取道具を用いて椰子の実を刈り取る作業においては、椰子の木の強靭な繊維を切断するために、前記刈取道具を先方へ向かって幾度も突き出す動作が必要となる。また、前記刈取道具は比較的重いため、幾度も突き出す動作を要する作業は、非常に体力を要する困難な作業であった。
【0004】そこで、本出願人は、エンジン等の動力を利用し、切断刃が先後方向に往復駆動される動力式の刈取機を提供している(特開2000-300091参照)。図9は、本出願人が従来提供している動力式の刈取機を示す斜視図である。図において1bは、従来の刈取機であり、該刈取機1bは、長寸であり管状のロッド部2と、該ロッド部2の基端側に取り付けられた原動部であるエンジン3と、前記ロッド部2の先端側に取り付けられ、回転運動を往復運動に変換するための運動変換部4と、棒状のシャンク部51を介して前記運動変換部4に取り付けられ、往復動することにより対象物を切断するための平ノミ形状の切断刃5とを備えている。また、前記ロッド部2の長手方向における略中央位置に設けられたグリップ部6bと、該グリップ部6bに対して間隔を空けロッド部2の基端側に設けられたグリップ部7bとを備えている。
【0005】基端側のグリップ部7bにはレバーが設けられており、該レバーにはエンジン3のスロットルを操作するためのスロットルケーブル31の一端が取り付けられている。そして、グリップ部7bのレバーを握ることによりスロットルケーブル31内のインナーケーブル(図示せず)が引っ張られ、エンジン3のスロットルは開放される。
【0006】例えば使用者は、左手でグリップ部6bを握り、右手でグリップ部7bを握り、ロッド部2の先端側に取り付けられた切断刃5を椰子の実の根元にあてがう。ここで、グリップ部7bに設けられたレバーを右手で握った場合、エンジン3のスロットルは開放されて該エンジン3は高速に回転駆動する。エンジン3の駆動により発生した回転駆動力は、ロッド部2の内部を貫くドライブシャフト(図8にてその一部を一点鎖線で示す)21により、先端側に取り付けられた運動変換部4へと伝達される。運動変換部4では、ドライブシャフト21により伝達された回転運動を往復運動に変換し、切断刃5を先方へ断続的に突き出させる。突き出された切断刃5は、あてがわれた椰子の実の根元を切断する。
【0007】上記のような従来の刈取機の場合、刈取道具を幾度も先方へ突き出す動作が不要となり、エンジン3にて発生する回転駆動力を利用して切断刃5のみを自動的に幾度も先方へ突き出させることができる。従って、強靭な繊維を有する椰子の木であっても、比較的容易に切断することができ、刈取機として極めて有用なものとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、効率良く対象物を切断するためには、切断刃5を対象物へ強く押し付ける必要があり、使用者は刈取機1bを先方へ向かって押し出すようにして支持しなければならない。他方、エンジン3のスロットルを操作するためには、刈取機1を押し出す方向に略直交する方向にレバーを握る必要がある。従って、刈取機1を用いて椰子の木等を切断する場合、使用者は直交する2方向へ力を作用させる必要があるため、若干操作性を欠き、また、力が分散してしまうため、労力を消耗し易いという問題点がある。
【0009】本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、操作性の向上と、作業効率の向上とを図り、労力の消耗を低減することができる刈取機のスロットル操作装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る刈取機のスロットル操作装置は、ロッド部と、該ロッド部の基端側に設けられ、スロットルを有する原動部とを備え、前記ロッド部の先端に設けられ、前記原動部の駆動に基づいて往復動する切断刃により対象物を切断するための動力式刈取機のスロットル操作装置において、前記ロッド部の長手方向に沿って移動する移動部を備え、該移動部を移動させることにより前記スロットルを操作するようにしてある。
【0011】このような構成とすることにより、刈取機を使用するときの該刈取機を押し出す向きと、スロットルを操作すべく移動部を移動させる向きとを同一方向とすることができ、刈取機の操作性を向上させることができる。
【0012】また、前記刈取機は、前記移動部が、前記刈取機のグリップ部を成している。
【0013】このような構成とすることにより、使用者は、グリップ部を把持して刈取機を確実に支持できる状態にてスロットルを操作することができ、また、前述と同様、スロットルを操作するときの操作の向きと刈取機を押し出す向きとが一致し、操作性及び作業効率が向上すると共に、力が分散せず従来に比して労力の消耗をより低減させることができる。
【0014】また、前記移動部は筒形状をなし、該移動部に前記ロッド部が嵌装され、前記スロットルを操作するためのスロットルケーブルの一端が前記移動部に取り付けられており、該移動部の可動範囲を規制する規制部材と、前記移動部を前記基端側へ付勢する付勢部材とを更に備えている。
【0015】このような構成とすることにより、移動部の可動範囲を適切に規制でき、移動部を操作したときに、使用者が意識せずともスロットルを適切に開閉することができ、また、移動部を操作しないときには付勢部材によって前記移動部は基端側へ付勢され、スロットルを自動的に閉じることができ、上述した如くの効果に加え、利便性が極めて優れた刈取機のスロットル操作装置を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る刈取機のスロットル操作装置の構成を示す斜視図である。図において1aは、本実施の形態に係る刈取機であり、該刈取機1aは、長寸であり管状のロッド部2と、該ロッド部2の基端側に取り付けられた原動部であるエンジン3と、前記ロッド部2の先端側に取り付けられ、回転運動を往復運動に変換するための運動変換部4と、棒状のシャンク部51を介して前記運動変換部4に取り付けられ、往復動することにより対象物を切断するための平ノミ形状をした切断刃5とを備え、更に、前記ロッド部2の長手方向における略中央位置に設けられた第1グリップ部6aと、該第1グリップ部6aに対して間隔を空けてロッド部2の基端側に設けられた本発明を特徴付ける第2グリップ部7aとを備えている。
【0017】エンジン3は、回転駆動力を発生させるものであり、本実施の形態では単気筒の2サイクルエンジンを用いるが、他のエンジンでもよく、また、原動部はエンジンに限られず電動モータ等を用いて実現してもよい。
【0018】ロッド部2は、中空の丸管形状をなしており、その管内を長寸であり棒状のドライブシャフト21(図1においてその一部を一点鎖線で示す)が貫通している。該ドライブシャフト21の基端側は、遠心クラッチ(図示せず)を介してエンジン3に結合され、先端側は、運動変換部4に結合されている。このような構成をなすことにより、エンジン3にて発生する回転駆動力は、前記ドライブシャフト21を介して運動変換部4へ伝達される。
【0019】なお、本実施の形態に係る刈取機1aは、椰子の実を採取するのに適したものを例示してあり、前記ロッド部2における基端側のエンジン3から先端側の切断刃5までの長さが約2.5mとなるように前記ロッド部2の長さを設定している。しかしながらこれに限られず、用途に応じて適宜長さとしてもよいことは言うまでもない。
【0020】運動変換部4は、エンジン3にて発生し、ドライブシャフト21を介して伝達される回転運動を往復運動に変換する。図2は、前記運動変換部4の構成を示す断面図であり、図2(a)は平面断面図、図2(b)は側面断面図を夫々示している。
【0021】運動変換部4は、ロッド部2とシャンク部51とに夫々結合すべく、また、回転運動を往復運動に変換するための機構を構成する回転部材41,ウェイト42,タペット43等を収容すべく、ケーシング40を備えている。前記ロッド部2とシャンク部51とは、所定間隔だけ夫々の軸が上下に離隔し、軸方向を一致させた状態にて前記ケーシング40により支持されている。また、前記ロッド部2はケーシング40に固着されているが、前記シャンク部51は、その軸方向(先後方向)へ所定長だけ移動可能にしてケーシング40により支持されている。
【0022】前記回転部材41は、上下に突出した軸部41aを有しており、軸部41aの上部はボールベアリングにより、また、軸部41aの下部はニードルベアリングにより、夫々ケーシング40内部で回転可能に支持されている。従って、前記回転部材41はケーシング40内部で軸部41aを中心軸にして回転可能となっている。
【0023】また、軸部41aの上部には、すぐばかさ歯車であるギヤ44aが取り付けられており、該ギヤ44aは、ロッド2内部を貫通するドライブシャフト21の先端に取り付けられたすぐばかさ歯車であるギヤ44bに歯合している。前記ギヤ44a,44bは夫々回転軸方向に対して歯が45°傾斜しているため、ドライブシャフト21が長手方向を軸にして回転した場合、軸部41aは、前記ドライブシャフト21の長手方向に直交する方向を軸として回転する。
【0024】また、回転部材41には、軸部41aに対して直交する方向を軸方向とするコイル状のスプリング45の一端が取り付けられており、他端にはウェイト42が取り付けられている。該ウェイト42は、回転部材41により、前記スプリング45の軸方向に移動可能に保持されている。
【0025】前記タペット43は、前記シャンク部51の基端側に備えられており、前記シャンク部51と同様、刈取機1aの先後方向へ所定長だけ移動可能にして支持されている。また、タペット43が最もその基端側に位置するときに前記回転部材41が回転した場合、該回転部材41の回転に伴って回転されるウェイト42により前記タペット43はその基端が衝打され、該タペット43は、衝打されことにより与えられた衝打力をシャンク部51へ伝達する。
【0026】このような構成を成す運動変換部4では、エンジン3が駆動することによりドライブシャフト21が回転し、回転駆動力がギヤ44a,44bを介して伝達されて、回転部材41が回転する。回転部材41が回転することにより軸部41aを中心軸としてウェイト42が回転され、一回転する度に該ウェイト42はタペット43の基端側を衝打する。更に、衝打されたタペット43は、シャンク部51の基端を衝打し、シャンク部51の先端に取り付けられた切断刃5は、前記シャンク部51と共に先方へ勢いよく突き出される。
【0027】なお、本実施の形態に係る刈取機1aでは、上述した如くの運動変換部4を用いるが、これに限られず、エンジン3にて発生する駆動力を利用して切断刃5を先方へ突き出させることができる他の構成としてもよい。
【0028】次に、第1グリップ部6aは、ゴム製(合成樹脂製)で管状をなしており、その内部をロッド部2が貫通し、該ロッド部2の長手方向における略中央部分に取り付けられている。
【0029】また、第2グリップ部7aは、前述した如く、本発明を特徴付けるものであり、前記第1グリップ部6aに対して間隔を空けてロッド部2の基端側の適宜位置に設けられている。図3は、第2グリップ部7aの側面図、図4は、第2グリップ部7aの側面断面図、図5は、第2グリップ部7aの断面図であり、更に、図5(a)は、図3のVa-Va矢視断面図、図5(b)は、図3のVb-Vb矢視断面図、図5(c)は、図3のVc-Vc矢視断面図である。
【0030】第2グリップ部7aは、断面の外形がいわゆる卵型形状、即ち、長軸の両端側の曲率を互いに異ならしめた略楕円形状の断面外形をなす筒型の把持部材71を有している(図5(b)参照)。該把持部材71は、前記曲率が小さい側を下向きにして、その内部のロッド挿入孔71bにロッド部2が遊嵌されている。前記把持部材71は合成樹脂製であり、使用者が把持するときのグリップ力を高めるために、外面にはゴム製のチューブが取り付けられている。また、把持部材71の下部には、後述するスライドバー74が挿通される第1挿通孔71aが設けられている。また、前記把持部材71の先端には、合成樹脂製の鍔部材72が前記把持部材71と一体的に設けられている。
【0031】該鍔部材72は、その外形が、前記把持部材71の断面より若干大きい前記卵型形状をなし、前記把持部材71と同様に、曲率が小さい側を下向きにしてある。また、鍔部材72の前部略中心部分には開口部2cが設けられている。該開口部72cは、前記ロッド挿入孔71bから拡径されるが如く、ロッド部2の管径より若干大きく形成されており、鍔部材72とロッド部2との間には、該ロッド部2の外周に沿って環状の第1溝部77bが形成されている。また、前記鍔部材72の下部には、後述するスライドバー74が挿通される第2挿通孔72aが設けられている(図4参照)。
【0032】なお、鍔部材72と把持部材71とを別個に製造した後に一体化してもよく、また、鍔部材72及び把持部材71をはじめから一体成型してもよい。このような前記把持部材71及び鍔部材72によって前記第2グリップ部7aが構成されている。
【0033】また、図3,4に示すように、第2グリップ部7aに対し、ロッド部2の先端側には、前記第2グリップ部7aの先端から適宜間隔を空けて前支持ブラケット73fが設けられ、ロッド部2の基端側には、前記第2グリップ7aの後端に隣接して後支持ブラケット73bが設けられている。前記支持ブラケット73fび後支持ブラケット73bは夫々、外形が前記卵型形状をなして略中心部分にロッド部2を挿入する貫通孔73fa,73baが設けられている。また、曲率が大きい側の端面から中心方向へ向かって、前記貫通孔73fa,73baに至るまでの切り欠部731f,731bが各々設けられている。更に、該切り欠部731f,731bの夫々の両側上部には、耳部732f,732bが突設されている。このような構成をなす前支持ブラケット73f及び後支持ブラケット73bは、夫々の貫通孔73fa,73baにロッド部2を挿通させた状態で、前記耳部732f,732bの夫々をネジで締めることにより、前記ロッド部2を挟んで取り付けられる(図5(a),(c)参照)。
【0034】また、前記前支持ブラケット73f後端面(第2グリップ部7a側の端面)における前記鍔部材72の開口部72cと相対する位置に、前記貫通孔73faから拡径された開口部73fbが設けられている。従って、前記支持ブラケット73fとロッド部2との間には、該ロッド部2の外周に沿って環状の第2溝部77fが形成されている。更に、支持ブラケット73fの後端面下部、及び支持ブラケット73bの前端面(第2グリップ部7a側の端面)下部の夫々には、後述するスライドバー74の端部を嵌着するための嵌着孔733f,733bが設けられている(図4参照)。
【0035】支持ブラケット73fと後支持ブラケッ73bとの間には、ロッド部2の下方に位置するようにスライドバー74が橋架されている。即ち、スライドバー74は、把持部材71が有する第1挿通孔71a内、及び鍔部材72が有する第2挿通孔72a内を挿通し、前記支持ブラケット73fが有する嵌着孔733fと前記後支持ブラケット73bが有する嵌着孔733bとに両端部が夫々嵌着されている。
【0036】また、前記支持ブラケット73f及び第2グリップ部7aの間では、ロッド部2に嵌入されたコイル状のスプリング75が、その両端部を前記第1溝部77b,第2溝部77fに嵌め込まれることにより取り付けられている。
【0037】従って、第2グリップ部7aは、前記スライドバー74によりロッド部2の周方向への回転が規制され、前記支持ブラケット73f及び後支持ブラケッ73bの間でロッド部2の長手方向へ摺動することができる。また、スプリング75により、第2グリップ部7aは常時ロッド部2の基端側へ付勢されている。
【0038】また、第2グリップ部7aの後部の下部、及び、支持ブラケット73bの下部には、夫々同一側方から切れ込みが入れられて切れ込み溝76f,76bが設けられている(図5(b)(c)参照)。前記切れ込み溝76fは、側面視で先端側が円形状の孔に形成さ該孔から後端面まで直線状の幅細の溝形成されている。他方、切れ込み溝76bは、先端側が小径で端側(ロッド部2の基端側)が大径であり、ロッド部2の長手方向を軸とする段付き円柱状の孔の側面に、先端側の孔の直径と同じ幅を有する溝が形成されてなしてある。前記切れ込み溝76f,76bには、エンジン3のスロットルの開閉を操作するためのスロットルケーブル31が取り付けられる。
【0039】図6は、スロットルケーブル31の構成を示す模式的斜視図である。スロットルケーブル31は、合成樹脂製のアウターチューブ31b内に、ワイヤを撚ったインナーケーブル31aが挿通されてあり、更に、アウターチューブ31bの端部から出ているインナーケーブル31aの端部に、円柱状であり金属製の係止片31cが取り付けられることにより構成されている。
【0040】スロットルケーブル31を前記切れ込み溝76f,76bに取り付ける手順は以下の通りである。初めに、アウターチューブ31bからインナーケーブル31aを若干引き出した状態にし、前記係止片31cを、第2グリップ部7aが有する切れ込み溝76fの先端側の孔(係止孔)に嵌め込む。次に、インナーケーブル31aを側方から切り込み溝76f,76b内に通す。この状態にて、前記アウターチューブ31bの先端を後支持ブラケット73bの後方から該後支持ブラケット73bの大径の孔(保持孔)に嵌め込む。【0041】この様にインナーケーブル31aの係止片31cを第2グリップ部7aの係止孔に取り付け、また、アウターチューブ31bの先端を後支持ブラケット73bの保持孔に取り付けておくことにより、図7に示すように第2グリップ部7aがロッド部2に沿って前方(ロッド部2の先端方向)へ摺動した場合、アウターチューブ31bは支持ブラケット73bにて固定的に支持され、インナーケーブル31aの係止片31cが引っ張られて、前記インナーケーブル31aのみが第2グリップ部7aに従って図に示す矢印Fの方向へ引っ張られる。これにより、エンジン3のスロットルは開放され、高速に回転しはじめる。この場合、第2グリップ部7aと前支持ブラケット73fとの間に設けられたスプリング75は圧縮された状態となっている。従って、第2グリップ部7aをフリーにした場合、該第2グリップ部7aは前記スプリング75の伸長方向への弾性力によって後端側の元の位置に押し戻され、スロットルが閉じてエンジン3はアイドリング状態となる。【0042】なお、本実施の形態では、エンジン3及びドライブシャフト21間に遠心クラッチが設けられているため、エンジン3を始動させた後、第2グリップ部7aを操作しない状態ではエンジン3はアイドリング状態となる。また、第2グリップ部7aを所定長さ摺動させることによりエンジン3の回転数が所定の回転数以上となった場合には、遠心クラッチが繋がり、エンジン3の回転駆動力がドライブシャフト21へ伝達される。
【0043】また、スプリング75は、第2グリップ部7aをロッド部2の基端側へ付勢するものであれば他の部材により実現してもよい。また、本実施の形態のように第2グリップ部7aに対して直接的に付勢すべくスプリング75を設ける他、インナーケーブル31aをロッド部2の基端側へ引っ張るようにエンジン3にて付勢部材を設けることにより、前記インナーケーブル31aの一端が取り付けられた第2グリップ部7aを前記基端側へ付勢するようにしてもよい。
【0044】次に、以上のように構成された刈取機1aの使用の態様について、図8を参照して説明する。使用者はまず、刈取機1aの第1グリップ部6aを左手で、第2グリップ部7aを右手で夫々把持することにより、刈取機1aを支持する。このとき、右手の人差し指と親指との側面を、鍔部材72に当接させておくことが望ましい。次に、例えば高所にある椰子の枝を切断するため、刈取機1aの先端の切断刃5を、切断する枝にあてがう。更に、エンジン3を駆動させるべく、右手で把持している第2グリップ部7aを先端側へ摺動させ、スロットルを開放する。
【0045】このとき、第2グリップ部7aを摺動させる向きと、切断刃5を枝に押し付ける向きとが一致するため、スロットルを開放するための操作を行うことによって、同時に切断刃5を枝に押し付けることができる。また、前述した如く、右手側面を鍔部材72に当接させておくことにより、第2グリップ部7aを把持する右手が先端側へ滑ることもなく効率良く力を加えることができ、安定した操作性を確保することができる。
【0046】このように、第2グリップ部7aを先端側へ摺動させた場合、スロットルは開放され、アイドリング状態であったエンジン3は高速に回転駆動しはじめる。エンジン3が所定速度以上の回転数となった場合、遠心クラッチの作用により、その回転運動はドライブシャフト21に伝達され、続いて、運動変換部4にて回転運動が往復運動に変換される。即ち、運動変換部4内のウェイト42が回転してタペット43を衝打し、衝打されたタペット43はシャンク部51を衝打する。衝打されたシャンク部51は、先端に取り付けられた切断刃5と共に先方へ勢いよく所定長さだけ突き出され、枝を切断する。
【0047】上述した如く、本実施の形態における刈取機1aは、第2グリップ部7a自身がスロットルの操作装置をなし、先後方向へ移動することによりスロットルの開閉操作が可能となっているため、使用者は、2以上の方向へ力を及ぼす必要がなくて力が分散されず、余計な労力を消耗するのを抑制することができ、刈取作業の効率が格段に向上すると共に、レバー等の部材が不要であり凹凸形状が減少するため、外見的にも優れた意匠を有するものとなる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、操作性の向上と、作業効率の向上とを図り、労力の消耗を低減することができる刈取機のスロットル操作装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月1日(2002.3.1)
【代理人】 【識別番号】100065868
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外6名)
【公開番号】 特開2003−250341(P2003−250341A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−55692(P2002−55692)